電子限定版 イラスト入り
恋しくて、恋をしてほしくて、欲しくて。……欲しくて――
「日向はこんな孤独のなかにいるんだな」
どんなに明るく澄んだ晴天の日も、文字や声で〝嬉しい〟とくり返し言ってくれるときも、笑ってくれている瞬間でさえも、日向は暗い孤独とともに生きている。
恋の切なさ、同性愛の苦しみ、相手への優しさ愛しさ、恋したいなーって思える読後感、そして繊細な言葉。そして不憫健気受けを包み込む歳上溺愛攻め…!久々にBL小説読みたいな、と思った時に染み入る作品でした。
日向が自分の苦しく狭い世界から、交流アプリと出会いを通して支えられ報われる(それは勿論彼自身の人間性あってこそ)のが良かった…半ば諦めても恋をしてみたくて、嘘をついていて罪悪感はあるのに幸せな世界を止められない。どうやって打ち明けるのだろうと思えば読んでいるこちらも苦しくて泣けました。
新は諦めも安定もある大人で廃人とも言われるけど、時に送る言葉にはグイグイいくものがあるし、日向の言葉や性格をしっかり捉える想像力がかっこいいというか信頼できる。日向が江川海岸近くに住んでいると知れば、行きたいと言いつつも一緒に行こうとは強く出ず「同じ時間に一緒に夕焼けを見よう」って…………ほんと仏でした。
二人お互いにアプリで会話する言葉が繊細で素敵で、他の人との会話と世界が全然違うし、また日向が一人称をぼかす辺りも、作家さんて凄いなと舌を巻くばかりでした。
私は新の方が年齢近いので、高校生相手だと確かにロリコンと考えそうだなと思う。でも日向と同年代なら、日向が同性愛で道のない暗闇を歩き、罵られていても人に優しく出来るところまでを1日会っただけで想像できたかなと。
別れた陽子との砕けた恋バナがリアルで良かった。「あなた基準なら結果は見えてるんでしょうけど」とかおどけつつも、高校生相手そして同性と付き合うことについて新が真剣に向き合い、陽子もそれを否定せず(JKなら違うらしいが)話を聞いている。
継父もですが、実の息子をそこまで傷つけられても離婚しない母も苦しくさせているよなぁと思っていたけど、母は母なりに離婚したら日向が負い目を感じると分かっていたからなんですね。彼女も好きな入浴剤でお風呂に入れますように。
キスや初夜のくだりも激甘で、辛かった分と釣り合いが取れまして良き読後感でした!!
『アニマルパーク』シリーズの第2弾カップル。
こちらも読んでいて、とても優しい気持ちにさせて貰えて、とても好きなお話です(*´∀`*)
受け様は、大学受験に向けて頑張る高校生日向。
ゲイであることを義父に責められ辛い中『アニパー』の中で、白いネコのヒナタとして癒しや元気を貰う日々。
そんな時、アニパーで出会ったキツネのシンさんに女の子と間違われ、そのまま女子高生のフリでやり取りを続けてしまう。
シンさんこと、新がこの度の攻め様。
もうね~とっても優しい。
誠実で優しい。
これしかない。
日向も、健気で一途で、めっちゃいい子!
