公安の蛇に愛された鑑識員、恋の受難!?

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表題作デンパ男とオトメ野郎

西村和巳,警視庁公安総務課の管理官,32歳
柏木聡,警視庁刑事部鑑識課の警部補,35歳

その他の収録作品

  • 刑事Aを探せ!
  • 日常
  • あとがき

あらすじ

警視庁刑事部の鑑識課に勤める柏木は、夜の映画館で会った男と一夜の情事を楽しむ。だが、その男は「公安の蛇」こと公安部の管理官・西村だったことが判明する。公安がなぜ自分に近づいたのか――。そこには、二ヵ月前に起きたコインロッカー爆破事件が関係していた。だが、西村が柏木を抱いた理由はそれだけではないようで……?
仕組まれた『偶然』によって出会った二人のデンジャラスな愛の結末は!?

作品情報

作品名
デンパ男とオトメ野郎
著者
井上ハルヲ(オハル) 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)
レーベル
B-PRINCE文庫
シリーズ
デンパ男とオトメ野郎
発売日
ISBN
9784048653299
3.9

(121)

(47)

萌々

(45)

(17)

中立

(2)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
16
得点
468
評価数
121
平均
3.9 / 5
神率
38.8%

レビュー投稿数16

予想外に感動しました☀︎

題名からしてもう、ツボに入りました。
表紙の右側のスーツが「公安の蛇」こと西村和巳、デンパです。左側の胸元をセクシーにはだけたお兄さんが、鑑識の警部補の柏木聡、オトメです。
ギャグとエロさを求めて読んだのですが、正直この作品で泣くとは思いませんでした。そうです、思わずうるっと涙ぐんでしまったのです。
話のあらすじは割愛しますが、デンパが攻め、柏木が受けです。柏木がオトメ野郎ということになりますが、男前受けです。
恋に傷つき、身体だけの関係で良しとするようになってしまった、そういう繊細さがオトメなのだと思いました。
デンパとオトメは仕組まれた偶然により、その夜の内にセックスして、次には公安と鑑識として相対します。
絶対うまくいくわけがない、もう傷つきたくない、と好意を押し殺そうとする柏木の心をこじ開けるデンパ。
ここが最高でした。切ない本音を吐露する柏木に、跪いて誓えるデンパの包容力、泣けました。
表題作の他、「刑事Aを探せ!」と次巻への繋がるであろう「日常」の二編が収められています。
小山田あみ先生のイラストも最高です、表紙下の青い空間での場面は艶かしい。
来年春の続きが待ち遠しい!私もシリーズ化希望します。

9

つづきが気になる!

そこで、続くの!
早くつづきが読みたい!

1

改名して臨む新境地か

B-PRINCE文庫の新人賞受賞作。
作者は井上ハルヲ(オハル)さん。
改名後初めての作品だから新人扱いなのか?
何にせよ、持ち前のキャラクター造形とお仕事描写の見事さは健在でした。

刑事部鑑識課の柏木(受け)は、映画館で出会った行きずりの男と寝る。後日、その男が公安部の管理官・西村(攻め)と判明し…というお話。

デンパ男とオトメ野郎なんて一体どんな珍味なのか、興味津々で読み始めましたが、オトメ野郎(柏木)の方は想像よりずっと雄々しい年上受けでした。

仕事では公安の連中を怒鳴りつけるほど強気で、プライベートでも自分から初対面の男に跨がるほど肉食系。
西村に惹かれつつも、エリート管理官の将来を潰してはいけないと自制する良識もある。
西村に歳のことを言われて怒ったり、Hシーンで蕩けたりするあたりがかろうじてオトメっぽいところかなと思います。

デンパ野郎こと西村は、真面目な顔してボケたことばかり言う本当に面白い人。
職場では鬼の管理官で通っているのに、素の彼は天然で世間知らずでホラーが苦手な大変可愛い人でした。
こんなギャップ持ちイケメンに一目惚れされ、時に珍妙に時にロマンティックに口説かれたら柏木でなくともイチコロでしょうw

こんな二人の軽妙なやり取りをベースに、テロ事件を追う刑事物としての展開もしっかり描かれており、読み応えがあります。
既刊に比べかなりコメディ要素の強い本書は、この作家さんの新境地なんではないかと思います。

こちらの作品、あとがきによると続編が出る予定とのこと。
これだけキャラが立っていればいくらでも続きが書けそうなので、是非シリーズ化して頂きたいです♪

19

てんてん

こんにちは。改名は作風と合わないと言われたからとHPにありました。
各社の賞って「新人章」がほとんどで、他社でデビューされていても応募出来るので、ビープリではないですが既に商業デビューしていても「新人賞」とられてる方はいらっしゃいますよ。ただ初作が注目されなかったりして目立たないのかったり、初作から間もなかったりだったりかな(^_-)
本作、早くもシリーズ化決定なのですね。早く入手しよう♪

Krovopizza

ココナッツさま

こんばんは~
コメントありがとうございます(*^.^*)

