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オメガの恋は王城の苑に咲く

omega no koi ha oujou no sono ni saku

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表題作オメガの恋は王城の苑に咲く

景愁(けいしゅう)
金瑛国九代目君主、天陽(α)、24歳
心琳(しんりん)
娼妓見習いの狸獣人、銀來(Ω)、18歳

その他の収録作品

  • 書き下ろし:王の恋煩い
  • あとがき

あらすじ

金瑛国九代目君主・景愁(けいしゅう)がお触れを出した。花嫁を民の中から募るという。出自は問わず、条件は王城の森に咲く黄金色の花を手に入れること。盛り上がる周囲をよそにひとり興味を惹かれずにいた心琳(しんりん)だが、手伝いで駆り出された森の奥で恐ろしい姿をした魔獣と出会う。逢瀬を重ねるごとに、外見とは裏腹に紳士的な魔獣に惹かれていき……? 心優しき魔獣と娼妓見習いの狸獣人の、耳&尻尾付きオメガバース・ロマンス!!

作品情報

作品名
オメガの恋は王城の苑に咲く
著者
彩東あやね 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403526428

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96

4.3

(10)

(4)

萌々

(5)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
43
評価数
10
平均
4.3 / 5
神率
40%

レビュー投稿数4

お互いが惹かれ合う優しさと可愛らしさ

彩東あやね先生の作品は初めてなので、拝読させて頂くのが楽しみでした。

個人的、各項目5段階で
無邪気 5
溺愛 5
甘々 4
エロ 2
しんみり 1
な感じだと思います。

今作は人や獣人、魔獣も登場するオメガバース作品で、今作の世界観ではアルファを天陽、オメガは銀來と呼びます。

受けの心琳くんは娼妓見習いの狸獣人で、発情期がまだ来ていない銀來です。そんなある日、金瑛国の王、景愁さんが民の銀來から花嫁を募ると言い出して…。

王城の森に咲く、黄金色の花を手に入れることが花嫁の条件だが、森には凶暴そうな見た目の魔獣が居る所為で、森に訪れる銀來達は花を手に入れることが出来ません。

最初こそ心琳くんも魔獣に怯えていたが、再度魔獣と会うと、魔獣の優しさに触れて、友達になってと申し出ます。

魔獣と接する内に、徐々に惹かれていく心琳くん。魔獣も心琳くんのことを、可愛らしい、と明らかに好意を寄せています。
しかし、両思いの雰囲気なのに、心琳くんは娼妓見習いで、いつかは娼妓として客の相手をしなくてはならないので、魔獣の想いに応えられない、と一度は2人の間でしんみりとした距離が空いてしまいます。でも、読んでいるとお察しの通り、魔獣の正体のお陰もあり、ちゃんと2人は結ばれますのでご安心を。

天真爛漫で無邪気な心琳くんの獣人の姿も狸の姿も可愛くて、そんな心琳くんに優しく接する魔獣さんの溺愛っぷりが凄まじくて、2人の仲は終始甘々でほっこりするので、是非とも読んでほしいです。

