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幼馴染のふたり。
愛はずっとずっとそこにあるのに、目を逸らし続けた年月。
でも、それはきっと必要な時間だったのだと思いました。
その分うんと幸せになってくれることを願うばかりです。
正しいとか正しくないとか、そういうことで大切なものを失くさないでほしい。
『愛はね、』
『ぼうや、もっと鏡みて』
タイトルが素晴らしいなと思いました。
愛はね、の続きは何だろう...
もう一回じっくり読もう。
帯にある通り、長く苦しく優しい物語でした。
続編は読まない方が良かった、という方もいらっしゃるようなのですが、私的にはこの作品を読んでこそ、きっちり完結したなぁという印象でした。
しかしながら、全編を通して、涙、涙、涙。
自分でもなにがこんなに突き刺さってくるのかわかりませんでしたが(不思議なことに本当にわからなかったんです)でも、言葉にできない痛みがずっと胸の内に渦巻いていて、読むのが辛いのに止められず、愛はね、同様一気読みしてしまいました。
望も俊一も、私的には全然タイプではないんです。
そもそも同級生ものにも興味はなくて、樋口先生の力量がわかっているからこそ作家買いと言いますか。したわけなんですけれども…大正解でした。
望も俊一も好きじゃないのに、どちらかと言えば、俊一の傲慢さや望の弱さは嫌いな部類なのに、作品としては間違いなく神評価で、本棚に大事に大事にしまわれる推し本の1つとなりました。
内容を簡単に説明できず、恐縮です…
けれども機会があれば、ぜひ手に取ってもらいたい作品の一つです。
昆虫の生態と人物を合体させて作られた物語、「虫シリーズ」読了後に
電子版で「愛はね」と「ぼうや、もっと鏡みて」の二冊購入、読み順を間違えてこの本を先に読んでしまった。
どっちから先に読んでもいいけど、人物の内面を深く掴むなら、読み順は以下をお薦め。
① 「愛はね」 2010/12/17
・・俊一は、知人・篠原に望を紹介した後、篠原に殴られた望を見て・・
② 「ぼうや、もっと鏡みて」 2011/06/17
・・「愛はね、」から一年後、俊一は小説家。
高校の授業で「マンボウの卵」の件、「三億の卵から育つのは、その中で二つだけだ」と教師。
「マンボウは何故三億個の卵を産むのか?」の問に、望は「食わせる為だ」と答える。
・・「たった二つの卵を守る為に、食わせる犠牲の卵」・・これがこの物語のテーマ。
『愛はね、』から続く望の片思い。望はマンボウの犠牲の卵を食わせ続けている。
望は、大好きな俊一の代理を探しては、傷つく。
傷ついた望を抱きしめて慰める俊一。
・・俊一は自分の気持ちに向かい合わず、偽り続ける。
タイトルの「ぼうや、もっと鏡みて」は、俊一が高校生時分に書いた小説。
少年が夢の中で少女を探し続ける泣ける純愛物語。
高校時代の同級生女子が、俊一の小説を盗用してコンテストに応募、受賞候補にノミネート。
実は、俊一が書く小説に登場する「少女」のモデルは、常に望。
潜める「望への気持ち」・・俊一は望を愛している。
調理師になる望は、俊一の部屋に盗作した女性が居るのを見て、俊一に福岡へ行くこと告げる。
別れ際の望の言葉が、切ない。「一回だけ手紙を出していい?」
望から連絡が途絶えて、やっと自分の気持ちに向き合う俊一。
葛藤していた「常識」の壁を捨てる、そして望が居る福岡へ向かう。
俊一の気持ちを望は受け入れ、俊一を赦す。・・望が緩い性格で、良かったよ。
東京に望が戻ったら、一緒に暮らす約束をする二人。
妄想癖がある小説家の俊一は ちょっとのことで望に嫉妬するようになる。
素直になった俊一の、望への態度の豹変が面白かった。
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★調べたら、マンボウの生態は、いまだに謎らしい。三億の卵説の実際は、謎。
やっと、やっとですね。
俊一はかなり難儀な男ですよ;
望のことが好きで好きで堪らないのに、そのことを認められないままここまできてしまった。
傷付けては後悔し、そしてまた傷付けるの繰り返し。
遂には望に別れを告げられて……
ある意味ざまぁなんだけど、俊一みたいな男が男を選ぶには必要な過程だったのかなとも思う。
俊一が望への気持ちを自覚した後の隠さない愛情に驚くと同時にキュンとしました。
元から独占欲と執着は強かったものの、ここまで溺愛ぶりを発揮するとは驚いた!
あれだけ傷付けられてきた望だから、今度こそ幸せになってほしい。
俊一も覚悟を決めたようだし、まぁ大丈夫かな。
前作の方が好きでしたが、これを読まないと完結しませんね。
モヤモヤしながら読みましたが、読んで良かったと思える続編でした。
「愛はね、」があまりにも苦しい終わり方だったのでそちらを読み終わって即購入しました。望の気持ちにはどうしても共感し辛く、あまりにもお人好しすぎて理解不能でした……でも俊一の「俺を好きにならなければいいよ」という言葉はあまりにも残酷で、しかも望からの好意をわかった上でというのがまた酷いなと思いました。でも、BLを長く読んでるせいで『ノンケ ほだされ』などのワードが結構当たり前で、どのBLを読んでもノンケの人が結構簡単に体を許してるのに気付きました。本当はそんなに簡単なものではなく、もっと悩み、それこそ俊一のような選択をするしかないのかもとも思いました。同性と交際するのはそれくらいハードルが高い、体だけでなく交際することで圧倒的マイノリティに属されてしまう訳ですから。日本ではまだ考えが古い部分も多いですし。そう考えるとやっぱり俊一のことが憎めなくて、でも望のことも好きだから、すごく葛藤しました。人一倍読むのが苦しかったです(笑)この巻で交際始めることがわかってたから、二人の幸せが見たいから何とか最後まで読み進められました……付き合い始めてからは、今までの苦しみが全部昇華するくらい甘々で読んでて楽になりました……泣
樋口先生の作品は昨日パブリックスクールを全巻読破してからの二作品目です。「虫」シリーズのイメージが強くて、何となく読むのに抵抗があって手をつけるのが遅れました汗
「虫」の擬人化BLがどうしても想像出来なくて、、評価がいいので良作なんでしょうが……
他のはどうか分かりませんが切ない、苦しい、だからこそ切実なお話を書かれるのが上手な方だなと思いました。虫シリーズ……食わず嫌いせず手をつけてみようかな、、