• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作メランコリック・リビドー

カメラマン・日和佐明・そろそろ30歳
大学生・中沢千夏史・22歳

同時収録作品メランコリック・リビドー

日和佐明 高校生→大学生
中沢由多夏 高校生→大学生

その他の収録作品

  • メランコリック・ステディ

あらすじ

千夏史は子供の頃から日和佐が好きだが、日和佐は亡き兄の恋人で、相手にしてくれない。それでも彼のもとに通う千夏史だったが…!?
出版社より

作品情報

作品名
メランコリック・リビドー
著者
砂原糖子 
イラスト
ヤマダサクラコ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
センチメンタル・セクスアリス
発売日
ISBN
9784344815483
3.5

(71)

(21)

萌々

(17)

(20)

中立

(7)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
25
得点
240
評価数
71
平均
3.5 / 5
神率
29.6%

レビュー投稿数25

3人の切ない思い

「センチメンタル・セクスアリス」は未読、
全然問題なかったです。

千夏史の片思いについての描写が素晴らしいです。最初の数ページから胸がギュッとなりました。
日和佐のそばにいるため、今まで理由もなく日和佐の家に行ったり、ハウスキーパーになったり、もらった一万札を大切にしたり、犬のおもちゃのお土産を生大事にすることなどの一挙一動で、胸がいっぱいになりました。
そして、日和佐からの2度も冷たい態度で拒否され、千夏史の気持ちは胸が痛いほどわかる!

自転車置き場での2人の出会いは、ほのぼのとした気持ちになりました。

日和佐と由多夏の関係も切なかったです。
由多夏は図書館からずっと日和佐のことを見ていていたこと、日和佐を手に入れるためにコインを使ったり、吸わないタバコを買ったことと、箱の中の写真、屋上の想い出、日和佐が自転車置き場で由多夏を待つ時の空など、泣くほど切なかったです。胸に響くほど両思いだったね。

日和佐は、由多夏のことを恋慕の情を抱くほど、愛していたに対して、千夏史のことを少しずつ知っていって、ほっとけなくだんだん好意が生まれた。

由多夏もういないから千夏史に移るなんてひどく思うかもしれないけど、別の考え方として、由多夏もういないからこそ、これからずっと由多夏に執着していても何もならないから、新しい恋が始まって幸せになって欲しいと思います。

日和佐が「急」に千夏史が好きの所から一気に神度が下がったけど、実は、酔っ払いになったあと一晩の介護されたとか、自分から犬のおもちゃのおみやげを生大事にすることを知ってから、知らないうちに好きになったと思います。もう取り戻せない由多夏への気持ちがわかって、やっと由多夏の気持ちも気づいたから、今度こそ大切な千夏史を失われたくないという解析したら、納得しました。

日和佐、千夏史、由多夏、それぞれの切ない気持ちもはっきりと伝えられました。
胸が熱くなって、神にしました。

1

ぜんぜんピンとこなかった……

なんだろなー。
「センチメンタル・セクスアリス」の日和佐はチャラそうに見えるけど、実は包容力があっていい男って感じで好きだったけど、こっちは彼を知れば知るほどどーでも良くなってしまった感……。
千夏史を子供だとあしらう様子とか(特に初エッチ時の冷たさ)あれこれはぐらかす様子が好きじゃない。

あと。
大変申し訳ないんだけど、日和佐の昔の恋人であり、千夏史の兄である由多夏(故人)のキャラがあまり好きではなく……。
優等生を演じつつ小悪魔キャラだったり、コインの表裏で付き合うかどうか決めるというエピソードから、うわ、何を気取ってんだか……と思ってしまったんですよね。
ガキが精一杯背伸びしてるなぁみたいな印象しか抱けなくて。

そしたら、まさにその通りで。
だからといって何かの感慨をもたらすということもなく……。


過去の呪縛から解放された攻めが、受けに告白するんです。
そこのくだりが私からすると最悪で……。

ずっと兄を忘れられないと知ってる受けは、
「でも、兄さんは?明さんが好きなのは、今でも兄さんじゃないの?」
とが聞くんです。
それに対して攻めは
「そうだな、好きだよ。けど、あいつはもういない」
と答える。
「そりゃあいないけど……、でもいなくなっても明さんはずっと……」
と聞くと、
「もしあいつが目の前に現れたら、俺は前と同じに惚れるかもね。けど、いない事実はもう変わらない。絶対にだ。それを論じるのはおかしいだろう?」
と言って「お前が好きだよ」というんです。

あいつが生きてたらあいつを選ぶかもしれないけど、あいつはもういないんだから、お前が好きだ!みたいな消去法で言われても全然嬉しくないし、私ならこんな告白されたら自ら恋に終止符打つわ……!と思ってしまいました。


全然自分には響かなかったなぁ……しょぼん。

春巳を見かけて「きっとおしゃれなセックスをしてるんだろう」と思う千夏史には笑いました。

1

悲しみを分け合う仲だから恋なんてできない

切ない片思いのお話。

二十歳になった千夏史には、十一年思い続けている男がいる。出会いは九歳、相手は九歳年上の兄、由多夏の同級生で現在はカメラマンをしている日和佐明。

日和佐は自らも色情狂上等!とばかりに、男女構わずセックスがお盛ん。彼自身が魅力的なのはもちろん、綺麗な人間がひしめく華やかな業界に身を置いているせいもある。出会った頃から子供は嫌いだと豪語している日和佐は、二十歳になっても未だ子供っぽい千夏史が、自分に思いを寄せているのをおそらく知っている。

日和佐の千夏史に対する扱いは酷いものです。千夏史は日和佐との微妙な関係を繋ぎとめようと、日和佐が住むマンションの近くにバイトを決め、新たなバイトとして日和佐のハウスキーパーを始めようと必死。

なのに、日和佐は千夏史の存在が面倒で厄介だと感じている。まるで嫌がらせのように千夏史に自分の情事後の片付けをさせたり、海外出張のお土産といって犬用のオモチャを買ってきたり…