0

天然系タヌキ獣人が王の花嫁になるまで

今回は金瑛国君主と娼妓見習いのお話です。

受視点で王の花嫁探しでの攻様の伴侶となるまで
攻視点で本編裏事情を含む後日談を収録。

人間と獣人が暮らすこの世界には
男女の性の他に3つの性が存在します。

銀來は男でも子を産み育てる事ができ
特有の発情期には子種を求めて悶え苦しむため
享楽の性とも言われ、搾取される性です。

銀來と対となる天陽はあらゆる能力に長け
王族を始め特権階級はほとんどが天陽です。
どちらでもない者は紫水と呼ばれます。

赤子で色街の辻に捨てられた受様は
楼閣に引き取られて育ったタヌキの獣人です。
銀來とわかってからは発情期を迎えたら
客を取る予定の娼妓見習いをしています。

金瑛国では前王が床に伏せがちで
昨年譲位された王太子が新王となります。

新王は月に1度宮殿のお庭に王が立ち
民に言葉をかける「拝謁の日」を設けています。

その日は自由のない娼妓達も外出を許される
特別な日となっており皆が王城に向かうのですが
ある拝謁の日に花嫁を募ると発表されます。

王の子を産める銀來である事と
黄金色の仙香木を献上する事だけが条件で
出自を問わないとの王の言葉に
娼妓達も我こそはと色めき立つのですが

黄金色の仙香木は魔獣が棲むという
王宮裏の森にしか咲かない花です。

受様は興味がありませんでしたが
楼主に黄金色の仙香木探しを手伝わされます。
そして向かった森で出会ったのは・・・

雑誌系掲載作を改題して書き下ろしをつけての書籍化で
花嫁を探す攻様とタヌキ獣人との
宮廷もふもふオメガバースになります♪

黄金色の仙香木の咲く王宮裏の森には
昔の戦で活躍した獣人の将軍と兵士たちを祀る
霊廟があり多くの獣が棲んでいますが
危険な獣はいないと言われています。

どうやら近年霊廟の近くをねぐらにする獣が
恐ろし気な風貌で魔獣と噂されているらしいが
霊廟の周りには2匹の豹と全身を黒い獣毛で覆われ
狼のような顔つきで猛禽類のような爪をもち
人語を話す魔獣がたいたのです!!

楼主や娼妓は逃げ帰りますが
受様は魔獣と友達になりたいと
森に通うようになるのです。

この魔獣こそが攻様である王が
王家にかけられた呪いで変化した姿なのですが
受様にはなかなか知らされません。

出自は問わない花嫁探しとはいえ
王と楼閣に縛られる娼妓見習いでは
様々な面で問題山積みですよね。

受様との出会いで攻様が変わっていきますが
大きな身分差のある2人の恋がどうやったら実るのか
ワクワク&ドキドキ

攻様が受様を伴侶として手に入れるまで
大変楽しく読ませて頂きました (^-^)/

続編は本編とは逆の攻視点で
受様には見えなかった攻様事情が見えて
ジレモダな攻様の様にニマニマ&フフフ
とっても思白かったです♪

2

国を挙げての一大婚活イベントで得たものは……

色んなおとぎ話の要素がぶっこみのお話だなと。そんな印象の物語でした。

結婚相手への厳しい条件 → 竹取物語
結婚に欠かせない必須アイテム → シンデレラ
真実の愛によって呪いが解ける → 美女と野獣

この作品は婚活話だと作者さんのあとがきにて言及があったのですが、なるほど。確かに上記の名作おとぎ話も、見方を変えると婚活話っちゃ婚活話だよなぁと納得でした(笑)
小さい頃から慣れ親しんできた物話のエッセンスが随所に散りばめられているだけあって、馴染みやすいお話だと思います。アルファは「天陽」、オメガは「銀來」の呼称に変わる中華風のオメガバースがベースとなっているオリジナリティも良い。獣人や魔獣といったアニマル系ファンタジー色が盛り込まれている設定も、ドキドキとワクワク感情を引き出して楽しませてくれました。

心琳の無邪気で素直な感情がとても可愛らしく、彼の純粋な向き合い方が1人の男の気持ちを救う温かい物語です。暗に濁らせていうと、アノ人とあの人物は同一人物なのですが、あの人物が仕掛けたトラップを心琳がいとも簡単にクリアし、懐にスッと入っていく距離の取り方が心地よい気持ちにさせていくんですよね(*´︶`*)

条件付きの結婚のお触れ書きを出した時点では、ただ条件をクリアする銀來の者なら誰でも良かった。それが、結婚の下心が全くなく、恐ろしい見た目の自分に怯えることなくワンコのように慕ってくれる心琳を見て、「条件をクリアした者」ではなく心琳だけとしか番いたくない気持ちに執着していく"魔獣"の気持ちの昂りが、心琳視点を通しても分かりやすいほど伝わってくるのがとっても楽しかったです。
心琳としては見ず知らずの王様(もちろん美丈夫)よりも、怖い見た目の魔獣の方が大好きっていう、ルッキズム関係なしの清き心の持ち主ですから、そんな心琳に惹かれていくのも納得でしょう^ ^

