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恋した王子に義母上と呼ばれています

koi shita ouji ni giboue to yobarete imasu

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表題作恋した王子に義母上と呼ばれています

アヴェルス、カルバス国第一王子
恵那悠一郎、国王の王妃として召喚された日本人、26歳

その他の収録作品

  • 王妃と王子のエピローグ
  • あとがき

あらすじ

“国王の世継ぎ”を産むため、突然異世界に召還された恵那。もちろん産みたくなどないが、魔法で縛られ逃げることもできない。“恵那王妃”と祭り上げられ国中が祝福ムードの中、ひとり剣呑な眼差しを向けてくる男がいた。アヴェルス――王の一人息子ながら継承権を持たない王子。彼に用心しろと周囲には言われるものの、恵那の境遇に同情を示してくれたのは彼だけだった。人目を避けた逢瀬を重ねるごとに不器用な優しさに惹かれていく恵那だが、実は男性であると言い出せず……? こじらせ王子と見せかけ王妃の異世界トリップ・ロマンス!!

作品情報

作品名
恋した王子に義母上と呼ばれています
著者
渡海奈穂 
イラスト
もちゃろ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525940

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51

3.7

(19)

(4)

萌々

(8)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
71
評価数
19
平均
3.7 / 5
神率
21.1%

レビュー投稿数8

切ない関係

感情や意識が色で見える恵那は人の感情の影響を受ける訳で、どれだけ生きづらいか想像できる。その上無理やり召喚されて人生決められるって不運でしかない。大事にされてるけど、恵那の意思は無視で憤りしかなかった。
そんな中で唯一恵那に寄り添ってくれたのがアヴェルス。アヴェルス自身も難しい立場だけど、本音で向きあってくれる恵那が嬉しかったんだろうな。2人が惹かれ合うのも解る。
切羽詰まった2人の想いが溢れて心が通じ合う場面や結ばれる場面は感動。先が見えなくても好きで好きで、純粋な想いが素敵。
リュジスとの話し合いで光が見えてきて少しホッとしました。リュジスも苦しみがあったんだと思う。
続編が出るそうなので、この恋がどうなるか楽しみに待ちます。
心を揺さぶられる作品でした。

1

もっと読みたい!

なんて怪しいタイトルなんだろうと思ったのが第一印象でした。そして「義母上」ってドユコト?って思ってたら、義理の息子の王子との禁断の愛だったので、ドキドキしながら読んでしまいました。

この王子のアヴェルスも魅力的なんですが父王も捨てがたかったので、話の行く先は分かっていたものの、双方がWin-Winで終わりますようにと思いながらページをめくっていました。

王にはたった1人だけ愛する王妃がいて、でもその人との間には子どもが産まれなかったことが悲劇だったんです。跡継ぎを作らなきゃならない王は他にも王妃を迎えて、で産まれたのがアヴェルスなんですよ。このアヴェルスを産んだ王妃が気の毒でした。読みながら恵那が想像する通りだったら、そりゃあ恨むでしょって思いました。

それと王が愛した亡くなった王妃を信奉する侍女が怖かったです。全てが善意なのが気持ち悪かった。

読んでてページ数が少なくなってくると、何だか後半が物足りない感じて読んでたら、あとがきで続編があると知り安心しました。

恵那が魔術を使えるようになるのか?アヴェルスの力は封印されたままなのか?世継ぎは無事に産まれたのか?その後がどう決着したのか知りたいです。

個人的にはアヴェルスを疎んでいた奴らにザマァしたいと思いました。特に侍女には土下座させたい!

2

高い矜持が招いた悲劇を越えて

今回は第一王子と召喚された日本人のお話です。

王の子を産むため召喚された受様が
第一王子の攻様の隣に居場所を見出すまでと
本編後の続編短編を収録。

受様は幼い頃から他人の感情がもやった光で見えますが
その力は相手にとっても受様にとっても不幸でしかなく
人と深く交わることができませんでした。

その日、受様は普通に会社で仕事をしていましたが
気付くと教会か礼拝堂らしき建物の中で
ローブ姿の男達の囲む妙な机の上に"落ちて"いました。

受様は混乱するままに男達に連れられて
受様を呼び出したカルパス国王と対面させられ
王の妻となり、世継ぎを産めと命ぜられるのです!!

膨大な魔力を持つ王の御子を宿すための条件に合う者を
異界から召喚したというのです。

受様は男である事を強調しますが
王宮付の魔術師は受様は召喚と同時に
男子でも妊娠出産できる秘術を施されており
子を宿さなければ命が削られると告げます。

受様には聖女として王妃になるしか道はないのか!?

雑誌掲載されたタイトル作に
後日談短編を書き下ろしての文庫化で
異世界召喚された受様と第一王子ながら世継ぎでない攻様の
異世界トリップファンタジーになります♪

王は受様のと閨で神の血である王の血を絶やせば分断を生み
戦と疫病で多くの親族が斃れて血の遠い縁戚しか
いないと言います。

王が愛したのは正妃とした女性1人だけでしたが
身体が弱く既に亡くなっており、
昨年迎えた妃も懐妊しながら魔力に耐えられず
産み月前に亡くなったと言います。

実は王には敵国から嫁した妃が産んだ
第一王子がいるのですが、魔力がない事で
血筋を疑われたのです。
彼こそが今回の攻様です♪

王は攻様の立太子を前に新たな子を望みますが
受様には是と思われる事情ではありません。

しかも攻様には受様の能力が効かず
終始皮肉な笑みと口調の慇懃無礼な態度の攻様は
明らかに受様を疎んじています。

王子ながら排斥される攻様にとって
義母となった受様はどんな存在なのか
新たな妃となった受様は攻様にとって
どういう存在なのかが物語の鍵なのですが

渡海作品のキャラって思考回路が特殊というか
変り過ぎていて、私にはいつもどんな展開になるのか
予想がつきません。

徐々に攻様に惹かれていく受様がグルグルしても
母の生国民とのイザコザで攻様が窮地に立たされても
ハピエンはお約束と安心してハラハラ&ドキドキ、
楽しく読ませて頂きました (^-^)/

