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これまで犬飼ののさんの作品は初期のものを中心に何点か読みました。
文章はきらびやかだし、独特の世界観も確立されてるのですが
①さしたる必然性も感じられないところで攻めが受けに暴力をふるう
②同じく、受けが女装する
③途中で攻めがヘタレる
などの点でいまひとつ趣味にあわなかったためしばらく遠ざかっていましたが・・・
このシリーズは文句なく面白かった!普通年の差カップルで育ての親子とかだと、
どうしても若紫願望が鼻に付くというか、攻めが受けを自分の好みの色に染め上げようとするのがヤなんだけど、こちらの主人公2人にはあまりそれが感じられない。むしろ若い薔のパワーと予測のつかないはねっぷりに、一回り上の常盤が引きずられ気味で、でもなにしろベタぼれなのでそれすら楽しんじゃってますよね。
薔はまだまだ成長しそう。本来の資質はとても伸びやかで、閉鎖的な学園や教団に収まりきれそうにない。常盤という最強の相方を得て、陰神子という残酷な運命にも果敢に
立ち向かってゆくことでしょう。
当面最大の謎は、誰がなんのために赤ん坊の薔と剣蘭をすり替えたのか。椿と楓雅の関係も気になります。次作が待たれるところですが、これまで二巻で四月から七月までしか時が流れてませんので、12回の儀式を終えるまでには単純計算でもあと四巻?・・・長い!
高評価には当然ながら彩さんの美麗すぎるイラストの力も多分に含まれます。
あれだけ大勢の美形を描きながら、すべて見事に描き分けてて、しかも文章から
立ち上ってくる各人の面影をひとりもはずしてない。常盤と椿の軍服姿なんて
下手な絡み画像より百万倍エロティックです。できれば次回は黒羽二重でもろ肌脱ぎの
常盤もぜひお願いしやす。
それにしてもこの二人、すべての始まりは18年前、生後間もない薔が、中学生だった常盤の指をギュッと握ってニコニコニコーっと笑いかけた、その瞬間にもう勝負あった
って感じ。これってナンパですよね!?史上最年少にして最強のナンパ師、おそるべし、薔!
1巻が椿の謎で終わりましたが、2巻でそれを知り得た状況が早速解明されたのはすっきりしたのですが、椿の怖さを感じました。
並外れたプライドの高さと内面の荒れ狂う思いを微塵も感じさせない意志の強さにも感嘆しました。
背徳に苦しむ者を黙って眺めていたいというのもゾッとしたけれど、わかる気がします。純粋培養で育った身でも、外界で何年も過ごし隠された事を知り得る立場になれば余計に、自身の不運や得られない多くのものに対して腹いせにも似た気持ちになってもおかしくはないでしょうから。
そういう意味では親近感を感じます。
外面菩薩、内心如夜叉と自認している通り怖い人です。
手のひらで転がされる剣蘭のリベンジはあるのかな。
3度目の逢瀬、降龍の儀で常盤背徳に目一杯甘い言葉をくれるのに、ツンデレ薔ちゃんは愛されたいし可愛いと思われたいのに嬉しがらせる言葉も可愛いことばも口にできない自分を歯がゆく思いながらますます溺れていくモノローグがすごく可愛かったです。
恋する乙女ですね。
儀式以外に愛の行為をしたいと考える薔と常盤をこのまま幸せにしてあげたいとは思いますが、それでは話が終わってしまうという気持ちが勝ちますが…。
でも、白菊復活の時の悩める薔はいただけませんね。
薔の正義漢や優しさは好ましいのですが、自分だけが楽をしている狡さを自己嫌悪し罪悪感から逃れたいがための行為に多くを傷つけそのことにまったく気がつかない傲慢さに怒りが湧きました。
そんな薔へのお仕置きはかわいそうでしたが常盤に賛成です。
でも、薔を傷つけようとしている椿の企みはまだまだ続くんでしょうか。そんなことをしてしまう椿の心情を思うと許せないけど哀しい。
シリーズ二作目。今巻も安定した面白さでした。前巻でお互いの気持ちを確かめ合い晴れて恋人同士となった薔と常盤ですが、白菊の復帰や神子・杏樹の再登場などによって2人の周りに不穏な空気が漂い始めます。常盤は薔が陰神子だと発覚しないように信心深いふりをしたり椿と付き合っているふりをしたりと忙しい男なのですが、その大変さをわかっていながら気持ちを割り切ることがなかなかできない薔くんがもどかしいですね。それにしても、常盤の教団に対する忠誠を示すために杏樹にあんなことをされてしまうなんて可哀相すぎます…今後薔くんはどうなってしまうのでしょうか?お互いの立場があるので人目も気にせずイチャイチャ…とはいかないこのカップルですが、乗り越えなければならない障害が多ければ多いほど2人の恋が燃え上がるようです。次巻ではもっと2人が幸せになっていますように…と言いたいところですが先の展開を知っているので少し複雑な気持ちです。常盤は早く薔だけに心を決めなさい!!
大好きな犬飼のの先生の、
学園もの(と呼んでもいいのかどうか)第2巻。
常盤・薔・楓雅・椿の関係性や、
椿の本性が徐々に明らかになっていきます。
いままであまり出てこなかった大学部の詳細や、
学園の地下の描写が出てきて驚きです。
敷地が広いってのはわかっていたけど、
想像以上に広かった!
そしてまさかそんなものまであるとは。
白菊の復帰や杏樹の来訪で
休まることなく波乱続きです。
このシリーズは読んでいて辛くなる...。
でも、贔屓生の桔梗と青梅が、
薔に対して言う悪口の内容がちょっと笑えて、
特殊な環境で育っている子たちだけど、
年相応の子供らしい所もあるんだなと
(いや、高校生にしては子どもっぽい悪口かな?)
なんだかちょっとだけ安心しました。
シリーズ第二弾。
伏線が張り巡らされた群像サスペンスな展開と
美麗絵に魅了され、一気に読み終わりました。
早くも続編が待ち遠しいです。
まず何といっても常磐と薔のラブラブラブシーン。
「アンタ」呼びから「常磐」へ、心の中では「兄さん…」と呼びかける薔に萌♪
常磐は相変わらず硬派でカッコよく、そして薔にベタ惚れ。
濡れ場の盛り上がりもいいけど、むしろ後始末で
イチャつく二人の方に萌えましたv
物語は、色んな人たちが謀略をめぐらしますます複雑に。
薔は、罠にハマって隊員に襲われたり、
「身体検査」として杏樹に指を突っ込まれたりと
性的にかなりの屈辱を味わうのですが、
自分のことより常磐を思いやって気丈に振る舞います。。。
偽善者などと非難されるシーンもありますが、
タフさと優しさがとても魅力的なキャラだと思います。
怪しい人が多すぎますが、特に気になるのは「椿」「剣蘭」「楓雅」。
常磐に執着し、薔をこころよく思わない椿は
これからどんどんブラック化しそう(もう十分してる?)。
そして、椿に執着する二人の男―楓雅と剣蘭。
剣蘭が父または兄として記憶している、金髪の若い男は
楓雅か楓雅の病身の兄(二人とも金髪)と関係あるのでしょうか。
常磐は、楓雅の出生についてどこまで知っているのか。
エピローグの言葉はどこまで真実なのか。
もしや常磐が一番黒いんじゃないかと背筋が寒くなるラストに
ますます謎が深まり、続刊が待たれます。