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つまらない二宮さん

tsumaranai ninomiyasan

平淡无味的二宫先生

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表題作つまらない二宮さん

地味好きな3コ下の大学生 佐田明雄
面白くないと言われる平凡な塾講師 二宮

同時収録作品先輩ですから!

コンビニバイトの大学生 仙波春彦
バイトの高校生~後輩大学生 高間雪人 

同時収録作品ルーフトップ・アナザーヘブン

その他の収録作品

  • カラー口絵:「先輩ですから!2」より
  • 友人ですから!
  • カバー下表紙1【表】:表題作シリーズ2CP立ち絵
  • カバー下表紙4【裏】:「ルーフトップ・アナザーヘブン」2CP立ち絵

あらすじ

― 二宮さん、一世一代の遊びの恋 ―

塾講師の二宮は「お前といてもつまらない」と言われ、恋人にフラれたばかりだ。
自己嫌悪に陥っていたところ、目の前に現れたのはきらびやかなイケメン・佐田。
声をかけられ一夜限りと彼の誘いを受けるが…。

イケメン×地味男子たちが織りなす胸キュンラブ

(出版社より)

作品情報

作品名
つまらない二宮さん
著者
平眞ミツナガ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
G-Lish Comics
発売日
ISBN
9784864570138
3.7

(35)

(9)

萌々

(11)

(14)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
131
評価数
35
平均
3.7 / 5
神率
25.7%

レビュー投稿数13

「あの種族」との○○が「始まった瞬間」を描いた作品は初めて見ました

これはかわいい。好き。

①表題作+「先輩ですから!」
②「ルーフトップ・アナザーヘブン」
大きく分けてこれら2つの舞台で繰り広げられる、4CPのお話です。

私は表紙の寝っ転がってる佐田くんがすーーーごく好き(平眞さん作品の主要CPでこれくらいの短髪イケメンはレアなので)。

「先輩ですから!」が大好きなレビュワーさんが何人かいらっしゃいますが、私にとって同じくらい衝撃を受けた大好きな短編が「夏が来たのでキスしませんか」に収録された「秘密のコイビト作戦」だったので、皆さんのお気持ち、ものすご~~~くわかります。
素晴らしい作家さんなんですよね・・・平眞さん。

2013年発売なのに全然色あせないし、もともとこの頃から画力も高くキレイです。
しかもなんとこれ出版日だけで言ったらデビューコミックスか!
(実際は本作より古い頃の作品集が「in portrait」になります)
すごいな・・・末恐ろしい才能・・・。

「ルーフトップ~」はファンタジーなんですが、ケモ耳と人間が共存する世界観っていろんな作家さんで見るし、その際あまりにも現実とかけ離れていたので感情移入できなかったりもしたけれど、あ~そうか!たとえばこんな風に世界ができた、と考えるのも一案だなぁ、と腑に落ちました。
その始まり方を描いた作品は初めて見ましたので、それだけでも本短編集に手を出した価値は大いにありました。
(本レビュータイトルの○○は「共存」です)
これなら感情移入して楽しめる。イヤほんとにすごい人だ。
(他にもそういう作家さんがいらっしゃれば、ぜひ教えてください)

平眞さん作品では「僕にも恋がやってきました!?」と「夏が来たのでキスしませんか」が一番好きなんですが(一つに絞れないw)、大好きな作家さんなので皆さんに少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。

0

同時収録で涙腺崩壊

異空間とかタイムリープとか、切なくなりすぎて無理なんです。
「もう二度と会えない」が確定しているのに、想いだけが残る。
つらい。つらすぎる。

というわけでこちら、同時収録がパラレルワールドとなっております。
ネコミミの世界と人間の世界。
ネコミミだけがあるのがふつうで、人間の耳も持って生まれるヨツミミは疎まれる存在。
ヨツミミのジノは毎日高校で理不尽ないじめを受けて俯いていたものの、あるとき屋上で人間・ナカノに出会って…というストーリーです。
ジノもナカノも、自分たちが属する世界では爪弾きにされて、虐げられているけれど、そこではない世界があることが見えている2人です。
この2人の心の交流と日常のつらさの対比で泣ける。
日常がつらければつらいほど、お互いの存在が宝物になっていくのに…という、もう絶対切ない!絶対泣く!という展開でした。
クライマックスの屋上シーンから後半にかけては涙で前が見えないながらも、清々しい感動を覚えます。
読んでほしい。
描き下ろしの明るい未来も含めて、読んでほしい。
読んでください。