誰かを思う事に善悪はないと思いますが
深く思う事で視野が狭まると彼らの視界に残るのものが
必ずしも正しいとは言えないのかもしれません。

続編かあるそうなのでそちらも楽しみにしています。

3

紳士的な攻めが良かった

義母受けとはなんぞや…?状態で恐る恐る読み進めたのですが、なるほどそういうことかと納得。

男の身でありながら、世継ぎを産む王妃として召喚されてしまった主人公・エナ視点で語られる異世界王城生活。
身体は魔法で勝手にいじられてしまいますけれど、なにか暴力を振るわれるだとか、ものすごく辛い目に遭うだとか、そういうことは全くないんです。
でもなんだかちょっと読んでいてもやもやするんですよね。

勝手に召喚されて、勝手に王妃にされて、勝手に世継ぎを産まなければ命が削られていく体にされている。
もう決まったことなので諦めてね感があるというか、立場的に義母設定にするにはこうしかなかったのかもなと思いつつ、読んでいて気持ちが良いか?と考えると決してそうではなかったかなと、あまり義母設定には萌えずでした。
許されざる秘密の逢瀬は良かったのですけれど。

…が!攻めのアヴェルスが本当に良い攻めだったんですよ。
アヴェルスの良さを引き出すためのもやつく設定の数々だったのかと思うほど、攻めがまともすぎて好感度が爆上がり。
前半で感じていた理不尽さへのもやもやを全て彼が代弁してくれるんです。
そうそうそれそれ!勝手に呼んでおいてみんな自分勝手だよね!いいぞもっと言ってくれ!と気分爽快。
エナに対しては一貫して紳士的で、どこからどう見ても素敵な褐色紳士攻め。
物腰柔らかで紳士的な騎士がお好きならきっと刺さるものがあるのではないでしょうか。
私は馬のボロを拾い集める、馬好きの彼が好きです。

攻めは良かったけれど、受けにはそこまで惹かれるものがなかった+いまいちすっきりしない終わり方に感じてこちらの評価になりました。
あれだけ強引に異世界召喚をしたのにあっさりで良いのかい?と思うところも…
続編が決定しているようですが、少し分厚めになってもこの1冊にまとめてほしかったような気もします。
ところで、アヴェルスは結局封じられているだけで魔力があるんですよね?
その辺りと子供に関しては続編でなのかな。

2

義母上

表紙買い。雑誌で読んでいたんだけど、もちゃろ先生描かれた表紙がどうしても好きで我慢できず購入。攻め受けとも超好みというキャラではなかったので中立寄りの萌にしました。父王が諸悪の根源だと思うんだよな。雑誌掲載分270Pほど+その続き8Pほど+あとがき。

会社で座って仕事してたのに、気が付いたら召喚されていた恵那。しかも「魔力は十分だ。余の子を宿せ」なんて言われて・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
リュジス(攻め父、国王、恵那の夫)、サージュ(召喚した魔導士)、アコニ(受けの侍女)、シエロ(王后、故人)、ヒンメル(王妃、故人)。シエロ以外、どいつもこいつも、人道的ではない気がする。リュジス、あんたがなあ・・

++攻め受けについて

受けは人の心がふんわり色が見えるように分かる方。あれこれ気持ちがわかってしまうが故に、人当たりはいいんだけど、恋愛面では避ける気持ちの方が強く、いまだにまっさら。突然連れてこられて子を産め等と理不尽な扱いだらけで、ぷんぷんなのですが、産まなきゃ死んじゃう魔術をかけられちゃったもんですから、途方に暮れているって感じです。ひどいよね。

攻めは魔力あって当たり前の状況なのに、まったく無い状態なので、不義の子で王位継げないやろと皆から思われている可哀想な方。まあよく四面楚歌のような状態なのに、ここまでまだマシな状態で育ったよね?エライと思うんだけど。
王道スパダリというより、悲運な王子、運命に抗いたくても抗う方法が分からず、父王の事は慕っているので、父王に仕えることで国に尽くそうと思っていたのかなあ?

雑誌掲載時からもちゃろ先生の表紙の受けの視線がほんとに好きで。買ったし読んだんだけど、超好きってところから少しずつずれていたので激萌えできなかった一冊でした。もっと攻めが押しが強かったら、とか、受けがもっと最初からばっさばっさ切り捨てて自ら道を切り開いていくタイプだったら とかあれこれ思うのですが、どうもしっくりくるものを見つけられず。八つ当たりではあるのですが、「父王、諸悪の根源はあんたじゃ!閨にいるときに他の女子の名前を出すな!!」と結論づけました。どうやら続きを書いていただけるようなので、そちらでキリっとした攻めと万能感マシマシな母になった受けに出会えることを楽しみにしたいと思います。

1

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