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表題作二本の赤い糸

英章/克彦
大学講師/大企業の御曹司
一実
高校からの同級生で会社員、28歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

この赤い糸がもっともっと絡まり合って、解けなくなればいいのに――。平凡な会社員の一実(かずみ)には、人に言えない秘密がある。それは、高校時代の友人二人に抱かれ続けているということ。大学で研究を続ける理知的な英章(ひであき)と、傍若無人な大企業の御曹司・克彦(かつひこ)。なぜ何の取り得もない僕に執着するの…? 答えを得られないまま二人とのセックスに溺れる一実だけれど、とうとう終わりの時が迫り!?

(出版社より)

作品情報

作品名
二本の赤い糸
著者
水原とほる 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006395
3

(26)

(4)

萌々

(6)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
8
得点
71
評価数
26
平均
3 / 5
神率
15.4%

レビュー投稿数8

無自覚に攻めを振り回す受け

自分に自信のない受け、と言うのはblでは定番ですが、今作の受けはその中でもかなり自分に自信がなく、自分なんて…自分が選ばれるわけない…と常に考えています。
ただ、うじうじと言う感じではなく、さっぱりと自分に関して全て諦めている感じで、私は鬱陶しく感じませんでした。
受けは自分に自信はないのですが、変に頑固な所があり、攻め二人を無自覚に振り回しています。
あとがきにもある通り、大きな時間等はなく、受けの心情を丁寧に追っていく感じのお話ですね。
ラストも予想通り(というか3pもので、このラスト以外なかなか見ない)なのですが、俺様・傲慢な攻め二人が、地味で冴えない受けをどうしても手放せないと苦悩する様は見ていて大変萌えました。

理由はわからないけれど、どうしてもお前じゃないとダメなんだ、と受けを求める攻め二人。
大変好みのお話でした!

0

本当は欲張り…?

表紙からして3Pもの?
確かに「攻め2人に受け1人」の三角関係なんだけど、この場合、2人の攻めが納得づくで1人の受けを「共有」する、という関係性。
基本的に3人で行為、というのは無く、ある日は片方と、別の日はもう片方と、という関係です。
視点は、受けの一実(かずみ)。
攻めの克彦と英章とは高校の同級生で、もう10年来そんな関係を続けている、という設定。
一実が何というか…ひたすら従順、卑屈で言われるがまま、質問などは全て飲み込んで、それどころかSMっぽい克彦や意地悪な言葉責めをする英章に対して逆に体調や忙しさを気遣ったり。
始まりが2人がかりでのレイプとその後に脅迫もあったせいか、もうはじめから抵抗は諦めていて、何もかも言いなりで自分の意見は無い…
それでいて、自分が2人のストレスの慰めになるのなら…なんていう思考回路です。
そして、心の中では2人からお役御免になる日を恐れている。
…という感じで、いかにも水原節!イタいのです。
印象としては暴君の攻め2人の性奴隷になった受け、みたいな。
ところが。
実際はなぜかハイスペの2人が特に特徴もない大人しい一実に激しく執着し、自分だけのものになってくれと懇願するのですよね。
この逆転は面白いけど、一実のどこがそんなに?というのがイマイチ伝わってこない。
結局選べないので一人身を引きます、と弱々しい一実に対して「君を失うくらいなら!」と攻め2人ともが出す結論があるのですが…

やはり一実の魅力が今ひとつ伝わってこず、エロシーンもなんか痛々しい。
「萌」で。

2

自身をガニュメデスに例えるのはいかがなものかと…

2011年刊。
大体好みの3Pカップルってのは自分なりに見当が付いていて趣味に合わない予感はあったのだが、水原さんの小説はなるべく読破しようと決めたので。

大企業の跡取りとして仕事を任されている克彦と、大学院内で助教授候補として頭角を現してきている英章に対して、明らかに釣り合わない事でおどおどした印象の一実。
どうやら一実は"庇護欲を掻き立てる受け"らしいのだが、グズグズと痛々しい姿が悪目立ちして、読んでいて気が滅入ってしまった。
十年以上も二人に抱かれている位だから一実自身も淫らな身体だと自覚しているらしいのだが、ベッドシーンでは常に罪悪感を感じる様子で気持ち良さそうじゃないし。

