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表題作指先がすれ違う

溝呂木紘一
受様の同期で後輩のを好きらしい営業マン
小塚武士
入社時から攻様に長く片思い中の営業マン

その他の収録作品

  • 優しくできない

あらすじ

営業マンの小塚は入社以来、密かに同期のライバル・溝呂木を想い続けてきた。社員旅行の夜、溝呂木が後輩の桜庭にキスしたのを目撃してしまう。嫉妬にとらわれた小塚は、溝呂木を脅迫するが…!?
(出版社より)

作品情報

作品名
指先がすれ違う
著者
小中大豆 
イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592876632
3.9

(82)

(23)

萌々

(37)

(18)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
16
得点
319
評価数
82
平均
3.9 / 5
神率
28%

レビュー投稿数16

感情がジェットコースター



 互いに傷つけあった後に結ばれる話で切なさは十分に感じましたが、心情の変化が急すぎてついていけない部分もありました。

 受けの小塚は同期の溝呂木(攻め)のことが好きでしたが、社員旅行で彼が寝ている後輩男性の桜庭にキスしているところを目撃し、失恋します。「お前、ゲイなのか」という質問を偏見と捉えた溝呂木は開き直って、「俺にも好みってもんがあるんだ。お前みたいな男とは、たとえ土下座されてもやりたくないね」という言葉で小塚を傷つけます。それに腹を立てた小塚は目撃したことを盾に溝呂木に対して嫌がらせをするようになりました。
 食事を奢らせたり資料を作らせたりといったものでしたが、桜庭が溝呂木に秘かに恋心を抱いていることに気づき、桜木に対して自分と溝呂木が特別な仲だと匂わせたりします。

 そんな中、小塚がセフレとラブホテルに入るところを溝呂木に見られていて、今度は溝呂木に写真を撮られてそれを盾にホテルに連れ込まれ無理やり抱かれます(暴力はないですが、強制性交と言えるものです)。そのときの写真も撮られていて、翌日、それを盾に「仕事に関係のないことではもう俺をわずらわせるな」と釘を差されます。桜庭と一度ちゃんと話し合うよう伝えたところ、気を悪くした溝呂木が「今夜も俺に付き合え」と言って小塚を家に連れ帰り、二度目のセッをします。一度目のときよりは優しい感じでした。

 少し関係が修復された感じでしたが、その後、仕事でトラブルが発生します。溝呂木のPCを借りて小塚が取引先に送ったメールがCcで他社にも送られてしまっていたというもので、取引先の部長が立腹しているため、溝呂木がプロジェクトから外されることになります(溝呂木の名前でメールが送られていたので)。
 これに対して溝呂木は、小塚の意趣返しではないかと疑い、二人の間に再び溝ができます。
 その日、小塚が居酒屋で飲んで泣きながら帰っているところを通りがかった溝呂木に呼び止められ、家に連れ帰られて、好きだと告白されます。実は、一時期、桜庭に心変わりしていましたが、出会った当時は小塚のことが好きだったという話でした。桜庭からも告白されたけど、断ったそうです。

 ここまでこじれさせてちゃんとハピエンに持っていく流れは読みごたえがありましたが、キスを見られていた溝呂木が小塚にぶつけた暴言は、かつては小塚のことが好きだったとは到底思えないものだったし、あそこまで言っておいて体を重ねたらあっけなく心変わりして、心変わりしていたのに仕事のトラブルでは彼のことを疑ったり、舌の根も乾かないうちに告白したりと、感情の変化がジェットコースターすぎてついていけなかったです。
 

0

ちょっと苦手だった

概ねあらすじ通りの展開。
嫉妬で大暴走する主人公を応援出来るかと言うと出来ませんでしたが、性格自体は人間味があって良かったです。
しかし主人公に惹かれる攻めの心情は理解出来ませんでした。