同時収録で語りすぎました。
表題作の方も少しだけ。
まず表題作の基礎となるCPの話が先に収録されています。
コンビニバイトの先輩と年上の後輩。
コミュ障気味のDKが相手に良く思われたいがために言ったことで、相手を傷つけてしまうけど…、という流れで、後半のお邪魔虫登場も含めて結構あっさり。

表題作はこのお邪魔虫がメインです。
「(真面目すぎて)つまらない」と言われてフラれてばかりの二宮さんが、友人に誘われて行ったクラブで出会った佐田(前述のお邪魔虫)。
「好きな子に似てる」と言われて付き合うことになるが…。
二宮さんはつまらないんじゃなくて堅苦しいんですよね。あ、それをつまらないと言うのか!
佐田はゆるすぎるので、そのせいで胸がジリジリする瞬間もありました。
でも二宮さんも佐田も性格が苦手なタイプだったせいで、そこまで萌えず。

描き下ろしで受け2人が仲良くなるエピソードが描かれていましたが、何だろう…。佐田と二宮さんは長続きしない予感しかしませんでした。

というわけで、同時収録をぜひ。
ベタと言われようが、切ない話が好きな方には読んでほしいんですー。
そしてこの切なさとしあわせを分かち合いたいんですー。

2

漫画がうまい

◾︎仙波春彦(年上)×高間雪人(高校生〜/バイト先の先輩)
先に同時収録作が入ってます。
絵も丁寧でテンポも良くて読みやすい!ストーリーはよくある感じでも、漫画的コマ運びとか構図がお上手なので。7年前の作品ですけど、古さは感じなかった。今流行りの絵柄ではないかも知れませんが。そして"平凡受け"というやつも最近は下火なのかな。

◾︎佐田(大学生)×二宮(塾講師)
そしてスピンオフがこちら。当て馬の如くでてきましたが、あ〜これは確かに表題こっちかも。佐田の飄々加減がいい!

◾︎ルーフトップ・アナザーヘブン
ファンタジーです。綺麗にまとまってる!
やっぱ先生漫画うまいよな〜
後日談がなくても好きな終わり方ですが、ハッピーエンドを明示してもらえると安心します。

1

「先輩ですから!」は、神。

最初は萌2にしていたんだけど、冒頭の先輩ですから!がしばらく経っても変わらず大好きなので、神に変更します。
ーーーーーー
一番気に入ったのは、表題作よりも冒頭に収録されていた作品。
「先輩ですから!」
ネタバレしてます。この作品だけ詳しく書きます。

コンビニのバイト先の年上新人仙波(攻め)と、一緒の時間帯で働いている高校生バイトくん 高間(受け)とのお話。
ちゃらそうに見えて仕事ぶりはしっかりしていて、年上にも関わらず年下の高間のことを「高間さん」とと呼び敬語を使う仙波。

ときどきやってくるゲイカップルがコンドームを買っても、高間は動じず特に話題にもしない様子を見て「普通っすねー。」と仙波が言うんです。
それを聞いて、仙波さんはああいう人らのこと、好きじゃなさそうだなぁ・・・と思ってしまった高間は、話を合わせようとして彼らを否定するようなことを言ってしまいます。
ちょっと傷ついた様子をみせる仙波だけど、それ以降は特に気にする様子もありません。

途中、高間がバイトを辞めることを知った仙波と高間の携帯電話のアドレス交換時のやり取りがたまらなくいいんです。
メアド交換の後、一度電話かけてみてくださいといって高間から電話を掛けてもらうんですが、目の前にいるにも関わらず高間さんから初電話なので、と嬉しそうに電話に話す仙波(攻め)
そしてじーっと高間を見つめて「雪人(ゆきひと)」とでへっと笑いながら名前を呼ぶ仙波。今度から大学の先輩になるんで・・と言い訳してるのがカワイイ。
そして高間が仙波の下の名前を教えてもらって「春彦さん」とそのままお返しのつもりで真面目な高間は名前呼びをするんです。
それを聞いた仙波は画面をじーっと見て、「録音しとけば良かったぁ」って真っ赤になりながら満面の笑みをする仙波。
この携帯&名前やり取りは見開き2ページの画面なんだけど、ここ大好き。私にとっては神ページです。

