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表題作防人の男

大守季一郎
陸上自衛官,36歳
美作礼一
左遷された捜査検事,31歳

その他の収録作品

  • あとがき 水原とほる
  • あとがき 兼守美行

あらすじ

美しい捜査検事の礼一は地検で注目を集めるエリートだったが、談合事件の捜査途中で左遷の憂き目に遭う。
自棄になった礼一は、場末の立ち飲み屋で偶然出会った自衛官の大守と爛れた夜を過ごしてしまう。
時には、溺れてしまいたい事もある。獣のように逞しい大守は、絶頂の瞬間を迎えながら、礼一の心を強く優しく抱き締めてくれた。
――二度と会わないはずだった。ところが礼一は、駐屯地で機密漏洩事件を担当捜査することに。
思いがけない再会に礼一の心は揺れて――?

作品情報

作品名
防人の男
著者
水原とほる 
イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
防人の男
発売日
ISBN
9784796405881
3.7

(36)

(10)

萌々

(11)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
132
評価数
36
平均
3.7 / 5
神率
27.8%

レビュー投稿数7

自衛官×検事の重くて硬めのお話

美作は、捜査していた事件が大臣に罪が及ぶ可能性が見えた時権力に阻まれ捜査員は左遷され無罪判決が出た夜、自棄酒を飲んでそのお店で出会ったガタイのいい男 大守と一夜をともにすることに。
その後、自衛官の情報漏洩事件の調査で訪れた駐屯所で対応に出たのが大守陸准尉だったことから公私を分ける努力をすしつつも、あの夜の熱を思い出しては複雑な思いをしてしまうのでした。。

検事や警察官といった職業はお馴染みといっていいくらいよく登場するのですが自衛官というのは初読みかもしれません。
大守が国を守る防人として真剣に国防に取り組んでいることがよくわかります。

美作が、後半捜査妨害のため拉致された時ヒーローのように助けに来てくれた大守に安堵し愛する思いを実感するという場面に感動しました。

ストイックで職務に忠実な二人ですが、プライベートな彼らは情熱的でした。
でも、いつどこへ転勤することになるのかわからない検事さんと、国内どころは海外に派遣されるかもしれない自衛官では今後どんな付き合い担っていくのでしょうね。
遠恋になる日も遠くないかもしれませんが国を守る正義の味方カップルには怖いものなしかもですね。

0

色んな意味で魅力的な内容

陸自×検事という、ちょっと変った?組み合わせの本です。

自衛官機密漏洩問題を扱った内容です。
この事件の描き方はBL小説では難しそうな内容に思えますが、実際に読んでみたらかなりわかりやすく、かつドラマ風に描かれているので、敷居はそれほど高くないと思います。
機密漏洩問題から、「同盟国(本文ではこの表記でしたのでこのままで)」からの圧力、そこから更に「他国」の介入、事件に関わる事となった検事である礼一と、自衛官である季一郎の抱く「防人」としての生き方と交わって行く姿。
それらがどれも分かりやすく、かつ読み手をぐいぐいと引きつける内容だと思いました。
(ヘリの緊急着陸のこぼれ話は、現時点では、アウェイだな!と少し苦笑いでしたが)
こういった「お仕事」ものが好きな人におすすめしたい本だと思いました。

色々と、本当「色々」と楽しませて頂きました。
現時点(2018年1月)で、この本を読むと、きっと発売当時とは違った感想を抱く方もいると思います。
過去の読んだ事ある方は、また「今」読み返えすと、違った目線で読めてくるかもしれません。

6

サスペンスありラブあり

自衛官の機密漏洩事件に絡んでの、自衛官x検事の出会いと恋の物語。
ジャンルとしては、いわゆる「お仕事BL」系と言えると思いますが、内容は非常に硬派で、機密保持に関する同盟国のパワーバランスとか、日本の国防とか、仮想敵国の攻撃パターンとか、かなりそういう話が中心です。
読者も聞き取り調査を続ける検事と共に、一体どんな人物が機密漏洩をしてしまったのか、その背景は何なのか、謎解きやミステリもの的な楽しみ方も出来ると思います。

