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表題作上海散華

炎爪
晶羽

その他の収録作品

  • 上海血華

あらすじ

「帝都の華珠」と称される美貌の花登晶羽は、花登家跡継ぎ争いの渦中、異国の男によって上海へと攫われてしまった。「おまえをどう処分してもいいと言われている。死にたくなければ俺に情けを乞え」わけがわからないまま突きつけられた屈辱の選択肢。晶羽の命はこの男、上海秘密結社の炎爪に委ねられているらしい。生きるために炎爪にみを任せた晶羽はしかし、すぐにそれが間違いだったと思い知る。意志に反して淫蕩の闇に堕とされる恐怖…、それは死にも等しい、命の代償だった。魔都・上海の地で、晶羽の矜持は折られ、散らされてゆく―。
出版社より

作品情報

作品名
上海散華
著者
沙野風結子 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
発売日
ISBN
9784812436325
4

(38)

(14)

萌々

(12)

(12)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
154
評価数
38
平均
4 / 5
神率
36.8%

レビュー投稿数6

壮大すぎる・・

このお話ってダリア文庫の上海物の花シリーズの100年前くらいの話、つまりご先祖様達のお話になるんですね。レーベルが違うからか誰も触れられていませんが、ここに出てくる中国の2つの秘密結社は同じものなので。そのスケールの大きさに脱帽です。「花シリーズのリンフェイのご先祖様がドSの敬語攻めの変態で、しかも人の性行為の観賞が趣味とか・・・そっくりじゃん!」とか「ご先祖も同性愛者だったのにどうやって子孫が?」とか考え始めると楽しくてたまりませんでした。これぞエンターテーナーって感じです。

このお話も受けは美人で、イラストも美麗でエロくて文句なしでした。運命に翻弄される気位の高い受け様。ジェットコースタームービーのように次々と色んなことが起こり、途中は結構エロくて可哀想な目に合うんですが、最後はこれでもかというくらい甘甘なハッピーエンドです。

とにかく他の作品と時代を超えて繋がってるのとキャラの変態DNAがちゃんと受け継がれてるということに一番感動し、神評価とさせていただきました。

2

沙野センセイにしては甘いストーリー。

アヘン戦争後、上海は不平等条約により開港され、
それを機にアメリカ、フランス、イギリス、日本がこぞって上海に租界を作った。
租界とは治外法権の外国人居留地。1920~30年代には各租界に洋風建築が立ち並び、
ショービジネスやナイトクラブが繁栄した。
上海が「不夜城」と呼ばれるようになったゆえんです。
またそれぞれの租界の境界付近は警察も手出ししにくかったことから、幇(パン)と呼ばれるマフィアが暗躍もした「魔都」でもあります。
本作はそんな1930年代の上海を舞台に、
若きマフィアの頭と日本人で華族のお坊ちゃまが出会い、
甘くあやしく恋に落ちるお話――。

…なんだが。
中華モノになると手厳しくなるワタクシですが…
ツッコミどころが多すぎるのでそこは大胆にスル―だ!w

読みどころとしてはエキゾチックなエロス!これにつきます。
しょっぱなから拘束プレイ@襦袢
コスプレつき目隠しプレイや真珠プレイも…
総合して「ソフトSM」って感じなので、ハードな沙野センセイが好きな小生には
ちと物足りない気もしたが、描写が丁寧なのでそれなりに萌えます。
また沙野センセイにはめずらしく、「やさしく愛されることで生き直す」登場人物が
出てきます。
全体的な空気が没落貴族の花嫁モノに似たトーン、そのジャンルとしては
かなりよく出来ている作品と言えましょう。

これでディテールをきちっと書いてくれていたら、★1個分ぐらい上がります。
1930年代のモダン上海な空気があんまり書かれてない…残念。
当時の美しくも暴力的な上海の空気を知りたい方には
アンディ・ラウと故レスリー・チャン主演の映画、『上海灘』(邦題・上海グランド)を
ハゲシクおススメいたします。
ちょびっとBLな空気も匂う名作です。

4

受キャラが可愛いと滾る

沙野先生の作品はいつも、良くできた映画を見てるようで、最後まで飽きずに引き込まれたまま終わります。
この作品も御多分に漏れず、良作でした。安心の沙野クオリティ。
「上海散華」とシリーズ作の「上海血華」の文庫版は同日の発売で、どちらを先に読んでも問題ない、とあとがきにはありますが、時間軸は「上海散華」→「上海血華」なので、やはりこちらを先に読んだほうがいいと思います。