そして高間のバイトの最終日、最後のお客さんになりにきました、と言って、仙波がやってきます。
いつものゲイのサラリーマンが買っている商品の数々と最後にコンドームを差し出して自分も彼らと同じだった、ごめんなさいとカミングアウトするんです・・・。
そこで高間は、かつて自分の本意ではないけど言ってしまった「マジ?って感じでちょっと怖い」を思い出します。
そんなこと全然思っていなかったのに、仙波にちょっと良く思われたくて言ってしまった言葉だったのにまさか・・・せつないです。

4月になってレジに立つ仙波の前に高間がやってきます。
ここもいいんです、名前を呼びあって もう一回そういうふうに呼びたかったっ!という仙波がなんともいい。名前の呼び合いに実感がこもっていてここのシーンも大好き。



ただし手書き文字がかなり小さくて読みづらいのが難。(他作品だが、読みづらいとされる恋するインテリジェンスよりも小さい)
ーーーーーーーーーーーー

「先輩ですから!2」もあって、仙波の元彼である佐田が登場。佐田は仙波とヨリを戻したがっているのかとおもいきや、まさかの地味メン好きで高間狙い。
イケメンだけど、癖のある元彼でした。

ーーーーーーーーーーーー
表題作「つまらない二宮さん」仙波の元彼とつまらないと言われていつも振られてしまう地味男子とのお話。
お話自体は予想通りでしたが、書き下ろしの「友達ですから!」が良かった。地味&似た雰囲気どおしの高間と二宮が仲良くなってお互いの彼氏の愚痴を言い合ってるところがツボでした。
それを見ている二人の彼氏、仙波と佐田の反応の違いも笑えました。

ーーーーーーーーーーーー
「ルーフトップ・アナザーヘブン」
猫耳みたいなのと、ファンタジー系があまり好きではないので読むのをどうしようか迷いましたが、読んでみたらなかなかせつないお話で良かったです。

3

ファンタジーが好き

 先にレビューした『まほろばの日々』よりも前に読んでいた作品。初読みの作家様でしたが、つまらないと言われる二宮さんがどんな二宮さんに変わるのか知ってみたくて買ってしまいました。タイトルにやられました!

・『先輩ですから!』
 コンビニで長くバイトしている高校生の高間と、新人バイトの大学生の仙波。仙波は派手な見た目で軽そうに見えるのに、年下の高間にも敬語(~っす、だけどw)を使い、仕事も出来るわきまえた男で、地味で真面目な高間の好感度もUP。更にノリの良さでどんどん高間に近づいていきます。この仙波がすごくいい男でした。
 仙波の方が年上だしチャラそうなので、ウブで真面目な高間相手にグイグイ行くのかなーと思っていたら、高間のことをノンケだと思っているし、困らせたくないって気持ちもあるのでしょう。高間の最後のバイトの日のカミングアウト=告白が切なかった。
 高間がウブなので恋人になってからも、仙波は無理に先に進もうとはしないのですが、元彼が二人の仲を引っかき回してくれたおかげで、無事に結ばれますよ!この元彼が次の『つまらない二宮さん』のお相手です。

・『つまらない二宮さん』
 1話で仙波にストーカーしているかと思えば、実は地味男子好きで高間狙いだったと言う佐田と、いつも「(一緒にいても)つまらない」と振られてしまう地味な塾講師の二宮。面白味のある人間になろうと友人と出かけたゲイバーで、佐田に声を掛けられて…。
 佐田の好みど真ん中な地味な二宮。いわゆるありのままのキミが好きってお話です。必死になる二宮は充分可愛かった。佐田が一貫してクールなので、もっと振り回されて欲しかったな。結局の所、二宮のこれまでの相手はお互いに本気の相手ではなかったんだろうなと思います。

