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まず攻めの紹介をさせてください。
初っ端から強引なレ〇プをしてしまう、一歩間違えれば性犯罪者の暴君。
イライラするとまず手が出てしまい、攻めの頬を叩く。
お前が俺を好きじゃないのが気に入らない。
そんなジ〇イアンのような俺様攻め。
どう考えても理不尽!受け可哀想!
…そう、とんでもない攻めだと思いました。
でもこの攻め、不器用と片想いを拗らせまくってます。
子共みたいに、めちゃくちゃ執着してます。
普段はワガママで自信満々なのに受けに拒否られた時の、しょぼんと落ち込んだ姿のギャップが凄まじいです。
不覚にも、私はこの姿が最高だと思ってしまいました…。
結局は受けのために改めようと努力する姿や、好きだと言えて吹っ切れた潔さに絆されてしまう受け。
でも読み終わるとこれは受けもなかなかの性格だったのでは…?と、先生のあとがきで答え合わせ。
ラストの書き下ろしに攻め視点が入っいたのも最高でした。
惚れた理由や、二人のその後もありスッキリ。
いや~~最高でしたやっぱりハズレのない夜光花先生!
狂犬っぽい攻め、レイプありということを把握した上で読んでみたけど……。
小中時代から、攻めは何かと受けに付きまとっては暴力してたそうで……。
(同級生からみると「いじめ」と思われていたくらいの)
暴力的な男は嫌だわ……。
なのに受けときたら「いじめられていた感覚なし」だし、そんな男そういえばいたっけね……程度なもんで、これは破れ鍋に綴じ蓋カプのお話でしたね!
この受けにしてこの攻めあり!って感じの。
ちなみにレイプは、裂けて流血という痛そうなやつでした。
暴力的な攻めということで攻めへの好感度はめちゃ低からのスタートでしたが、受けのあまりの鈍感力、人間に興味がなさすぎて、攻めがいくら波風起こしても無関心みたいな態度もなかなか酷いものがあり、同情を禁じ得なかったです。
いつしか攻めを応援していたわ。
最後まで、受けはラブラブになってなかったし……。
受けの中での最大限って感じではありましたが……。
ちなみに受け限定で暴力的になったりイかれた態度を取るだけで、周囲の人からはまとも&好青年と思われているんですよね。
どんだけ二重人格なの?っていうくらいの変わりよう。
そして攻めの元嫁の害悪っぷりは目を見張るものがありました。
2012年刊行の本作。
あらすじ&今まで書かれたレビューを読むと、私のイメージの『夜光さんのお話』とはちょっと違う感じ。なので期待して読んだんです。
……この本、面白いよ!
以下、私が面白いと思った部分を。
面白い所①
私、2017年から始まった『眷愛隷属』のシリーズを先に読んでいたんですけれども……
あれ?この本に『リトル弐式有生』がいるーっ。
攻めの椚優治の『小学生の様に好きな子を虐め倒す』感じがとっても似ているんですよ。あそこまで訳が解らなくないのですけれども。
他のことはちゃんと出来るのに恋を表現することだけ不器用で、その相手に対してだけ子ども(って言うより『ガキ』)になっちゃうんです、椚って人は。
やっていることがとんでもないので、最初はこっちが当て馬なのかと思っちゃった位の酷いことをやっているんですけれども、読んでいるうちにどんどん憎めなくなってくる。これがとっても面白かった。
面白い所②
対する受けの陽斗も、BLの登場人物としてはあり得ないほどの『恋愛低体温』保持者。恋愛が成立した後も、彼が告げた一番甘い言葉が「だいぶ好きになった」なんですよ?椚の熱愛ぶりと比べてちょっと酷いんじゃないかと。
彼は人より犬が、動物が好きなんです。
最初に勤めた銀行でパワハラに遭ってから、この傾向は加速しています。
ちなみに、椚は動物が苦手。
椚がどんなに陽斗を好きでも、陽斗の方から椚に惹かれる理由がないんですね。
こんな感じなのに、陽斗が椚のある性質に気づいてから、一気に変わっていくんです。
私も大の『犬馬鹿』なんですけれど、これがね、よーく解るんですよ。
確かに、確かにそうなんです。
犬を愛する人なら、陽斗の気持ちはとっても共感出来るはず。
だから、説得力がある。
ここの大転換が非常に面白かった。
捻くれた愛情表現と、犬が好きな姐さま方にお薦めです。
「うわーぁ♡」って思っていただきたい。
あらすじを読むと攻の椚が変人かと思ったのですが、実は逆で、主人公の陽斗こそが掴みどころのないキャラクターです。陽斗にずっと想いを寄せているのにちっとも報われない椚の言動が切なく、たまに可笑しく、陽斗視点で書かれているのに椚を応援したくなる物語でした。
夜光花さんの作品にしてはダークな展開があまり無く、登場するワンちゃん達も可愛いので(私は特段ワンコ好きではないですが)、さらっと読みやすいお話だと思います。
登場シーンでは確かに威圧的で傲慢な俺様だったのにどんどんワンコ攻と化していく椚が愛おしかったです笑
夜光花さんにしては珍しくミステリー要素薄めの作品。
とはいえ、やはり一捻りあって、基本的に他人に興味がない受けの性格は、攻めからすると長きに渡って片想いに苦しんできたんだなと、最終的には同情的になりました。
だからといって暴力は宜しくないですが。。
他の方のクチコミにあるように攻めの元妻のパンチが効き過ぎてました。
執着攻め大好きですが、こじらせてしまった愛の行方って感じでした。
淡々としてる?鈍感な受け視点だとどうも萌えきれず、攻め視点の最後の小話がもっと読みたかったです。