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表題作猫が箱の中

朝尾先輩,変態奇人/北原,クールな小学生
恋に迷える青春高校生・松井和雄

その他の収録作品

  • あいだの6年間
  • あとがき

あらすじ

どこかで猫が鳴いている―!?
ちょっと気弱な高校生・松井和雄は、学校へ行く途中、捨て猫の入った段ボール箱をみつける。そこで、無愛想でとっつきにくい小学生の北原君と運命(!?)の出逢いを果たす。最初はたんになかよくしたいだけだったのに、ある日、胸がきゅんとなって・・・え、きゅんって・・・!?
小学生と高校生。年の差が気になるお年頃。これは恋なのか、好意なのか。
雁須磨子流悩めるときめきLOVE登場!

作品情報

作品名
猫が箱の中
著者
雁須磨子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
ミリオンコミックス CRAFT Series
発売日
ISBN
9784813052395
3.9

(50)

(19)

萌々

(14)

(15)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
12
得点
196
評価数
50
平均
3.9 / 5
神率
38%

レビュー投稿数12

不思議キャラ先輩がいい

雁先生作品にハマっての7冊目なんですが、初めて本作はハマりませんでした。
個人的な好みとして萌えどころがなかったです。すみません。
ノブを好きだけど小学生とはつき合えないから先輩とつき合う。
先輩がいいと言ったからいいんでしょうが。
それこそ何度も出てきたセリフ「失礼だよ」ですよね。

高校生になったノブと松井の再会、キスのくだりをじっくり見られれば萌えたかもしれません。
キスしたよねとあっさり振り返ってて、え?いつしたの?とちょっとビックリしてしまいました。

先輩の不思議キャラが目の表情で伝わってきたのがおもしろかったです。
松井母もいい味出していて好きでした。

0

朝顔の観察日記的作品

不思議な話でした。
なんだろう。
ここまで1人の人間が悩んで葛藤しまくる心理状態を、徹底して描き上げた作品を読んだことがなかったというか、BLとしてのときめきというよりも、もっと別の感情。
分かった、これは「朝顔の観察日記」だ。

和雄、高校2年生の17才。
ちょっとふつうの高校2年生とは違う、おっとりしすぎな17才。
そんな彼が11才のノブと出会ったことから、物語が始まります。

きっかけは5匹の捨て猫。
段ボールに入れられた仔猫たちを見つけたことで、ノブと知り合って、猫が気になったというよりもどんどんノブに意識を持っていかれる和雄。
ノブが気になって、ノブに会いたくて、会えないとますます気になって。

そんな和雄のことを好きなイケメンの松井先輩や、同級生のマイケルとの新しい友情なんかも並行して描きつつ、6年間の和雄の葛藤をひたすら追っていきます。

タイトルから連想される「シュレディンガーの猫」。
本編でも一度出てきますが、「猫は死んでいるかもしれないし、生きているかもしれない」。通常では0か100でしかあり得ない事柄が、50%の確率で両立するという物理的な矛盾を指摘したパラドックス。
哲学的に応用して考えられることも多々あって、形而上学的な見方の「牛はそこにいるのか、いないのか」という議論にもつながる考え方ですね。
昼間の目に見える牛はそこに「いる」、夜になって周囲の暗闇に溶けこんだ牛は、肉眼では確認できないけれど「いる」かもしれないし、「いない」かもしれない。
気になるなら確認したらいいだけのことを、ただ想像のみで議論し合う。
だから答えが出ない、という状態。

和雄の葛藤も似ているというか、和雄にとってのノブの存在が何なのかという点をぐるぐる巡るような、短気なひとには非常にまだるっこしい展開。
6歳の年の差、小学生、しかも男の子。
いろいろな条件が和雄の頭に沸いてきて、ノブ本人ではなくて条件を考える。
小学生(流動的なもの)→「現時点では」ないだろう。
6歳の年の差(普遍的でありながら、感覚的に流動的でもあるもの)→ありえない。
男の子(普遍的なもの)→自分はそっちなのか。
最後のひとつには何となく答えが出たことで、松井先輩と付き合い始めて。
その一方でノブは引っ越しで、物理的に和雄からは見えなくなることで、ますます形而上学的になって。
そして最後に、ついに「箱」を開ける瞬間が来る、という流れ。

こうして読み終わったあとに、堅苦しくゴチャゴチャこねくり回していると、すごく深い作品に思えます。
「猫の入ったノブのランドセルを受け取って、そこから猫を取り出す」という動作1つで心理学、形而上学、物理学の観点からいくらでも語り尽くせてしまう。
でもBLとして読むと、「小学生を好きになったことがきっかけでゲイであることを自覚して、遠回りしたけど、やっぱり君が好きだよ」というシンプルな話。

どっちで読んでも正解だし、それは人それぞれ。
「作品は世に出した瞬間に、読者のものになる」、つまり各個人の解釈はすべて正解であると言った村上春樹の言葉を思い出しました。

3

ノブくんがかわいくてかっこよくて最高

最初は小学生か...とあんまり期待せず読み始めたのですが良かった...!もう...!もう...良かった!
ノブ君かわいいねえ、あらかわいいねえ、わかるよ私も頭撫でてあげたいわって思ってたのに、、
あれなんかかっこいいぞ...?(公園のシーン)
か、かっこいいぞ...!!(ドーナツ譲ってくれるシーン)
ノ、ノブ君...!!!!!(「おまえ ほんっと バカだな!」)
高校生姿なんてもう言うことなしです。
社会人に生意気(いやノブくんはかっこいいので生意気というかそれが当たり前ですが)にガンガン迫れるのイイです。「あーこいつ 俺がちゃんとしてやんなきゃダメだなーて思った時に」死ぬまでに言われたすぎます。

