男でも女でもいい、お前ェさんが欲しかった。

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表題作丸角屋の嫁とり

新三郎 札差丸角屋3代目
鈴 旗本の子息

同時収録作品新しい武器_前編 / 後編

染谷港 後輩
神田泉 SE

その他の収録作品

  • 丸角屋の手代
  • 吉野が二人の関係に気づいた日の話
  • 丸角屋その後

あらすじ

武家の庶子である鈴は、本妻の目を恐れ男の身で女であるとして育てられた。美しく成長した鈴はある日、町でならず者に絡まれたところを町人の新三郎に助けられる。以来、男というものへの憧れを育て始める鈴。だが父から借財のカタに嫁入りを命じられ……? 表題シリーズほか、年下攻リーマンシリーズ「新しい武器」を収録。

作品情報

作品名
丸角屋の嫁とり
著者
山中ヒコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
ISBN
9784403662584
3.8

(67)

(20)

萌々

(22)

(19)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
20
得点
249
評価数
67
平均
3.8 / 5
神率
29.9%

レビュー投稿数20

恋・愛・人情

まずはこちら、表題作を読み終えてすぐに本を閉じました、そのまま先に進めなくて。自分はよくこれをやるのですが、通して読んでいたら評価も変わっていたかもしれない。気持ちとしては、表題作と同時収録作それぞれに神をつけたいです。一冊にこんな作品が二つだなんてちょっともったいないなぁ。同時収録作のほうが少し長いですよ。ちなみに後半の作品を読んだのは2日後でした。※以下、ネタバレあり

表題作『丸角屋の嫁とり』
こちらはお芝居好き(特に人情もの)な方ならきっと「あぁ、読んでよかった」となると思います。胸の奥の方がずっと痛いままで幕となるのが、私にはなんともいえずよかった。もし客席で観ていたとしたら、役者に伝わるように手が痛くなるほど大きな拍手をするだろうな、そんな終わりです。一方は金のことや、素性を見破るなどどうでもよく、ただ目の前の美しい人に惚れてしまったので手に入れたい。もう一方も同じく目の前に現れた男の戦う姿に一目惚れした。女の服を着た男であるという現実から逃げ出したくなる展開かと思いきや、「男」のかっこよさに目覚めてしまった、「男」というものに惚れてしまったのですね。また、最後の愛する人を思って…のパートはやりきれない気持ちもあるのですが、だれも決してうしろ向きではないのです。それぞれの思いが絶妙に交差していく男たちの物語。しかもいかにも色男っぽい男がいてね、本当によい作品に出会えました。

同時収録『新しい武器』には、年下ワンコなリーマンが登場。
この男の "シンプルな人生" という説明描写が作品全編に切なさを運びます。読んでいると彼の心にあいた穴をどうにかして埋めてあげてほしく、たまらなくなってしまう。自分のためにはそう強くはなれないものだ、そんなことを思わせてくれた今作。もう少し細かく感想を書きたいけれど、自分の貧困なボキャブラリーではこの作品にはそれがあまりにもったいない気がしました。読み終えて英語タイトル "his new weapon" を振り返れば、彼らへの愛おしさ倍増です。

表題作も同時収録作も、
どちらにも主役が三人ずついたと記憶しておきたい。

7

もっと読みたい!

花嫁ものも女装ものも、基本苦手……
だけれど、「王子と小鳥」にやられて目下の山中ヒコブームの中で購入。
読んでみたら、良かったよ!

旗本の庶子・鈴は、正妻を慮った母の意向で男なのに姫として育てられ、
屈折した思いを抱えながら成長する。
町でならず者に絡まれたところを助けてくれた商人の男気に触れ、
自分も男としてちゃんと生きたいと思ったところ、父の言いつけで嫁ぐことに……

BL界にありがちな、女として育てられた美形が、借金のカタに嫁がされる話。
だけれど、この姫様、想像以上にかっこよかった。
彼を是非にと望んだ攻めも、これまたかっこいい。
「四千両で心もからだもじゃあ 安すぎらァ」って、よぉ!男前っ!
姫様にぞっこんで、焼きもち焼いているところもいい。

