どうしたい オレとキスしてみる?

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表題作初恋は群青に溶ける

熊田ケンゴ,男子高校2年生,野球部
吉岡亨,教室に来たことのないクラスメイト(留年)

その他の収録作品

  • 初恋の行く末(描き下ろし)
  • カバー下:あとがき

あらすじ

野球の練習中に肩を壊し、落ち込むケンゴは、放課後の音楽室で無愛想な生徒と出会う。翌日、彼が同じクラスで、一度も教室に来たことがない生徒・吉岡だと気づいたケンゴは、再び音楽室を訪れる。掴みどころがないが、居心地のいい吉岡のもとに足繁く通うようになるが、彼がかつてひどいいじめにあい、留年していたことを知り――。
傷ついた少年たちの再生を描く青春ラブストーリー。

作品情報

作品名
初恋は群青に溶ける
著者
ゆき林檎 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA(エンターブレイン)
レーベル
B's‐LOVEY COMICS
発売日
ISBN
9784047299641
3.9

(187)

(68)

萌々

(69)

(24)

中立

(18)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
23
得点
706
評価数
187
平均
3.9 / 5
神率
36.4%

レビュー投稿数23

悲壮感漂わせない吉岡と健気なケンゴ

既読だったw
高校球児ケンゴが留年した1つ年上の吉岡に恋をする。
吉岡には辛い過去(私苦手なやつ)があるけど表情に出さないので悲壮感漂わせないのが偉いなと。
ケンゴが何とか吉岡の力になりたいと健気で。そんなケンゴに少しずつ癒されてハピエンでよかった。

吉岡の髪がふわふわで触れたくなるのわかる。髪にちゅう?されて照れた吉岡の顔がかわいい。
図書室での吉岡からのちゅうがよく見えなかったのが残念。おでこにしたのかな。

描き下ろしの後日談でケンゴが尻に敷かれてるの笑った。ケンゴやさしいもんね。

0

純粋な優しさと想いが辛く悲しい過去を包み込む

初めて読んだ ゆき林檎先生の作品です。
私は地雷が多いので、途中で何回も読むのを止めてしまいました。
でも、最後は良かったと思えます。
描き下ろしでは、幸せな2人が読めて嬉しかったです。

高校2年生で野球部の熊田 ケンゴくんと留年したためケンゴくんと同級生の吉岡 亨くんのお話。

野球部に所属しているケンゴくんは肩を痛めて部活をしばらく休んでいます。
ある日、同じ高校に勤務している親戚で音楽教師(おじさん)に会いに音楽室に向かうと、ピアノを弾いている吉岡くんに会います。
吉岡くんは「あること」で留年をしているのでケンゴくんのクラスメイトなのですが、一度も教室に登校していないのです。
おじさんに仲良くしてやってよと頼まれたケンゴくんは部活も休んでいることもあり、放課後に音楽室に行くようになります。

なぜか一年留年していて
いつも音楽室にいる
ピアノうまい
口悪い
性格キツそう
おじさんと仲良い
いつもチョコを食っている

ケンゴくんが少しずつ吉岡くんを気になり始めたころ、クラスメイトから吉岡くんの留年した「あること」を聞かされ…。

ゆき林檎先生の見事な表現力で儚くて脆い青春の中にいる2人の距離感が伝わります。
きっと、吉岡くんはトラウマという言葉で片付けらえない体験をしたと思います。
普通ならば、トラウマを抱えきれずに落ちていく人もたくさんいるでしょう。
ケンゴくんはもちろん、熊田先生やケンゴくんの友達がみんないい人で良かった。
どう頑張っても1人では前に進めないこともあります。
まわりに支えられて吉岡くんが少しずつ心を開いてくれて、こちらも救われました。

ケンゴくんの「一年早く生まれてくればよかった」と泣くシーンは一緒に泣きました。
吉岡くんの辛く悲しい過去は決して消えることはありません。
でも、ケンゴくんの純粋な優しさと愛で薄れていけばいいなと思います。
卒業式の日、吉岡くんの「オレ…留年してよかった」って言葉でまた号泣しました。