・『ルーフトップ・アナザーヘブン』
 二つのそっくりだけど異なった世界。それぞれの世界で暮らすジノとナカノ。彼らは子供のころから、見えないものが見え存在しないものを感じることで、嘘つきだと気持ち悪がられ、いじめにあっていた…。
 絶対に別の世界があるって思いこんでる子供だった私は、こういうファンタジーが大好きです。近くにいたってすれ違ってしまうのが人間なのに、「見えなくてもここにいる」という言葉が力強くて泣けました。彼らの未来が見られて良かった。

3

かわいい……♡

3編入り。
「先輩ですから!」と「つまらない二宮さん」は登場人物が繋がっていて、どちらもイケメン×ジミメンのお話でした。
ストーリーはすっごく普通です。
登場人物も普通にいそうな4人です。
でもその日常っぽさが良くて、4人がそれぞれに不器用で可愛くてキュンとします。
最後の1編はケモミミが出てくる切なめのファンタジーでした。

「先輩ですから!」
地味で愛想がなくてテンション低めの高校生<高間くん>と人懐っこくて可愛らしい系のイケメン大学生<仙波さん>のお話。
高間くんがノンケ(というか無自覚)だから、意識しあってるのに中々すんなりとはいかないじれったさが良いです。
仙波さん×高間くんですが、仙波さんが高間くんの前ではすごく可愛くて、高間くんが意外と男らしく、キメるところはビシッとキメるのがカッコよかった!

「つまらない二宮さん」
真面目すぎて面白味のない塾講師<二宮さん>と見た目が良くて喋りも上手くて一緒にいたら面白そうな大学生<佐田くん>のお話。
二宮さんはつまらない自分を変えるために、佐田くんは好きな子に二宮さんが似てるから、という理由で一夜を共にして始まったお付き合いなので気持ちが通じるまでがちょっと切ない。
佐田くんが掴みどころがないキャラだから二宮さんぐるぐるしちゃってるんですが、ちょいSっ気のある佐田くんとネガティブな二宮さんはなかんだで相性が良さそう。

「ルーフトップ・アナザーヘブン」
学校の屋上で異なるふたつの世界が繋がって、それぞれの世界でイジメにあっている男の子二人が出会うお話。
苛められて傷だらけの二人がお互いの存在だけを頼りに励まし合って少し強くなって……イジメネタは苦手なので読んでいて胸が痛かったけど最後はウルッときました。

2

つまらなくなんか無いよ!!

こちらが初コミックスという平眞さん。
私は地味スキーなので、帯の「地味なのになんでこんなに可愛いの!?」に
期待してしまいましたw


『先輩ですから!』
真面目しか取り柄がないと自分で思い込んでいる高校生の高間。
派手でチャラそうな大学生・仙波がコンビニバイトの後輩になって
見た目とは裏腹によく働いてくれるし
高間を“年下だけど先輩だから”といって、
それなりに敬語で話す姿に好感を持ちます。
ゲイカップルが来ても仙波は動じない。
その際、つい心にもない事をこぼしてしまった高間は後悔しますが、
一度口にした言葉って取り返しがつかないものですよね…。
その事についてリアクションが無いのは自分に興味が無いから?と
気になるあたりではまだ単に気にしぃだからって感じもしますが。
高間が大学生になる為バイトを辞めると聞いて、仙波が連絡先を交換して
目の前にいるのに早速かけてくるっていうのが…可愛い…。
しかも、仙波は下の名前を初めて呼ばれたからといって
「録音しとけば良かったぁ」て!
年上なのに無邪気で素直。
最後のバイトの日、最後の客になる為に来たと言った仙波は
ゲイである事を告白し、
泣きそうな笑顔で労いの言葉を残して去ります。
そこでようやく自覚する高間は、4月に再びコンビニを訪れ…。


『先輩ですから!2』
無事恋人同士になった仙波と高間。
大学の先輩後輩になったわけですが、
仙波にちょっかいを出しているように見える佐田と言うイケメンが、
実は仙波の元カレで!
佐田の言動に振り回される高間。
仙波を信じているし、誰よりも好きだと思うけれど
佐田を気にするなと言う仙波と温度差を感じて不安になります。
しかし、佐田がターゲットとしていたのは…。