攻めは、能力がありすぎるが故に自衛官幹部として相応しくない論文を書いてしまい、出世コースからはずれた大守。心の底から国を愛し国を憂う、生粋の「防人」。もちろん鍛え上げられた肉体のイケメン。ノンケ。
受けは3代続く検事の家系で、子供の頃から社会の正義と悪、腐敗と法の裁きについて叩き込まれている、これまた生粋の「司法」人である美作。こちらは見た目は線の細い美人系。ゲイ。
2人とも心が強く、でも他人の心の弱さやその弱さ故に犯す罪に対しても十分理解して共に哀しむ事の出来る、度量の大きな男たちなのです。
こんな2人が事件の取調べと並行して、ある時は駆け引きのように、ある時は甘く抱き合う。常に正義でなければ、と気を張っている美作には、大らかでひょうひょうとした明るい大守の腕の中でリラックスできる感覚が愛しいものになっていったのでしょう。
『おまえも必ず俺が守ってやる』…そんな言葉に身を委ねてみるほどに。

お堅い国防や自衛の話の方が多いような一冊ですが、かなり読み応えがありました。

6

題名&表紙買い

題名が気に入ったのと、表紙が素敵だったので購入をした一冊です。
続編「司法の男」と並べると麗しいイラストにうっとりします。
とはいえ、あとがきにあった「ある朝のふたり」、朝食を作る大守とそれをじぃと見つめる礼一のコミカルなイラストも可愛かったです!

表紙の印象そのままに、内容はカッコイイ二人の男の話でした。
働く男達といった感じで、仕事もの好きとしてはたまらない展開でした。自分たちの方法で大切なものを守る、という言葉に胸がじんとしました。

仕事に誇りを持ち、仲間を大切に思う。
強いだけでなく脆い部分もあるのが人間的で良かったです。

頭脳派と肉体派、クールとホット、正反対のようで似た二人の物語です。
検察庁&防衛省がお好きな方にお勧めです。

3

方法は違っても、どちらも“防人”

兼守さんの表紙は美しいし、
陸自×美人検事って設定からセクスィーじゃないですか!!
某BL作家さんのようにきっとうはうはさせてもらえるに違いないと
勝手に期待を膨らませてしまいましたが
事件の内容があんまり頭に入ってこなくて
眼球を文字が滑るようでした……ってこれはただ単に私がバカなだけなんですが;

お仕事BLで個人的に理想なのは、お仕事の内容が重すぎず且つ軽すぎず、
出来れば恋愛の過程の方が楽しめるもの、という我侭っぷりですみません…。

古びた立ち飲み屋で偶然出逢った男と一夜を過ごし
思いがけず心を開きかけるという設定はすごく好みでしたが
もう少し受けの礼一がツンだったら良かったなぁなんて
これまた個人的な好みの問題です。すみません!

攻めの大守は、大雑把で強引そうに見えていながら
無理強いはしないし朝食を作ってくれたりなかなか気がきく男で良かったですw

どちらも好意はあるのに、お互いの腹を探りながらの逢瀬っていうのも
仕事柄切ないものがあります。

エリートの道まっしぐらだったはずの人生の挫折、
正義の定義と真実の矛盾や理不尽さ、
仕事を誇りに思いたい男達にとってはしんどいはずですよね…。

でも、大守によって解き放たれる心と躰は
礼一にとってはなくてはならない存在でしょう。
危険な目にあっても、自分を守ってくれる男がいるというのは
支えにならないわけがありません。

立ち飲み屋の店主がいい味出していて、ふらっと寄ってみたいわ!
わけぎとタコのぬた和えも食べてみたいわ!!と
BLとは違うところに興味を持ってしまいましたよ…。
うん、中身がおっさんだからね…。

私は(しつこいようですがバカなので)中立評価とさせていただきますが、
自衛官の機密漏えいやら難しいお話がお好みの方は萌えると思いますよ!!

やっぱり陸自の男は絶倫だろうなという謎の〆で失礼致しますw

5

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