『初恋は群青に溶ける』というタイトルはすごく素敵でストーリーにも合っていると感じました。
いろいろな気持ちがすべて群青に溶けてしまえばいいのに。

描き下ろしの『初恋の行く末』は、高校卒業してから5年後の同棲している2人が描かれています。
母校の教員になったケンゴくんが焼き鳥(タレ)を買ってお家に帰ると、焼き鳥(塩)が食べたかった吉岡くんはご立腹。
普通だけど幸せな日常を送っている2人に思わずウルウル(涙)
でも、吉岡くんはキャラ変わった?自己主張が出来る子になっていました!
アイスのパ〇ムは美味しいよね(笑)

「性的暴行」も辛かったし、その後の「レイプ」にも耐えられなかったヘタレの私。
でも、未来の2人が幸せで良かった。
それだけでもう充分と思えます。

ゆき林檎先生の繊細で個性的な感性が感じられる作品です。

1

群青色から色はどう変わるのでしょう

もやもやする、苦しくなる。
読むと、そんな感情が沸き上がるエピソードが有ります。なので、ハッピーだけの話ではありません。
まあ、タイトルにある群青色って、そもそもそんな感情を含んでいるように思えます。

吉岡が経験した、性的暴行は許せない。これは、ずっと身体だけじゃなくて心にも消えない痕を残すからです。
高校生でクラスメートから受けた暴行は、吉岡がどんなに辛い気持ちを味わったのかと想像すると陰鬱な気持ちにすらなります。

ただ、ケンゴと出会ったのは吉岡の幸運じゃなかったかと。
ケンゴ自身も、どうにもし難い挫折が有り。
互いが、引き寄せられるように近づいていく過程が良かったと思います。

ケンゴが吉岡と恋愛をすることは、乗り越える問題から逃げない事を意味しています。
その上で、ケンゴも吉岡も頑張ったなぁ~!
辛い過去ごと引き受けて、過去ごと生きていく。ものすごく愛だなぁと思いました。

描き下ろしで、未来の2人が分かるのですが、吉岡がケンゴに甘えたりして微笑ましいのです。
群青色は、未来の2人にとっては何色に変化したのかなぁなどと考えました。

ゆき林檎先生の高校生たちは、切なくも有り、眩しくも感じました。

0

雰囲気は好きだけど、ところどころ物足りないかも

 受けの吉岡が性的ないじめを受けたトラウマを抱えているのですが、あまりの辛さに感情を表に出すことができなくなったのか、最後まで淡々とした態度で一貫していました。個人的には表情で魅せるシーンがもう少しあっても良かったかなと思います。きっと元々落ち着いた性格で、さらにトラウマのせいで感情を殺すことを覚えてしまったのだと思うんですが、物語自体も淡々と進んでいくので、やはりどこかで吉岡のいつもとはまったく違う表情などが見たかったなぁと。

 メイン2人の関係性は、攻めのケンゴがひたすら優しいので、安心して見守れました。吉岡の過去以外は、本当に透明感溢れる雰囲気。付き合いたてのカップルの初々しさ、何をどこまでしていいか戸惑う感じ。そういう甘酸っぱい空気を十分楽しめると思います。ただ、トラウマの原因である安藤が結局改心もしてないし、反省もしてないし、何の制裁も受けていないのには少しもやもやしてしまいました。クズはクズなままでもいいけれど、少なくとも自分の吉岡に対する複雑な気持ちを整理して認めるくらいはして欲しかったなぁと思いました。

0

読む側もいじめを乗り越えて読みましょう

ケンゴと吉岡が最初から同じ学年で同じクラスだったら良かったのに。

男子高校生恋愛物ですが、吉岡のいじめが強烈で。
主犯格の男がまるで反省してないどころか本当にクズで最悪で。しかも吉岡のせいで人生狂ったとか言ってるし。
つい目先のいじめの嫌悪感が強すぎて物語をしっかり味わうことができなかったような。

吉岡は唯一心を許している?先生の甥のケンゴと出会って、少しずつ交流して学校に来るようになって、ケンゴに告白されて。トラウマを刺激しないようにプラトニックでって。いじめの奴らと正反対にケンゴは部活で活躍し友達に恵まれ真っ直ぐで。

