• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作秘書とシュレディンガーの猫

舘芳隆,金融会社社長,29歳
雨宮典,舘の亡き祖父の個人秘書,27歳

その他の収録作品

  • 不機嫌な猫
  • あとがき

あらすじ

シュレディンガーを正しく指摘したひとりに全財産を相続させる──
亡き祖父の遺言を聞くため古い屋敷を訪ねた舘を待っていたのは、風変わりな猫探しの遺言と初めて合う従兄弟、それに祖父の美しい個人秘書、雨宮だった。金と権力を信じる舘は、遺言の内容にうんざりしながらも屋敷に滞在することを決める。一方、雨宮は初めて会ったときから、舘のことが嫌いだった。それなのに、舘の挑発に乗ってしまい……!? 甘くてほろ苦い大人の恋!!
出版社より

作品情報

作品名
秘書とシュレディンガーの猫
著者
榎田尤利 
イラスト
志水ゆき 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
犬ほど素敵な商売はない
発売日
ISBN
9784813011873
3.7

(106)

(35)

萌々

(23)

(37)

中立

(8)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
26
得点
386
評価数
106
平均
3.7 / 5
神率
33%

レビュー投稿数26

シュレディンガーは何処に?

猫が棲まう古い屋敷で、1人の孤独な老人が死んだという。

PetLoversシリーズの3作目の動物は猫。
それぞれ独立したお話となっていますので、こちらの作品からでも楽しめます。個人的にはシリーズ未読の方にはこの3作目からをおすすめしたいです。
スレンダーからふっくらとした子まで、愛らしい猫ちゃんが登場しますよ。猫好きの方もぜひ。
どの作品も素敵なのですが、猫→犬orライオン→蛇の順番で読みたかったかもと読み返すたびに思います。

顔も名前も知らない祖父が遺した莫大な額の遺産を相続するチャンスを与えられた3人の孫。
3人の中で猫の「シュレディンガー」を正しく当てられた者には全財産をと、そんな突拍子もない遺言を受けて屋敷内に棲まう猫探しをすることに。
既刊を読んでいる読み手、またはピンと来た読み手にはシュレディンガーがどの猫なのかがすぐに分かってしまうんですよ。
なので、今作の攻めであり故人の孫である舘と、故人の秘書として長年仕えていた受け・雨宮の両視点で、孫たちによる猫探しの行方と、人を信じられず孤独だった故人の痕跡を追っていく…そんな視点違いの面白さが楽しめるかなと。
答えを知らない者と答えを知る者、そして相性最悪な2人の視点違いって読んでいて面白いんですよね。

攻めと受けのお話ももちろん良かったのですが、私が1番好きだったのは舘の祖父で雨宮の主人だった毱崗老のエピソード。
彼が遺した、そっと導くような深い愛情が猫探しの合間合間であちこちに散らばっていてなんだかすごく良かったなあ。じんわりします。
人を信じることが出来ず、不器用で非常に分かりにくい人ではあったのだろうけれど、悪筆で綴られた淡々とした日記の1部や遺言から確かな優しさと愛情を感じるんです。
彼の存在なくしてはこの物語と2人の出逢いもきっとなかったでしょう。

実を言うと、舘と雨宮にはそこまで惹かれるものがなかったのです。
だというのに、猫探しも終盤に向かうに連れてどんどんキャラクターが魅力的になっていって、思わず惹かれてしまうではありませんか。
特に舘は後半がものすごくかわいげのある攻めと化していて、序盤の不遜さは一体どこへやら。いやあかわいい。
これからもきっと雨宮は舘に初めての感情をくれるんでしょうね。
孫3人の関係性と物語の締め方もほど良く丸みのある雰囲気で素敵な1冊でした。

0

信じられないから信じられるに!心の変化に期待 (*'-'*)

今作はPetLoversシリーズ4作品中、3作目。今作のペットは猫です∩(´∀`)∩ワァイ♪ 猫の生態が詳しく描かれ、そこら辺も楽しく読ませて頂きました。

さて、前作までは4作品とも別個のお話と思い込んでおりました。確かにこの3巻目まではどこから読んでも支障はありません。ただし本作にわき役として登場の仁摩が、実は次作にてスピンオフで登場!4作目を読む前に本作を読んでおくとより楽しめるかと思います。なんたって志水先生描く仁摩のイラストがめちゃくちゃ素敵で…( *´艸`)ムフフ 4作目を読まれる方には外せない1冊だと思います。

「う~ん」と唸ってしまったのは、「人を信じることが出来ない」という受けの性格。「愛とは信じること」と私は思っています。ゆえに相手を信じられないのに、相手を愛することは不可能だろうと心配でした。でも、どうやら「信じて裏切られるのが怖い」というのが受けの正直な気持ちで、もしも受けの心を持ったまま攻めがほかの誰かのところへ行ってしまったらと、それが怖かったのですねぇ。

