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シリーズ完結巻です。
前半で『やぎさん郵便』は完結し、その後に有原の過去を描いた『かごめかごめ』、澤と花城の出会いを描いた『東京行進曲』、花城の失恋を描いた『ゆりかごのうた』、やぎさん郵便後日譚の『続・東京行進曲』と続きます。
自分のせいでまたもや怪我を負ってしまった有原のために泣く澤や、超絶分かりにくい告白をする澤に激萌えしてしまいました!
「余暇を費やすに値する」って…理屈っぽ!
でも好き♡
花城と廣瀬がトンネルに貼り紙をしに行くエピソードも好きでした。
2人が出会った場所に記した誓いみたいに思えました。
番外編や描き下ろしでは有原、花城、澤それぞれが辛い恋をしていましたね。
花城にもあんなウブな時代もあったのか…。
やぎさん郵便本編を経ての、『続・東京行進曲』では皆さんお幸せそうで何よりでした。
また時々読み返したい作品です。
痒いところに手が届く。
登場人物について知りたいところが全部知れる。
ついに完結の最終巻は、そんな1冊。
本編の方は2話分で完結しています。
花城×廣瀬はいちゃいちゃして終わりですが、澤と有原が…。
有原の献身と、澤の情の深さに痺れます。
脅迫して無理矢理言うことを聞かせていた関係だったはずの2人の結末に、冷酷そうに見える人間ほど情が深いんだなあと思わざるを得ません。
素晴らしいラストです。
同時収録では、有原と廣瀬の出会い、澤と花城の出会いに、花城と社長の話、花城の下に付いてからの澤の話が読めます。
本編終盤で有原が「澤にとって女は全て母親」と言っていましたが、その辺りが分かるエピソードや、澤の初めてを花城がどうやって奪ったかも知ることができて、大満足。
有原の「前の男」の正体も分かってさらに満足。
こういう本編で匂わせる程度にしか分からなかったことを妄想で埋めることも出来るけれど、作家さんがきちんと描いてくれるのは何とも有難いことです。
4冊で、4人の人間の半生を知って、それぞれが見つけた大切なひとへの想いを知る。
2巻で初めて有原と会った花城のモノローグが思い出されます。
「キヨは俺に応えて、有原(あいつ)には応えなかった。でも俺のはただの運だ」
ひととひとの出会いはすべて巡り合わせ。
その出会いが友情になるか恋になるかは、先に出会ったとか関係なくて、タイミングでしかなくて。
でもタイミングが合わなかったせいで、本当に大切だと思える人に出会えることもあるのだから、人生とは不思議なものです。
そういう風に出来た縁が、自分や相手を変えていく様子が、見事に描かれた作品でした。
満たされます。
紙代値上げによる誌面都合など、諸事情の折り合い付けての完結編なのだそう。
電子版のみで、また続けてくれないかな??
24話
評判の色刷り近代もの美人画版画のモデルは、花城だった。
画家が視たいのは、苦しむ顔。喜ぶ顔じゃないと蝋燭を消す。
有原は、澤と夜道を歩いていると、突き落とした男が待ち伏せしていた。
澤を庇って、刃物を握り止める有原。
25話
澤に、一生面倒を見ると言われた有原。
有原はやっと好意を受け入れる。
トンネルに行って、張り紙をする花城と広瀬
「燐寸 売り切れました」
「かごめかごめ」
有原と広瀬のなれそめについて。
「東京行進曲」
終戦間際の頃。
花城が、贋作を買い付けて騙された時の話。
出征後、戻らなかった社長は南方で現地嫁を貰って生きていた。
有原と広瀬が社会人になっている後日談。
面白かった。月並みな表現だけど、本当に味わい深い。
そしてみんな夫々納まって幸せなのがなにより。
何度も読み返したい作品の一つになりました。
独特のコマ割りの一コマ一コマの構図もいい。
外の背景、室内の装飾や小物、どれもとてもきれいでかわいい。
扉絵、全部好き。全部額縁に入れて飾りたいくらいステキ。
原画だと見惚れてしまうほどだろうなぁと想像。
構成とかもすばらしい。うまく言えないけど
とにかくすばらしい作品です。
追記
廣瀬×花城があまりに素直でらぶらぶでうれしいんだけど途中で試練や妨げが起こらないかしら…とちょとハラハラしたけど何も起こらずよかった。
その分?澤×有原が少しドキドキあったけどそこまで辛いほどではなくよかった。
陰鬱なことが起こらずとも読ませる作品好きです。
草間さかえ先生の本は、続きが見たい!とならないものが多いです。決してマイナスの意味ではなくて、作品が美しく完結するからだと思う。
◾︎廣瀬(学生)×花城(出版社社長)
◾︎澤(花城の部下)×有原(学生)
さんざっぱらヤってたのに、橋の上でキスをした澤と有原にプラトニック〜とか意味わかんないことを思いました。意味わかんない。
澤のプロポーズの言葉が強すぎてくらくらします。
後半はみんなの過去編。初々しい花城と澤…可愛い。そしてこの二人の関係性を改めて噛み締めて、花城も澤もそれぞれに長い不遇の時代があったのだと思わされる。
連載が長過ぎて考えが及んでいませんでしたが、作品内で経っている時間はそう長くはない気がします…どうでしょう?
4人とも恋に溺れるのが早いのに、何故だかストーリーに無理矢理感もなく染み渡る作品でした。