先輩の存在はあんまり現実的じゃないけど、でもノブ君が引っ越したあと先輩とそのまま付き合っちゃう流れがリアルでいいなと。
良い奴なマイケルとなつこも好きでした。なつこの名前好きです。

今までは成長してくっつく年の差ものが基本あんまりだったのですが、ワンコ年下責めが憧れ好き→かわいい憧れ好きになるのではない、こいつダメだな→こいつダメだなが!!私の中での年の差もののツボなのだと気づけました。癒しとトキメキとくすっとした笑いを求めている方にオススメです。

2

地味受けノンケDKの激しい葛藤!

発売当時は2010年ですか……。
もう7年も経ってしまったんですね。
そして当時、雁須磨子さんが大好きなのにも関わらず
え、小学生…??ってピンとこなかった自分をスノーダンプで殴りたいです(危険)
ばっかおめー最高じゃん!!最高じゃん!!!

小学生も男子高校生もドノンケだったっていうのがまずね、可愛いんです!
捨て猫を飼う飼わないのすったもんだ、
小学生のくせに鋭い事を言っちゃうノブと
高校生なのにちょっと押され気味の和雄とのバランスが微笑ましくて
前半はBL作品だと忘れてしまいそうな感じなんです。
ところが、和雄のバイト先でちょっと仲良くなったイケメン先輩がgayで…。
あわよくば流されてくれないかなっていう
イケメンだから許されるようなスキンシップの数々、結構楽しいですww
なんていうか、「別におかしくないだろ」みたいに言い包めるし
先輩のおかげもあって素直な和雄が可愛いのは非常に良くわかるんです!

素直さゆえ、ノブへの想いがどうなのかと突き進むにつれ
罪悪感にさいなまれるっていうね…相手は小学生だもんね……。
色んな意味でアウトなんでしょうけど
そこには純粋な気持ちだってあるしその先は不純な……?やっぱりダメか…。

でもご安心下さい!!!(?)
ちゃんと後半でノブが大きくなってますから!!
いえ、ほぼ出会いから和雄より精神年齢が上っぽかったですけど
もう後ろめたくならずにいられて
本当に好きだったノブとこれからはお幸せにね…!!!

当て馬(先輩)は勿論ですが
和雄のクラスメイトのマイケルがとばっちりを受けていて
脇もものすごくいいキャラなんです!
和雄のお母さんみたいなフラットなタイプも素敵でした☆

お話の流れもとっても惹きこまれるんですが、
和雄のネーミングセンスとか(メアドがホワイトピュアウイングⅡってwww)
先輩に貸したマンガのタイトルが『どんどん餃子(著・どんたく次郎)』とか
細かいところでも笑わせていただきました…。

あっ、ちなみに、ノブが和雄を「おまえ」呼ばわりするのは平気でした!
だって和雄がしっかりして無いから…ww
けど下に見ているわけでもなく、むしろ対等に見ている感じがしたので。
はー…楽しいのにときめきもしっかりあって凄い…。

4

生来の男前気質な小学生

ちるちるの攻めの属性に「ショタ」とあって、え…?!と思ったのだけど、雁須磨子さんなのでまかり間違っても小学生にいかがわしい事はさせないだろうと信じて読んでみました。

捨て猫が縁で知り合った小学5年生の北原君と高校生の和雄。
人は良いけどちょっと気弱で流されやすい和雄の言動で北原君が「ふ」っと笑ったり「へっ」とするところがあるんだけど、この目の細め方が小学生とは思えない渋さがあってかっこいい。
北原君が小学生といえども男前なんです。かっこいいんだわ、これが。多分大人になっても、年取ってもこうやって笑ったりしているんだろうなぁっていうのが容易に想像できる。
妙に大人びているという訳ではなく、もちろん小学生らしい幼いところもまだまだ残るけれど、生来の男前気質が備わっている子なので、ちょいちょいそういう格好いいところに気づいてしまった和雄が6歳年下の北原君に惹かれてしまいます。
このままいったら犯罪者になってしまう!と思い悩むも、北原君が転校する事になりホッとする反面、無性に寂しくなったり、和雄にちょっかいを出してくる同性の先輩によって次第に自分の性癖に気づいていく様子が雁さんらしいぐるぐるもだもだで描かれていました。

最後が少し慌ただしい様子で先輩との顛末や、北原君との再会が描かれていたのが残念でしたが、先輩とは散々傷つけあったけれども一番苦しい時期を共有しあった戦友みたいな仲になっていて良かったな。先輩エンドを考えたころもあるとあとがきにありましたが、それでも良かったような…いやいや、やっぱり見上げるほど大きくなった北原君と再会出来て良かったような…どちらも捨て難くどっちも読んでみたいと思ってしまいました。
先輩は親バレした時に親に土下座して謝ってくれた、とても大切にしてくれたというエピソードがさらりと描かれていましたが、先輩も充分男前だと思う。少々頼りなく流されやすい和雄は実は男前ホイホイなのか?

そして北原君の最後の「よし拾った」がかっこよかったなぁ。

2

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