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童貞萌えの方、軍服好きな方に特におすすめしたい作品です。
大国・ガイゼル帝国と敵対する、謎に満ちた貧しい小国・ラカン神国。
長年大小様々な小競り合いはあったものの、本格的にガイゼル帝国の圧倒的な武力と戦力の差に制圧されていく。
今作は「神の人形」「神の愛人」「神の囲い人」と、それぞれ異なるCPの連作オムニバス形式で描かれた作品です。
異なるCPではありますが、ちゃんと話が繋がっているので、順番に読み進める内にラストへ繋がる…といった形となります。
洗脳からの脱却・価値観や倫理観の違う者達が出逢ったらどうなるのか、がテーマのひとつでしょうか。
表紙やあらすじだけを見ると、暗さや重たい印象を受ける方もいらっしゃるかと思いますが、これがまたとても読みやすい上に設定が練られていて非常に面白く、さくさくと読み進められます。
最終的に6Pが書きたかったとのことでベッドシーンは多め。
特殊プレイや性癖にささる属性もてんこ盛り。
しかしながらバランスがお見事で、しっかりと読ませるお話なのが沙野先生。
あとがきでも仰っている通り、沙野作品の中では甘いお話になっています。
以下、長めとなりますが感想です。
●神の人形
3CPの中でもこちらのカップルが1番好みでした!
ラカン神国は宗教原理主義で、幼い頃から教育を徹底しています。
・神と神の代理人である天子様は絶対である。
・神兵となる者は右のこめかみにチップを埋め込まれる。
・神に背けばチップは爆発する。
・魂も肉体も神のものであるため、婚姻や自慰は許されず、無垢でいなければならない。
など、お国のためにと洗脳されてしまっているのですよね。
非常に禁欲的で痛々しいほどに盲信的です。
そんなラカン国の神兵であるセツが敵国の軍人・ヨルクの捕虜となり、無意識の内に洗脳の上書き、調教をされてしまいます。
この1編だけでも読み応え抜群でワクワクしました。
冷酷なガイゼル人と教えられて来たというのに、ヨルクと共に過ごす内に自我が芽生え始め、彼への想いを自覚し罪の意識と葛藤するセツ。
趣味と実益を兼ねてセツを虐めちゃうドSなヨルクが、心を開いてくれるようになったセツに知らず知らずの内に夢中に、やがて必死になっていく様子がたまらなく良いです。
毎夜、本を読みながら穏やかに2人で語り合うシーンが好きでした。
ストイックな受け・尿道カテーテルプレイ・ピアス開けにピンと来た方に特におすすめの1作です。
●神の愛人
「神の人形」のラストからの続きです。
ヨルクと共にラカン国へ視察へ訪れ、自然災害に巻き込まれ敵国の捕虜となった軍医のキール。
キールはとても頭の切れる人間で、医者である自分の腕と立場を利用し、敵国の中将・シンに取引を持ちかけます。
日々、神兵達の治療をする傍らで、自らを監視する未だに無垢なシンを少しずつ誘惑し籠絡していくちょっとえっちなお兄さんです。
初めは利用するつもりだったはずが、いつしかシンを憎からず想ってしまうキールと、敵味方関係無く救おうとするキールの姿に惹かれていくシン。
互いが互いの価値観に触れ、徐々に関係が変化していきます。
童貞故の素直な淫らさにキールだけではなく私までやられました…
童貞攻め・年上の誘い受けがお好きな方におすすめです。
●神の囲い人
謎に包まれた存在だった天子はとても不憫で健気で無垢な青年でした。
神の代理人と崇められていた天子の現実と過去があまりにも悲しい。
初めて知る国民の貧しい暮らしぶりや国の現状に、何も出来なかったと悔やむミコトを見て、今までの態度を思い改めるアーシェイド。
「蹂躙王」等と呼ばれながら、1番甘く情が深い人だなと。
3作の中では王道といった感じのお話ですね。
天子からただのミコトに戻ろうと髪をバッサリと切るシーンが特に好きです。
●初夜~青年王妃~
ガイゼル国では婚姻をする際、4人の証人の目の前で初夜を迎えなければなりません。
厳密には2P×3かな?と思いますが、今まで登場した6名による広い意味での6Pとなります。
証人達の前で行為に及ぶ事に戸惑うミコトの緊張を解すためにと、それぞれが少しずつ手を出していき、そのあられもない痴態を見ている内に…という流れです。
まー、ヨルクが悪い人!!かつ1番おいしい立場!
