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最初から相手が激重感情を抱いた状態で始まるお話。好き好き大好きでも諦めなきゃいけない、と思い込んで逃げた後なので、すでに気持ちは歪んでる。そうして拗れたおかげで醸し出される長嶺の切なさがとても良かった。
高良はゆる~い雰囲気はありつつ、部下の面倒見が良さそうな先輩。心理描写はしっかりあるのに、深いところまで考えないのか見せないのか分からない、ちょっと捉えづらいキャラ。性格があっさりしてそうなとこは好き。
長嶺はどうしようもないというか何と言うか。恋に溺れて何も見えていない人のようで、最初は大人げない印象。そこから高良への執着と必死さが見えてくるにつれ、徐々に好きになっていった。
ストーリーはシンプル。仕事を盾に一週間限定の関係を迫り、その後気持ちに気付いてくっつく。小さなメモを大切に持ち歩き、もう自分にはこれしかないのに……ってちょっと懐かしさを感じた。
良かったのは長嶺のキャラ。特に本編後の二作が好き。長嶺視点の短編は、高良と一緒にいるだけで幸せいっぱいな気持ちが伝わってきて、微笑ましかった。ボーナスはたいて高良を撮るためのカメラを新調する長嶺可愛い。
本編はエロ多めで多種多様なプレイが描かれている。個人的にはエロの中に萌えるシーンがなく残念だった。
「うなじまで、7秒」を読んだ後にこの粗筋を読んだので、もっとグズグズの甘々なのかと思っていたのですが、苦しい恋のお話でした。
ある出来事から距離を置いた広告会社の先輩と辞めた後輩、デカい仕事で久し振りにタッグを組まなければならなくなり後輩に交渉するも「一週間俺のものになってください」と言われて、なお話。
まさか1週間のうち最終日に挿入宣言で、初日は筆攻めだけって易し過ぎない?
初日からドロドロにして欲しかったのですが、そうすると長嶺も更に高良と離れがたく辛くなるのでしょう。
この後輩長嶺、先輩の高良が仕事出来るけど最低男なのを知っている。でもどうしても好きで、自分も嫌いになりたいし相手に嫌がってほしい。なのに高良は順応性高くSM的なノリもなんなくこなしていく…笑
1週間俺のもの描写はあまりエロを感じなかったのですが、長嶺が高良に触れたかったから参加したコンペ企画のシーンがとても良かった。男性向けの化粧品を女性目線のメッセージで、高良へ向けた言葉を紡ぐ。撮影にかこつけて化粧品で彼自身の手入れをし、写真を撮る。
その化粧品はすでに廃盤で、残していたシェービングローションを高良との1週間に使用する。高良は匂いで気付き、頬にキスをする。
長嶺はきっとこのシリーズを、自分が受賞したからではなく高良との思い出だから使い続けていただろうし、いつかなくなるという消費物の運命と彼の恋心と相まってとても切なかったです。彼のやりきれない恋心が後半はとても伝わってきて、苦悩が目に浮かぶようでした。
「うなじ・・・」「どうにか・・・」 に続く ナツ之先生3冊目~
リーマンものにめっちゃ興味あるわけではなく、ナツ之先生のを読みたかったからget。
作者名伏せて本だけ置いてあっても
ナツ之先生の作品では と推測できるんじゃないか?と思うぐらい
ねっとりまとわりつく、このトロットロな書きっぷり。
このねっとり感が、肌寒くなった今の季節にちょうど良し!で萌2.
(単にファンダジーじゃないから神にしないだけ~)
モノローグみたいに、受けさんの思いが あちこちでつぶやかれてます。
「どうにか・・・」 でも、同じような書きっぷりがあった気がします。
こんなにはっきり書き手の色がわかる文章って、私には他にはあまり思いつかないです。
なので、苦手だ!と思う方もいるかも。
初読みの方は 念のため どこぞの電子本サイトのサンプルで
ご確認くださいませませ。
今作品の受けさんは、強いです。
結局 誰にも負けずなびかず、我が道を行って、勝者 受けさん! です。
身を差し出した 的な話ではないので、そういうお話と思われないようにご注意ください。
(いや、身を差し出してはいるんだけど、けして、嫌がって悲痛な叫び とかないから)
しっかし、この受けさん、いいわ。
頑張って見習って 飄々とたくましく生きてこ!
契約として身体を差し出すというのはよくありますがこの作品の場合は会社の元先輩、後輩という関係ありきなのでその後の展開も違ってきます。囚えて、身体を弄んで、絶対的優位な立場の攻めがそうは見えなかったり。ともかく悲しいんですよね攻めの気持ちを思うと、拒絶しないのに受け入れてくれない。突き放してほしいのに希望を見せる
好きになってほしいけれど絶対に自分のものにはならない。
対する受けの気持ちは曖昧というより自分でも気づいてなかったのかなと思いました。みんなに優しくて、ズルさや駆け引きを天然でしてしまうこういうタイプは好きになったら大変でしょうね。
後日談もしっかりあって攻めの後輩がすっかりヘタレになってるのがよかったです。先輩のこと好きすぎ
終始あっけらかんとしてる受けのお陰で濃厚なプレイのわりにあっさりとしてましたが、カップルになると気持ちを素直にあらわして包み込んでいたので終わりも爽やかでした。
私、SMものって嫌いだったのです。
だって、痛くて辛いのどう考えても嫌でしょ?
でも、本作はそんな私の思い込みを覆してくれました。
基本、拘束プレイで、アナルビーズや尿道責め等、結構、すごい事をやっているのに全然それを感じさせません。
何でだろう?
攻めの愛がだだ漏れで、受けが半端ない順応力を持っていて飄々としているから。
この受けのキャラ設定が絶妙。
健気なヤンデレ執着な攻め様には、この暢気な受け様のキャラが正解だったのね。
とにかく、SM苦手でもこの作品なら大丈夫です!
甘いいちゃこらラブを読みたい人にオススメです。