少しずつキスもしてみたり。ケンゴがいじめの主犯格に会いにいって、でも最低な奴でしかも最悪な出来事まであったことを聞いて。
守ってあげたかっただろうなあ。

進路で東京と地元に別れますが卒業式の日にとうとう吉岡から好きだよって言われて。
先生になったケンゴと吉岡が続いて仲良くやってるようで本当に良かったです。

再生の物語でした。

3

続編期待してます

爽やかな甘酸っぱい青春系、
エロ度も少ないとのことなので、
できればHシーンはなく、キス止まりの描写があればいいなと期待を寄せ、某通販サイトでポチッ。

確かに描写は少なかったです。
事後だったり、直接的に描かれることはなかったです。

ですが、、、!!
吉岡(受)の過去すごい壮絶!!!
あまりも淡々としているので「ふぅん」と、
思わず受け流しそうになりましたが、
壮絶すぎます。

性的暴行って、青春には重くないですか。
なのに周りはあまりにも淡々としやすぎませんか。
淡々と過ぎる日々に、
読後モヤッとしました。

一番モヤッとしたのは、
皆さん書いていますが、安藤のことです。
どういう立ち回りかイマイチ掴めませんでした。

ただの好奇心で吉岡に暴行を加えたのか、
それとも惹かれていたからのか、、、
もしや同族嫌悪?
登場回数も少なく、わかりませんでした。

どうにかこのモヤモヤした気持ちが晴らしたい!!
ゆき林檎先生、どうか続編を!!!
(安藤に焦点を当ててほしい、、)
お待ちしております。

0

完結してるけど、もうその先の続きを読みたい!

読んだのは結構昔だったのに、妙に印象に残っている作品。
高校時代というあの頃独特の世界感。
閉塞的でその中でだけ生きていて、
それでも一生懸命感じて、考えて、恋して傷ついて、もがいている。
やぁ、もう青春だね!って感じで。

それでも好感が持てるのは、ひとえにケンゴの誠実さと真っ直ぐな恋情。
傷ついて達観してしまった吉岡さんも、ついほだされる。

高評価と比例してモヤモヤ感が残る評価が多いのは、
最後まで吉岡さんがデレなかったからかな……?

私的にもあの書き下ろしがなければモヤっていたかも。
吉岡さんの感じからして、卒業後の二人に明るい未来が開けているようには
あまり読み取れなかったから。

でも、そのモヤっと感は書き下ろしで払拭されました!
あの吉岡があんなにあけっぴろげに文句が言える相手になっているケンゴ、すごい!
多分、本編からあの書き下ろしまでの間に、
もう一本長編が描けるくらいにドラマがあったと思う。
贅沢を言うなら、そのへんも読んでみたかった。
本編とは全く違う、もう少し大人の恋愛になっているはず。
高校時代の限られた空間の中での、二人だけの恋愛と、
大学、社会人と周りの関わりが絡んでくる世界の中での恋愛は全く違う。
それでも一緒にいた二人のもう一歩進んだお話。
………読んでみたい。

本当なら神評価でもいいのだけれど、
続きを切望しすぎて飢餓感が……なので、「萌×2」!

2

重くて相殺しきれない

描き下ろし後日談「初恋の行く末」で二人のその後がちょこっと垣間見られるのですが、もっと幸せな描写が欲しかったです!同居してるの?帰省しているだけなの?家族や友達は知ってるの?今幸せなのーっ?!と胸倉つかんで問い質したいくらい、私の中では吉岡の過去が辛くて重かったです。安藤もムカつくし!熊田先生のように冷静になれなかったです。

2話で吉岡が受けた性的被害。描写は酷いものでないですし、吉岡も淡々としていたのですが、その分なんだか読んでいるとしんどくて…ピッコロスくらいじゃ相殺できなかったです(笑)

丁寧で繊細な描写が、逆に辛さを払拭できなかったようで、どうにも読後が重く感じてしまった作品でした。終盤、せめて安藤が出なかったらなぁ…。

5

安藤という男(笑)

冷静に考えて多くの方におすすめできる本だと思います。
なので萌評価にしたいところだったのですが、カバーの青空とは裏腹に、もやもや感がすごいのです。それがちょっと・・・という人もきっといるだろうと思い中立に。

表紙のふたりで、まるごと一冊。
攻めも受けも、いいんです。
なんですが、読み終えても悪役キーパーソン・安藤が生ぬるく残ったまま。この残り方が、なんとも気になる残り方をする。キャラは濃くないし正直顔も忘れそうなのに。