一緒に育った乳母やの孫の荘太の話も、ちょっと切ない。

同時収録のもう一編「新しい武器」は、リーマンもの。
お固いゲイの上司との新人の話。
こっちも悪くはないのだけれど、表題作がすごく好きだったので
半分で終わりは物足りない。
面白かっただけに、表題作だけで一冊にして欲しかった。



<オマケ>
ところで、皆様は作中に出て来た「谷風邪」ってご存知だったでしょうか?
症状からインフルエンザ?と思ったのですが、初めて知った言葉で調べてみました。
1795年に流行った流行性感冒(推定インフルエンザ)は、
当時人気絶頂だった横綱・谷風の命を奪い、
このことから江戸では流行性感冒をタニカゼ言うようになった、という
記録が残っているようです。なるほど。

8

想定をぶっちぎった

本の表紙とつりがきを見た印象は
「あー、この和風男の娘が無理やり嫁に行かされ、徐々にほだされていくお話なのかな」
ってな感じでした。
(帯がついてたらきっとわかったんでしょうけどね、帯の代わりにペーパーがついてたんで・・・)

・・・違うかったw
いやぁ、月代を剃った本格的な男同士のガッツリした恋愛がメインテーマだとは。
ただまぁ鈴の思考には「男への憧れと恋とを混同してんじゃないか?」と思わせる所がいっぱいありますが、まぁ新三郎と一緒にいたいしそのためには女装も(嫌だけど)頑張る鈴はかわいい子だなぁって思います。
あと、不幸な結婚の相手がたまたま憧れの人だったという流れや新三郎自体が「四千両で心も体もなんてやすすぎらぁ」と思うほど鈴に惚れ込んじゃってて男であることも承知だってことがあまりにもHAPPY過ぎて、荘太の話が切ない所もなんとも。

途中で女の形でないと認めてもらえないのかと悩むところがありますが、そこを自分しかしらないという自分の優越感を再認識したいだけというただのやきもちですまったくごちそうさま。

「新しい武器」に関しては・・・うーむ。
二人より二人の心の穴の部分を作った奴らゆるせんのほーこーに行っちゃうのはなぜなんだろう。
こういう無条件悪役が登場しちゃう話ってきっついな。

5

やった!当たりです!

山中ヒコさんは全部とはいわないけど、今漫画を集めている最中なので
見つけたときはやった!と思いましたが、手にとるとこの表紙・・・
正直買うか買わないかすごくためらいました。

けど、家に帰って見てみると・・・もう!最高でした!
「女の子みたいなナヨナヨした受け」を想像していたんですが
むしろ反対でした!男というものへの強い執着がある受け!かっこいい!
特に攻めである新三郎と出会うところで「あれが 男か」というところが
個人的にすごく好きです。今まで女として育てられていた主人公鈴がはじめて
男に出会った衝撃がうまく表現されていると思います。
あと、最後にあるその後で新三郎に女の格好を求められて思わず涙してしまう鈴が
とってもかわいくてかわいくて・・・!大満足です。

表題作とは別の作品「新しい武器」 これも非常に好きなタイプの話でした。
後輩で若干ワンコの入っている攻めと無口で周りとなじまない先輩。
使えない後輩の世話をまかされて、そこから仲良くなっていき・・・。
この話はほぼ第三者目線からでたまに攻め目線になるのですが、そこが私の
お気に入りポイントになりました。受けが謎めいた感じになるのが好きです。
ちょっとシリアス切なめなお話ですが、そこがまたイイ!!

それにしてもこの人は本編よりおまけ?的なサイドショートの話がすごい魅力だと
思います。本編がむずむずっとなる分サイドできゅんきゅんさせられますね!
そのバランスがとっても好きです。迷ってる方はご購入をオススメします。

5

表題作が短い

丸角屋のよめとりをBLCDで聞いてとても感動したのでコミックを読んでみたくて買いました。

あれれ?めっちゃ展開が急なんですけど…。なぜここまで急ぐの?もっとじっくり書いてほしかったです。

姫様の葛藤や悲しみ希望、丸角屋の旦那の男っぷり、懐の広さが略されてるような気がして。 
確かに描いてはあるのですが余白に手書きで文字でとかだったり。

ここにCDの感想を書くのはダメでしょうがびっくりしました。こんなに短いお話があんなに膨らみを持って深み切なさ悲しみ希望を伝えられるなんて。

1

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