二人の初めての交わりが、そりゃ仙波は慣れてるかもしれないけど
高間が大丈夫だったかな…?と多少心配になりましたが
気持ちよさそうで良かったですw


『つまらない二宮さん』
“真面目すぎて面白みがない”と言われ、男に毎度振られてしまう塾講師の二宮は
友人に誘われたそのテの飲み屋で佐田というイケメンに声をかけられます。
あの佐田、ですw
好きな子に似ているからという理由で誘ったなんて
言われた方は戸惑うばかりですよね!
酔いも手伝って、普段はついていったりしないのに流れでホテルへ。
一度きりという概念が二宮には無い為、勢いで付き合う事になります。

「親のお金で大学通っているんだから」と
奢ろうとする佐田に言うあたり、やっぱり真面目です。
でも、ここが堅いと今まで言われたようですけれども
それってとても好感が持てる考え方だと私は思うのです。
つまらない、つまらなくないっていう基準は人それぞれかもしれませんが
親を軽んじない、お金を大事に使うとか誠実な人の想いこそが
真実味のあるものではないでしょうか。
ただベラベラ喋っているのが面白いとも言えないし。

“好きな子に似てる”って言われた事が次第にツラくなって
しばらくぶりに会えた時に「もう、似てない」と言われ傷つきます。
好きな相手に似ていないなら、もうこの関係はおしまいだと
涙をにじませる二宮に、佐田は言葉の真意を告げるのです。

あれだけ余裕がありそうで、
いつも自分だけがドキドキしていたと思い込んでいた二宮ですが
佐田の年下っぽい面も知って、もっともっと好きになるのです。
自分だけが知っている、好きなひとの面白み、貴重です!


『友人ですから!』描き下ろし
高間のバイトしているコンビニへ二宮が偶然寄って
お互いに対して同じ感想(すっごく地味でフツーw)を心の中で持ちますが
すぐ打ち解け二人で会っちゃうくらいの仲良しに!!
その様子を陰から除く佐田と仙波。佐田は「四人で」とか言っちゃうし!!w
……それ、見てみたいかも…w

『ルーフトップ・アナザーヘブン 前後編』
ヨツミミのジノと人間のササハラ、
反対側にいるお互いの存在はいつも会えなくても確かにそこにいる…。
ファンタジーはちょっと苦手なので萌えとは違いましたが
切なさがありました。


会話の端々にある誠実さとたまにあるフラットさ、笑い所も好みでした!
線が細い印象がありますが他にももっと平眞さんを読みたいです!
優しい人物をお描きになるのがお上手だと思ったので
たぶん平眞さんご自身が思いやりのある優しい方なんだろうなー…。

4

「掴みどころのなさ」が素敵なキャラいます。

3組のカップルによる短篇集。

■先輩ですから!/先輩ですから!2
一見チャラいけど割りと礼儀正しいコンビニバイトの後輩(大学生)×目つき悪けど地味なコンビニ店員(高校生)。
受けのテンションの低さとか常識的なツッコミとか好きでした!
ふつうな感覚の一般人のツッコミみたいなものがうまく表現されているというか…、
こういう『凡人』の感覚をもったキャラって実は難しいので、『凡人加減』がちょうどよく、素敵でした。

■つまらない二宮さん
表題作。
掴みどころなくて飄々としてるイケメン(大学生)×つまらないとよくフラれる男・二宮(塾講師)
攻めは『先輩ですから!』にも出演している攻めの元彼兼ライバル?的ポジションの男です。
この攻めキャラの掴みどころのなさがよかったです。
チャラいしヘラヘラしてるし、要領よくて口当たりのいいコトばっか言う男って信用置けない感じだけど、
だからこそ、そんな男を本気にさせることができたときの受けキャラの喜びようは半端ないよな~と、ふだん「つまらない人」のレッテルを貼られている受けの心情を察しながら楽しく読ませてもらいました。

■ルーフトップ・アナザーヘブン
猫耳のSFモノ。
設定はかわいいけど、なんかめんどくさい話だった。
次元を超えて、いじめられっ子同士がウジウジしながら励まし合って頑張るみたいな…
そもそも個人的にSF設定は苦手なので微妙…