日和佐にはずっと直面するのを避けてきた思いがあって、その辛さから目を逸らさずに見つめ直すきっかけをくれたのが、皮肉にも自分が遠ざけようとしていた千夏史でした。

好きだった人が若くして死んでしまったショックのせいで、長いこと心の柔らかい部分が麻痺していた日和佐。高校生の時に何枚も撮った由多夏の写真を久しぶりに目にした時、もっと大人だと思っていたその人はあまりにも幼くて、彼が二十二歳で亡くなってから自分の中でずっと時が止まっていたことに改めて気づかされるのです。

そのうちの一枚。由多夏が日和佐を撮った写真を見返して、日和佐とは遊びだと冗談ばかり言っていた彼の本当の思いを知ります。このシーンで描かれる日和佐の心情に触れると、彼を一方的にロクデナシと決めつけるわけにはいかなくて、逆にポロポロ泣けてしまいました。

ようやく気持ちを整理し少し大人になった日和佐は、やっと千夏史と向き合うことができます。子供が嫌いという人は、本人が子供だからよ!という日和佐の遠縁で元同級生、ついでにお節介な紗和の意見に納得です笑

一見、千夏史ばかり辛い片思いをしているようですが、日和佐も恋人の死で終わってしまった片思いに、十年間蓋をしてきていました。そして同じように由多夏も…

恋をすると自分の気持ちばかりで精一杯。だけど人を動かすのはやはり人の思いであったり、誰かの思いに気づくまでにはとんでもなく時間がかかったりもする。そう思い知る頃には、すでに状況が変わってしまっているかもしれないけれど…、日和佐は千夏史が子供みたいに純粋で一途だったからこそ、幸運に見舞われたのかもしれません。

本作は『センチメンタル・セクスアリス』のスピンオフで、両方とも本当にタイトルが素敵だなと思います。わたしは千夏史、日和佐、由多夏それぞれの思いとその関係性が切なくて、キュンキュンどころかズキズキするこちらにメチャクチャ萌えました。砂原先生の作品の中でも特に好きなお話です。

1

あれー…?

「センチメンタル・セクスアリス」に登場したカメラマン・日和佐を主人公にしたスピンオフ作品です。「センチメンタル・セクスアリス」がとても好きで砂原糖子さんも好きな作家さんの一人なので期待して読んだのですが…あれー??萌えどころがイマイチ分かりませんでした。

印象として、千夏史の亡くなった兄・由多夏と日和佐との過去の恋愛のほうが重く(むしろ、こっちを読んでみたい)、いま現在の千夏史の感情はかなり後半まで一方通行なのに、最後なんだか唐突に丸く収まっちゃって、日和佐が不実な男のように思えてしまいました。

「センチメンタル・セクスアリス」の日和佐はとてもイイ男だったので、ちょっぴり残念です。

2

久しぶりの新しい恋は長い二日酔い

『センチメンタル・セクスアリス』のスピンオフです。
実はこの作品のあらすじに惹かれて読みたいと思いながら、できた順に読みたい派なのでそちらを先に読みました。
読まないと楽しめないという作品は少ないのですが個人的なこだわりです。
こちらの作品はセンチメンタル〜と同じ時系列で、ちらりと出来てきた春巳とのやりとりを通してみると裏でこんなことがあったのかと、重ねてみると面白く思えました。

別れたり死んでしまった恋人の事を根強く思っている人との恋愛は絶対無理だと思うので、明を密かに思い続ける千夏史が不憫で不憫で、もうこんな節操なしなおやじに執着するのはおやめなさいよという気持ちで読んでしまいました。

しかも悪いことに、明にしても死んでしまった由多夏(千夏史の兄)を愛していたとか好きで忘れられないんだという思いは自覚していないんですよね。

それというのも、そもそも由多夏も明も不器用で素直じゃないからなんですよ。
誰も悪くはないけれど彼の生い立ちとか家族関係とかが絡んでいるとは思います。
付き合うきっかけになった賭けに使うコインの存在が由多夏の想いを解明するアイテムになっていたというに書き方が良かったです。
コインの秘密と由多夏の本心を知った明がそれによって過去の恋にきっちりけりをつけられるのなら良かったとは思います。
でも、今ここに由多夏がいたらまた好きになるというセリフがどうも引っかかりました。
いないから仕方ないから次に好きな千夏史と付き合うみたいで、何年たっても兄を超えることができない千夏史がかわいそうになりました。
親からも兄の方が愛されていて、自分がかわりになったほうがよかったんじゃないかとずっと思っていたようだから、大好きだった優しい兄ではあっても複雑な存在です。
もっと他に言い方というか表現の仕方がなかったのかなと思います。
間違ってはないけどそれで千夏史は納得したのかなというのが疑問でした。

由多夏の2面性に彼の悲哀を感じました。
優等生でいい兄であることも嘘ではないでしょうが、明に対する飾らず気も使わない時間も彼には必要だったんでしょう。

とりあえず気持ちが通じて分かり合えたということでまとまったみたいですが、この節操なしなオヤジはきっと案外溺愛系なんじゃないでしょうか。
というのが、巻末のSS『メランコリック・スティディ』を読んで思いました。
童顔で可愛い千夏史が学校やバイト先で、無自覚に愛されフェロモン垂れ流して変なムシくっつけてくるのを駆除するのに苦労しそうです。

2

死んだ恋人を忘れられない攻

攻は亡くなった恋人を忘れられずに遊びまくっているカメラマン。

受は攻の亡くなった恋人の弟で、小学生の時から攻に片想いしている大学生。

死んだ恋人を忘れられない攻という設定がかなり苦手なんですが、崎谷先生の「静かにことばは揺れている」が面白かったので、この際一気に苦手を克服しようと手にとってみました。