森の中で出会った魔獣の正体が誰なのかを一切分からぬまま魔獣のことを好きになってしまい、心琳としてはただ好きな人に会いにきてるだけなのに、いつしか王様との婚活レースの土俵に挙げられているミスマッチ感が面白かったです。心琳の素直な恋心が、魔獣サイドの思惑とうまく噛み合わず、魔獣とあの人物との同一性がややこしい事態に発展させていく滑稽さも併せてお楽しみ下さいね。
自身がセッティングした婚活イベントは大成功に終わったものの、自分で自分に嫉妬する悩める王様の姿も良い味わいでした。スパダリイケメンの恋愛に不慣れな一面が可愛いかったです。

ただ心残りはというと、結局呪いはどうなった?ということ。子どもが出来てないからなのかな、まだ呪いは続行中みたいです。
完全に解けてない…けど、でも幸せだからまぁいいか的な感じなので、このハッキリしてないところがモヤッとしなくもない。2人の子どもも見たかったですが、妄想の世界で処理するしかなさそうでちょい残念。子どもができて国中がフィーバーするところを見たかったなぁ〜…

3

ぽんぽこ狸とハイスペック攻め、中華風ファンタジー婚活譚!

娼妓見習いの狸獣人主人公が、ひょんなことから王城の森に棲む魔獣と仲良くなるも、実は魔獣はー
と明かされてゆく、中華風オメガバファンタジーです。

αは「天陽」、Ωは「銀來」、βは「紫水」という名で呼ばれるという独自設定あり。
ヒトと獣人が混在する世界で、銀來(Ω)にとっては生きにくい世であるのは、一般的なオメガバースの世界観と同じかな。


まず、小山田あみ先生のイラストが、全ページ麗しいーーー!!!

けももみ尻尾の獣人姿・耳と尻尾を引っ込めたヒトの姿・完全なるタヌキの姿、と
3種類の姿がイラストで見られ、心踊りました。
タヌキ姿で攻めに抱き上げられてるイラストが、萌えツボ直撃(*´◒`*)

醜く、恐れられている魔獣に出会った当初こそ怯えるも、
ちょっとした言動から優しさに気付く心琳(しんりん・受)の素直さ、朗らかさが良い!

「二、三歩先なら見えるけど、五歩より先は見えないタヌキ」と先生のあとがきで評されていて笑った(*´艸`)
先生が書かれているように、決しておバカなわけではなく。
自分の置かれた環境や境遇を受け入れ、その上で精一杯ポジティブに生きていこうとする姿がいじらしい主人公です。


金瑛国の国民の憧れで美麗な王・景愁(けいしゅう・攻)の出した婚活のお触れ。
花嫁を民の中から募り、出自は問わず、条件はただ一つ、王城の森に咲く黄金色の仙香木の花を手に入れること。

特に興味を惹かれずにいた心琳ですが、お前も行け、と駆り出され渋々娼妓達と共に森へ入ります。
するとそこには噂通り、恐ろしい姿をした魔獣がいてー

と続きます。


呪いで魔獣姿になってしまうハイスペック攻め(王)という部分は
グリム童話の「かえるの王さま」を彷彿とさせますが、姫に当たる心琳がいち早く景愁の紳士的な面、優しさに気付き近づき、心通わせてゆく…という点が、童話とは大きく異なるポイントでしょうか。

恐ろしいどころか、すっ転んだ心琳に手を差し出し
助け起こしてくれる心優しき魔獣。
そうと気付けば喜んで「友達になって欲しい」と申し入れ、魔獣にくっつきじゃれ合う心琳の素直さ・無邪気さが、景愁の心を癒し掴んでゆきます。