公爵家の嫡男・晶羽(受)が身内に陥れられ、中国人の暴漢・炎爪(攻)に襲われて上海に連れ去られ、新たな地で生きるための活路を見出していくというお話。

お話自体の良さもさることながら、主人公・晶羽の可愛さに非常に萌えました。萌え滾りました。
物語冒頭の晶羽は、お姫様然とした、大変に高飛車な人物です。
ですがそれは表向き。
本当の彼は心に深い孤独を内包した、繊細な人物なのです。

彼の家庭は母親が子どもの頃に外の男と駆け落ちするわ、父親は妾を囲って入り浸るわで、政略結婚の家庭によくある(?)冷え切った家庭です。
実の母親に置いていかれたこと、そして父親からの愛情も受けられなかったことで、多感な年頃に諦念ばかりが育ってしまったわけですね。
そのコンプレックスは晶羽を、腹違いの弟や使用人を虐げたり暴言を吐いたりといった行動に向かわせます。
ですが根っからの悪人ではないことが、彼の身を心から案じる従者の存在があることからも分かります。
彼は心のやわな部分を守るために周囲に精一杯の虚勢を張って生きなければならず、そのことが彼自身の評価をさらに下げているのです。
たとえ育ってきた境遇が同情に値するものでも、他人に当り散らすような人間は同情されず、しおらしくしている者は同情されると、晶羽は正しく理解している。
そのことがなぜかすごく切なくて、涙が止まらなくなってしまいました。
なんという聡明さ。
高貴な家柄のため彼の周囲にはたくさんの人がいますが、彼自身の内面を深く知ろうともしない人間ばかりであることを示唆しているわけです。
なんて繊細な表現なんだろうと思いました。

炎爪によって狭い籠から解き放たれ、反発しながらも徐々に世界を広げ、人として成長を遂げていく過程は伸びやかで、大変好ましかったです。
BLはどうしても読み手の視点が受寄りになるので、受キャラに共感できると、より一層物語の世界観に入り込めて良いですね。

1

おもしろかった~

とてもおもしろかったです。
エロだけでなくストーリーもがっつり読みたい方におススメです。
ページ数は多いですが、好みの文体だったため苦もなく読めました。

晶羽(受)は最初はかなり最低なヤツでしたね。
自分の地位&容姿を自覚してるだけに、下々の者を思いっきり見下してるんですが、男のくせに「華族のお姫さま」って言葉がぴったりの人物でした。

だって自分を暴漢から救ってくれた炎爪(攻)を、自分が嫌いな中国人だってだけで警察に引き渡しちゃうんですよ。
しかも、後で「勘違いでしたって伝えて釈放してもらえばいいや」って思っておきながらすっかり忘れてしまうという。。。ひどいよね。

そして、晶羽からそんな目にあわされた炎爪が、ある人物から依頼されて晶羽を攫うんですが、悪人になりきれないというか、甘いというか。
「死ぬか」、「身を任せるか」受け様に選ばせるんですよ。
こんなわがままお坊ちゃんもっとがっつり陵辱しちゃえばいいのにって思っちゃいました。
が、そんな攻め様の気遣いに受け様もだんだんとほだされて、いつしか攻め様のことを愛しく思うようになるのですが、そこはもともとが気位の高いお姫様ですから、自分からは好きだとは言えない。
でも言いたくてしかたない。
そのもどかしさにきゅんきゅんしました。

エロも濃厚でたっぷりです。
そんなに期待しないで手にとった作品でしたが、お気に入りの一冊となりました。

1

エロ満載

「帝都の華珠」と称される美貌の母親に良く似た公爵家嫡男・花登晶羽。
気位の高い晶羽は誘拐されかかり、危ない所を助けてくれた炎爪(ヤンツァオ)を犯人として警察に引き渡します。
半月後、晶羽は炎爪に拉致されます。晶羽の処分を依頼したのは、家族の誰か。
晶羽は生きるために炎爪に抱かれ上海に行くことを選択します。

私には大アタリの作品でした。
ストーリーはしっかりしたものなので、読み応えはあります。
本のエロ度は高めです。
もうエロてんこ盛り状態。
強姦、陵辱などがお好きな方は是非どうぞ。
いろんなシチュエーションが待っています。

小山田あみ先生のイラストに萌えました。
読ませる作品だったので評価は「神」で。

3

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