結果は...やっぱり苦手でした。

英田先生のDEADLOCKシリーズで感じたもやもやを思い出しました。

ストーリーがしっかりしていて面白い分、余計にもやもやするんです。

もし死んだ恋人が現れたらまた惚れるだろうとはっきり言っちゃう攻になんだかな〜と思っちゃいました。

兄を想い続ける攻に十年も片想いしていて、想いが通じ合った後も亡くなった兄の存在を意識しながら恋愛しなくちゃいけないなんて受が不憫すぎる・・・

しかも、受の兄が本心を隠して軽薄ぶっているけど実は健気な美人という最も苦手なタイプ←いかにも美化されやすそう。

攻の親戚の女も悪気はないんでしょうが、攻が良い意味で変わったのは死んだ恋人のおかげだとか恋人が亡くなった後におかしくなっていた攻と同情でセックスしたとか受に話してしまうなんて、受の背中を押しているようでけっこう無神経だと思いました。

いっそのこと、受には甘えた攻を見限ってほしかったです。

十年も頑張った受の気持ちに胡坐をかくような攻にムカつきました。

6

太陽に憧れて必死に手をのばす兄弟

『センチメンタル・セクスアリス』のスピンオフ作品ですが、わたしはこちらの作品の方が好きです。
視点が受け攻め、両方で読めるのも楽しめました。


受けの千夏史は大学二年生。
兄の由多夏は、22歳という若さで病気で亡くなっています。

攻めの明はもうすぐ30になる、人気フォトグラファー。
バイでハンサム、ちょっと皮肉屋な彼は由多夏の元恋人。


今回のテーマは『子供』のようです。
作中のいたるところに『子供』という表現が使われています。
『自分が子供だから明に相手にされない』というような。

出来の良かった9歳年上の由多夏といつも無意識に自分を比べている千夏史ですが、その辺りは読んでいても不思議と卑屈に感じることはなく、千夏史の心情に同調出来、切なくなることも度々ありました。

千夏史も明も、そして家族も、どれだけ亡くなった由多夏を愛していたかということを自覚し受け止める、そして器用貧乏であった由多夏の心情を知るための七年間でした。
はー、久々にウルっとしました。

砂原さんをいつも「うまいなあ」と感じるのは、登場人物紹介の描写。
時々他の作家さんで見られる、『こーんだけカッコ良いんですよ!!』的な説明調の描写でなく、スッと嫌味なく外見が想像できることが凄いなと感じています。
その登場人物の紹介文章だけで嫌になる(登場人物が自分の趣味に合う合わないでなく)こともあるので、その辺りは安心して読めるんですよね。

巻末あとがき後にSSがありますので、ご注意を。

3

センチメンタル!

 中沢千夏史には、好きな人がいる。
 それは九つ年上の売れっ子カメラマン日和佐明であった。
 日和佐は、男も女も来るもの拒まず、の関係で、千夏史が訪ねて行っても、まったく頓着する様子もなかった。
 ところが、「子供は嫌い」と千夏史だけは相手にもしてくれない。
 九歳のときに出会った日和佐は、亡き兄・由多夏の恋人で、千夏史が恋心を抱いても叶わない存在であった。
 そして、二十歳になっても、千夏史の想いは募る一方だが……

 という話でした。
 かなり静か。
 物語に読む人の心を明るくするアッパーと読んだ人を考え込ませるダウナー系の話があるのだとしたら、これは間違いなくダウナーです。
 でも、決して後味の悪いものではないので、ご安心を。

 若くして亡くなった千夏史の兄・由多夏は、最後まで自分の気持ちをはっきり伝えることはなくて。
 日和佐は、そんな由多夏のことをなんとなく引きずっていて。
 彼は本当は何を考えていたのだろうか? って考えたり、悩んだりしていて。
 でも、そんな自分を認めきれなくて。
 実は、由多夏が死んだ後、一回も泣いてなくて。

 でも、そんなデリケートな自分を認めてはいないから、自分ではなんともないと思ってる。思い込んでる。

 千夏史は、そんな日和佐のことをわかってるわけではなくて。
 だって、千夏史の方が、日和佐よりも随分年下で、なんていったって、まだ二十歳になったばっかりなんだから、まだまだ子どもだからわかってる方がすごくて。
 けれど、そんな日和佐のことを、一途に由多夏に恋をしていた日和佐のことが好きになった千夏史だから、なんとなくほうっておけなかったのかなー……と考えました。

 そんな感じのなんとなくセンチメンタルな話。
 なかなか、こんなピュアな気持ちなんてもう忘れちゃったけれど、これだけ頑張って頑張って、どれだけ邪険にされも諦めなかった千夏史はすごいなー……と思いながら。

1

過去の恋、現在進行形の恋

「センチメンタル・セクスアリス」のスピンオフになりますが、そちらを読んでなくても特に問題はなく読めるかと思います。あと両方読む予定なら読む順番も気にしなくてもいいんじゃないかな。

この話では2つの恋が書かれています。
現在進行形の恋と、そして過去の恋。
その2つの恋が最後に上手く絡まって、そのラスト部分が良いのですなー。
あ、あとがき後にSSがありますのであとがき読まない派の方は要注意。

千夏史〔受〕はやっと20歳になった大学生で、彼がずっと長く想い続けている相手は29歳のカメラマン・日和〔攻〕
日和は千夏史の兄の親友で、そして兄の恋人でもあった男。
しかしもう兄は亡くなっていて。

かつて幼い頃に日和は千夏史に「子供は嫌い」ときっぱりと告げます、そしてそれは今も変わらない。
20歳になっても千夏史は日和にとって子供でしかないのか。

男女問わずセフレ感覚で付き合う日和を見るのは千夏史にとって辛い事で、それでもまだ千夏史は彼を諦められない。
長い長い片想い。

千夏史と日和との恋がやっと成就した時に、日和はかつて付き合っていた千夏史の兄・由多夏が自分が思っていたよりも幼い、ある意味本当の彼の素顔を知るのです、そこに過去の恋があります。
由多夏と日和の恋、それは断片的にしか書かれていないのだけれど、兄が千夏史にいかさまコインを譲ったり、そのコインは兄が日和と付き合うきっかけになったコインだったり。
過去の恋がぶわっと最後に膨らんで来る、そのシーンが読んでて最も印象的でした。
健気に日和を思い続ける千夏史も良いんですが、この話に深みを持たせているのは彼の兄、由多夏の存在が大きいと思いますね。
千夏史の恋だけでしたら萌評価でした、神にしたのはそれに由多夏の恋が加わったからです。