この気持ちはめちゃくちゃ分かります。本作の受けはゲイですが、攻めはノンケでプレイボーイ。であるならば、受けのこうした不安は男女の恋愛における不安の比ではないのでしょう。そう言えば攻めの祖父も誰も信じないまま他界しましたが、いみじくも日記に綴っております。

「こんな人生はつまらない」
「すべての失敗は、人を信じられなかったことに起因している」

祖父は自分と似たところのある受けを不憫に思い、自分と同じように寂しくつまらない人生を送ってほしくはないと、あのような遺言を残したのですねぇ。さいわい今作の攻めは単純で素直。真っすぐで勇気があって正直。人を好きになったら告白する勇気もある。ちょうどお互い一緒にいれば足りないところを補い合うことのできる、まさにピッタリのCP。

「おまえが俺を信じなくても、俺はおまえを信じている」
「待てるさ、おまえにベタ惚れなんだから」

誰も信じられないのだと言う張る受けでしたが、攻めのこのような熱いセリフを聞けてそれは幸せを感じたことでしょう。いつか攻めに対し「心から信じる」の言葉を伝えてあげて欲しい。その時こそ、祖父の最期の賭け(=遺言)が実を結ぶ瞬間だと思うからです。

最後になりますが、タイトルにもある「シュレディンガー」、興味があったのでググってみました。すると面白いことに1997年にタカラから出されたゲームに「シュレディーガーの猫」というタイトルが!!それは主人公の女の子が行方不明になった愛猫を探すため、時空を超えた6つの世界を旅をするお話。最終目的がこちらの小説と同じ、シュレディンガーを見つけること。もしや榎田先生はこちらのゲームにヒントを得たのかもしれませんね? ということで、長々と有難うございました<(_ _)>

5

表紙の攻めさんの表情が、本文そのまま!ぴったんこ!

大好きなこの作品をレビューしてないことに気付いて今頃。
榎田先生に志水先生。なんというカップリング。
無敵じゃん。
話よし、絵よしで、このシリーズは全部神評価もんです、私には。

表紙を見るたびに、この攻めさんの苦虫つぶしたみたいな顔が
おかしくておかしくて笑います。
志水先生、よくぞこの表情を描いてくださいました!
ありがとうございます~

受けさん攻めさんも好きですが、個人的に一押しは、
亡くなった爺さん。
猫にそそぐ、あふれんばかりの、でも やや変化球?見えない魔球?みたいな愛情。
それだけで、うるうるしちゃう。
ありがとう、受けさんを拾ってくれて。
愛してくれて。と感謝の気持ちでいっぱいです。

受けさん、ツライこともいっぱいあったけど、
爺さんのおかげで、いろんな人に出会えて、救われたよね。
家に、ちゃんと居ついてね。

何でこんなに好きなのか、
何がツボに入ったのか自分でもよく分かっていないため
正しくお伝えできず申し訳ないです。
不幸体質な受けさんか? 不器用そうな攻めさんか?
榎田マジック?かなあ。
読んでからずいぶん経つのに、未だにちょっと思い出すだけで
想いがふつふつ湧いてきます。

当レビュー内でも様々な評価のようですが、私としては
不幸受け好きな方には ぜひぜひご一読いただきたい一冊です。

4

『シュレディンガーを探しています』

今回は飼い主とペット、という関係性ではなく、『飼い猫』だったシュレディンガーを探せ、という内容に沿って物語が進んでいきます。
いわずもがな、私たち読者は『シュレディンガー』がなんなのか解っているだけに、ジレジレーモヤモヤーなんですが。
今回もピッタリ、『猫』がハマっているなぁ…と感心しました。

孤独で不器用で臆病な『シュレディンガー』。
早く、早く見つけてあげて。
舘さんにそう思わず願ってしまうぐらい、切ない気持ちにさせられました。

遺産相続のために始められた『遊び』のような猫探し。
その裏にあったおじいちゃんの切なる気持ちに、より一層胸がキュウッとなりました。
猫を探す、のではなく『猫』が選ぶ──臆病な雨宮が、人を信じることができるように…。

猫は難しい。
気が短くては到底付き合いきれない猫を待つために、舘は気が長くなったと独白しています。
健気なぐらいに待ち続けた舘さんの粘り勝ち、なんでしょうか。
一枚一枚丁寧にポスターを貼っていく舘さんと、一枚一枚じっくりと目に焼き付けていく雨宮。
その情景が頭から離れません。
このあとの雨宮からの一歩は、とてつもなく大きなものに感じました。

不器用で臆病なシュレディンガー。
でも、もう決して孤独ではありません。

舘さんはこれからも気難しい猫に振り回されながら、徐々に手懐けていくんでしょう。
どうか、お幸せに───。

3

私の大好きな要素がいっぱい

 猫、好き。そして、今回ヒロインとなる雨宮さんさんは、秘書で淫乱で女王で、気まぐれでゲイ。私の大好きな要素がいっぱい!!