一実は自身の事を天界に連れ去られ、従順にしか生きていけなかったガニュメデスに例えているが、そういった方向に考えているって悲劇のヒロインみたいで嫌だ。
本音は二人に縛られて檻の中に留まっていたいんだろう?、ってままなら単にずるい男止まりだが、彼なりに身を引く覚悟があった心境は肯定したかったよ。
こいつら、もういっその事くっつかんでもええわ…って感じた位なのに、三つ巴カップル誕生すか…

「どちらか選べないなら両方を選べよ」って決め文句は、話によっては恰好良く決まる時と逆に萎えてしまう時と分かれるが、残念ながら今回は後者だな。
一旦関係を解消して、一実がガニュメデスの心境から脱して(成長して)からの再構築って手もあっただろうに、どーしてこーなるのさ!?

0

意外としっかりした愛がある

3Pの複数ものですがきちんと愛もあって良かったです。最初は流され過ぎの受けにちょっと感情移入できませんでしたが、最終的にはみんなラブラブできちんと意思が通じてこんがらがっていたものがすっと解けて気持ちが良かったです。このままどうなっていくのか気になりますが、腹黒い攻め2人がいれば怖いものなしでしょう。受けも意外としっかりしているのでこれからも3人仲良く暮らしていけると思います。やっぱりこういった作品は攻めがしっかりしてくれないと読んでいる方はハラハラしちゃいます。

2

三つ巴注意

 主人公は、平凡な会社員である一実。
 彼は実は、人には言えない秘密を持っている。
 それは、高校時代の友人と便宜上で呼んでいる2人から、抱かれ続けている事である。
 大学を卒業後も大学院に進み、そのまま大学に残り研究を続けている理知的な英章。
 傍若無人だけれども、やる事はきちんとやる大企業の御曹司・克彦。
 そんな才能溢れる人間がどうして、自分を抱くのかと疑問を覚えながらも自らその関係を断ち切ることもできず、ただただ流されていくだけの一実。

 2人の執着の理由がわからないまま月日は流れ、体の関係だけはズルズルと続き、 3人は28才になっていた。

 そんなある日、 1ヵ月の海外での仕事を終え戻ってきた克彦に、改まった話がしたいので、3人で克彦の持つ別荘に行こうと誘われる。
 英章に異論がない以上、一実はいつもの通り2人の決定に従うしかなく、翌日、克彦の車で別荘へと向かった。
 一実はそこで2人から別れ話を告げられるのだとてっきり思っていたのだが、それどころか、 2人はもう一実を共有したくないので、自分を選んで欲しいと言ってきた。
 終りになることを覚悟していても、まさか自分がどちらか一方を選ばないといけない日が来るなんて想像していなかった一実は困惑する。

 そして、一実の出した結論は……

 という話でした。
 結局のところ一実は、実は頑固な一面を持っていてその一面を存分に発揮して、どちらも選べないからどちらも手を離してほしいという結論を出します。
 すると、手を離すよりは共有する方がいいと考えた他の2人が折れてハッピーエンド?
 今まで通りの関係で行こうという結論に落ち着きます。
 いわゆる三つ巴話ですね。
 個人的には、あんまり三つ巴話好きじゃないんですけど、これはまだ共有する側の人間がどっちかを選んで欲しいと言い出しただけ、ましな部類に入ると思います。
 それすらもしないしそれでいいよね的なのが続くのはさすがにちょっとあんまり好きじゃありません。

 というわけで、三つ巴話が好きな人にはお勧めします。

1

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