4

激萌え。

何に萌えたって…日和佐と由多夏のエピソードが素晴らしい!
読後しばらく放心状態でした。

2人とも若くて不器用で、とうとうお互い最後まで素直な気持ちを伝えられなかったけど、由多夏はちゃんと日和佐の気持ちに気付いてたんだね。
だから「欲しいものは手に入れたよ」って弟にコインを譲ることが出来たんだと思う。
このコインの件とか、写真の件は本当泣きそうになりました。


が、肝心メインの日和佐×千夏史のはなしは「。。ふーん」って感じ印象に残らなかったです。
どちらかでも感想書いてありましたが、年下けなげ受けがハウスキーパーのバイトして遊び人攻めとくっつきました。ぐらいの印象しか。
ちょっと冗長すぎて読んでるのが苦痛でした。


日和佐×由多夏の話でスピンオフ切望です。
由多夏の心情が読めたらきっと萌死にます!!

1

重苦しいばかり

主人公の受が、ずっとウダウダぐるぐるしているタイプだったので、読み進めるのにストレスが……設定も好みじゃなかったし、どうにも好きになれない展開。砂原さんは、アタリとハズレというか、自分に合う合わないが作品によって大きく分かれるのですが、これはハズレでした。
この作品以降は、作家買いもやめました。

1

読後が気持ちいい

面白かったヾ(*´∀`*)ノ゛
可愛かった!!
砂原作品はどこでも評価たかぃよね。
タイトル何だっけ
心の声が聞こえてしまう受の話。
それが凄く良くて、他のも読みたいと買い置いてはいたものの…なままだったんですが
俄然読む気が沸いてきた


兄の恋人だった男。
9歳年上で、ちょっと変わった味の料理が好き。
男女構わずな性癖は、乱れ放題。
そんな相手に片思い。
『ガキは嫌いだ』
と言われてからもう11年。
二十歳になった今、もう子供じゃないよ
と~なお話。
ようは、ストーリーがうまく作られてて、驚くほどに読後が爽快
好きだから世話を焼いて、言いたくない小言も好きな相手だからこそでてしまう。
乱れた性生活を突きつけられても
それに耐え
兄と男との関係然り~な具合がウマかった。

結構乱れて~と思ってた攻ですが、兄さんとの関係が思ってた以上にピュアな感じなのが面白い。
最後のSSにしてもそうですが、本気に好きになった相手~との変わりっぷりというか、ヘタレわんこな感じが可愛くもある。
自分より9歳も下で、小さくて童顔な受の尻にしかれてる~な雰囲気が何より好きでした。
SSにしたことで、〆な感じがいっそ極まった気もしますなw

兄さんな話。
ずっと攻は、兄は自分のことをどう思ってたのか…と疑問を抱きつづけてきたわけですが、その真相が少しずつわかりはじめます。
思わずキュンとした
余命宣告
好きな相手
手に入れる方法
~そぶり
なんか泣けてくるゎ
人との繋がりと
関係
変わっていくもの
オススメです_〆(-ω- )

あ、でも遊びすぎたチンコは腐って落ちれば良いと思う
…腐り落ちても受なら可能……はぁはぁ…

すいません
自重します

1

切ない…

うほっ、レビューがいっぱい。さすが砂原糖子さんだなァ。
『センチメンタル・セクスアリス』の番外編ですが、完全に本編を越えてました。めちゃくちゃ切なくて、めちゃくちゃ面白かったです。
砂原糖子さんの作品のなかでは、『セブンティーン・ドロップス』に次いで、好きな作品となりました。

主人公には、ずっと好きな人がいる。九つ年上のカメラマンで、亡くなった兄の恋人だった男だ。
健気で芯の強い、一途な受けです。
攻めのカメラマンは、俺様で自信家で遊び人の強いオトナ。…のように見えて、実は…っていうギャップにも萌えまくってしまいました。
亡くなった兄の存在感も凄かったです。コインのオチにキューンとしまくってしまいました。
コイン含めてあちこちに散りばめられている伏線の張り方も秀逸でした。

攻めのカメラマンは、何年もたってから、やっと亡くなった恋人の本心が分かるのだ。
分かったことで、はじめてその弟にもきちんと向き合うことができるようになったのだ。
超絶切なかった。

あと、エロいですw
ハメ撮りとかところてんとか、色々とエロエロです。
きちんとしたストーリーがあってのエロエロは本当にいいなァ。
やっと心が通じあってからのベッドインに、萌えまくりでした。

9

執着愛

千夏史も日和佐も10年以上同じ相手に囚われ続けるって、、、

千夏史は,他には何も見えない子供の思いこみで、
日和佐は、由多夏を亡くしてから、閉じたまま成長を止めてしまった心で

二人の時間が動き出してみたら
日和佐はいきなりエロ親父でした。

うーんと、後は、
メインキャラの片方を、「かわいい」とか「こどもっぽい」「華奢」って表現するのは、よくあることだけど、
だからといって、仮性包茎で小さいって、ああもきっぱり書いてあるのって、なんか、斬新だった。

それにしても、日和佐はいいよねぇ、、っていうか、ずるいよね
ただ踞っていただけなのに、ある日目を上げてみたら、昼間はオカンで夜は娼婦なカワイコちゃんが、ずっと待っていてくれたわけでしょ
由多夏にだって、最初から愛されていたわけでしょ、
ただ、自分では気がついていなかっただけで
こんな酷いヤツに翻弄されたくないっていう子供っぽい意地から、何も言わずにさっさと逝ってしまった由多夏視点のお話も読んでみたいなあ
多分、そんなお話読んだら、すごく萌えるし、泣けそう
1冊分その話だと、しんどそうだから、ここは一つ、メラコリCD化の際のオマケSS&ドラマCD化でお願い♪

日和佐が鳥さんだったから、、、
千夏史=代永君、由多夏はノンタンで

1

憂鬱な性的衝動???

『メランコリック・リビドー』直訳すると、憂鬱な性的衝動???

