イラスト & 電子限定SS付
3冊目の月村先生の作品でした。
あとがきによると月村作品は「包容力攻め×健気受け」が多めとの事で、私が読んだ2作品も確かにそうだったかもですが、本作の攻め受けはちょっと違う感じでした。
でもですね本作の2人、とってもとっても良かったです。
出会った時は最悪の印象だった2人だけど、実はその時からお互いに特別な何かをか感じでいて後々に気づく…っていう設定も好きでしたし、秋平しろ先生の描かれた2人のビジュも素敵で萌えました。
百戦錬磨の手練れを偽る受けと、童貞にしか思われない割と経験のある攻めのCPのドタバタした初体験も面白く、笑ってしまいました。
サクッと読める作品ですが、しっかりと人物背景も萌えも摂取できて大満足でした。
小説初心者さんにもオススメしたい一冊です。
めっちゃ面白かった!!卑屈すぎる小説家壮介と慣れた感じの編集者旭の物語。まさか旭がそうだったなんて…とか壮介とお互い認識違いが凄くて噛み合うのかこの2人は…?と思ったり…。でもガッチリいい感じにおさまりました…。2人の視点交互なのも楽しくていい!
月村先生と秋平しろ先生のコラボなんて我得すぎる…!と思い読み始める前からウキウキしていましたが、あまりに最高でした!!
期待の新人作家×敏腕編集者という設定の今作。
作家である藤原くんは引きこもりかつコミュ障を拗らせ自信がない上に自意識過剰気味なところがあり、一方普段は人の機微を読むのに長けて編集者として頭角を現す旭さんもなぜか藤原くんには個人的な思いから最初から突っ掛かり気味でどちらも最初の印象は拗らせてんなぁという感じでした。
ただ一度思わぬ形で本音をぶつけ合ってから壁が消え、軽口の応酬ができるような関係性になってからはケンカップルの様相が見えて最高でした。
個人的には旭さんに萌えて萌えて仕方なかった〜!外面と比べて意外と口が悪いのも、私的な思考回路は意外と幼くてとんがってるのも、恋愛にあまりに初心なのも!物語が進んで藤原くんに口説かれ始めたあたりからついに受け入れたシーンまでどんどんどんどん際限なく可愛くなっていくのにニヤケが止まらなかったです…
視点が交互な書き方なのもまたよかったです。どちらの視点で見ても自分ばっかり想ってて相手の本音が見えない感じがたまりませんでした。
月村さんの作品と言えば男前攻め×ウジウジ受けというようなイメージでしたが、本書はそうした月村さんの持ち味を残しつつ新しいカップリングに挑戦された、大変意欲的な一冊だと思います。
敏腕編集者の旭(受け・30歳)は、文学賞の大賞をとった新人作家・壮介(攻め・23歳)の担当に。
お互い第一印象は最悪。
しかし相手のことを知れば知るほど惹かれ合っていき…というような話。
攻め受け両視点あり。
お互いのお互いに対する様々な誤解が笑いを誘うテンポの良いコメディです。
旭は、学生時代に小説家を目指すも挫折し、編集者になった人物。
仕事では非常にスマートですが、内心は壮介の才能に嫉妬しており、彼のコミュ障故の生意気な言動や無駄に整った容姿等にもイライラしています。
壮介は、政治家や芸能人を輩出するセレブ一家に生まれるも、コミュ障でずっと引きこもっていたニート。
何気なく応募した小説で文学賞を穫れる程の才能の持ち主なのに、本人はまるで自分に自信なし。
オシャレでイケメンな担当編集者に怯え、彼が自分の作品を褒める言葉も嘘くさいと身構えてしまいます(旭は壮介の才能を妬んでいるので、これは遠からずなのですがw)。
そんな二人が、ある日ついにお互いの言動にブチ切れ、腹を割って話し合った(罵り合った)ことで仲良くなっていくのですが、このあたりのテンポの良い応酬が最高。
特に、素(?)の毒舌を顕にした旭が、壮介のことを「おまえ」「中二病」「コミュ障」「黒魔術師」等、ボロカスにけなし始める一連のシーンには爆笑でした。
いつもはスマートな大人の態度を崩さないのに、地雷(作家になれなかったこと)に触れられるとガチ切れする旭は大変面白いキャラですv
旭に惹かれていく壮介ですが、旭が百戦錬磨のゲイであるとの噂を聞き、自分のようなコミュ障は相手にされる訳がないと及び腰。
担当作家とは寝ない、と旭に宣言されていることもあり、なかなか想いを打ち明けられません。
旭は旭で、どうしても壮介にアプローチできないある理由があって……
個人的には、仕事のできるカッコいい年上受けにこういう余計な乙女要素は不要と感じましたが、お互いに誤解し合ったまま展開していく勘違い系ラブコメとしては面白い設定だと思います。
ラストではその秘密も壮介に打ち明け、晴れてラブラブに。
月村さんお得意の男前攻め×乙女受けに落ち着いてしまったのはちょっと残念ですが、仕事面では、旭はこれからも優秀な編集として壮介を支えていくことでしょう。
巻末には、月村さん原作・秋平しろさん作画の2Pマンガが。
初体験の感想をメールにして送られ、職場でムラッとしてしまう旭&そんな旭にベタ惚れの壮介のほのぼの後日談でした。
ラストはいつもの月村さん作品っぽいですが、それまでの展開は一味違っていて大変楽しく読める一冊でした☆
後書きで作者がご自分のことを「金太郎飴作家」とおっしゃっているが
この作品も、いつもと雰囲気は違うけれど月村さんらしさは健在で
いつも安心して食べられる金太郎飴、
こういう切り口の違う作品は、テイストが変わってなかなか美味しい。
御曹司だけれどヒッキーの作家・壮介と、その担当編集者・旭。
このえらく有能な編集者の旭くん、恋愛でも百戦錬磨なのかと思ったら
いやいや、これがなかなか(笑)
最悪な出会いに始まって、気になる存在になっていくが
それぞれ屈折した思いや誤解を抱えているのがある日爆発、
罵りあいのに発展。
普段はそつなく優秀な旭が、コミュ障の壮介に対しては
自分の嫉妬や羨望を持て余して、つい感情的になるのが
なんとも面白くて可愛らしいし、
実はハイスペックなくせに中二病をこじらせている壮介が
一途な思いを抱いても、ぐるぐる思いを打ち明けられないのも可愛い。
最後は急に進化した壮介が結構男前ででもワンコな攻めになって終わり、
そこはもっとダメでも良かったかなぁ……と思わなくはないですが、
交互視点のコメディタッチで描かれたそれぞれの思いも
やりとりも面白く、ゲラゲラ笑いながら読み終わりました。
何度も登場する「領収書下さい」にまつわる悲喜こもごもが
またなんとも上手い!
巻末には、秋平しろさんの作画による後日談の漫画が。
これがまた楽しくて最後にまたクスッとして読了だった。
秋平さんの絵は割に好みだし、この漫画も良かったのだけれど
全体のイラストの印象としては、微妙に違うかな、という気分も……