純粋で一生懸命で、愛しさが溢れちゃう(>ᴗ<)
いや~これは惚れちゃうよね。
そんな2人のアニパーでのやり取りが、とても優しい生き方、考え方で、なんだか私まで癒しを貰っちゃう。
丁寧に綴られた惹かれ合う2人の姿が、とても好きでした(≧∇≦)
日向と恋人になったら、穏やかで優しい新の、情熱的な一面や嫉妬とかも、萌えたわ~(ᐥᐜᐥ)♡ᐝ
お互いに、相手をとても大切に思ってるし、それを隠さずに伝えて求めてるしで、めっちゃ溺愛じゃんよ~。
大好きですヽ(*´∀`*)ノ
イラストはもちろんyoco先生。
ピッタリです。
最後『坂道のソラ』のソラとシイバを加えたアニパーのキャラ4人がお茶してるイラストとか、めっちゃ可愛い(*´꒳`*)
前々から気になっていた作家さんではありますが、yoco先生のイラストにも釣られ、氷泥を手に取ったのがきっかけで、氷泥→坂道→窓辺の順で読み終えた今、朝丘先生の世界観にどっぷり浸っています。
今作はモブが多く出てくるのと、チャットの会話文が多かったので最初の方は焦れったく、もーーーー!早く会いなよ〜〜〜両思いなんだから〜〜〜!!みたいな気持ちで切なくも温かい気持ちで読んでいました。
シンがさらっと紡ぐ、ヒナタを肯定して受け入れるような言葉は、読んでいるこっちが泣きたくなるくらい切なくて、でも温かくて、ほんとに苦しかったです。
朝丘先生の文章の特徴として、不意に読まされる、グッと刺さる言葉の数々があると思うんですが、今回も何度も読むのを止め、良い意味で心を落ち着かせるのに苦労しました。
大人×成長途中の青年、という組み合わせもアニパーシリーズでは見応えのある部分で、似たような年齢のお話なのに、それぞれのお話のそれぞれの登場人物は、やっぱりそれぞれで苦くて切なくて辛い想いを抱えていて、毎度の事ながら心をぎゅっと締め付けられます。
今回のお話は、氷泥、坂道よりかは、より等身大の大人であるシンと、年齢からすると少しだけ人より多く色々なことを我慢して辛いことを飲み込まなければなければならない環境に居るヒナタが、救われたい、そう心から切望して、その気持ちがお互いを繋ぎ止めた物語だったんじゃないかなと思います。
私の実年齢的にはシンに近く、けれどヒナタの年齢も通り過ぎていることから、どっちもが抱える悩みをより鮮明に共感してしまって、切なかったです。
たまたまではありますが、作中登場する場所に近い所で暮らしてきたので、読み終えて何週間も経った後にふと、夕焼けを眺めて、ヒナタを思い出してしまい、涙を堪えるのに苦労しました。
ここで、もしかしたらヒナタみたいな子が生きているのかもしれない。
自分の存在が有無を言わさず家族を壊したのかと絶望したり、母の優しさに胸を締め付けられたり、迫り来る毎日をやりすごしたり、そうやって生きているのかもしれない。
そんなことを思ったら、シンがヒナタを際限ない愛情を込めて「ヒナ」と呼んだことにまで感動してしまって、2人が出会えて本当に良かった。そんなふうに思いました。
1度は無事に邂逅を果たして、お互いを改めて認識しあった2人ですが、ヒナタがシンに対して「結婚できる人」、「ゲイであることによって苦しませたくない」と苦しみながら身を引こうとする箇所や、シンをソラのような人と感じていた箇所は本当に切なかったです。涙が滲みました。
その感情一つ一つが、本当に重たくて、悲しくて、でも愛しくて堪らなかったです。
「真っ暗い牢獄ににたこの家のなかで、窓越しにいつもある青々とした空みたいな人だった」
そう綴られた箇所、とても苦しかったです。
誰しも、現実が辛いことってあると思うんです。そういう時に、自分を解放してくれるような空みたいな人が居てくれたらどんなにか救われるか。
でも、空には自分が届かないことも知っている。
だからこそ切ないのに愛しくて、欲しくて欲しくてたまらない。
そんな気持ちが文面からぶわっと伝わってきました。
朝丘先生の本はいつも出版社ギリギリのボリュームらしいのですが、いつも途中で飽きたり長いということはなく、1冊分たっぷり、ゆっくりとお話の中に引き込ませてもらえるのもとても魅力です。
最後の余韻に幸せなのに切なさや苦しさを残すような作品が多いので、まだ残っている月夕〜をなかなか読み進められていません。ネタバレをちょっと見た限りでは、本当に覚悟して読まないと大変そうで…泣
絶対にロスになること間違いなしです…今から怖いですが、心を落ち着けて読もうと思います…
ちなみに、悪者を買ってでていた(笑)タナですが、私的には嫌いになれません。
こういう人、居ますよね。人間らしくて素敵だと思います。自分の身近にいて欲しいかと問われれば否ですが。笑
最後まで甘くて切なくて不穏な空気もなく終わってくれた今作ですが、甘々好きな私的には1番好きかもしれません。ああ、でもどれも甲乙が付け難い…
スピンオフもの好きなんですが、作品が沢山でるにつれ、自分の中の評価も順位が付いてくることが多いですけれども、このシリーズは今のところどれも同じくらい好きです。
これって凄いことですよね。朝丘先生、ほんとに素晴らしい。
この暗い所から解放してくれる、空みたいな人だった――。
高校生の日向は家族にゲイだとばれ、継父から冷たい仕打ちを受けていた。
自分の存在価値と将来に希望を見いだせずにいながらも明るく前むきに努力していた日向。
そんなある夜、SNSで「シン」という男性と出会い、女の子だと勘違いされてしまう。
シンの優しい人となりに惹かれてしまった日向は、どうしても本当のことが告げられず……。
坂道のソラに続いて読んでます。
SNSで出会ったことがきっかけで事件になったり、危険になったりすることがニュースになっている今、本質的にはSNSで出会っても、リアルで出会っても、変わらないんだなと思い直した。
新は日向にネカマされたけど、だからこそ、恋愛対象として違和感なく見れたのかな。出会いってやっぱり大事だし、日向と男として出会ってたら恋愛対象には含まれなかったかも?
でも、辛い分、ハラハラドキドキした分、日向が男でも女でも好きになってくれてよかった!
日向と新がこれから先、幸せな日々を歩めますように
シリーズを読み通すぞ!というつもりはなかったので順番が前後してしまってるのですが、なにげなーく積んでた”氷泥のユキ”→”坂道のソラ”ときて、本作にたどり着きました。で、今のところ一番好きです。窓辺>坂道>氷泥 な感じでした。
正直、”氷泥”を読んだときは、受の乙女気質がなんとなくハマらないなぁ、、とか思ってたのに、”坂道”で「あ、こっちのが好き、他もっと読みたい」となって、シリーズ3作目で号泣に至りました。
家庭環境と性癖に悩む高校生(受)と、30代にして燃え尽き症候群的なリーマン(攻)の切なくて優しくて甘くて美しいラブストーリーでした。この絶妙な切なさと甘さのバランスが朝丘先生らしさなんでしょうか?どの作品も、一回り以上の年の差があるCPなのですが、各キャラクター設定の絶妙な組み合わせで(あぁ、そうだよね。この二人が恋に落ちるのが必然)ぐいぐい読ませてくれるなぁと思いました。
それぞれの視点で丁寧に描かれる日常と合わせて、二人がいつも会うSNS上でのやりとり(チャットや手紙)を追いながら、「あぁ~、この二人どうなっていくの~」とめっちゃ心を持っていかれてました。
実際に会うところから始まる”日なたの恋”は、日向の健気さや懸命さに圧倒されて、、一緒に泣いてしまいました…。なんなん、この可愛さ。。鳩尾を素手で掴まれているくらい”きゅぅ~~”と。そんな日向と会って話して、”やっぱりヒナタだ”と腑に落ちる早瀬(攻)の誠実さにも胸が熱くなりました。最終的に安堵と尊さと、あふれる萌えによる余韻にずぶずぶになっていました。
一点だけ消化不良だったのが、早瀬(攻)のライバルで上司の棚橋の存在!もうどう見ても、早瀬と棚橋って拗れた恋愛関係にしか見えなくて、ひそかにこちらのラインも萌えでした。タナにも救済をお願いしたいところです。