そして当て馬。というか殆ど三角関係のような状態に陥っていた後輩桜庭の扱いがちょっと苦手でした。
物語終盤、主人公と桜庭の二人が攻めに好意を寄せる中、桜庭が攻めに告白。
その返答で攻めが物語開始時点では桜庭に好意を寄せていた(実は両片想い状態だった)ものの今は恋愛感情は無いと桜庭本人に伝えてしまうんですよね……。
主人公との関係を説明するために仕方なくとのことでしたが、かつての好意を伝える必要性が全く理解出来ず腹が立ってしまいました。

そもそも攻めの恋愛感情の流れが、主人公→桜庭→主人公、だったことにもモヤモヤしてしまいました。
攻めが主人公に惚れ直す要素があるとは思えず、それならば最初からずっと好きでいて欲しかったなと思いました(そうなると桜庭にキスをした理由が不明になるが)。
同じ同性愛者でワンチャンある方に流されたとしか思えず残念。

主人公の脅迫や攻めの強姦など他に気にするべきところはあると思いますが、それよりも攻めの恋愛感情の方が気になってしまいました。
しかしなんやかんや言っても最後までスルスルと読むことが出来て良かったです。

0

何度も読み返している

電子挿絵なし残念。受けも攻めも男前でたまらん。本編の長さがちょうど良い。男同士のセックス!って感じで◎(女々しい受けだと萎える)素晴らしい作品でした(可愛くない!は全然刺さらなかったけど)

1

初めて読みました

双方がサラリーマンで実はゲイ同士。お互いに相手がノンケだと思っていたり当て馬君に嫉妬したり、と面白かったです。

仕事がメインってわけでもなく、単に「すれ違い」が高じて絡まっていっちゃうモダモダが描かれます。読みながら「あーーーっ、ー何でそうなる」「そこで本心言っちゃいなよ〜」とか独りごちてました。
受けの小塚が鬱陶しいほど女々しかったりするんで、ちょっと辟易する部分もありましたが、攻めの溝呂木が小塚の思いに気が付いて二人で話をするところは、やっと収まるところにおさまったかぁ、と感慨深かったです。
実際、こういうことってありそうよねと思ったり。

特に溝呂木が二度目に脅して小塚を抱く時には、無理矢理、愛はないはず、なのに(実際は溝呂木はこの時点ではもう小塚への思いを再認識していたからだろうけど)優しく、愛情を持って抱くんですね、だから小塚が???になりつつも抱かれることが実は嬉しくて。
ずっと使ってなかったローションを使えるか試すのに溝呂木が手の甲に塗って「大丈夫、パッチテスト完了」って!優しすぎるやろう〜。(そんなすぐにパッチテスト出来んやろ、というツッコミはしちゃいますが)

ちょっと作者さんの他の作品も読んでみようかなと思いました!

0

すれ違ぅぅぅぅっっ♡

小中先生のめちゃファンになり、ただ今必死で探して読み漁り中です。
こちらがデビュー本だったのですね!
初めて読んだのが《ないものねだりの…》でしたから、小中先生はめっちゃコミカルが土台で、少し〈切ない〉のも入るんだと思い込んだのですが、色々読む内に、最初に読んだのが例外で、めっちゃ切なくて苦しくて…ってのが普遍なのだとわかりました。いやぁ驚いちゃった。
この本も本当にハピエンになるの?
ずっと「すれ違う」ままならどうしよう!
だって受けの好きな攻めは違う人に惚れてて、しかも寝込みにキスまでしてるんだよぉぉーーっ。
キャーっ誰か助けてーーー!
いやいや、ここまでは筋書き通りなんだけど、なんだけどぉ!、何処かで間違いじゃなかったのか、なんて淡い期待で読み始めたもので、もう本当に心臓に悪い。受けの切ない心に涙がちょちょぎれる。
はぁ~~~もぉどんだけ~~~~~~なくらいに私を振り回してくれましたね!お陰で何回も何回も読んでしまっているではありませんかっ!
この幸せをありがとうございます♡♡
イラストの陵クミコ先生の描かれる二人もカッコ良かったぁ。
これからも、読み漁ります∠( ̄^ ̄)

0

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