 遺産を相続するための条件は、「シュレデンガーを正しく指摘すること」
絶対に分からないように封印していたこの答えに唯一正しくたどり着くことのできた男が、舘義隆。この舘は最初、傲慢で金と女に汚く、快楽に従順。ザ、攻めって感じの人。舘は顔のきれいな雨宮さんを挑発するんだけど、実は雨宮さんのほうがそっちの経験が豊富だったというから素敵。
 マウントを取って、舘を組み敷いてしまう。「ざまあみろ。人を見かけで判断するからこういうことになる」と舘のチンコをくわえながらほくそ笑む雨宮さんがかっこよかった。
 その後もずっと主導権は雨宮さんが握る。いいですねえ。体を起こそうとする舘を絶対に起こさせないところがすごくよかった。「あなたは下」って言って。

 過去が痛いゆえに人を信じられない雨宮さんをずっと待ち続けてくれた舘に私からもありがとうと言いたい。雨宮さんをずっと可愛がって甘やかしてやってほしい。続編も甘々でとっても良かった。

3

猫。

『PET LOVERS』シリーズ3作目です。

別に猫が好きなわけじゃないんだけど(嫌いでもないけど)、シリーズ中で唯一好きな作品です。
それ以前に、榎田さん作品そのものの中でも数少ない好き作品のひとつ。

ストーリーについて言うなら、ひとこと『勿体ない』かなあ。
なんでこちらを1作目にしなかったんですか!?と言いたくなります。

設定もキャラクターもとても魅力的なのに『シリーズの一環』というだけで先(オチ)が読めてしまうのがなんとも惜しいなあ、と感じました。

ただ、もともと私は『ネタバレ(されること)』にもほとんど抵抗がないですし、先読みできるからつまらない・興醒めということはないんです。
あくまでも『惜しい』ってだけで。

ラストの大団円っぷりがちょっとワザとらしい気はしましたが、それでも清々しいほどのハッピーエンドです。
イヤ、まあハッピーエンドは私がBLに求める最低条件なので、その点不満はないんですけどね。

何だかんだ言っても、面白かったし好きなんです。
榎田さん作品は基本的に合わない・特にこのシリーズの他の作品はまったく『しゅみじゃない』ので、相対的に評価上積みにはなってるかもしれませんが。

5

納得できない~(汗)

前2作に比べて、これは私には今一つでした。
最初に結末はわかってしまうので、ならばそれまでのいきさつで楽しませてくれるかと思うとそれも今一つ。

その理由は、雨宮のキャラ。彼に共感できなくて最後まで楽しめませんでした。

コンプレックスはわかるし苦労したんでしょうが、あまりにも思いやりがなく子どもっぽい。自分が苦労したならなおさら、孫たちにもいろんな事情や思いがあるとは考え及ばないんだろうか。孫世代ではなく子供世代に苦悩がなかったとどうして思えるのか。親に拒絶される辛さをよくわかっているはずの雨宮が、同じく親に拒絶された三人の子供の気持ちをなぜ考えないのか。自分の母親を赦せるのに、これにはどうしても納得がいきませんでした。
どこかで触れてくれると期待して読んでいましたが最後まで出てこなかったので、疑問は不完全燃焼のまま。そのため、舘に求められる雨宮にも納得できず。そして、雨宮に惹かれる舘にも納得できず。結局あんたら快楽に流されてるだけじゃないの?としか。

猫好きなんですけどねぇ。

3

6匹の中から1匹を探す話

シリーズ3作目ですが全部はつながってないのでこれだけで全然読めます。
むしろこの本に関してはPet Loversという単語がほとんど出てこないので最初に読んでもいいかもしれません。

遺産相続を出来るのは6匹の中からシュレディンガーという名前の猫を探すこと。
そんな中から猫探しをはじめるのですがオチがなんとなくわかってしまったのがちょっと残念でした。
でも全体を通して面白かったです。遺産相続の話なんでドロドロしてるのかなと思ったんですがそんなことは全然なかったです。

猫好きな方におすすめしたい作品です☆

1

猫が可愛い♪

PET LOVERSシリーズの3作目。
老人の死。その遺言、シュレディンガーを正しく指摘したひとりに全財産を相続させる・・・というエピソードからスタート。
弁護士、執事の雨宮、立会人?の仁摩。
相続権を持つ3人は屋敷に住み込みでシュレディンガーを捜します。
今回、PETを派遣していたクラブの影が見えないまま話は進みます。
読み手サイドではシュレディンガーの謎はあっさりととけます。
雨宮と相続権を持つ舘の恋物語は結構複雑。
シュレディンガー、終わってみるとツンデレにゃんこでした♪
そして、ここで登場した仁摩・・・真打ち登場ですか?(笑)

