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nemurihime ni kiss wo
心理描写が繊細で切なく、ちくちくと痛むトゲがあって、傷を癒すような優しさもある。
これぞ月村節が詰まった作品でした。
「そばかすの浮き始めたバナナ」だったり、月村先生の言葉選びのセンスがすごく好き。
自身がゲイであることに強く負い目を感じている主人公というのは、加減を間違えてしまえばただただ卑屈なキャラクターにもなり得ると思うのです。
しかしながら、今作の篤史はそうではない。
恋愛をする気はない。してはならないと思っている。
宮村にどうしようもなく惹かれているけれど、その手をとってはいけないと思ってしまっているんです。
宮村からの好意も、宮村への好意もなかなか認められず、自分の心に正直になれずにいる篤史に焦れてしまいそうなところですが…
作中で描かれる彼が育った家庭環境と彼のこれまでの人生を顧みると、ああそうだよね。怖いよね。苦しいよねと、胸がいっぱいになりました。
こうならざるを得なかった、こう生きるしかなかった篤史が本当に切ないのです。
自分よりも周りのことを想っている、とても優しい人のように感じました。だからこそ彼の幸せを願ってしまう。
ぎゅっと締め付けられるような心理描写が上手いです。
心の傷と同じように、小さな傷をいくつも作っている篤史の手にそっとハンドクリームを塗る宮村。
誠実な宮村の手によって、少しずつ、本当に少しずつ傷が癒され心解かれていく。
篤史の心の傷が癒えるまで時間はかかるかもしれないけれど、宮村の愛情深さと優しさ、そして少しの執着心に包まれてたっぷり愛されていってほしい。
優しくあたたかい気持ちになれる素敵な1冊でした。
ゲイであることを否定されてきた篤史は、恋愛もせず、社会で独り立ちして生きていくと惣菜店と料理教室の講師として頑張っていた。
そこへ客としてたびたび現れていた宮村周平と出会い、ブレーキをかけながらも恋に落ちていくのを止められなかった。
もうね、篤史が過去にトラウマから恋愛しないって決めているのに、宮村の性格や接し方にどんどん惹かれていっちゃって。なのに必ずストッパーをかけようとしちゃう。やはり育った環境ってすごいんだなって思います。しかも途中で出てくる弟君は医者ですよね。
こんな医者は嫌だなって思っちゃう。
宮村の家族は、そういうことも受け入れられるような家庭で育てきたんだろうなというのがうまく書かれていて、いきなり母親のところに連れて行ったのも、きっと篤史に言えば逃げ腰になっちゃうとわかっていたからで。その通りだったわけですが。
篤史が宮村に出会えたのは奇跡かも知れないけど、この奇跡を大事に育ててほしいなと思う二人でした。
なんと言っても攻めがかっこよすぎて。こんなに人間のできてる人たちばかりだとファンタジーとしか言いようがないのですが、攻めの人格に惚れるしかない。潔さ、懐の深さ、好きにならずにはいられない。木下先生の漫画と連動してるのも楽しかった。装丁も綺麗だし普通に飾っておけそうな、外見、内容、両方満たされます。
スピンオフ作品と知らず、こちらを購入して読みました。
個人的には、こちらの作品だけでも十分お話は伝わり問題はなかったです。
篤史視点でお話が始まって進んでいくんですけど
とにかく切なくて辛くて悲しい。
篤史の家族との関係、学校であったこと全てが悲しい。
そういう過去の辛い出来事から『一生恋はしない』と決めている篤史。
そんな篤史の心を溶かした宮村さん。
でも、彼は元々ノンケなんですよね。
そして家族とも仲が良く、そういう宮村さんをこっちに引き込んじゃいけないと思う篤史。
あー!!!!もう!って何回も思ったけど、そういう考えになるのは篤史自身過去の出来事があったからなんですよね…。
家族関係に関しては現在進行形だし、それがまた悲しかったです。
弟と会ったことがきっかけで、宮村さんに別れを切り出そうとする篤史。
そんな篤史の雰囲気を感じたのか、宮村さんがとった行動が大胆だけど篤史を安心させる行動だったので安心しました。
宮村さんは好青年な印象を持ってたけど、実はかなり執着心が強そうで、そんなところがすごくいいな…と思いました。
宮村さんが篤史のお店のお客さんになってくれて良かったです。
じゃないとずっと彼は殻の中に閉じこもったままだったと思うから。
ほんとによかった…。
何回も悲しくて、切なくて泣いちゃったけど、最後はとても幸せな気持ちになりました。
読んでよかったです。
納得の不朽の名作ですね。
温かい幸せな読後感です。
受け様は1人でデリと料理教室を切り盛りする料理人の堀。
最近、デリの惣菜を買いに訪れる1人のお客とささやかな会話ができるのを密かな楽しみにしていた。
そのお客こそ攻め様の宮村。
堀は、最近一人暮らしを始めた料理初心者の宮村に、料理を教えることになる。
友達と称して、ぐいぐい距離をつめてくる宮村に、堀は戸惑いながらも少しずつ親しくなっていく。
母親にゲイバレした中学時代から、家庭内が針の筵だった堀。
全ては自分のせいだという罪悪感の中で生きてきた堀が切なかったです。
やっと宮村と相思相愛になったのに、堀ってば幸せになることに対しておっかなびっくり臆病で。
大丈夫、幸せになっていいんだよ〜と地団駄を踏む思いでしたよ。
なので、宮村の母親との恋人としての対面はとってもよかった(*´ω`*)
あぁ、なんて気遣いにあふれた優しいお母さんの言葉。
よかったねぇ。
