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小川さんの内部(なか)が……忘れられないんです
今回は無表情ながら何事もそつ無くこなす優秀な新入社員と
彼の教育担当になった四年目社員のお話です。
自動車部品の製造・販売会社に勤める受様。
海外営業部とはいえ彼が所属するのは非正規品が横行するアジア地区。
手のかかる注文も多く、日々戦争な毎日です。
そんなある日、受様は取引先を接待する事になりますが
相手のお目当てはなんとニューハーフバー。
誘われるまま案内した世界は不思議な異空間。
居心地の悪い中で受様の脇に座ったのは
ほころびかけた花が一気に鮮やかになるホステス・麗美でした。
このホステスが今回の攻様になります。
なかなか彼女の笑顔が離れなくても仕事は仕事。
新年度、受様の所属する課には久し振りに新入社員が入り、
有名代卒で礼儀正しい真面目そうな青年が配属されます。
しかも彼が即戦力になりそうだと知れると先輩の自分を差し置いて
ヨーロッパ担当課の花形課への異動まで決まってしまい、大ショック!!
落ち込んだ受様は忘れられずにいた麗美に会いたくて再びバーへ。
出来の良い後輩の事を話すうち、
程よく酔った勢いで麗美とずっと一緒にいたいと言い出す始末。
最初は酔っ払いの戯言といなす麗美でしたが、
彼も受様を憎からず思っていたのである秘密を抱えたまま、
二人は濃厚な一夜を過してします。
翌朝、臀部の痛みに早くも後悔交じりの受様の前に
バスタオル一枚で現れたのは新入社員の彼?!
どうして攻様がニューハーフのバイトをしていたのか?
自分を執拗な視線で追っていたのは狙っていたから?
そもそもナゼ麗美が自分だと言わなかったんだ?
受様は混乱の中、攻様を避け始めますが、
どうしても受様をあきらめきれない攻様は
麗美としてなら話を聞いてくれるのかと説得を試みます。
しかし秘密を抱えていたのは攻様だけじゃなくて?!
本作で商業文庫は3作目の楠田さんですが、
キャラの設定付けや展開がちょっとというかかなり変わっています。
その変わったところがツボに入ると面白い!
今回も小説で「女装攻」って読んだ事ないぞと
もうあらすじだけでワクワクです。
展開も攻様の女装で受様がなじったと思ったら
受様の暴露話で今度は攻様が受様を責める立場になるなど
騙す側と騙される側がコロコロと入替るのも
ドタバタしていて面白いと思います。
但、お好みから外れると感情移入し難くくて読み辛いのでご注意を(笑)
今回は本作よりもうちょっとハードル下げて
オカマのメーキャップアーティスト攻で1冊お薦めを。
火崎勇さんの『Doubt ダウト』はいかがでしょう?