2

PetLoversシリーズ3作目

今回は猫ちゃん編~。しかもたくさんでてくるー。
ロシアンブルー、でぶねこ・・・エトセトラ
猫好きにはたまらんお話ですね。私も飼いたい・・・・・。


1作目は犬で本当人間が犬になってみたらこんな感じ?と思わせられるお話でちょっと怖い(笑)2作目で突然ライオンで外見と腕っ節はライオンでも中身はネコ科な犬?ちょっと憧れちゃうお話バイオレンスだし怖いけどね(笑)
そして今回の猫ちゃん!!
猫ってツーーンとおすまし顔していて気が向いた時だけ甘えてくるという小悪魔が猫だよね。
今回はバイオレンスでも執着的なお話ではなくあるお金持ちのおじいさんがなくなってその孫たちが財産をもらうかわりにお題にこたえなけらばいけないというちょい推理的なお話?
2週間以内にシュレディンガーという名前の猫を探さなければいけない。

主人公の男がこれまた金=力というリアリスト?頭はいいけど成り上がりで根性がすごい。
そんな男と主に仕えていた美しい秘書がことあるごとに口げんかしまくります。(キャッ

だいたい最初の段階でシュレディンガーがどの子かって皆目見当がつくんですけどね。
PetLoversをしらなきゃ誰も答えられない。
おじいさんの日記とともにストーリーが進んでいきます。

ラストのシュレディンガーがとっても可愛かった・・・・。

人が変われば中身も味もかわるんですけど今回もまた違った味で楽しめました!

3

にゃ~~~ん

ネコちゃんです。(受けも引っ掛けてます)
ツンデレ美人ネコ。名前は『シュレディンガー』。
なかなか警戒して近づいてきませんよ~。
人間なんですけど 性格がネコ。
亡くなったご主人様が受けを本当の実ネコとして飼っていました。
こんな美人を前にして よく手を出さなかったな。
亡くなった主人が 年を召していたのもあるけど。
本当に真性ノンケで男に興味が無かったみたいだな。
亡くなった主人の遺言で『ネコ』=『受け』を見つける話です。
攻めが『シュレディンガー』=『受け』と分かってくれて良かった。
これからは攻めにいっぱい可愛がってもらうのだよ。
表紙のイラストいいですね~。
さすが 志水ゆき先生です。

4

シリーズ通して読んでいる・・というか、ペットシリーズで仕組みが分かっている読者ならば「シュレディンガー」がどの猫かっていうのは
薄々・・・ほぼ確実に気づいていた人が多いのではないかと思ってしまったのだが、これまでは、派遣されるところから始まっていたシリーズが
下から居る。という設定で始まるのはまた面白かったかなと思う。
死んだじいさんが残した遺産を孫で争奪戦。
遺産を手に入れるためには「シュレディンガー」という名前の猫を探すこと。探し出せなければ~から始まるお話。

正直、攻もタイプじゃなく、ちゃくちゃくと進んでいくな~という印象だったのですが、最後のなんともワンコ・・・や、一生懸命な攻に思わずギュンと心をつかまれてしまった。

「猫を探しています」

ヨヨョョ。+゚(ノД`)゚+。ョョヨヨ∃
逃げてしまった秘書さんの真意がイマイチわからなかったんですが
必死で探す攻の行動にとても萌えました
受のことをすきすぎる攻が好きだw

いつか素直になるのか受!
だけども、いつまでも素直にならないで居て欲しいと思ってしまうのは贅沢な願いなのか否か(笑

5

可愛い攻だよ!

PetLoverシリーズとしては、前2作とは全く違う展開で最初はあれ?いつPetLoverが出てくるのかなーと思ってたんですが、成る程~~~こう来ましたか!
PetLoverシリーズの設定を上手く生かして、他作品とはちと違った話に仕上がってます。

資産家の老人が亡くなり、身内である孫3人が集められて約9億の遺産をかけた推理ゲームを行う。
推理モノっぽい幕開けで古い館やメイドなど推理小説っぽい舞台で物語はすすみます。
老人が残した謎解きに参加している孫の1人、館[攻]は金利貸し業を営んでいて金に困っている訳ではないけれど、金が手に入るなら当然欲しいと考えている男。
その謎解きには猫が絡んでくるのですが、館が男前でやり手なのになんと激しい猫アレルギーなんですな、それがなんともマヌケというか可愛い。
館でずっと老人の秘書として働いている、雨宮[受]は館への第一印象は最悪なんですが、そんな館のマヌケな一面に笑いツボをつかれてしまったり、館は館でからかったつもりで雨宮に誘いをかけたのに、逆に誘い受されてしまいそのセックスの良さにまいってしまうという所もなんか可愛げがあるんですよね、館って男は。
PetLoverシリーズと知らなければ、謎の正体は最後まで分からなかったかも。
ゴージャスに始まるのに、最後はなんか妙に庶民的に大円団的に終る所もほのぼのしてて好きでした。