吉岡のトラウマを、心やさしい年下ケンゴが拭い去ろうとするうち、ケンゴの気持ちに吉岡が少しずつ溶けるようにして恋になっていきます。傷ついた吉岡を見せるのに重要な存在、安藤ですが、絶妙に悪いタイミングで登場してくるため集中力が途切れがちになりました。

どこまで進んでも、とにかくトラウマに最も重点がおかれている印象です。なのに、安藤の「悪」をだれも証明してくれないので痛々しい感じもない。思いっきり不良ぶっているとか、たとえば実は好きの裏返し行為だったと読み手に伝わるとか、または強烈な悪インパクトがあればまだ切替えもできたのですが。もしくは何名かのレビュアーさまが書かれていたとおり、安藤がケンゴに一発殴られればよかった。細かく考えたらきりがないし、どれも勝手な希望ですけどね。カバー下を読むと、作者も安藤のキャラ設定に迷ったとありました。やっぱり、という感じです。

終盤の大事な場面でまたしても回想に安藤が登場したことで、個人的にはクライマックスシーンでの萌は消えていました。もはやツッコミを入れたいレベルで笑いながらがっくしです。シリアスめな作品なのにごめんなさいと思いながら。
私としては、どことなくケンゴが薄れてかわいそうで、せっかくのHシーンにさえ身が入らないという...。卒業式での吉岡の「好きだよ」が瞬間的なMAXだったな、あのシーンがあって救われた。カバーのようなさわやかな読後感、ほしかったです。

そして気が付くと安藤のことしか書いていないレビューとなり
ほとんどの方には?なもので、まことに申し訳ありません。

作者の作るストーリーはすばらしいと思います。
独特な色気のある目元、うつむき表情も素敵。
短編集やアンソロに登場した作品は自分の中で萌2評価をしているので、個人的にはいまのところ短編のほうが好きな作家のようです。

6

吉岡の満面の笑みが見たい


風が吹いてさらっと歩み寄るような、高校生のYシャツ姿が眩しい作品でした。ゆき林檎さんは初読みだったのですが、こういう、吉岡(受)系男子がお得意そう…!好みなのかな、という印象が。

酷い事や辛い気持ちに号泣したりすることはなく、じんわりと傷を癒して、ゆっくり愛せるように。そんな雰囲気で。

健気なケンゴ(攻)は愛おしく。
後書きで予定としてあったらしいおじさんの学生時代話はあったらあったで何かしら影響していただろうなぁと思いつつ。
安藤は青く、良いも悪いもわからない、知らない感じがして。余程落ちたいとお見受けしたので落ちるべき。良いも悪いもないので救う救わないもない。
殴られるべきではあったと思う。あれをあのままにするのはちょっと…笑 吉岡が報われきれない。

ただふたりの幸せそうな後日が覗けて、それだけで全てよかったと思えました。

周りの友だちもいいこ;;


最後に。後書きのラストには笑いました。

2

爽やか青春もの。

受けの吉岡さんが個人的にとっても好みでした(●´ω`●)
ケンゴの一途な恋心、それに対する最初の頃の吉岡さんの興味なさげな感じ…からの気持ちの変化。
過去の事件が酷過ぎて、元・同級生には腸が煮えくり返るような思いですが、、ケンゴが居てくれて本当に良かった。
実際の二人の絡みはそんなに多くないですが、でもこの話の流れ的にガッツリ絡まれても「え!?」って思ってしまいそうなので、この作品には調度いい具合だったと思います。
あとは本当にケンゴの周りの友達がいい子ばかりで良かった。。

2

うーん

玉響→初恋は群青に溶ける
と読んだのですが。
自分、ゆき林檎さんの作風は合わないのかも。。。と思わざるをえない。
どちらの作品にしても、トラウマのようなものを抱えるキャラがいて、それが消化されていく、しっとりとした切ない話、なのでしょうが。
どうにもこうにも、感情移入がしにくい。
トラウマの内容がどうのではなくて、極端にいうとキャラの言動が自分にとって、突拍子もないんですよね。
なのに、ストーリーは王道。
そこはかとなく違和感を感じるわけです。
まぁ、あくまでも”自分は”ですけどね。

