ボタンを押すと即立ち読みできます!
虫歯先生2作目。全然作風が違うことにまず驚きました。同じ作家様と思えなくて凄いとしかいいようなく、ちょっと恐ろしい。
危険な仕事のふたを開けたら男の子達が犯人だったというストーリーは本当に萌えますね。
好きを守りたい子と好きを見失った子が寄り添っていく過程もグッとくる。
しかし偽札に情熱をかけるというハラハラする物語。
途中までBLってことすっかり忘れて読んでた。少年誌掲載でもきっと夢中で読んでる。不穏な空気で、どちらかが死ぬんではないかと不安にもなった。
けどまさか描き下ろしで攻め受け自由選択が待ち受けてるとおもわかなった。
「ルート分岐なので同軸リバではない」
自由すぎる。
この二人ってどう転んでもこんな感じがしそう、と妙に納得はしました。
ストーリーも自由選択もきっとこの作品唯一だと思い、新しいものを読んだという感想です。
本当に虫歯先生の筆の幅広さに驚かされた作品でした。
他の作品もなんだけど、映画の様なストーリーだなと思う。
映画に向いてると思うんだー。テレビドラマじゃなくて映画ね。
今作は、偽札作りをしてる印刷所が舞台のお話。
主人公の夜野はお札が大好き印刷所の仕事にプライドを持ってる。先代のおじいちゃんの職人気質な印刷テクニックに惚れ込んでて仕上がった偽札の出来に満足してるけど、いくら出来が良くても【偽物】扱いなのを残念に思ってる。
偽札の発注元のヤクザから精巧なコピー機を送ったからと言われてやってきたのは機械じゃなくて人間の真倉くん。模写が抜群に上手い絵描きの才能のある若者。
なんで、偽札作りの工場に送り込まれたかというと、ヤクザの親分が買って飾っていた絵画が贋作でそれを描いたのが真倉くんだったから。
真倉くんは模写の才能があったばかりに悪の手先にならされちゃってさー。求められる事に喜びを感じてしまうタイプなんだって。
このお話ね、ずーっとBLなのか?と思いながら読んでたんだよ。そしたらさ、あれー?!両思いやないの。肉欲から始まる物語ばっか読んでるから心大切にしてる今作、新鮮でした。
そして、なんといってもおもしろかったのは168ページからの描き下ろしでのユニークな試みです。
虫歯先生、最初は夜野が攻めと思ってたのに描いてるうちに分からなくなってポジション決めきれなくなっちゃったんだって。
そこで、マルチエンディング方式が取られていて
3パターンの夜のシーンがあります。
①真倉×夜野
②夜野×真倉
③エロ無し
どれもよかったのですが、私の好みのお話は②でした。いろんなパターンが読めて楽しかったです。
シーモアで購入
刻み海苔修正。ただしそんなシーンはちょこっとです。
虫歯先生読むの4作目です。これまでの3作はとても好きだったんですが、本作はちょっと…と思ってしまいました。
2人のキャラや惹かれ合うところはいいんです。
虫歯先生らしい、いじらしさや健気さがあり、とてもかわいい。
ですが、ストーリーの進み方がどうもぎこちなく感じて。
唐突に何かが起こって、なんでそうなるの?と思うもののその疑問が解決されないまま進んだり。
偽札作りがテーマなのはおもしろかったのですが、その情熱や技術力のすばらしさを見せたかったのか、もしくは擬札を作る犯人をやっつけたかったのか、どこを目指していたのかが、一本筋があるようでない気がしてしまいました。
自分たちが犯罪者集団であるという自覚や罪悪感や葛藤みたいなものもあまり感じられなかったし。
せっかくのおもしろい設定なのに、バタバタと進んで細かいところでリアリティが微妙かな〜と思いました。
描き下ろしのポジション2パターンは遊び心があっておもしろかったです。
虫歯先生の作品は本作以外はすべて読んでいて、良い人ばっかり出てきて先生の作品超ハッピー!って思ってたのですが、こんな引き出しもあったのかと舌を巻く作品です。もともと本作について、攻受を選べるという驚きの試みをしている作品だという知識はあったのですが、ちるちるさんの以下の記事で紹介されており、面白そうだなと思い、読むことにした次第です。
【エッッ同じ先生が描いてたの!?】同作家のギャグ作品とシリアス作品比べてみた
https://blnews.chil-chil.net/newsDetail/27812/
なので良い人ばっかり出してくれる通常運転の虫歯先生を期待すると痛い目を見ますが、本作を読むことでますます虫歯先生の他の作品にも愛着が湧きますね。いろんな選択肢がある中で、普段はハッピーな作品を自らの意志で選んで描いていらっしゃるのだなと。
なお、攻受を選べる≠同軸リバなので、同軸リバが苦手な方でも大丈夫です。
偽札づくりに本気で取り組む夜野と、人間コピー機・真倉は、狭い世界の中で強固な絆を結んでいきます。2人の間の熱は、偽札をつくっているという社会への後ろ暗さ故に、ますます「この愛だけは本物である」という物悲しさを生んでいます。
2人の印刷工場の仲間や社長である夜野のおじいちゃん、他の印刷工場の樹さんなど、出てくる人たちそれぞれに味があって、人間ドラマとしても優れた作品です。真倉の元先生の絶妙なクズ具合とか、ものすごくリアルです。
読んでいくと、攻受をどうしても決められなかったという虫歯先生のお気持ちがわかります。夜野みたいなキャンキャンしてる子は受かな〜と思っちゃうのですが、夜野の方が包容力って言葉は合うし、真倉の朴訥とした感じも可愛くて受に回したくなる(笑)。読んで絶対に左右はこれ!っていう確信がない方なら、両方載ってても気にならないんじゃないかと思いました。
物語の最後、あれは刑務所の中ということでしょうか。出所したら、今度こそは堂々と世に出せるものを印刷する人生を歩んでほしいです。
作中に出てくるお札の絵って、まさか地道に描くしかないのでしょうか。もしそうであれば、よく偽札なんか題材にしようと思ったなーと最早引くレベルの描き込みです(笑)。あとがきによるとアシスタントさんがいらっしゃったみたいなので、アシさんが描いたんでしょうか。そしてそこにあの村上キャンプ先生のお名前も載っております。
あとシンプルな絵柄ですが人物の描き分けがしっかりしているところも良いですね。組長がイケおじです。
表紙の黒子は「あれ?」とは思っていましたが、あとがきで真相が明かされ、すっきりしました。
同時収録の「君は総天然色」は、4ページだけのお話でしたが、いつもの虫歯先生の作風でした。
全体的に甘さは控えめですが、とても読み応えのある作品だと思います!
うーん、印刷技術や模写の精度について極めていく男達という要素はなかなか斬新で面白かったのですが…。仕事面の要素が強くて、なんとなくBL要素は取って付けたような印象に感じました。この2人は間違いなく最高の相棒ではあると思うのだけど、別にそこに恋愛的な好意まではなくても十分な気がして。真倉も夜野も、互いへの感情にはまったく葛藤がなくてすんなり受け入れてしまうので、あまり共感できなかったというか、心情の変化を楽しむ余地がなかったかも。もちろん、2人とも好き嫌いがはっきりしているのでそういう面での葛藤とは無縁、というのはよく分かるんですが。ただ、最後の描き下ろしでどっちが攻めでも違和感なかったのは、虫歯先生のセンスだなと思いました。