4

雨宮は、猫から人になって孤独じゃなくなった。本当に良かった。

表紙に猫が6匹、嬉しい!これだけで感激の本作♪

読み進むうちにBL以外に心が向いていました。
だから、遺産のヒントを捜す孫3人や雨宮と舘のくだりは、読み終わる時には添え物になっていました。
(だからBLレビューじゃないです^^;)

ジイさんの日記や雨宮の生い立ちから思うのです。
ジイさんは自分理由で、雨宮は両親から与えられた「孤独」を。
年を重ねてこれからが無い者と今までが無い子供が、
今ある孤独を諦め、受け止めるしかない、そう確信した時の辛さを思うと、すごく悲しくて寂しくて泣きたくなりました。
諦めた2人が巡り合えて(Pet Loversのお陰です)良かった。
ジイさんは決して無情の人ではなかったから、雨宮に情を示せたし、雨宮も時間を重ねてその気持ちが通じたのに、
「無償のつながり」を手探りで作っていった2人の、死での別れ。
雨宮は、また失ってしまったのです。
涙さえ忘れる程の喪失感を、榎田先生はシビアに流して書かれました。

孫3人とも、この遺産相続の件で、今まで知らなかった従兄弟達との良いつながりを得ました。
寂しかったジイさんが作ったつながりが、本の先で孤独を悲しんだ自分(読み手)を救ってくれるのです。
舘と雨宮のラブ部分も、可愛くてすっきりして良かったです。

自分ちの歴代の猫達を見ていて感じたのですが、どうででしょうか?
好きな人には無償の愛をくれます。
自分の要求もはっきり言います。
孤独が好きな訳じゃないです。
何かを受け止める器は大きいと思います(自分の死も)。
この本のキャラに被っている、そう思うのですが^^

家族や恋人を大切に思う。
とても心に響いた作品でした。

6

私の一番好きな本です。

猫は家につく。

といいます。犬は一途に主人のことを思い、獅子は放浪の末生涯の伴侶を手に入れ、猫は家につき、蛇は体を絡ませあう・・・・・・というのが、私のこのシリーズの印象です。
その中で、猫は家につく。冒頭から3回も繰り返してしまいましたf(^^;
シリーズが完結しているので、4作目の蛇のことも含めますが、「猫」というのはこのシリーズに出てくるペットたち、犬、獅子、猫、蛇の中で、一番淋しがり屋なのではないかと思います。しかし、孤独というのを愛してもいる。
基本的にほっといて欲しいけれど、かまってくれないのは嫌。誰もいないのは悲しい。そういう生き物。・・・・・・だから家について、誰かがかまってくれるのを待っているのかな・・・なんて。
この作品の猫は2回も家出しますけどねf(^^;

好きな作品過ぎて上手くまとめられなくなってきました。

では、最後に、一番好きなシーンを。
カラーイラストのあのシーンも好きなのですが、私が一番好きなのは、階段で舘さんと、雨宮が真っ赤になって、言い合うシーン。コッチまで赤くなっちゃいます。すごく温かいシーンだと思うのに、ちょっぴり切なくもなる(その先を知っているので)。

とても魅力的な作品です。私の読んだBLの中では一番好きな作品です。いえ、BLに限定せず、他ジャンルと合わせて考えても、やっぱり大好きです。

9

猫好きなもので・・・

PET LOVERSシリーズ第三弾目となる作品です。
毎回何かの動物がテーマとなるシリーズですが、犬→獅子ときて
3作目は猫。

舘は(攻め)資産家の祖父が亡くなり、遺言をきくために屋敷を尋ねますが
そこで祖父に仕えていた美しい秘書、雨宮(受け)に会います。

集まった従兄弟たちが聞かされた相続の条件は、「シュレディンガーを正しく
指摘したひとりに全財産を相続させる・・・」
これが人間嫌いでたくさんの猫たちと暮らしていた祖父の遺言でした。

祖父は使用人ともそう顔をあわせることがないくらいで、唯一一番近くに
控えていたのは秘書の雨宮であり、屋敷で飼われていた全ての猫の
名前を把握しているのも今となっては彼だけです。

『一昨日やってきた猫の名前を、シュレディンガーとする』
祖父の日記に初めてシュレディンガーの名前が載せられた時から
この日記を参考に、シュレディンガーという名をつけられた猫探しが
始まります。

私はこのシリーズは1作目以外は全て本棚に残しているくらい
好きなシリーズです。
1作目は犬がテーマということで、シリーズ中一番調教色が強く(でも
痛い表現はない)、それがあまり私の萌えと繋がらなかったのですが、
面白くなかったということではないです。
そして中でもこのシリーズがかなり好きなのですが、理由は猫の書かれ方
にもあるんです。

例えば雨宮が、攻めの祖父の生前になぜ猫がお好きなのですか、と聞く
シーンがあるのですが、人間嫌いな祖父は「猫は私を信じないからだ。
私は他人を信じない、信じられない。これは人間として罪深いことだ。
わかっていてもだめなのだ。だからせめて、猫を信じる、猫は私を信じないが
私は猫を信じる」と答えます。

親に恵まれず学校にもろくに通っていなかった雨宮もまた、他人が信用できない
人で、そんな彼をある日拾うことになった祖父との関係は野良猫と愛猫家の
ような、変わっているけどちょっと切なくて優しいものでした。

肝心な部分のネタバレに繋がらないようにこれくらいに控えておきますが、
この作家さん独特の印象的なお話になってました。
最後のオチのつけ方も素敵だったな~v

5

シリーズ1作目にもってくるべきだったんじゃないのぉ?