千夏史は小学三年生だった頃
駐輪場で他人の自転車に座り込む高校生の日和佐と知り合う。
兄 由多夏と同じ制服をずいぶんだらしなく着こなす日和佐に
興味を抱き何度も会いに行ってしまうのだが
駐輪場で日和佐が待っていたのは、兄 由多夏だった。
日和佐は兄の恋人だった・・・。

その瞬間、兄に恋する日和佐に、恋い堕ちたわけですが
兄 由多夏が突然死んでしまうんですよー。

兄が亡くなって7年、ずっと一途に日和佐に恋する千夏史。

いっぽう、日和佐は・・・
恋人の死を泣くこともできず、それが初恋だったとも気づかず
自分の奥底にある感情に蓋をしたまま大人になってしまい
男も女も来るもの拒まず、自由奔放に暮らしている。

『センチメンタル・セクスアリス』での日和佐は
遊び人の売れっ子カメラマンで都合の良いバイで
春巳と仙介にとってものすごく温度が低かった当て馬だったんですよね。
なんか温度低いなぁー。つまんねぇなぁと思ってたんだけど
どうやらこの時点で、すでに千夏史に心が持っていかれてたようですねぇ。納得。

知らず知らず日和佐は『メランコリック・リビドー』(憂鬱な性的衝動)にハマり?
ただれた性生活を送ってるわけですが
堅く蓋をしてしまった恋心をふたたび開けるのは、仮性包茎の千夏史v

千夏史がピュアすぎたかなぁ~。
粘り勝ちで、日和佐をゲットした千夏史がちょっぴり憎い。
由多夏と日和佐にクローズアップしたお話が読みたかったなぁ。
千夏史よりも由多夏のほうが私は、好きだな。
由多夏の気持ちのほうにガーっと心を揺さぶられて
ひとりしくしく泣けてきた。

1

ミドリ

かにゃこさんコメントありがとうございました~
読まれたんですねー!私が煽りすぎたせいで期待が大きすぎたかもしれませんが…スミマセン
由多夏、いいですよね。素直になれない優等生。でも日和佐のことが大好き。
二人が由多夏のこともちゃんと大事に想いながら結ばれてくれてよかったです。
でもできれば由多夏が生きている間に、日和佐と由多夏、お互いの気持ちをわかりあえたらよかったのにって思いますよね。切ないです。
私が一番好きなのは、千夏史に「これで欲しいものは手に入れたよ」って言うシーンです。
直接日和佐にも言ってあげられたらよかったのになって思いました。

想いが届いた初恋

みなさん書いてらっしゃるように、私も『センチメンタル~』とリンクしているお話だと全く知らずに買ってました。
なので、日和佐という名前が出てきても「これ、誰?」状態で。
カメラマンという職業から、ようやく「ああ、あのカメラマンかぁ~……」と納得。

29歳という、れっきとした大人ですが、恋愛に関しては高校生の時から成長していない気がしました。
最愛の恋人を、22歳で亡くしちゃってるから仕方がないのですが。
亡くなったことを、その時に受け入れられていないだけでなく、愛されていた実感すらなかったから、日和佐にとってすごいトラウマになっちゃってるんです。
だから、深く愛する相手を作らないというか、恋愛が出来ないというか。

そんな日和佐を、いくら拒まれてもへこたれることなくず~~~っと愛し続けた千夏史。
日和佐が兄との恋をやっとのことで昇華できたときに、ようやく向き合ってくれて、心をときめかせてもらえて。
想い続けた日々が無駄にならなくて、初恋が成就して、ホントよかった。
もちろん日和佐自身も、由多夏との恋があったからこそ、千夏史とまた恋愛することが出来たんだしね。

普段の生活の中では、9歳の年の差をそう感じませんが(だって、千夏史以上にグダグダ考えてるんだもん、日和佐って)、エロいシーンになるとさすがに年の功でした。(苦笑)

4

すべての鍵は「亡き兄」

今まで、砂原さんの作品を読む時は
早い段階で物語の世界に入り込める事がほとんどなのですが
この作品では、半分読んでもまだオブザーバー的な見方しか出来なくて
正直戸惑ってしまいました。

でも、後半に入った途端に
それまで冷静に読めていたのが嘘のように
落ち着かないような、もどかしいような気持ちになって来ました。
そして、それは
自分の心の動きが日和佐の心の動きにリンクしていたからだったんだと気付きました。

日和佐が、適当に相手をとっかえひっかえしていたのは
7年前の恋人・由多夏の死を受け入れられずにいたからであって
この7年間、日和佐の周りで起きるすべての出来事が
日和佐にとっては他人事でしかなかったからこそ
読んでる方もそういう感覚しかもてなかったのかもしれません。

そんな日和佐が
自分にまっすぐな気持ちで接してくれる千夏史に少しずつ心を許しつつも
相変わらず由多夏の事も過去の事に出来ずに戸惑う様は
見ていて辛くなってきます。

そして、そんな堂々巡りに決着をつけるきっかけとなったある出来事。
それは、日和佐だけではなく
千夏史も、そして兄・由多夏の事をいつも贔屓していた母にも
真実を気付かせるキッカケになるのですが
結局は、みんな「由多夏の呪縛」から逃れられていなかっただけだったんですよね。
みんな由多夏のことをきちんと消化する事で
それぞれの答えを見つけることが出来たんだと思います。


私は、終始日和佐側に立って読み進めていたので
うまく彼の心の変化に自分の気持ちをリンクさせることが出来ました。
もしかしたら、千夏史の立場で読み直したら
また違う感想を持ったのかな?とも思います。

その辺で、評価が分かれることもあるかもな?と感じました。

「メランコリック・ステディ」は
相変わらずの2人ながらも、ちょっとはお互いに成長してる様子が見えて
微笑ましい気持ちになりましたw


私はセンチメンタル・セクスアリスの方は、ドラマCDのみ聴いただけなのですが
センチメンタル~を知らなくても大丈夫な作品だったんじゃないかな?
というか、むしろ
これを読んだ後にセンチメンタル~を読んだ方が
時系列的にもしっくり行くかな?とも感じました。