2

胸がキュゥンとしてしまう

どうしようもないこの空気感が好き*ノД`*)・゚・。
影をしょってて、他を寄せ付けない雰囲気が印象的な受。
クラスには一度も顔を出さない。
そんな受にであった攻との日常。
少しずつ近づいて、少しずつ雰囲気が和らいで。
そして少しずつ暴かれる過去。
抵抗しないのをいいことに集団で性的暴行・・・
攻の視点から見る受が好き。ちょっとずつ交わす言葉が増えて
照れたり微笑んだり。そら吸い寄せられるようにキスもしたくなるわ
と思う79ページ

巻末の5年後。
独特の世界観というか、空気感をかもしていた受が
普通の子になっているのがなんだか微笑ましかったです。
幸せなんだな~と思ってしまう。

ついでにヒールな安藤が最後までゲスだったのは
心の中で拍手をしてしまいました。
だってほら、最後まで心がモヤモヤするじゃないw

2

「こんな気持ち 空に溶けて消えてしまえ」

同級生に性的暴行を受けて留年した吉岡と、その事実を知りながら惹かれていくケンゴ。
いけないと分かっていながら気持ちが押さえられないはがゆさと葛藤が画面全体の爽やかさと相まって胸に響きました。
安藤の酷さはケンゴじゃなくても許せなくてやるせない。それでもいかにも好青年な球児のケンゴが吉岡に恋をして初々しく一生懸命に気持ちを伝えて上書きしようと歩み寄る姿にきゅんとさせられました。
同居する社会人になった二人にほっこり。これからもケンゴを尻に敷きながら吉岡はたっぷり甘やかされたらいいと思います。

3

青春だなぁ

玉響で好きになったゆき林檎先生。先生の作品を揃えようと買った一冊。玉響と違い、現代もので、高校生同士の恋のお話。いやぁ、青春って感じでした!読んでてキュンキュンしました笑

ひょんのことから音楽室で出会ったケンゴと吉岡。二人は同級生でクラスメイトだけど、吉岡は休みがちでクラスには来ていなかった。そんな吉岡をクラスに戻そうとケンゴはします。

出会いから少しずつ二人の距離は近づいていきます。気づかないうちに始まっている恋ってありますよね!でも、吉岡は実は留年していて、そこには深い過去があり、吉岡は未だに引きずっていて…

切ないけど、最後まで読むとほんわりと心があったかくなるお話です。
わたしはゆき林檎先生の話の終わり方が好きなんですよね!今回もいい感じにまとまってて良かったと思います。
ゆき林檎、これからの活躍が気になるところです!

2

ひたむきさが過去を救う

絵柄があっさりしていて、綺麗、ストーリーも分かりやすくて読みやすいです。受けの吉岡は外見こそ柔和な印象を受けますが、瞳にはどこか影が宿っており、過去にトラウマを抱えていることもあって、どこか人生を諦めたような雰囲気を持っています。ひとつ年下の攻めである熊田は、まっすぐな心でその吉岡の心を解きほぐしていきます。吉岡の過去には重いシーンも見られますが、二人の純情さがそれを救いのあるものにしてくれています。最後の可愛らしいシーンにほっこり。落ち着いていながら、とてもかわいらしいカップルです。

3

ほろりと染み入ります

こちらのランキングと皆様のレビューを見て、購入してみました。ありがとうございました。

真夜中に読んだので、ホロリと涙してしまいました。青春時代って、どんなに傍目には順調で幸せでもなんだか不安定で、脆く儚いものですよね。これから待ち受ける色々な社会人としての試練、それを目前にして大人として羽ばたいていこうとするまだ未熟な子供以上大人未満の鳥たち。だからこそ、世代と時代を超えて、高校生活というたった三年間がロマンを掻き立て、色々な作品が生まれるのだろうと思います。高校生には、漫画としての色々なキズを吹き飛ばす勢いと魅力があります。