資産家の老人が他界する。
絶縁状態で顔も見たこともない
三人の孫が集められ
屋敷内にいる猫の中から
シュレディンガーという猫を正しく指摘できた者を
遺産相続人とするという遺産争奪ゲームがはじまる。

犬→ライオン→猫と、つづくPet Lovers
第3弾ということで
犬とライオンを読んでいる人には
最初の数ページで種と仕掛けが丸見えでした。
それが残念で仕方ないです。

金と女好きの金融業社長の舘
借金でどうしても遺産が欲しい加瀬
金に執着のない大学生の透

三人の孫の“遺産”への執着はまちまち。
もっとドロドロするかと思えば
実にヒューマンドラマなしめくくりでちょっと拍子抜けはしたかな。

人を信じられないまま逝ってしまった老人の遺産は
お金でも猫でもなく老人が一番欲しくて手に入らなかった
“人のぬくもり”だったのではないでしょうか。

バラバラだった三人の孫、そして秘書の雨宮の心が
通い合うまでの過程がちょっと足らないような気もしました。

犬、ライオン、猫。
それぞれの持ち味がある作品。
シナリオの出来、不出来はあるけど
けっきょくのところ読者の好きな動物に萌えは走るのではないかと・・・
私は、犬派なものでそういう意味でも犬を先に読んでしまうと
その萌えを超えれないのかもしれません。

4

猫と遺言

偏屈な祖父が亡くなり、一度も祖父に会ったことがない孫三人のうちの一人がその財産を相続するという物語です。
早くに妻に死なれ、子どもたちにも出て行かれた孤独な老人が残した遺言は、彼が愛した飼い猫6匹の中から「シュレディンガー」という名の猫を指摘すること。
その遺言を見届ける役を務めるのが、美貌の秘書雨宮と、老人の若い友人仁摩。
でもシュレディンガー探しは、この物語の中心ではなくて、時々出てくる老人の日記を読めば、シュレディンガーの正体はすぐにわかります。
悲惨な過去を持ち人を信じない雨宮と、やっぱり誰も信じない頑固で偏屈な老人。
それでも祖父にとっては猫以外にただ一人愛した人間が雨宮なのでしょう。
体の関係はなくても大切に思い、行く末を心配したただ一人の人なのだと思います。
死ぬ間際に、誰も信じなかった自分の人生を後悔した老人ですが、まだ若い雨宮の未来は、愛されることによって変わるのだと思います。

4

猫の哲学に癒される

榎田さんって本当に上手いなあ、と思う。カップルごとにどこに惚れたかとか、あのときの蕩け方も違う。どのカップルも素敵だなあ、と思わせるのです。
PET LOVERSと表紙にあるのに気付いてなくて、『猫』だけど違うの?と途中まで思ってました。会員制デートクラブとの関わりがわからなくて。
何とかくっついた後の話の「不機嫌な猫」がおもしろかったです。絵本の文章を引用しながら、猫を語る。これ、翻訳物とありますが、榎田さんの創作ですよね!? 実在してたら欲しいですよ~。好き勝手に生きてる猫の哲学に癒されます。

2

猫なら許される

榎田さんのPetLoverシリーズ、ちっょと苦手視していて、これまでの二冊は読んでいないのですが、今回のはタイトルに惹かれて購入!
は~~泣けました。

もしラブがなくても、設定だけですごく魅力的で、素敵でした。
時折挟まる毬崗老の日記がまた、なかなかいい。
孤独で誰も信じていないと思われていた老人が、その心のうちでは、猫も、人も、大切に思い、妻子との確執を後悔していたことが短い文章から伝わってきて、そして、シュレディンガーが、どんな特別な絆で老人と結ばれていたかが、だんだんと明らかになってきます。

なんといっても出色は雨宮。人形のような冷たく整った容姿、硬い声、とりつくシマのない態度・・・
かと思えば猫たちには限りなく優しく、素の表情を見せたり、舘を返り討ちにしてしかも乗っかって痴態の限りを見せつけたり。
不幸な生い立ちと孤独で頑なな心を持ち、誰も信じないのだというくせに、義理の弟のために涙を流す・・・

舘はそんな雨宮の内面にだんだんと触れるようになって、カネと力と女だ!という男のくせに、純情が目覚めてしまうんですね。
相当ささくれた心の持ち主でも、雨の中ずぶ濡れの子猫を見ると、助けてしまうという・・・あの現象が、ヤツにも発動してしまうわけです(笑)