もし最後のSF短編がなかったら評価1段あがります。

《個人的 好感度》
★★★・・ :ストーリー
★★・・・ :エロス
★★★・・ :キャラ
★★★・・ :設定/シチュ
★★★・・ :構成

2

普通の話がいい

表題作と、その前段の話「先輩ですから」は、日常の出会いの話。
「先輩ですから」の舞台はコンビニ。
高校生の方がバイトの先輩で、そこに新しくバイトに入った大学生と、実年齢とバイト歴が逆転している、ささやかな捻れ具合がいい。
目つきの悪い地味顔の高校生君に対して、新人大学生はシュッとしてキラキラしたイケメン君。
高校生君はゲイなのを自覚していて、密かに大学生君に憧れていたりするのですが、、、
日常の中からそっと何かを育んでいくようなストーリーが、細くて繊細な描線によく似合っていて、この雰囲気は結構好き。
「先輩~」の2話は、無事大学生になった高間が、仙波と恋人としてつきあい始めたら、仙波の元カレ佐田がちょっかい出してきて、、、
そして表題作が、その佐田と、行きずりで付き合いだした、塾講師・二宮先生のはなし。
こちらは、佐田の方が年下の年下攻めで、やっぱりちょっとねじれている。
どちらのカップルも、結構好き。

後半「ルーフトップ~」は、イジメとパラレルワールドのお話。
ネコ耳も、ファンタジー設定も嫌いじゃないけど、前半の、普通のお話の方が好きだわ。

2

恐るべし

出版順で言うとこの本が平眞さんのデビュー単行本と
言う事になります。
……デビュー単行本からこの調子ですか。末恐ろしい。
短編映画を2本見終えて余りの余りに席を立てずにいる、
そう言う読後感です。
ドヤ顔を押し付ける様な決めゴマが無い分すっと気持ちの
隙間に入ってきて、静かに心をえぐって過ぎてゆく物語。
それは行き当たりばったりに積み重ねられた結果物語に
なったと言うものではなく、一度きちんと図面に沿って
組み上げられた上で手頃になる様に再構築された小品なの
でしょう。

3

初読み作家さん。面白かった~

表紙ふたりの組み合わせより、「先輩ですから!」のふたりが好きです。
というか、さんざん「地味」分類されてる雪人くんと二宮さんが好き。かわいいな~。
「友人ですから!」で良き友として邂逅したふたりが笑えるほどツボにはまりました。

そして違う進化を遂げたふたつの世界が折り重なる、そんなお話も素敵でした。
逃げるようにして見出したお互いが、いつのまにか「そこにいて」、なんの約束も未来もなくても、いつだって「そこにいる」。
ジノが見えたり聞こえたりする幻が、「そこにいる」誰かと繋がりたい、自分が変わりたいと思うからこそ形を得たようにも思えます。それも良かった。

2

地味好きぃ~

「先輩ですから!/先輩ですから!2」
コンビニでバイトしていた受け様がある日年上のバイトの面倒を見る事になり、
次第に惹かれ恋になるまでを描いた話とその後の恋人同士になり、攻め様の元カレが
現れた事で、心配や嫉妬を抱きながらもますます二人の仲が深まる内容。
受け様が何処にでもいるような地味目で普通ってところがテーマかも。

「つまらない二宮さん」
表題ですが、面白みに欠けていて真面目な主人公がそんな理由で毎回フラれてるが
ある日友人に連れられていった場所でイケメンに声を掛けられる。
その声を掛けたのが先の作品で地味な受け様を狙っていた佐田くんだったりします。
作品内スピンオフで、やっぱり地味な相手とイケメンのお話。
普通で地味な方がいいなんて内容なんですね。
そして地味な受け様同士意気投合しちゃってる姿を見てるイケメン二人、微笑ましいです。

「ルーフトップ・アナザーヘブン」
パラレルワールドのような世界を舞台にした不思議ファンタジーで方や普通の耳と
ネコの耳のような四つの耳を持つ人類が暮らす世界と普通に耳が二つの人間の世界。
互いにその世界内で、自分たちとは違う人間を互いにに見えたり声が聞こえたりする為
自分の世界でつまはじきにされた二人がある日幻覚でも幻聴でもない実態として出会う。