「おはようございまーす!」と明るい声で挨拶しながら駆け寄ったり、
大きなもふもふの体にもたれて眠ったり。
無防備に涎を垂らし、魔獣に拭われてる姿に笑ってしまった〜(*´艸`)

二人が交流を重ね、互いに友達以上の感情を抱くようになってゆく過程がなんとも微笑ましく、ほのぼの温かい気持ちにさせてくれます。

ちょっと考えたら魔獣=景愁と分かりそうなものの、
全く気付かない主人公と、それが故に起こるすれ違いはBL王道の展開かな。

後に心琳の言うとおり、「もっと早く正体を教えてくれていればー」と、
焦ったい誤解とすれ違い描写に自分もやきもきしたのですが…

王と娼妓。そのとてつもなく大きく深い「身分差」という溝、壁を乗り越えるためには、そうするしかなかったよねーーー!とその後の展開を読んで大納得です。

この”身分差”乗り越えが、二人の恋愛模様と共に大きな見どころとなっていました。

目の前のこと、二歩先までしか見えない心琳とは違い(決して悪口ではなく!)
先のことまで見通し、周到に計画を立てられるハイスペック攻め。素敵✨

ついに望まぬ発情期が来てしまい、打ちひしがれながら心琳が初床へ向かうー
というシーンからの怒涛の展開、また甘い初床はご褒美でした・:*+
尻尾をいじられ感じる受けが見られる獣人エッチ、大変よき。

やっと想いが重なった愛する魔獣から突然「王のもとへ行け」と言われ混乱しショックを受ける心琳。
それが王への謁見で大きな驚きに変わる展開、分かってはいてもやはり心躍ります。

心のままに、素直に「王様とは結婚できない」「魔獣を愛している」と切々と訴える心琳、可愛…いや、カッコ良かった!
玉座の景愁は一体どんな気持ちで聞いてたのかな、どんな顔をしてたのかなと想像すると、頬が緩みます(*´◒`*)


で、長髪男前なハイスペック攻め・天陽のキャラがまた面白くて。
安心安全安定!の「溺愛攻め」なのですが、攻め視点の書き下ろしでは、なんともおかしみのある姿を披露してくれます。

心琳が恋しているのはあくまで”魔獣”であって、
ヒトの自分・景愁じゃないのでは…?
とやきもき、なんとか「景愁」に恋してほしい、愛してほしいと頑張る?姿がちょっと所謂スパダリ像とは違ってる(笑)。
でもそんなところも愛おしく、楽しみながら読みました。

愛する者を馬鹿にされて黙ってはいられず、(本当はダメだけど)やり込めちゃう景愁に拍手。カッコ良かったし、きゅんとしましたよー✧・:*+


欲を言うなら…
二人の山あり谷あり恋愛譚の他に、銀來(=Ω)が愛人や娼妓として生きていくしかない世界を、二人で変えていくー

というような、もう一回りスケールの大きい話、奮闘なども見てみたかったかな。。

また、景愁にかけられた呪いは結局完全に解けることはないままだった(と思う)ので、呪いから解放されるところまで見届けたかった気もします。

とはいえ。
ハイスペック攻め(王)の一筋縄ではいかぬ婚活譚、夢中で読み耽りました。
溺愛攻め、平凡だけど健気可愛い受けが萌えツボの方に、特に刺さるのではないかと☺︎

ぽんぽこ天然タヌキの主人公と、深く優しい互いへの愛に癒されるファンタジーでした✨


===
追記:お値段、ステルス値上げについて...

昨年ディアプラスさんの文庫が1,000円超えして嘆いていたのですが、
ついにこちらで1,500円超えです。(税込1,540円)
ディアプラス文庫が大好きでほぼ毎月購入していますが、
今後は吟味して買わないといけないな、と思ってます。。

昨今の厳しい出版事情を鑑みれば、致し方ないことなのかな、、
でも文庫に1,500円は、ちょっと正直色々考えてしまう;

3

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