そんな舘のぬくもりと生命力に惹かれているのに、二度も姿を消す雨宮!
舘が雨宮を探して取り戻すくだりは、二回ともそのまっすぐな必死さが羊の心臓を打ち抜いてくれました。
世の乙女が本当に望んでいるのは、雨の中ずぶ濡れでクリスマスの高級レストランに現れて、9億5千万はくれてやるから、会わせろと叫んでくれる高利貸だと思います(笑)。

榎田さんの登場人物はいつもみな魅力的で、特に受け萌えということもないのですが、今回は、確実に、確実に、羊にとっては攻めの存在感は薄いというか・・・
雨宮と、保護者のような仁摩、そしてなんといっても亡くなった毬崗老の存在感にかないませんでしたね。

榎田さんの本にはたくさん殿堂入りがある羊ですが、これはその中でもかなり上位にランクインです。羊のために榎田さんが書いてくれたんだと勘違いしそうになりましたもの☆

6

むつこさま (*^▽^*) はじめまして!よろしくです。
犬>>>猫>>獅子ですか! それは読まなければですね!
アドバイス有難うございます!
犬はご主人さまものですよね・・・Mな羊は耐えられるだろうか・・・心配です(笑)

拙いレビュー、読んでいただけて感激です( ´Д⊂

むつこ

羊さんこんばんは、はじめまして(^^)
このシリーズ、一冊目の『犬より素敵な商売はない』を読んでないのはもったいないですー!是非ぜひ読んでみてください。
私のなかでは、
犬>>>>猫>>獅子
って感じです。
榎田尤利さんは、本当にいいですよねー。私も大ファンです。

それと羊さんのレビュー、いつも読みやすくて要点が分かりやすくて、しかも私の好きな作家さんと作品ばかりで、最近の楽しみになっちゃってます♪

職人榎田さん!

顔さえ見たことのない祖父の「シュレーディンガーを正しく指摘した者に財産を譲る」という遺言の元、集められた3人の孫たち。
Pet Loversシリーズで、こんな切り口でくるなんてさすが榎田さん。
発想とセンスに舌を巻きます。

えーっと、館と猫なんて噴きだしてしまいましたよ。コレ、狙ってるんですよね?笑
じいちゃん日誌挿入でアクセント利いた構成と、館の意外なおとぼけ和み要素で飽きさせません。
人間不信というシリアスなテーマも絡めて、きっちりエロも盛り込んでくれてます。
十分面白かったのですが、「榎田さんはつくづく器用な作家さんだな」という印象ばかりが残ってしまい、ではストーリーは?となるといまいち心に迫るものがありませんでした。なんでだろう…何かくやしい。(><)

人を信じられないという雨宮とじいちゃん。
信じるってそもそも頭では考えても仕方ないことだと思うのです。
信じたくても信じられないことは沢山あるし、信じたくなくてもいつの間にか信じてしまっていることもあるだろうし、信じていないつもりでも裏切られて初めて信じていた自分に気づくこともある。
自分の意志だけではどうにもならん問題だよな、なんてつらつら考えてしまいました。
いろいろ考えてしまう話が好きです。

志水ゆきさんの容赦ないぶさいく猫がクリティカルヒット。かわいい。
表紙とあらすじの印象よりも、館のキャラクターのおかげでずいぶんほっこりした後読感でした。

2

ほろり

Pet Loversシリーズの三作目です。といってもこのシリーズは、作品ごとの繋がりがほとんど無いシリーズなので、前二作を読んでなくても全然大丈夫です。
一作目の『犬ほど素敵な商売はない』には及びませんが、この作品もホロリとくるいいお話でした。てゆか一作目が神すぎたの。

祖父が死に、遺産相続のために屋敷に集められた孫三人。その屋敷には、美貌の秘書とたくさんの猫たちがいた。
遺産相続の条件は、『シュレデンガーという猫を指摘すること』。
主人公の攻めを含む孫三人は、祖父の日記を手がかりに、シュレデンガー探しを始める――。

攻めは拝金主義者です。
真面目そうな秘書が気にくわない。ビビらせてやろうと、秘書に迫る。
なんといっても美貌で真面目で大人しそうな秘書が、ブチッとキレた挙げ句、そのまま誘い受けに変身したのが衝撃的でしたw攻めはカルチャーショック受けて目がテンw
初対面では気にくわない同士だった二人が少しずつ惹かれあっていく過程も自然で。
最後はキュンときて、泣きそうになりました。