この作品にも、率直に言うとキズはあります。コマ割りの関係なのか、全てコマ送りのようで余り動きや勢いがありません。初めて読んだ時には、それも味のように思え、余り気になりませんでしたが、再読してみると少し気になりました。主人公たちの表情の動きも、とても魅力的なのですが滑らかではありません。主人公が恋をする吉岡くんには、虐めと性的暴行の過去があり、そのシーンが割と直接的な描写で複数あるにも関わらず、悲惨さや生々しさが余りありません。少年漫画や青年漫画ばかり読んできた身には、このあたりは少し物足りなかったです。
作品全体を通して、動の部分は殆ど無く静が支配しているような空気感ながら、ストーリーは確実に前進していき、そして主人公たちの成長と共に、私たち読者も不思議なカタルシスを終盤で味わうことができます。

主人公ケンゴは、部活一筋だったものの故障をし、鬱憤が溜まっているとまでは見えないものの、手持ち無沙汰でブラブラしていた時に一つ年上の吉岡くんに出会います。ケンゴは吉岡くんのアンニュイな魅力に直ぐに惹かれていき、彼の誠実さに吉岡くんも好意を持ってくれるようになりますが、前述したように吉岡くんには性暴力の過去があるので、二人は必然的にとてもゆっくりと歩んでいくことになります。ケンゴは特にそこで悶々するわけてもなく、飽くまでも真摯で誠実に吉岡くんのことを想っているので、余り積極的に先に進もうともしません。結局肉体的な意味でのステップは、いつも吉岡くんからの歩み寄りとアプローチにより実現した結果。図書館での吉岡くんからのキスと、学校での人目を盗んでのキスはとてもロマンティックでした。
ケンゴが漢を見せた、レイプ犯である吉岡くんの元同級生を殴るのを耐えたシーンは、作品唯一の動の部分でしたので、あまりドラマティックにならなくて、少し残念でした。

ケンゴが遅く産まれてきたことを悔いて涙するシーンには、私ももらい泣きでした。違う意見の方も沢山いらっしゃるとは思うのですが、私は基本的に過去をどうすることも出来ないと思うのです。未来を努力でより良いものにすることは可能ですが、もう起こってしまった事は消す事は出来ない。誰かに言ってしまった一言、してしまった事、後悔してももう駄目だと思うのです。だからこそ、熊田先生のあいつは本当は悪い奴じゃない、という言葉には抵抗があります。どんなに良い人間でも、一度でも悪意を持って他人にあたった時点で、許されるべきではないと思います。吉岡くんもケンゴの誠実さでこの先幸せを体感していけるでしょう。でも、もし暴行を受けていない場合に存在したであろう吉岡くんとは、矢張り別の人間だと思うのです。だからこそ、誰でもそのような失敗をしないように最大限努力しないといけないと思いますし、もし何かが起こってしまったらそれを超えられるように未来に努力しないといけないと信じております。ケンゴは自分がどうしても吉岡くんの辛い過去を軽くすることは出来ないから、やるせない。
形は違えど、この様に自分ではどうしようもないことに涙したことがある人は多いのではないでしょうか。

二人は別々の大学に進学する為遠距離恋愛になり、卒業式でかたく繋いだ手がこれからへの前向きな決意を表現していたものの、これからの荒波を予想したのですが(年増根性ですかね〜)、書き下ろしではその二人のとても幸福そうな着地点を見せていただいて、とても嬉しかったです。
なんの変哲も無い日常ってなんて素敵なものなんでしょう。家でゴロゴロしてアイスを食べて、愛しい人が隣にいる。そんな生活がずっと続きますように!

6

とても綺麗で読んでて気持ちいい

 とにかく、表紙をみて!!おおなんかいいぞと思って購入しました!
いや、見立てただけあって最高でした。
 2人のぎこちなく切なくでも、甘くて優しくてとても読んでいて幸せな気分になりました。攻めのケンゴのおかげで受けの吉岡は過去のトラウマを乗り越えていって良かったです!!!
 2人が大人になった後のお話も少しあって、すごくほっこりしました(´▽`*)
  この方の色々な作品を読んでみたいと思います!
皆さんも呼んでみてください!とてもオススメです(∩´∀`)∩

