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面白かったです!
攻・ダムディはひたすら紳士で優しくスパダリで、包容力の塊。
頭も良いし武芸にも優れている。
根っからの紳士というか、人を邪険に扱うことはないんだろうなと思わせてくれるキャラクター。
受・ナランは、表紙のイラストからは儚げ美人かと思いきや、とにかく口下手で不器用で可愛らしく、でもきちんと芯のある子でした。
二人が近づいていく様は初々しくもあり、良い意味でやきもきします。
後半のダムディ視点のお話では、ダムディは会う前から肖像画でしか知らないナランを愛しく思い始めていたことがわかり、キュンとしました。
そっか。容姿に自信を持っていないナランだけど、ダムディは最初からシンプルに可愛いと思っていたのかと、なぜかこっちまで嬉しくなってしまいました。
シリアスな展開を予想していましたが、思いの外ほんわかしたストーリーで安心して読めました。
受けのナランは、「わたしは歴史ある大国アスタイダルガの第四皇子」と己に言い聞かせ鼓舞することで矜持を保っているお方。
自己評価が低く小心者なのにプライドは高く意地っ張りなナランの姿に、好印象を抱けぬままのスタートです。
でも読み進めていくと印象が変わっていきます。
アランは多言語の古文書も読み解けるくらいの読み書きの才能を持っているのに、筋肉主義な王宮のなかではそれが評価されていないだけなんです。
武力第一主義な王宮の中でアランの影は薄く、唯一の居場所は長兄に与えられた城内の書庫。
そんな彼が勇気を出して挨拶から始め、少しずつ歩みよっていく姿には思わず応援したくなりました。
嬉しかったのはお手紙やり取りシーン。
もしかしてこれは手紙のやり取りが続くのか?!と狂喜しましたが、一回のやり取りで終わってしまったわ……。
(文通とかお手紙やり取りする受け攻めが大好きなんだけど、現代日本ものでいまさら文通とかまず無理なんで…。)
攻めのダムディも、アランに悪印象は抱いていないようだし…という感じではありましたが、スルスルと恋に発展したところがちょい腑に落ちませんでした。
でも、そこは後半の攻め視点でちゃんと補ってくれているので無問題。
すんごく嬉しかったのは、あとがきの後に収録されていた短編「草原の星」
こういう後世に伝わっている二人みたいなのが大好きなので、特大ご褒美をいただいたような気持ちになりました。
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メモがわりに似たような締めくくりの作品。
・安西リカさん「王様に捧げる千夜一夜」
・貫井ひつじさん「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」
・月東湊さん「呪われた黒獅子王の小さな花嫁」
安西先生の紡ぐファンタジー。
楽しく読ませていただきました。
受様は、大国の第四皇子のナラン。
武芸は今ひとつだけど、知識は豊富で語学には優れた才を発揮。
そんなナランに政略結婚が持ち上がる。
お相手は攻様である小国の王弟であり、騎馬隊長も務める美丈夫、ダムディ。
結婚式で正式に顔を合わせるところからスタート。
最初、「第四皇子」という矜持が高い上にグルグル悩むナランがちょっとめんどくさくて、この子好きになれるかなぁ、と思っていたのですが。
敵対していた国との戦からイメージががらり。
ダムディを国へ戻す、との決断をした時辺りでは、その凛とした潔さに見直しました。
矜恃が高い分、ナランは王族としての立場とか責務とか、しっかり覚悟をもってるんですねぇ。
髪を触れ合う求愛儀式、じれじれきゅんきゅんで身をくねらせましたo(>∀<*)o
書き下ろしは嬉しい攻様ダムディ視点♡
最初からそんな風にナランの事をみてたのかぁ、とにまにまでした。
愛を知って弱く卑怯になる、と悩んでいたダムディ。
てっきり愛を知って強くなった、と最後にはなるんだと思っていたら、それを言ったのはナランでした( *˙0˙*)
こういう風に落ち着くのかぁ。
これこそ等身大な普通の人なのどなぁ、と、なんだかストンと来ました。
そうそう、ワジムとトヤーの従者コンビも主一番のいいコンビで楽しかったです。
大国アスタイダルカの第4皇子ナランツェツェギ(受け)(以下ナラン)は、政略で小国ハドゥマサルの王弟ダムディスレン(攻め)(以下ダムディ)と結婚することになります。
絵姿を見て一目惚れしたナランはダムディと仲良くしたいと思うのですが、自身に自信がないことや生来のいじっぱりが邪魔をしてなかなか打ち解けることができません。
毎朝毎晩食事の度に声をかけようとするのですが、直前で勇気は萎み、優にひと月経った頃やっと声をかけることができるのです。
亀のようにゆっくりと仲を深めていっていたふたりですが、不穏な密書が届けられ、それどころではなくなるのです。
雑誌掲載の表題と書き下ろし中編と短編になります。
表題作はナラン視点で、2人が本懐を遂げるまで。
書き下ろしはダムディ視点で出会いからの回想とその後の話。
短編はずっと後の世界の話となっています。
ナランは、生まれてすぐ母を亡くし、そのショックで父皇帝も体調を崩してしまい、歳の離れた兄たちとはあまり交流できず、家臣たちからはなんとなく軽んじられています。
そのため自己評価が低く、プライドだけはあるので他者に対して虚勢を張ってしまう悪癖があります。
はじめはこの小心でいじっぱり態度がどうにも嫌でナランを好きになれませんでした。
が、一生懸命なところが目につくようになるとそんなことはすっかり忘れてしまい、早くこの状態に気づいてもらえないかと思い始めました(笑)
2人がやっとこさ仲良くなってきたら、今度は敵対している国による侵略により、2人はどちらも王族としてなすべき事をなすために動くのです。
2人の覚悟、特にナランのダムディの為と国の為に命もかけた決意を即決できる胆力には今までのウジウジしていた第4皇子はどこへ行ったと思うほどでした。
戦争が絡んだことでナランの能力の高さが認識されるという皮肉な結果になりましたが、望んでいた国のために役に立つことができるようになり、ナランにとって良い結果になったことは良かったです。
ダムディ視点では、大国に挟まれた王弟という立場で騎馬隊長まで勤め、戦いに次ぐ戦いで擦り切れてしまった心をナランを愛することによって取り戻していき、弱くなってしまったと嘆き、それをも飲み込むことができるようになるまでが、とても楽しく読みました。
やっぱりナランは大活躍でした。
そして、ナランの師はずっと上手で、表題作からの伏線の回収も見事でした。
ただ、両親がいないからと風にも当てないように守ってきたという兄たち。間違ってる。
囲って蚊帳の外に置くのではなく、自分たちの中に入れて、やれることをさせて守るべきだった。
真意がわからなかった時は、初めは両親がいなくなったことで疎まれてるのかと思ったけど、説明もないからナランがそう思ってただけなんですね。
2人が本懐を遂げるとき、ナランが実地訓練受けてないって聞いて、ダムディはさぞかし嬉しかっただろうし、張り方を入れて準備してたってきいて、でも張り方はダムディのより二回りくらい小さいと実物を見せられた時のダムディの気持ちたるや。言葉にならない叫び声をあげていたことでしょう。想像すると楽しい。
話の展開が早くてとても面白かったです。
安西リカ先生のファンタジー!大国アスタイダルガの第四皇子ナランは、隣の小国の王弟・ダムディスレンと夫婦となった。ナランの国の方が大きいからダムディにとっては望まない政略結婚かなという感じなんだけど…
ナランは初めからダムディのことが気になって仕方ないのにうまく振る舞えないのが可愛らしいこと!でも可愛いだけじゃないナラン、才能も発揮します。
後半はダムディの心情も知ることができて
この2人の微笑ましいやりとりに( ◜ω◝ )←こんな顔
緊迫する場面もあったけれどリカ先生らしいホッとする場面もあり!楽しかったです☺️