二人とも自分の世界でいじめに遭っているようでファンタジーだけど痛々しい。
それでもその二人の出会いが闇に心を囚われそうになる弱さを跳ね返す力になる。
ファンタジーを舞台にしたいじめに立ち向かう苛められっこたちの話に、異世界で暮らす
二人が恋をして、互いに二度と会えないかも知れないと思いながらも出会いを胸に
相手への心を忘れずにいるようなファンタジーで離ればなれになった二人が再び出会う
番外編まであってハッピーな仕上がりになっていました。

3

地味で平凡はモテる!?

デジタルによくある細い線がちょっぴり見にくいのですが、シュっとした細い線と背景を極力省いて人物を印象的に見せる描き方が印象的な作家さんでした。
表題と、表題の前フリになるお話、そしてSFなシリアス目のお話と、このリアルとファンタジーの2極で構成された一冊は、また味も違って楽しめました。

表題の前に【先輩ですから!】というお話があります。
コンビニでバイトする高校3年生・雪人の後輩バイトとして入ってきたのは大学生の春彦。
年上なのに敬語を使って仕事もできて、何げに観察しているうちに興味がわいて、それは好意になって。。。
だけど受験を前にして辞める事になった雪人は春彦を好きという気持ちを抱えたまま別れなければならくなる。
そして大学生になって雪人は春彦の前に現れて~
こうやって思いが通じ合った二人の前にライバルとして現れるのが、春彦の同級生・佐田。
最初佐田は春彦狙いなんだと雪人は威嚇しまくるのだが、なんと!
佐田は雪人狙いで、同類(ゲイ)の春彦と佐田は一時恋人だったときもあったけど、趣味が同じということで~

ここで雪人は地味で堅実なワンコくんな雰囲気。
一見春彦が受けっぽいのに、雪人が受けだったのにビックリするやら納得するやら。
結局振られるというか見事なアテ馬になった佐田くんが恋をするのが【つまらない二宮さん】
これは佐田が主人公ではなくて、二宮さんが主人公w
この人、地味つまらない!と言われては振られてばっかり。
そんな彼に声をかけてきたのが佐田だったのです
佐田、雪人が好みというだけあって地味好きですからね♪でも、二宮さんはそれを知らない♪
ただ好きだった人に似ていると言われているだけ。
で、付き合う二人なんだけど二宮くんが不安に思ってヘタレて落ち込んでグルグルして
佐田に「もう好きな人に似てない」と言われて落ち込んで。
佐田もポーカーフェイスでシレっとしているから、もっと春彦みたいに明るく情熱があったら二宮に伝わっただろうけど、きっかけがきっかけだけに、ちょっぴり佐田はSかもしれないなwww

【友人ですから!】は番外で、雪人と二宮が会って意気投合する話。
地味で平凡同士、これってアルアル!ですよね♪
なにせ、春彦も佐田も個性的だからw

【ルーフトップアナザーヘブン】
これって近未来のSF話なのかな?と思ったらパラレルワールドの同時進行のお話。
中心の舞台は人間の頭に耳のような突起があって(機能のはないが)四つ耳状態になっているのが普通の世界。
そこで、幽霊のような人に見えないモノが見えることで周囲から浮いていじめられているジノ。
彼の前に現れたのは、四つ耳でない人間ナカノ。
現れた彼はいつも傷だらけ。
ジノもいじめられて傷だらけ。
互いに違う世界に行きたいなーと思い、似た境遇で彼等は親交を深めるのだが・・・

ちょっぴり切なくて、悲しくて、でも次元は違っても同じ空間で生きているって希望もあるお話でしたが、その後の描き下ろしでビックリ!
よかったね、な未来が待っていました。
何げに匂い系のような作品でもあるけど、BLでした。
自分的にはこちらのファンタジー作品のほうが好きだったかもしれないです。
なんだか切実なのに夢があって、必死な気持ちが伝わってきて・・・
ファンタジー好きな方にオススメしたいな♪って思いました。

4

この作品が収納されている本棚

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