また、宮村がとってもおおらかで愛情深いできた攻め様(´∩。• ᵕ •。∩`)
堀を尊重してくれて、慎重にゆっくりコトをすすめるし、優しく愛を伝えてくれるし。
力技も使ったけど、堀への愛ゆえだしね。
どうかこれからは幸せにね。
宮村、ヨロシク頼むよ~。
ラストの1行がとっても素敵です。
ほっこり温かい気持ちになれるお話でした(*´ω`*)
イラストは木下けい子先生。
お話の雰囲気によくあってる2人のイラストの数々をありがとうございます。
過去の経験から恋しちゃ駄目だと雁字搦めになってるのがしんどい…
それを溶かしてく宮村の朗らかさや
"自分で作った凝った料理より他人が作ってくれたインスタント”
にグっと来て、背景を知るとうぅ…となるけど料理エピも楽しく、木下先生の漫画も嬉しく、あたたかな気持ちに。
篤史の家族にガツンと言ったれや!悔い改めろ!ってモヤしたけど、篤史は間違ってないって言ってくれて、大きく迎えてくれる人々が増えたので、家族と分かち合えなくても、それはそれで良いのかも…と思えました。
すごく良かった。
この小説のスピンオフ?の漫画の方から読んだんですけど、すごく切なくてそして幸せで良かった。
主人公の篤史がすごく自己評価が低くて、何故そんなに?と思ったけど、彼の家族との過去を知ると、何となく納得。宮村さんみたいなおおらかな人と出会えて良かった。
どこまでが友達として普通なのか悩むところがいじらしい。今まで誰に対しても一線を引いた付き合いしかしてこなかったんだろうな。
宮村さんの家族が本当に素敵でした。
対して篤史の家族。弟は身内だからこその遠慮のない冷たさ。母親も冷たくて、いんげんの白和のエピソードは本当に泣けてきました。
今回出てこなかった父親だけでも優しかったらいいのだけれど。
今まで恋をしないように生きてきたぶん、幸せになってほしい。
そしてタイトルはさすがだなと思いました。こういう意味なのね、と最後の方でようやく理解できました。
2人、長く優しく過ごしているところをまた見てみたいです。
月村せんせーの名作の1つ、やはり問答無用でめちゃくちゃ良い!
ゲイに偏見のない青年と、恋愛を諦めているゲイの青年の心温まる物語で、落ち込んだ時や疲れた時に読み返す1冊です(*´ω`*)
派手さはないし、ストーリーだって珍しい訳ではないですが、この空気感・雰囲気がたまらなく好きです。
篤史はゲイであることが原因で、中学時代にはいじめにあって、家族と疎遠になり疎まれているのですが
そのいじめの発端ともなった、勘違い熱血教師の行動が腹立たしい。
こうして家にも学校にも居場所がなくなってしまったわけで…辛すぎ(´;ω;`)
そんな篤史を、率直かつ誠実に辛抱強く溶かしてゆく宮村に救われて、本当に良かった……!
すんごく理解ある宮村母のあたたかい言葉も傷口に染み入るー(´;ω;`)
宮村は人を信じる素直な心を、
篤史は傷ついても、また人を信じる道を選ぶという強さを教えてくれます
末永く幸あれ……!
月村先生作品できっと最初に読まないといけないんだろうなあ、と思いつつ、今頃。
ようやく篤史さんのことがわかりました。
宮村くんは他のリンク作品のどこで見かけても常に温かだけど、篤史さんがいろいろ秘めてそうで…軽くはなかったけど外道じゃなくて良かった。トラウマと簡単に属性したくないなあて思いました。主役の人となりのできかたをリアルに読ませる月村先生の筆力なんだなあと…もうがっつりはまっています。
宮村くんを育てたお母さんの、「家族に反対されたりひどいこと言われるのは辛い」とわかってくれるところ、この場ではまだ誤解してる篤史さんの気持ちと相まって大泣きしました。
こういう家庭で育った宮村くんの返しが、随所で光っていて好きです。
「それって逆に俺が全女性をいやらしい目で見てるってことですか?」とか
「実際なってみたらびっくりするほど子供ですよね、三十」とか…どれも会話の合間で流れていく言葉ですが端々に宮村くんが表れてて唸ります。宮村くんの元カノがまた、さすが宮村くんと付き合えた彼女って感じで宮村くんをよくわかっててスパッとしてる。
なので、欲を言えば、この作品でもやはり攻の宮村くんのほうの心の動きも、もっとしっかり知りたかったなあ〜と思います。
これから始まる二人のタイトルが刺さって刺さって読み終わった感動が止まりませんでした。で、
奥付ではじめて「ひめ」と読むことを知ったのですが、語呂悪くても王子でいいなあとも思います。
同じ木下けい子先生とのタッグの「隣人は恋人のはじまり」→木下けい子先生の「いつも王子様が」→今作、の順で読んでしまい多分思い切り逆回りしました。今度はまた順番に読み直したいです。木下先生の童話シリーズも、強気なシンデレラ佐原先輩に続いて読めてうれしい!赤ずきんちゃんに食べられちゃうオオカミ篤史さんが可愛くてえっちでとても美しいです。
いやー待って?「いつも王子様が」の洗面台お仕置きめちゃくちゃえっちだったのあれ宮村くん?本当に?すぐ読み返さなくては!?
漫画の方はコミカルな感じだったからそういう作風の作者さんかと思いきやこちらはシリアスな内容。
デリのオーナー堀さんがメインのお話。
巻末SSで気になって、小説出てることを知り購入。
漫画の方ではちょこっと出てきただけで、スマートな印象だったけど小説読んだら可哀想で可愛らしい人でした。
私も堀の弟は殴り飛ばしたいわ^p^
これから宮村とケンカとかも含めいろいろなことして幸せいっぱい感じて欲しい。
(2013.12.18)