2

すごく綺麗

青空にとけてしまいそうな程に綺麗な表紙に見合うとても綺麗なお話でした。
ケンゴも亨もピュアで本当に綺麗。
心を抉った傷はとても深いものだったけれど、その傷のおかげでケンゴに出会い浄化されたと思うと目頭が自然と熱くなってしまいます。
少しずつ深まっていく…絶対に無理をしないプラトニックな二人にここまで感動を覚えるとは思いませんでした。
心理描写も巧みで、すんなり感情移入させちゃうのもすごいです!
亨がケンゴと出会えて本当によかったと思いましたね。
ケンゴの人柄の賜物でしょうけれど、友人達も良い子で亨がその環境で失った一年をやり直せたことも素直に喜べます。
強制フェラとか痛々しくて、だけどケンゴに出会えたことで負った傷も無駄ではなかったと思える救いを感じられる描写が心を打ちますね。
そして、亨のキャラ設定もめちゃくちゃ好きです。
安藤の動悸みたいなものがちょっと弱い気がしまして、そんなことであそこまでやるのが許せないというのでしょうか…そこが気になり萌×2にしましたが自分の中では限りなく神作品に近いです。
ゆき林檎さんの作品をもっと読んでみたいと思いました。

1

痛みを乗り越えて

高校生と言う多感な時期に受けた心と体の傷。
違う形ではあっても、高校球児の肩の故障という試練。
本来は出会うことのなかった二人が、お互いの痛みを分かち合い
惹かれ合いながら、時間をかけて未来へ歩んでいく・・・
そんな、初恋のお話。

1冊がひとつのストーリーなので、時間がゆっくり流れ
ひとつひとつ、熊田目線(熊田の気持ち)と吉岡目線(吉岡の気持ち)
がとても丁寧にわかりやすく、男子校独特の高校生活を垣間見たり
クラスや部活それぞれの仲間との距離やかかわりが理解しやすかった。
時間の流れと共に、二人の微妙な距離感や
お互いの表には出さない想いが、もどかしく切ない。
特に熊田は吉岡の心の痛みを人一倍理解しようとし
時間をかけて自分を受け入れてもらおうという気持ちが
読み手にひしひしと伝わり、体ばかり大きくても
心はガラスのように繊細で人一倍不器用な姿にジンとくるものがありました。
愛する人が、自分と出会う前に受けた傷は、
どう頑張ってもどうしようもないことは理解しながらも
「1年早く生まれてくればよかった・・・」と思わず言ってしまった気持ち
とてもわかります。

吉岡を傷つけずたずたにした相手の行為は、決して許されることではないけど
当人もやはりどこかしら傷つき何かに悩み、そのはけ口とされていたことに
少し触れ、過去を過去としてだけ流すのではなく
そこまで踏み込んだ描き方は、消化不良にならず良かったです。

お互いの愛情を確認し、ひとつになれた二人が
あえて違う大学に進学し、離れ離れになった卒業式でしたが
その後の描き下ろしが、多くは語らずともとても安心できるものでした。
教育学部に進学した熊田は母校の教師になり
在校生二人が放課後の踊り場で一目を忍んでするキスに
かつての自分たちを重ねる熊田。
そんな時、携帯にかかってきた電話の相手の名前は「吉岡亨」と表示。
「もう少しで帰るよ」ということは、一緒に住んでいるのかな?
熊田が吉岡の待つ家に帰宅後「普通」という言葉がぴったりな会話に
平穏なそして幸せな日々を送っているであろうことを確認できた。
二人がそんな空気のような存在になっていることを再認識した
どこにでもある風景のラストがすごく素敵でした。


13

愛されることで、生き返る。

部活の野球中に肩を壊したケンゴ。
落ち込んでいる時、音楽室でピアノを弾く愛想がない吉岡亨に出会う。
彼は過去にひどい扱いを受け留年し、今はケンゴと同じクラスだった。

傷ついた者同士が癒し癒され支えて、そして生き返る。

子どもはないが大人になりきれていないが故の幼さ
コンプレックスを持て余して暴走してしまう、そんな年頃。
愛されることで思いやりを知る、愛することで思いやれるようになる。
ケンゴと亨、2人のお話で1冊ですが
亨に酷いことをした生徒の心の闇も垣間見えます。
この生徒の事も考えると、この物語がただの恋愛というくくりにならず
人間の心の底を覗けます。