沙野先生の情熱をひしひしと感じるラストエピソード、私はとても楽しめましたが、こちらに関しては好き嫌いが分かれる描写かなーと思います。
受けに貞淑さを求める方や、複数が苦手な方は少し注意が必要です。
禁欲的で純粋無垢な童貞国のラカン組に対して、ガイゼル組が非常に退廃的なので、もういろんな意味で相性ばっちりですね。
無垢なラカン組がガイゼル組に色っぽく躾けられてしまっているのがまた…(笑)
宗教観も価値観も違ければ倫理観も違う国の者同士が徐々に惹かれ合い、理解し合っていく。
どのCPも憎しみめいた感情が愛情に変化していく過程が自然ですごく良かったです。
短編の連作だというのにとても良くまとまっています。
救いと未来のある結末だったのも好印象です。
それぞれのCPを1冊ずつにまとめて出して欲しいくらい好みの作品でした!
何気なく読んでみたところ、なかなかおもしろかった一冊。エロメイン…と言いますか、目指すエロシチュエーションのために組み上げられた設定&ストーリーなんだそうです。
でも無理なく読ませてしまうし、3カップルも出てくるのに理解が追いつかないなんてこともなく、飽きずに楽しめました。
舞台は文化が違い、敵対関係にある2つの国なのですがなかなかに練り上げられた設定。ファンタジーとしても悪くないです。ですが、重厚さがあるようなタイプではなくサラッと読めてしまいます。
目的となるエロの到達点についてはですね、本人たちがいたって真面目にヤッているので申し訳ないのですが、なんかもうクスクス笑えて(笑)。
楽しませていただきました。
表紙、6Pに惹かれて買いました。
本一冊を通して、3cpについて書かれています。
6pは、その3cpの計6人ということでした。
小説にしては読みやすい文だなと思います。
また、挿絵がとても綺麗で、キャラクターそれぞれがたんたんと自分を持っている感じでした。
エロは多めですね。ですが、ちゃんと物語性もあり、読み応えありました。
いつもは、小説は苦手なのですが、気楽に読むことができました。
しかし、それぞれのcpについて?ということがあったので。神評価ではありません。
ページ数的に仕方ないのですが…。
6Pもの、と思って読むと、ところがどっこい重厚歴史ファンタジー、ってなるかもです。
実に読み応えある1冊でした。3カップルのお話がオムニバス的に続きます。それぞれが切なくしかし雰囲気満点でよい。手抜き無しの中編集で、手放しで★5つです。
3カップルの恋がせつなハッピーなのに加え、エロエロなのが素晴らしいですね。
タイトルからして、ですが、やはりメインは最初のカップルでしょうね。最後にこのそれぞれに個性ある3CPが6Pしてしまうという大ご馳走つきで、大変良かったです。
ガイゼル帝国に制圧されていくラカン神国ーーその混沌の数ヶ月間を3組のカップルの視点から描いています。オムニバスであり、一つの物語でもある、なんとも不思議で爽快な作品でした。お話も然ることながらアイディアが素晴らしいと思います。
そして、色々なキーワードに「重くて暗いお話なのでは…」と躊躇している皆さんにお伝えしたい!重い・暗い場面も一部確かにありますが、それだけではないので、安心して萌えるつもりで手に取って欲しいです。
私はどのカップルも好きでした~。寡黙攻が好きなのでシン×キールをイチオシしておきます。キール…エロすぎでした。