『劣情宅配便』は私はまだ読んだことないんですが、ハルヲさんが受賞された第8回B-PRINCE文庫新人大賞の募集期間が2013年10月~2014年3月で、ハルヲさんが改名されたのが2013年9月なので、書かれたのは『デンパ~』の方が先なんじゃないかな?と思います。

でも『デンパ~』は元々同人誌で発表された作品のようですし、ココナッツさまの仰る通り執筆歴のある作家さんが新人扱いなことにも疑問が残りますよね(;^_^A

ココナッツ

Krovopizzaさま

こんにちはー、Krovopizzaさま(*^^*)
井上ハルヲさん名義ですと、先に『劣情宅配便』がリリ文庫から出ています。
でも、ビープリでは初だから?ということなのでしょうか。
執筆歴のある方ですから、新人扱いというのも変な感じですね(^^;;

今までのイメージぶっ飛びですよ!

新人賞受賞作品となっていてええ今頃?とびっくりです。
改名したら新人扱いなのかな。

改名されても作品の持ち味は今までと変わりなくでした。
相変わらずキャラがいいです。この方はキャラを作るのが上手いですよね。
警察ものは得意なのかな。仕事描写もいつも通り細かいです。

受けは強気なオトメ35歳。攻めは天然ちゃんの32歳。
年上受けなんですが、オトメの柏木がかっこいい。あれ?オトメだよね?
オトメだけれど攻めにガンガンのっかります。誘います。襲います。
攻めの西村はハイスペックイケメン。なのに完全に世間からズレた天然ボケ。
ボケて脅して口説きまくります。
何なんだこの二人!三十過ぎてるのにかわいすぎる!

コミカルだけれど、ちょっとシリアスな展開もあるのかと匂わせていて、ときどきキュンとなる。そしてエロいところはちゃんとエロい。
井上さんてデビュー作の痛い描写のイメージが強かったんですが、こういうのも書くんですね。
今までのイメージがぶっ飛びました。

あとがきによると続編もあるとか。
小山田さんのイラストもイメージぴったりだし、ぜひシリーズ化希望!

16

続き物ですよ~

初読みの作家さまでしたが、小山田さんの表紙に釣られたのと、この作家さんの評価が非常に良かったので読んでみました。うん、タイトル通りな二人、と感じました。内容をざっくりと。



鑑識に所属している聡は、その見た目から遊び人風で一人でも大丈夫そう、と今まで付き合ってきた恋人たちに去られてきたことで「恋人はいらない、その場限りの付き合いだけでいい」と割り切った付き合いをくり返しています。
そんな中とある映画館で見た目が好みなナイスガイと知り合い、一晩限りの相手としてその彼と情事を楽しみます。が、実はその彼は公安に所属している「公安の蛇」というあだ名まで付けられ怖れられている人物で。
折しも世間では無差別爆破事件が繰り返されていて、その事件でもかかわりを持つ二人なのですが…。

というお話でした。

なんていうんでしょうね、キャラに対して親近感がわく、というか、好感度が高い、というか。応援したくなる二人でした。

受けの聡がオトメなんですよ。自分の元を去っていく恋人たちにすがることもできず、かといって割り切ることもできずに過去の恋を引きずる。ゆえに一途に求愛してくる和巳の気持ちを信じることができず、距離を置こうとする。健気で可愛いんです。
なのにエチシーンでは一転男らしい。自分からガンガン攻めるし、男同士のセックスって感じですごく良かったです。

一方攻めの和巳はデンパ系です。ハイスペックでイケメンさんなのに聡に惚れちゃって、あの手この手で迫り、避けられてもなんのその、自分の気持ちに正直です。
一歩間違えると嫌なやつになりかねないのですが、常に聡の気持ちに気を配りシッポを振り続けるわんこちゃんな面もあり、憎めない可愛い攻めさんでした。
特に「刑事Aを探せ!」には爆笑!嫉妬心から公私混同しちゃいけないと思うのですよ、和巳さんwww

聡にしろ、和巳にしろ、見た目や仕事ぶりからクールなイメージを持たれているのですが、実際は違うのに、という想いを二人して抱えている。素の自分をさらけ出せるのが、お互いにだけ、というところも非常にツボでした。

二人の関係は着々と進んでいきますが、爆破事件の方はどうなったの?と思ったのですが、これって続き物なんですねえ。二人の関係はラブラブで落ち着いたところで次巻へ続くのでその点はご安心あれ。がしかし、事件の方も気になって気になって…。早く続きが読みたいです。

特に最後の一文が!焦らしプレイですか、井上先生…(爆)。

そして今回も小山田さんの挿絵は神でした。
聡のクールビューティでありながら和巳を求めてやまない表情も。
和巳の普段は冷徹と呼ばれる鋼鉄の表情なのに、聡に対しては誠実でわんこなところも。
非常にエロエロしいエチシーンも。
どれも素晴らしかったです。

11

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