ボタンを押すと即立ち読みできます!
読後しばし呆然としました。
個人的にシビトさんの「溺れる」がハマらなかったんですが、本作は「溺れる」と同じくらいの人気作でして、これは確かに読む人を相当選ぶ。
「ヤクザの跡取りDK→組長x攻めの同級生→愛人で闇医者」
(→は卒業後です)
以下地雷のオンパレードです。
①受け複数回モブられ
②墨まで掘らされ
③攻めが女性とヤる描写、さらに
④受けにそれを見せつける
⑤その女性と攻め結婚
⑥子供複数できる
しかもこれすべて本命CPくっついて(?)から。
でもすっっっごい良いです。
シビト節が炸裂しておる・・・。
「シビトさんで一番好きなのはパンデモニウム~(はぁと」とか言ってた過去の自分に「これヨメ」って枕元に置いていきたい。
どちらもシビト作品で一番好きにはなったけど、もうこれはパンデモニウムとは次元が違うというか、同列で語れないというか、別物です。
「さいっこうのパティシエが作ったさいっこうのスイーツ」と「さいっこうの料理人が作ったさいっこうの料理」どっちが好き?って聞かれてるようなもんで、選べない。
いやぁ~、20年もかぁ・・・長い!
でもめちゃくちゃおすすめです。
「三色混ざれば黒になる」は本作攻めの息子2人と、その片方の友人、計3人にまつわるスピンオフですので、余力があればそちらもぜひ。
恋煩シビト先生の作品は読後に棘を残していくので、ゆっくりと読破を目指しています。
今回は比較的読みやすい作品だったかな。
今作はヤクザ+執着ということで、もう最高でした。
男同士の繋がりが異常な世界。これこそが私の読みたかったヤクザものです。ありがとうございます。
攻めはヤクザとして生まれ、利用し利用されで成り立つ世界で生きていかなきゃいけない人。
そんな人が、受けのような一緒にいると安心する存在を欲しがってしまうのは仕方ないことで……。
序盤の受けはひたすらに可哀想で、攻めに安心されてしまったばかりに巻き込まれて人生をメタメタにされてしまった人だと考えると、どうしようもない気持ちになります。
でも最終的には自分の足でその場所に立って、攻めが組の駒としての役割を全うするまでの途方もない時間を待ち続ける選択をするのが……もう……。
自分ではもうどうしようもないほど大きくなってしまった感情を、抱え込んで生きていく選択をする。本当に素晴らしい。
また、攻めの、汚れていく自分と相反して綺麗なままの受けを吉原の組長に差し出して汚して、かと思えば背中に墨を入れたことに怒って……この不安定な感じが、とっても滾りました。
他の方もおっしゃっていますが、この関係性は男同士だからこそ成せるもので、結婚相手である吉原の娘さんとの関係性の対比が本当に素晴らしかった。
もし私が姐さんだったら発狂していたので、姐さんは強いな〜と思います。
攻めの受けに対する執着は所有欲で、愛というには酷すぎるのですが、受けが自分の足で立った瞬間に愛に昇華するんだな、なんて考えたり。
愛とは、幸せとは、そんなことを考えさせてくれる作品でした。
面白かったです。ありがとうございました!
バラ色の時代、というタイトルの意味が、私は理解できなかった。
謎です。
不幸な運命に翻弄されながら、幸せと言っている主人公が理解できない。
やくざの組長の息子に気に入られて医者を目指していた主人公は、
図書館で「俺の犠牲になってくれ」と強姦されて、
気づいたらやくざ専門の裏医者になっていた。
オマケに他所の組長へのお土産にされて、
入れ墨を入れられて、
自宅に引っ越してこいと言われて
強姦した同級生の組長は、女性と結婚して子を二人作って
子供が成人するまでまってくれ。と言われて、待つ。
・・・こんな無茶苦茶に従い続けるって、完全に依存関係が成立している。
自分が無いにもほどがあるけれど、巻末で本人が「幸せだ」と言っているので、まあ、いいっか、と思ってしまった。
---
一つだけ感心したのは、バラの手入れをする場面で、嫉妬する組長の嫁に、組員が、「男同士の愛」を「女から組長を取ろうと思ってない」と語る所。
今あるヤクザの組織の元は中国から持ってきたもので、戦後の治安が悪い時に、神戸の街の治安を警察に代わって取り仕切って治安を護る自警組織だったと聞いています。
港町で悪事を働く不法入国者の暴動を警察で守り切れない時期に、港湾労働者を仕切る中国から移民してきた人達で組織を作り、護っていた時代があったそうです。
参考 「ヤクザと共生する街、神戸」
「ヤクザ組織と港湾労働 」
そして、日本のやくざの契りは、中国の「幇会(パンフェ)」の制度がルーツだと聞いています。
その結束の考え方が、この作品の中にさり気なく台詞に入っていたので、よく調べて書いているのだな、と感心しました。
メイン2人が美形。
大和の奥さんもきれい。そう奥さんも出てくる。致している所も出てくる。
大和がヤ◯ザの組長の息子で高校の時、右介と出会う。
その後、大和が跡を継ぎ、右介は監視され組の闇医者として働かされる。大和の指示で右介は取引先の組長の情夫にされる。
右介は大和が好きだから逃げないけど、奥さんのこともありいいかげん嫌になるんよな。でも大和が「もう少し待っててくれ」と引き止める。それがそんな長くなるとは!?と思っちゃったけど
なんかあらすじしか言えてないけど絵がきれいだし、さくさく話が進むしハピエンだしよかったです。
シビトさん独特の心理描写や物々しい(笑)登場シーンはなく、読みやすい印象でした。
相手方の組長に右介を売ったり、自分は結婚して子供をもうけたりと出来事があっても大和の心情が余り描かれておらず少し物足りなく感じました。最終的に分かるのだけど今までの作品が結構濃密なので、それと比べるとかなりあっさりとした印象です。精神的に高校生の時から変わっていないような表情は清々しさはあれど、それで良かったのかなぁとも思います。もう少し葛藤が見たかったです。ただ現実的に抜け出せない家系や事情を整理して手放し、ずっとそばにいくにはこうするしかないというシンプルさは美しく潔いです。
刺青を加えた時の吉原のリアクションも無くて残念!
今回常時細めの線で美しい絵で見惚れました。