6

過去を、越えて…その先へ

それまで部活に打ち込んでいた放課後、
肩を痛めて野球の練習ができなくなった攻め(表紙右)は、
音楽室から聞こえるピアノの音に誘われるように…受けと出会う。

クラスメイトなのにそれまで一度も会った事がなかったその人は、
留年していて1つ年上(受け・表紙左)。
口が悪くて無愛想、だけど綺麗な顔をした人。

放課後、顔を合わせる機会が増えて、
受けを意識するようになっていった攻めは、ある日、
受けが昔、クラスメイトから性的暴行を受けていたことを知る…


不器用…だけど真っ直ぐに想いをぶつける攻め。
受けのトラウマがなくなるまで、
プラトニックでもいいから…という攻め想いが、心に響いてきました。
まずはハグだけ…そんな恋がとても新鮮。


相手の戸惑いや想いをくみ取って、少しずつ進展してゆく、関係。
だからこそ受けも打ち明けたんじゃないかな、
誰にも言えなかった辛い過去、どんな性的暴行を受けたのか、を……

ゆっくりと積み重なっていく日常の時間と、
少しずつ築かれていく信頼、その中で育まれる恋の初々しさがいい。

そして、
前に進む大きな力にはなったけれど、
攻めの存在が万能ですべて…という描き方ではないのがいい。

理解を示してくれる大人や、バカをやる友人たちがいてこそ。
相手に依存しずぎずに進めたからこそ。
だからこそ、目の前に広がる光に満ちた未来。

初恋と一緒に、
辛い過去も爽やかな青空に溶けていったんじゃないかな…

そしてその先には、全然特別じゃないあたたかな日常。
隣には、当たり前の存在になった初恋の相手。
それはきっと、昔ひとりでは思い描けなかった、幸せな日々…


※ とても素敵な作品でしたが、自分の持つ変なイメージのせいか、
 「上書きしてほしい」の受けのセリフに(その流れやシーンではなくて)
 すごく違和感を感じてしまって、神評価まではいかず…でした。
 

5

過去のトラウマ

ゆき林檎さんの作品は「玉響」を読ませていただいていたので、大正などの古い時代モノイメージがついていて現代高校生どうかな~と思っていたのですが、そんな心配は不要でした\(^o^)/

表紙の水彩がとても綺麗ですね~背景が青い空と草木なのが初恋な爽やかな感じがします。
話の内容があまりビーズルビーさんぽくないせつない、悲しい話?です。

野球部のケンゴは練習中に肩を故障してしまい放課後にふと立ち寄った(熊田先生を探しに)音楽室にいた吉岡が同じクラスの同級生と知り、そこから気になって恋に発展していく話です。
野球部のシーン多いと思ってたんですが、あまり無かったですね

音楽室で出会った吉岡は同じクラスでいつも休んでいる人だったと知り、クラスに連れ出そうとします
吉岡の最初の印象は儚い繊細な髪の毛がほわほわしてそうな可愛い子だと思っていたのですが、実は毒舌でギャップが素敵です(*‘ω‘ *)

ケンゴが吉岡に頭悪そうと言った時に、「留年してるひとに言われたくない」と返し、その吉岡の反応が悲しそうで辛そうで・・・そこでケンゴは惚れたんじゃないかと勝手に思ってます笑

そして吉岡がクラスに行かなくなった原因が性的暴行というアチャーな設定
そら毎日フェラ強要されていてその現場を一番見てほしくない人に見られたら傷つきますよ。
その強姦している描写が痛々しくてすごく可哀想です・・・

ケンゴが吉岡への恋心に気づいた時も過去のトラウマを味あわせてしまうと思いなかなか進展しませんが優しい愛ですよね
相手が好きだから、大事にしたいからこそ近づけない・・・

自分の思いを伝えたときにハグから始まるってのがいいですね~!
キスからじゃなくてハグからだと本当に初めてという感じが伝わってきます
髪の毛へのキスもいいですね♡

吉岡のことを自分の勝手で襲って強姦したあの黒髪くん許しませんね おこ

自分のせいでいつまでもケンゴとの仲が進展しないからって怖いのに身を差し出す吉岡と嫌われたら怖いと思いながら触るケンゴ。
プラトニックな関係のまでも良かったのですが、最後までするような関係に
なってくれて満足です!!
ウン年後~な書きおろしで卒業後、遠距離恋愛を経てもなおあの仲の良さなら一生仲良くやっていけそうです(●´ω`●)


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