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記憶違いをしていたようで、何かしら形式的な前進があって終わりだったと思い込んでいました。
そうか、こういう終わり方でしたか。
同棲を始めた和己×矢嶋の日常+非日常が描かれています。
日常としては、休日に甥っ子(和己の兄の子)を預かったり、矢嶋が和己の職場まで迎えに行ったり、2人揃って幸せ太りしてダイエットをしたり。
非日常は、温泉旅行へ行ったり、ディナークルーズに出掛けたり。
どこへ行っても何をしても矢嶋大好きで溢れている和己に対して、矢嶋は和己の兄にぽーっとなったり、甥っ子に惚れられたり、温泉宿のおじさまたちにぽーっとなったりしながらも、和己への独占欲と執着も相変わらずです。
このくらいの長さでじっくりとCPを描く場合、家族への紹介や職場や知人へのカミングアウト的なイベントが最後にあるものですが、この作品は和己サイドは全方面にカミングアウト済みで、矢嶋も紹介済み。妹とはメル友だし、兄とも飲み友になりそうn勢い、職場ではドMバレまでしていますが、矢嶋サイドはなしでした。
遠い昔に読んだ記憶では何かしら矢嶋サイドもあったような気がしたのは、やはりこのくらいの長さで1CPを描いた別の作品と混同していたせいかもしれません。
和己の「好き好き」に対して、今まで執着は見せても「好き」という言葉を言っていなかった矢嶋が、とうとう言いますよ。
言われた後の和己の表情に、ぜひ注目していただきたいシーンです。
何となく途中な感じはしてしまうけれど、あとがきによると同人誌等で2人を描き続けるとのことだったので、コミックスで読めるのはここまで、ということなのかな。
受けが大好きで、受けのためなら何でもしてあげたい攻めと、攻めのことが好きすぎるのにうまく態度に表せずに、一見「単なるわがままな意地っ張り」に見えてしまう受けが好きな方はぜひ。
両方が好きでたまらない!というCPを見ると、しあわせな気分になれますね。
よかった〜!
何がよかったって、最後まで平穏にいちゃエロで2人の関係性を深めるお話だったこと。
2巻の感想にも書いたけど、BL読み職業病?みたいなものでw いちゃいちゃが続くとそのうち当て馬とか、不穏な出来事とか、トラウマからくるごたごたとか…そういうことが怒るのでは?と余計な心配をしてしまって今まで当たってきたのだけど、この作品はそれがなかったのがよかった。
ネガティブな展開なく、それでもずっと飽きることなく2人のやりとりを楽しんで読めた。
お互い、より好きになって、好きになってもらいたくて、つきあってからのこういうやりとりが見たいし、好き。
温泉に行ったり、クルーズに行ったり、太ったんじゃない?て言い合ったり、カップルならではでよい。
矢嶋に好きと言ってもらって泣いちゃう渡部がかわいかった。
矢嶋は事後、上にパーカーやシャツだけ着て、おしりほりだしてる率高くない?と笑ってしまった。
最初から最後まで矢嶋はエロエロで、エロへの追求に揺るぎがなくブレないのもよかった。
タイトルが2人の心情を指すのだろうと思っていたけど、エロにもかかっていたんですねw
付き合う2人のお話が、3巻分も見られるとか喜びでしかないですね。
渡部(年下攻め)が職場でアダルトグッズを彼氏と使ってる話をしているところに、まさにその彼氏矢嶋(受け)が現れます。BLセオリーなら怒る矢嶋が見られるわけですが、一切そんな事なく猥談に花を咲かせる一同。この矢嶋がすごく好きです。渡部兄妹へもカムアウト済みだし、王道な葛藤がなくてひたすら甘い2人を観察することに集中できる。
BLセオリー的には同棲より前にある事が多い気がしますが、ここで王道温泉旅行!そしてディナークルーズ!トラブルが起こりそうな予感がビシビシするのに大ごとにはならず甘い2人。安心感がたまらない。
で、喧嘩したと思ったらエッチに関する痴話喧嘩ですからね。
焦燥など見る影もないですが、まだまだ読みたかったので一区切りは残念。
最終巻も不穏な空気は一切流れず、最後まで2人の甘々な同棲生活を楽しんで読むことができました。ヘタレ攻め×余裕受けっぽい彼らの関係が、時々逆転して矢嶋が焦ったりするシーンが大好きです。年上だからといって、余裕をかましてばかりはいられない。今回久々に矢嶋が拗らせる場面もあり、まだぶっ飛んだ思考は健在だったんだなぁと微笑ましく思いました。ふとした言動で渡部と読者の心を射抜いてくる矢嶋の魅力に、私もすっかりハマってしまいました。
え⁈ 完結なんですか⁈ 何も解決してませんが?と、慌ててしまう第3巻。この調子でずっとずっと続くと思っているのに…。初めて矢嶋さんから「好きだ」と告白されて、それで完結なのか。
和巳の甥っ子が将来ライバルになりそうな可愛い予感。とか、和巳の兄が年より老けていて、矢嶋さんの好み、ドストライクだとか。二人で、BLあるある温泉旅行とか。番外編の様なワクワク詰め合わせで、とっても楽しいんですけど。(エチも大増量‼︎)何の葛藤も無く付き合っている二人には、このままずっと続いて欲しかったし…、もしかしたら、初めての葛藤? とかを乗り越えてもみて欲しい様な気もします。
和巳が際限無く甘やかせてくれるので、矢嶋さんの焦燥は、溶けて無くなったのかもしれないし。
もしかしたら、和巳の焦燥は永遠に続くということかもしれないな。なんて、思いました。
あまりにも甘いので、この先何かあるんじゃないか⁈ と、焦燥するのは、私たち読み手側だったのかしら? 矢嶋さんの愛が重いのと、幸せ太りでちょっと体重が増えたのを掛けて、「重たいくらいの方がやっぱ好きだな。」という和巳が幸せそうでなによりです。(矢嶋さんは気にして、猛ダイエットに励みますが。)