交互に読むと、改めて両方の登場人物のあの時の行動が
そういう気持ちの上に成り立ってたんだ、と思えて面白いですけど。。。

2

早くも2009マイベストの予感…

ダメ、萌え殺されました…
登場人物がみんなみんな愛しい。
日和佐がどれだけどうしようもない男でも、それでも愛し続けた千夏史。
亡くなった恋人・由多夏が自分のことを本当に愛していたのか悩む日和佐。
自分の気持ちを上手に伝えることはできなかったけど、亡くなる直前まで日和佐を愛し続けた由多夏。
みんなただ相手が好きなだけなのにうまく伝わらず、まとまるまで時間がかかりましたねー
飄々とした日和佐よりさらに飄々と自由奔放に生きていた由多夏。日和佐は由多夏と4年恋人として過ごしたが、彼の本当の気持ちはわからず、セックス目的で自分といたのでは…と疑問を抱いたまま。由多夏はもういないのに。
7年間そうして由多夏のことから目をそらし続けた結果、結局由多夏の気持ちにも気づけず、本当に好きな相手もできず、複数人とだらだらとした関係を送ることとなる。
それが千夏史のおかげで由多夏と向き合うことができ、昔の自分たちはあまりにも子供だったこと、そのために由多夏の気持にも気づくことができなかったことがわかる。
写真の中の由多夏はあんなにも自分に愛を伝えているのに。
由多夏は由多夏で、変に大人ぶって日和佐に上手に愛を伝えることができなかった。
日和佐のことをずっと図書室から見てたのに。日和佐と関わりを持つために吸わないタバコを持ってたり、彼を手に入れるために両面表のコインを使ったり。
弟の千夏史にコインをあげて「これで欲しいものは手に入れたよ」って言うシーンではぐっときました。ちゃんと、日和佐のこと愛してたんだよね。
千夏史は振られても、傷つけられてもそれでも日和佐に寄り添い、日和佐と由多夏を向き合わせました。
そして由多夏のことが好きな日和佐のことが好きだと告白し、日和佐の呪縛を解いたのだと思います。
自分の想いを認めた日和佐はほんと、可愛いですね。無理に大人ぶってたけど、結局由多夏が亡くなったときから彼の時間は止まってたんだろうな。
Hのときはやはり大人っぽいというか、しっかりと千夏史をリード(というか、教育?)してくれるけど、普段はすっごく子供っぽい。
千夏史もそりゃぁ可愛いって思いますよね。
いろんな人達の想いが絡み合って、それが綺麗に片付いて、ようやく二人の恋はまとまりました。
「メランコリック・ステディ」では日和佐も千夏史に頭が上がらないようなかんじで、すごく微笑ましかったです。
以前の彼だったら、家から追い出されたりなんかしたら怒り狂うでしょうに。
これも愛のなせる技ですね♪
もーほんとによかったです。大好きな一作になりました。

6

ミドリ

かにゃこさん
日和佐がねーすっごい私好みの男だったんです。ほんと惚れそうなくらい。
女も男も気に入ったら誰とでも寝ちゃうような遊び人なんですけど、実は亡くなった恋人のことが忘れられない、またそのことで次の恋もできないような臆病で繊細な男だったんだーってわかったらすっごい萌えてしまって!!
めちゃくちゃ愛しいです。
由多夏も千夏史もそれぞれ可愛くて、もーーほんとこの人達のこと考えるとたまらんですよ!萌えまくりです。
うるっとくるし、読後も「よかった…」と思える一冊でした。
まぁ私はあんまり小説自体は読まないんで…2009マイベストといいましても、1年で何冊読めるのかというかんじなんでね(笑)あんまり役にたたないと思います、すみません。
ヤマダサクラコ先生の絵も素敵でしたvv

期待しすぎたせいか……

 レビューを読んで、泣くぞ、泣くぞと構えすぎたせいか、ほろりとはしましたが号泣まではいきませんでした。(なぜか泣けるものだと思いこんで読んでた!)

 でも、よかった~。

 大人には、なろうと思ってなれるもんじゃなく、見かけは大人でも中身まで大人とは限らず。子供のような日和佐が可愛かったです。

 話が切ない割に……いろいろツッコミどころ満載のエロ! 包●ネタは、えらく力が込められていたような……好きですけど。

2

生々しいセクシャルなコンプレックスが書かれているBL

「センチメンタル・セクスアリス」の番外編。
正直、「センチメンタル~」は自分の中であまりしっくりこなかったため、日和佐の存在を忘れかけていました…。春巳がでてきて、やっと「!?」となりました。
…あらすじか帯にでもいいから一言書いてもらいたかったなあ…

「センチメンタル~」もしっくりこなかったからでしょうか、
とってもさらっと読み終わってしまいました…。
ちょっと切なくもあり、終盤にまさかの真実が待ち受けていて、この書き方はさすが!の砂原さんなんですけれど。千夏史の兄・由多夏はキャラについて多くを語るとネタバレなので語れませんが、とっても好きなタイプできゅんきゅんもしたんですが…!
なぜでしょう、日和佐のおち方が早かったのかな…?最後がさらりと行き過ぎた感が。
もっと日和佐が千夏史に傾く心情変化を丁寧にほしかったかもしれません。
砂原さんの作品では「セラピスト~」や「野ばら~」も同じことを思ったような気がします。
ネタバレになりそうですが、月村奎さんの「きみの処方箋」に通じるものがあったような気がします。

この作品で面白いなあと思ったのは、千夏史が仮性包茎というところ。
こういうセクシャルな部分でのコンプレックスについて触れている生々しいBLは珍しいんじゃないでしょうか…。
それについて恥らう千夏史も、いちいち剥いてあげるという恥ずかしい描写も新鮮で面白かったです。

日和佐を思いながらの自慰すら悩む千夏史、日和佐の「二日酔い」状態…
「メランコリック・リビドー」というタイトルと深い色味で絡みの少ない表紙に、納得しました。
しかしこのシリーズは扉絵が恥ずかしいですね!
控えめな表紙に反して、濃いっていう…

発売日が延期していたこの作品ですが、砂原さんの奮闘がなんだか伺えるようでした。いつもとちょっと、文体が違う…?気のせいかしら。
ちなみに、砂原さんのHPの日記にて本文の訂正がありました。
ネタバレになるので読み終わった方、気になった方は是非見てみてください。
…ちなみに私は全く気付きませんでした(笑)

最後に。「ところてん」って…!!と盛大に噴いたのは私だけでしょうか…
ここ、萌えるとこなのかしら…!??