3

シリーズ3作目ですが、先入観を持たず、一番最初に読むのをおすすめします

祖父からの「遺産がほしければシュレディンガーという名前の猫を探せ」という遺言のため、屋敷に集められた3人の孫たちの猫探しの日々。
祖父の秘書にしては若いストイックな雨宮や、メイド服が着たくてメイドになった千鶴、祖父の知人という割りに若い金持ち仁摩、6匹いると言われている猫たちと、会社が倒産しそうで金が必要な妻子持ちの加瀬(孫その1)、金融業の社長で金の亡者・ついでに猫アレルギー?の舘(孫その2)、モラトリアムな大学生の透(孫その3)たちのお話です。

猫探しのヒントが祖父の日記にあると気付いた3人は、それぞれのやり方で解読(悪筆のため)に精を出すのですが・・・脅迫という方法で雨宮からなんとか聞きだそうとする加瀬、アレルギーに耐えながら透と手分けして猫探しをする舘、それぞれが小さな事件を起こしながらお話は進みますが、本文中の日記の抜書きと雨宮の微妙な態度で、読者側からはほとんど最初からシュレディンガーが誰か分かっているような状態です。
(このお話をPetLoversシリーズと知らないまま読んだほうが、分かりづらさが増してもっと面白かったかもしれません。)

そんな中、煽ってみたら逆に襲い受けされちゃったのをきっかけに、舘と雨宮は少しずつお互いのことを意識しだすのでした。
誰も皆悪い人にはなりきれず、猫も探し出せないうちにお互いのことが好きだということに気付くわけですが、なんだかまだページがタップリ。
加瀬に過去を暴かれた雨宮が行方をくらまし、舘がシュレディンガーに気づき遺産相続人となり、再会し晴れてくっつくまでの小さなドラマの中にも「みんな本当は優しいんだ」という雰囲気が流れていて、先が読めているお話なのに再会シーンでボロボロ泣きました。

因みに、雨宮はストイックな割りにエッチは積極的なのですが、シリーズ3作中、一番落ち着いていてエロくないお話だったなと思いました。次は仁摩さんの番なのね?

4

秘書とシュレディンガーの猫

Pet Loversシリーズ第三弾!
でもすべて独立した話なので、どれから読んでも平気です。
今回は今までの二作とはちょっと毛色が違った感じですね~
祖父の遺産相続のためにお屋敷に呼び寄せられた三人が、遺言に従って六匹いる猫の中から「シュレディンガー」という名前の猫を探すっていうお話です。
オチはわかりやすかったですね~これはもう、バレてもいいなって思ってるんだろうか。
ああ、耳鼻科の検査の痛さよーくわかるな…(攻めがそういう検査をやるシーンがあるのです)
中を見るために、鼻から長い器具をずずーっと入れるんだけどアレまじ激痛だから!!!!
あ、話が脱線した。
やっぱり榎田さんの良さはラストの甘々さですよね(*´Д`*)
次回はオーナーの話?
楽しみですーvv

2

シリーズ第三弾に一番萌えた♪

Pet Loversシリーズ第三弾
志水さんのイラストなので、あれ?と思いつつも、こんなに早く出るとは思わなかったので、購入するまでは全く関係ない話なのかと思っていました、手元に来て、最初に読んだあとがきに「Pet Loversシリーズ三作目」と書かれていたのでやっぱりそうなんだと気づいたしだいです。

このシリーズはどの話から読んでもストーリー自体はリンクしている部分が無いのが良いですね。

今までの話はメインキャラの一人がPet Loversからペットをレンタルするというような設定でしたが、今回は今までとはちょっと趣向が違っていてすごく楽しめました。
前回のように痛い話でもなかったし攻めが偏屈野郎でもないので気楽な気持ちで読むと良いかと思います。

途中話の中にPet Loversが主催するパーティの様子を記した部分があるのですが、その中に、Pet Loversのオーナー仁摩の台詞で、『身請けして、犬と主人と言う関係から晴れて恋人同士になるとかえって関係が悪くなってしまう』というような件があって、その一言にシリーズ一番最初の二人を照らし合わせてしまいちょっとドキッとさせられました(´・ω・`)

このシリーズはPet Loversが共通点と言うこと以外にも、他にある一定の共通点があるような気がしてなりません。

次はオーナー仁摩の話だとか、楽しみですね。

4

ネコの逃げ場所

Pet Loversシリーズ第3弾!
今回のペットは“ネコ” まさにツンデレです~。しかも、襲い受け~。
普段はかっちりとしている完璧な秘書然としているのに、ちょっと嫌いな舘に挑発され、それについつい乗ってしまって……。
このギャップがたまりませ~ん。舘だけでなく、美味しくいただかせていただきました。

さて、お話の軸となっている財産の相続にまつわる“シュレディンガー”なるネコ探しは、早々に見破れるのですが、そこへ至る過程が切ないし、そんな扱いをした老人の懐の深さというか、償いというか。逃げ場を提供して癒し、そんな姿を見て癒され、償いにしていたのかもしれませんね。
人を信じられない哀しさとか、人を信じてみようと思えるようになる喜びとか。考えさせられちゃいました。
一歩踏み出して、幸せになって欲しいです~。

5

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP