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こちら、Kindle Unlimitedにて拝読しました。
まず驚いたのが、月村先生の作品で、一人称!?ということ。
そして後半に、女性視点での恋のお話があること。
(↑メインカプとは違うカプで、幼馴染同士の恋の成就が描かれたもの)
こちらの新装版が9年前の出版、
そしてもともとの作品がなんと'97年出版ということで、
現在の月村先生の作品とは趣がちょっと、いやかなり異なり
好みは大きく分かれそうです。
自分も、「大好き!」「萌える!」と自信を持って言える
…というわけではないのですが(内容がシリアスなだけに)、
一度読み始めたらあっという間に物語世界に引き込まれ、
途中涙しながら気付けば一冊読み終えていました。
中学時代、教師に弱みを握られ
それをもとに脅される形で性的な嫌がらせを受けていた安西(受け)。
ある日、その現場を同級生・奥村(攻め)に目撃されることとなります。
教師は学校から去り、平穏な日々が訪れたものの、
その後二人は特に会話することもなく別々の道へ。
社会人になってもトラウマのせいで他人との接触が極端に苦手で、
会社員としての仕事もうまくいかない安西。
そんな折、同窓会の帰りに寄った喫茶店で
マスターとなっていたかつての同級生・奥村に再会しー
と続きます。
教師に撮影されていたカメラのメモリーカードが
今も自分の手にあるー
人手不足のうちの店で働くなら、メモリーカードを渡す。
と脅され、会社を辞めて奥村の店で働くことになる安西ですが。
これ、後半安西の口から明かされるこの時の安西の心境、とある告白が
本当に切なくて健気で一途で、いじらしくて。。
読んでいて胸がきゅーーーーっとなり、気付けば涙が出ていました。
メモリーカードを使った脅しなんて
何かの口実でしかないよね、と
読者としては重々承知の上で読み進めてましたが、
攻め・奥村の思いが明かされる場面はやはり胸ときめく…!
ずっと忘れられずにはいながらも、他の人とも付き合ってきたし
再会するまでは半ば諦めていた、というところも
リアルで逆にすごく良いな、と感じました。
かなり強引にではありながらも、
安西をトラウマから開放し心を満たしていく奥村。
安西ー…!よかったね…!( ; ; )
どんなに抱きたくてしかたなくても、
安西の心の準備ができるまで、じっと我慢し
それを外には出さなかった奥村、あっぱれでした。
二人が体を重ねる場面は終盤に一度きりですが、
そこに至るまでの紆余曲折、二人の歴史を知っているからこそ
胸にグッとくるものがあります。
そして。
賛否両論分かれそうな、奥村の幼馴染である喜多村はるひ視点のお話。
BLではないけど、自分はここでも涙しました。。
人に見えている部分が、その人の本質・本音だとは限らない。
人間の面倒くささ、切なさ、だからこその愛おしさ...
そんなものを感じずにはいられない、インパクトのある一冊でした。
とても素晴らしい作品でした。
何と言っても、テーマが一貫しているなと感じました。
自分を束縛してしまうことについて、丁寧に深く切り込んだ素晴らしい作品だと思います。
表題作と男女CP作品が一つ入っているので、地雷注意でした。
個人的には男女CPの方が特に好きで、思いがけず涙が止まらなくなる作品でした。
妊娠エンドは何だか謎でしたが...
そして、男女CP作品が入っているというのは大事な情報だと思うので、何かしらわかるようにした方がいいかなぁとは思います。
kindle unlimitedにて
エリート街道を進みながらも合わない営業職に痩せ細り人との接触に嫌悪する受けと、地元喫茶店勤めの攻めの話。
「きみはまだ恋を知らない」同様性嫌悪を持つ人が、どんな風に癒され、立ち直り生きるのかが知りたかったのですが、こちらも同様にそこが疎かにされがちで残念でした…
触れられるだけで反応してしまうのに告白してすぐグイッと腕をつかみ、衣服を脱いでetc即物的というか荒治療というか。トラウマ男とは違うと言い聞かせてもそう簡単には慣れないはず。もっともっと時間をかけて手を繋いだりキスするとこからじっくり、精神面も地に足つけた変化をしっかり描いてほしかったです。そこが一番重要で素敵な見どころだと思うのですが。
また地元仲間の女性の独白に対しての批判レビューがありますが、子供ができない男同士の話とクロスした割に最後安易に妊娠するのはやはり意味がわかりませんでした。
とは言え月村さんのトラウマに傷ついた受けの繊細さは好きで、読まなければ良かったとは全く思いません。
なんで、こんな裸の表紙にしたんでしょ?表紙のカッコ良さに惹かれて読んでみたら、まったくイメージしてたものと違いました。あらすじ読むまではダンスとかバレエものかと思った。それは私の勝手な思い込みなので、BLあるあるだな…なんですけど、エロシーンほぼなし、性的な触れ合いに嫌悪感丸出しな受けなのに裸?まるごと晒せだせってこと?あまりに内容と違うと信頼がなくなります。
BLが読みたいからBLレーベルの本を読んでるんで、女子目線のNLがまるっと1編入ってるのはげんなりしました。本編も出張ってSSまで!?好きな人に好きな気持ちを言えないのは切ないけど、理由が身勝手すぎて、悲劇ぶりたくないって言ってるわりに悲劇のヒロイン思考だし、読んでてきつい。さんざんグダグダした悩みも、最後の主役カプのSSで解決して、妊娠のこと軽く扱いすぎて嫌悪感。いったいなんだったんだろ。脳内でBLオメガバ変換してみてもキャラもテーマも苦手な部類。せっかくの主役いちゃいちゃも楽しめず…
新装版なら尚更別レーベルで出すとか、あらすじに載せるとかしてほしい。
1997年発刊の再発刊の、昔の作品。
タイトルの通り、トラウマから解放された二人の物語
release :
〔人・動物などを束縛・拘束・苦痛などから〕解放する、自由にする
主人公の安西は、美青年。ジャニ系の貌と細見のスタイル。
四大卒で新入社員の配属は、一番性格に合わない営業。
夜の接待で、美貌の安西はよく触られる。合わない部署のストレスに耐えられず、ついに安西は接待の場で粗相をしてしまう。
久しぶりに高校の同窓会に参加して、同級生と再会する安西。
そこから安西の運命が動きだす。
安西と同じ、高校生時代に性的なトラウマを持つ喜田村。
表紙は、安西をトラウマの籠から解放する奥村。
トラウマから解放された安西が、喜田村に「地球最後の日に誰と居たい?」と話しかける。その会話から、喜田村も、囚われていた籠の外へ踏み出す勇気を得た。
籠から飛び出た二人は、痛みも喜びも分かち合える伴侶を得て幸せになれそう。
良い出会いを無駄にすることが無くて、良い結末でした。