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久我有加先生によるいわゆる「芸人」シリーズの一作。
相方に恋してる漫才師のストーリー。
視点は一貫して漫才コンビ「表面張力」のツッコミ役・由(ゆう)。
表面張力は結成13年で、全国規模の賞レース「全漫」優勝を目指している。
優勝しなければの崖っぷち感で長く片想いだけで均衡を保っていた心のバランスを崩してしまう由の姿が延々描かれる感じ。
相方の深野にずっと恋して、今回はその事でいつもの実力が出せなくなり、ならば恋心を捨てなければ、でも苦しい…その繰り返しで周囲にもわかるくらい疲弊していく由。
確かに由は可哀想。だけどちょっとくどかった。
視点が由のみなので、深野が何を感じて何を考えて行動しているのかがよく見えなかったところも逆効果だった気がする。
深野が由に絶対的信頼を寄せているのはわかるし、誰よりも由が大事というのもわかる。でもそれで抱きますか?
そこの部分を、深野はマイペースで変人だから、で済まされてしまった感があった。
相方で恋人で。難しそう〜…
芸人シリーズは基本的に好きですよ。この作品は中立寄りの「萌」で。
12年愛!!!
相方であり、一緒にする漫才も大事。
漫才を一緒にやっていくために
長年留めてた想いがどうしようもなくなっちゃう。
苦しい切ないギュッとなります。
漫才の賞レースを掛けた崖っぷちの状態だからこそ思い悩む姿に
恋も漫才もどっちも応援したくなる!!
バリバリ辛辣なツッコミ担当な性分なのに
大らかな?のらりくらり?な変人を好きになった宿命で振り回されるのが
もどかしくて切なくいんだけどやりたりが楽しい。
ほっこりしたりキュンとなったり
胸がいっぱいなお話でした!!
初めての久我有加先生、芸人シリーズは、大好きなイシノアヤ先生が挿絵を担当されているこちらの御本から。
読み進めていくと、深野(攻め)が何を考えているのかわからないので不信感が芽生えました。
極め付けはデリカシー皆無発言。
完全に「何なん深野!」と思っていたのですが、のちのち深野は深野で真面目に考えての発言だったのだとわかりました。
どちらにしろ由(受け)からすると酷い発言なのですが、想いは一方通行だったわけではなく...
最後は至高のハッピーエンド!
お笑い小説の面白さもしっかり。
とても素敵な御本でした!
これはですね、感想・評価が難しい。。。。
(以下内容に触れながらの感想です)
というのも、攻めが、独特の考え方をする男すぎて。思考回路が分からなさすぎる!!!!
途中まで、必死に思いを隠そうとする由が健気で、苦しむ姿が切なくて、めちゃめちゃ応援しながら読んでいました。
いや、由を応援したいという気持ちはずっと最後まであったんですけれども。
ストーリーとしては、漫才コンビの受け→攻めへの片想い。
もうずーーーーーっとひたすら切ない片想い展開が続くので、この点でも好き嫌いは分かれる作品かなあと思うのですが。
でもでも、でもですね。。中盤のね。。
相方、攻めの深野の言葉で、自分的にどうしても共感できないし、許せん!恋する者の気持ちを踏みにじってるやろ!…と思ってしまう部分があって。
「お前がずっとしんどそうだから、(恋愛的な意味で好きではないけど)お前が望むならキスでもセックスでも何でもするし愛してるとも言う」って…なんか、なんか、、
それは違う、と。
あまりにも人の恋心を分かってない、失礼すぎるよ…と思ってしまい、その時点で攻めを受け入れられなくなってしまったんですよね。
や、多分ですね、攻め自身も気付いていない、無自覚の「好き」って気持ちありきの言葉なんだよねってことは分かるんですけれども。。萎えてしまった。
その後の言動も、特に「決勝戦まで恋人になろう」とか、理解に苦しみすぎて脳内???状態に…
それってそれって、「決勝終わったら恋人ごっこは終わり。」という意味にしか自分には捉えられず。失礼の上塗りをしてくる男だよ、、、と。
プラス、ことあるごとに深野が「大丈夫やからな」と優しい目で由に語りかけてくるんですが、大丈夫じゃないし大丈夫じゃないのは誰のせいなんだー!と、若干イライラしてしまいました。
後半、由の言葉で深野の言動が「深野なりの愛情」と表現されていますが、私には理解できなかった。
久我先生の落語家シリーズとか、大好きなんですけれど…
受けの報われなさそうな長い片想い、って点には萌えたんですが、攻めがとにかくダメで、中立寄りなんだけど久我先生の作品だし…と葛藤しての、「萌え」評価です。
今ひとつブレイク出来ずにいる中堅お笑いコンビが、全国漫才コンテストに挑戦をするお話。
関西・漫才コンビ・片想い…と、気になるワードばかり。
関連作を全ては読んでいなくても問題なく読めましたが、うーん…ちょっと思っていたお話とは異なる雰囲気でした。
決して面白くなかったわけではないんです。
大きな舞台へ挑む緊張感だとか、才能溢れる後輩たちへの焦りだとか、そういう人間くさい部分の描き方は好きだったんですね。
ただ、すごく惹きつけられるなにかがあったかというと、そういうわけでもなかったというのが正直なところでした。
拗らせた長年の相方への片想いと、コンビとして漫才コンテストで結果を出せるかどうかの苦悩が受けの由視点で綴られていくわけなのですが…
盛り上がる部分があまりないまま、ずっとロートーンでぐるぐると悩む姿がなんだか読んでいてしんどかったです。
心理描写が上手いがゆえにとても息苦しい。
攻めの深野が、この重ための空気の良いガス抜きになってくれたのならもっと読みやすかったのかもと思いましたが、彼に関しては終始何を考えているのかがよく分からないまま読み終えてしまった。
わたしにはこんなにも長い間由が片想いをするほど、深野が魅力的な人物だとは感じられなかったのです。これ!という説得力がほしかった。
題材は好みだっただけに、もっとすっきりと読み終えたかったなと思いこちらの評価に。