5

水上

ですよね、笑うところですよね!!
私もこの本で初めて理解しました。
で、あのあとの流れがどうでもよくなるほど衝撃を受けてしまいましたよ(笑)
本当に、まさか砂原作品でお目にかかるとは…ですよね!

藤棚

実は最近、「ところてん」の意味を知りました。
そしてまさか砂原さんの作品で、この単語を見るとは!
私も笑ってしまいました。ここは笑うところだと思いますよ~(笑)

切なくて でも 優しい

「センチメンタル・セクスアリス」でとても気になるキャラだった日和佐の恋バナ。
軽薄そうなタラシなのだが飄々として憎めず、本編ではアテ馬でありながら主人公達の恋を取り持ってやっていたりしたカメラマンの彼。
さぞかし面白いエピソードの持ち主かと思いきや、予想に反して泣かされてしまった(苦笑)

「恋」はある意味、“執着”なのだろう。
だから、失うことが何よりも怖い。好きになればなった分だけ、それは比例する。
22歳で恋人を(文字通り)失った日和佐に残されたのは、いきなり取り上げられてしまった「恋」に対する執着でしかなかったのかもしれない。
過去にとらわれてしまったままだった心を解き放ってくれたのが千夏史。
目を逸らさずに過去とちゃんと向き合って。
哀しさにとらわれたまま「なかったこと」にしないで。
本当は寂しがりやで臆病で、けれど優しい、そんな日和佐を誰よりも好きだから ……
千夏史の一途な恋心が、日和佐の頑なな心を揺さぶる。
相手のありのままを受け入れることで「恋」は「愛」に成長し、千夏史は大人になったのだろう。

主人公以外の登場人物たちからも目が離せない。
日和佐の遠縁でもあるモデル事務所の女社長が、なかなかの名バイプレイヤー振り。
二人の関係が停滞している時に、それとなく互いを焚きつけてくれるのだ。
そして、千夏史の兄であり、日和佐の恋人だった由多夏。
コイン、タバコ、それから、写真 … 、心をギュッとつかまれるような切なさが痛い。
日和佐の中で、彼はきっとずっと色褪せることはないんだろう。そうであってほしいと思う。
そのうえで、千夏史と二人で歩いて行ってほしい。

読み終えた時、心の中のやわらかいところにスッと沁みこむような、そんな優しさが残った。

2

本編越えた番外編

もどかしい、もどかしいけど“子供の”恋ってこんなぐるぐる感があると思います。
二人の気持ちは同じ方向を向いているようなのに、どうにかまとまるまであまりに長いので、萌評価止まりにしようかなと思ったのですが、
その分ずっとキュンキュンできたし、結局最後は泣かせていただいたし、
何よりあの春巳君のお話(センチメンタル・セクスアリス)の裏にこんなものが隠れていたのねという、名誉挽回作になっていたと思うので、神にすることにしました。

亡くなった兄の恋人だったカメラマン・日和佐と9歳年下の大学生・千夏史のおはなしです。
「子供は嫌い」と言い切る日和佐に大人になったら認めてもらえると思っていた千夏史。
初めて会った9歳の頃から、日和佐に恋をしていた千夏史は長い間同等に扱ってもらえていないと思いながらも側を離れることをせず、あれこれコンプレックスを抱えながら、大人として認められることを待ち望んでいたのですが・・・

千夏史の幼いけれど一途な恋。
日和佐のあまりにも博愛的なセックスライフとその裏に隠された“子供のような”傷つきやすい心。
由多夏(兄)の二面性のある行動の理由。
そんなお話を読みながら、みんながみんな大人のように見えて、子供なんだね、
その子供の心を大切にしなければいけないんだね、としみじみ感じました。

幼く傷つきやすいからこそ、お話の端々でキュンキュンさせてもらったし、
最終的にパズルのピースがピッタリとはまった感じになった時は、それまでの灰色な部分も解消されて、「よかったね」と泣かせてもらいました。
脇役の面々もしっかりとそれぞれの役割を持っているし、小さな小さなエピソードにまで伏線が張られていたのには感心しました。

「センチメンタル・セクスアリス」のCDを聴きなおしてみましたが、これもCD化お願いしたいです。
しかしそうすると、この厚さなので、2枚組みでも相当カットされちゃうかもね。

5

おもしろかった~!!

年の差もの好きとしては大変キュンキュンしました。
攻のほうに。
大人という壁をはって逃げる年上の攻というのに弱いので、本作はツボを押されまくりでした。

ラストのほうで千夏史が座っている日和佐さんの頭を抱いて立つ挿絵がぐっときました。
「おまえもう子供じゃないんだな」
とぽつりと呟く姿も良かったです。

あとお母さんと千夏史が今まで想いを伝えれなかったことを、語り合うところは涙が止まりませんでした。なんとなくそうなんじゃないかなと、家族の雰囲気で思っていましたが。このタイミングで言うか~!と。

実はセンチメンタルセクスアリスのスピンオフということに、表紙を見るまで気づきませんでした。
なので、手に取るのわくわくが二倍になった気がしました。
春巳の出番はあるかな~と淡い期待をしてたので、数行でも登場してくれて嬉しかったです。
相変わらずおばかで可愛かった。
自転車のタイヤや、から揚げ弁当など、ちょっとしたセンチメンタル~へのリンクもあって読んでいて楽しかったです。

あと、コインや写真いれなどの小物効果が心憎かったです!

これもCDになって欲しいな~。
と私も希望しておきます!

3

待望のスピンオフ!

『センチメンタル・セクスアリス』で味のある当て馬として人気も高かった、
日和佐明の本気の恋が描かれた作品です。
私も日和佐は気になるキャラだったので、このスピンオフを楽しみにしていました。

気ままな独身貴族暮らしを楽しんでいる日和佐の元へ、
何かと理由をつけて通ってくる大学生の千夏史。
彼は小学生の頃から9歳も年上で、しかも亡くなった兄(由多夏)の恋人だった
日和佐に、ずっと叶わぬ恋心を抱いていました。

『子供は嫌い』と明言する日和佐に好きになってもらおうと、
急いで大人になりたがる千夏史の健気さが切ないです。
そして千夏史の気持ちに気づいていながら、知らない振りをし、
受け入れないけれども側に来ることは拒まない日和佐の大人のずるさ。
「年の差」のじれったさや葛藤が堪能できます。

そして日和佐と千夏史の間に存在する、亡くなった由多夏。
小悪魔な顔の下に隠した本音。日和佐に声をかけた時の心情を思うと、
切なくて胸が苦しくなりました……コインと煙草の小道具がたまらない!
日和佐も沢山の浮き名を流しつつも、ずっと由多夏の事が忘れられない。
二人のひねくれ者が隠し続けた純情に、ホロリとしてしまいます。

『センチメンタル・セクスアリス』で飄々としていた日和佐が、
まさかずっと亡くなった恋人を忘れられない男だったとは!
しかも恋人の本心が掴めず、自分たちの関係は何だったのかと、
ずっと悶々と考えているのです。意外とヘタレというか脆い彼。
これには母性本能をくすぐられるというか、かなり萌えました。

しかし飄々とした大人のはずの日佐和が、実は本当は寂しがり屋の子供で、
子供だと思っていた千夏史に受けとめてもらい、
由多夏を失った痛みにやっと向かい合うことができました。

そして本気の恋に目覚めてタガが外れた大人は、
ある意味子供よりも始末に負えないかも。
千夏史に恋をしていると認めた日和佐はもう、彼に対する好意を全く隠さず、
あまあまでメロメロで、濡れ場ではエロオヤジ。バカップルの誕生かも?(笑)

当初の発売日が伸び、待たされた作品ですが。
待った甲斐がありました!甘くて切なくて、素敵なお話で満足です。
そして『センチメンタル・セクスアリス』がCD化されていますので、
この作品もCD化されないかな…して欲しいな…と思いました。

3

藤棚

ミドリさん、こんばんは。
『センチメンタル~』の主人公は好みが分かれますね。
ダメな人は本当にダメみたいで。
なので私も強くおススメはしません(苦笑)

今回の作品はスピンオフと言いつつも、これだけで独立したお話しなので。
『センチメンタル・セクスアリス』未読でも全く問題ありません。大丈夫です!

ミドリ

こんばんは。お伺いしたいんですが…
ヤマダサクラコ先生が好きで、この作品もかなり気になっているのですが、『センチメンタル・セクスアリス』は未読なんです。
どうも皆様のレビューを読んでいるとあっちは好みではないような気がして手がつけられず…(どうも主人公が無理っぽいです)
『センチメンタル・セクスアリス』未読でこの作品だけ読んでも大丈夫…ですよね??
この作品はモロ好みっぽいんですよね~

誰もが、大人で子供。

のらりくらりのカメラマン・日和佐明×元彼の弟…中澤千夏史
2人の出会いは、千夏史が9歳、日和佐が18歳の時。
いつも千夏史のマンションの駐輪場にいる彼と、出会いは悪めだけど仲良くなっていきます。
日和佐はこの時から既にちょっと掴めないような空気があります…。
日和佐がいつもそこにいる理由…千夏史の兄・由多夏の恋人だから…
を、千夏史が知った時、千夏史は2人に憧れめいた物を抱きます。
千夏史にとって兄は、優しくて優秀で大好きな人。
ちょっと不思議な気になる人・日和佐の恋人がそんな兄だったからこそ、
千夏史は日和佐がより気になったのでしょうね…。

兄が22と若くして亡くなってしまってから、2人の関係はそれまで以上に微妙…。
きっと高校生だった兄と日和佐のキスから全面開花してたのであろう千夏史の恋は、
日和佐の「子供は嫌い」の言葉で足蹴にされ続けています。
出会ってから11年、千夏史が二十歳になってもそれは同じ。
一線をがっちり引いてその線までは自由にしてくれて、けれど線を跨ごうとすると一気に突き放す。
もう大人って本当にずるいしひどい…子供がもがかずにいられない時も、さらっとしてます。
でもちょっとずつ…ちょっとずつ、日和佐の千夏史への思いの変化が態度に表れて…。
読者が見ても可愛い千夏史を、目の前にいる男がぐらっとこないわけがないですよ…!
優しさを見せてくれるたび、いいぞこの調子だ…と思ってたのに。
千夏史が日和佐と兄の写真を見てしまったことで、
結果から見れば良い意味でも悪い意味でも関係が変化してしまいます…。
忘れたふりをして、気にしないふりをして、本当は日和佐の真ん中には今も由多夏がいます。
たいがい不器用な者同士で、幾度体を重ねながらも思いを伝える事がなかった2人。
だからこそ、日和佐の中ではもう居ない由多夏が完結する事無く、いないようで常にいるのです。
本当は言わなくても伝わっていたこと、知っていたことから目を逸らし続け…
そんな人が、誰かを本気で思えるわけがないんですよね…。
大事なものを大事だと再確認した日和佐は、もう一つの大事なものへ、大事さを伝えます。
二十歳になっても恋愛経験が無い千夏史はテンパっちゃってかわいい…。
しかし日和佐も、
「まいったね。この年になってどきどきすることもあるんだな」
と、もう千夏史に完璧に堕ちちゃってます…!
この後に早速お家に呼んじゃうあたりがもう、早く全部自分のものにしたいわってことですか…?
経験豊富な日和佐とほぼゼロの千夏史は…もちろん、
日和佐によるレッスン式(!?)エロスでした……!
長年の思いがようやく実った千夏史の戸惑いや不安をほどく日和佐…やっぱり大人です…!

3

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP