電子限定おまけ付
大和は子供の頃から貧乏に苦しんでいた。母親は宗教にはまり献金も滞納し、自責の念に堪えかねて大和を残して自死してしまう。そのため、とにかく母のようにはなるまいと、金を稼ぐことに血道を注いでいた。
そんな大和の前に、ホストの悠星が現れる。楽して稼げると誤解した大和は、ホストになるべく体験入店をするのだが、というお話。
大和の生い立ちが壮絶なのに対し、悠星のキャラがちゃらんぽらん過ぎて、その激しい格差に最初こそ戸惑っていましたが、テンポのいい二人の掛け合いと、この先どうなるのか全然見えない展開に、最後まで一息に読んでしまいました。勢いにのまれたといいますか、筆力とはこういうことなのかと。
悠星は確かにお金のある家に生まれて、大和とちがってお金で苦労したことは無いと思うけど、他人にたかられて利用されて、普通の友達関係を築けなかったのはとても気の毒でした。悠星にとっては大和は初めての友達で、大和にとって悠星は金持ちになりたいという自分の希望を体現した人。一緒に過ごすうちに情が湧いて二人が寄り添い、互いを庇うようになっていった展開にはうっかりほろっとさせられました。
恋かどうかと聞かれたら友情かもしれませんが(セックスはするけど)、そういうのもありでしょう。
タイトルの意味が最後まで分からずでした。
親のせいでまともな家庭生活、安心できる子供時代がなかった大和。そしてその親はもういない。経済的には豊かでも、親から顧みられず、可愛がられることのなかった悠星。
これだけでも相当な重さ、闇背景ですよね。なのに悲惨にならない、どこか脳天気な二人。そんなところがキャラメリゼ、なのかなと。
とにかくどっちもはちゃめちゃ。絶対謝らない、なんとかお金を稼ぎたい、でもまともに労働する気はない大和。あっちにふらふら、こっちにふらふら、清々しいくらい短絡的で安直な悠星。
大和は、お金さえ手に入ればこんな奴って悠星を利用するだけだったのに。悠星の素直で切ない様子に少しずつ心動かされて…。二人の心が触れ合っていく過程が、コメディとシリアスの絶妙なバランスで描かれていて、おげれつ田中先生にしか描けない世界だなあって、どんどん刺さってきます!!うーん、ありがとうございます。
安定した暮らしじゃなくても、互いを手に入れた二人には、おバカな事をしつつも心満たされた温かい暮らしが続いていくんだろうな。ずっと幸せでいてね。
おげれつ先生の作品は痛く怖いシーンがくるかくるかとビビりながら読むのですが、本作はそこはにおわせ程度で読みやすかったです。
経済面で対照的な2人。
どちらもネジが外れた所があり危うさがありましたが、おバカさが勝り笑っちゃうところがよかったです。
もちろん芯の部分は外さず、2人とも欲しかった愛情を満たし合う関係になるくだりがぐっときました。
危うさや暴力などダークな設定ありつつラブとコメディタッチでカラメリゼされた作品だなと思いました。
タイトルは、ケーキ(悠星)・ドッグ(大和)・カラメリゼ(2人の関係性)といった感じでしょうか。
そして個人的にはもはやエロシーンがエロく見えないのがなんでだろうとなりまして。お約束に感じちゃうからなんですかね。ダメな読者ですみません。
吸い殻満々の灰皿が何度か描かれるのは何の表現だろう。そういう人たちてことかな。
短気ですぐ手が出る大和はバイトすぐクビになってお金に困っていたところに、ホストの宣伝カーの1億円プレイヤーと書いてあるの見て稼げると思ってホストの面接に。
そこで悠星に出会う。
親がお金持ちで悠星はお金には困ってないけど、構ってほしいかまってちゃん。
大和は最初からかうつもりで、悠星に手を出す。
でも思っていたのと違ってなんか嬉しそうな悠星。
そこからなんだかんだ悠星の家で一緒に暮らすことになる大和。
ホスト辞めて配信者になると言ってその手伝いする大和。あんまり配信の登録者数は伸びないけど、段々仲良くなっていく二人。
最初はもう単純にお金持ちの悠星からお金搾り取ってやろうと思ってた大和が、おばかだけど寂しがりやでかわいい悠星に情が湧いてきて、詐欺の片棒担ぐはずが、自分からばらして悠星を助けるところまで。
お互いにないものを持っている相手に魅力を感じたのかも。
おバカだけど二人共一緒にいると楽しそうで良かったです。
ちょっと好みは別れそうですが、最後はラブラブなので安心して読めます。
おげれつ先生の最新作。
やはり人間模様がほんとうに心地よくて。
キャラクターは、一般的に言えばしょーもない人間なのかもしれないし、普通に周りにいたら嫌だなというタイプ。
けれど、そういう人たちを見ていて否定的な気持ちにならない。
その描き方に脱帽です。
誰かの人生を味わえる、おげれつ先生の作品いつまでも好きだなぁと改めて思いました。
