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高校教師の吉武は校内新聞に連載されていた小説が気になっていた。その作者と登場人物の名前を昔の論文に見つけてしまい、覚えた懐かしさとデジャヴ感。同僚の八尋に対しても感じるこの感覚は何なのか?過去の論文と小説の奇妙な一致。やがて2人は小説に出てくる春沖と坂上が、自分たちの前世なのではと考えるようになり…。
過去と現在、お互いの中に断片的に甦る記憶が結びついて、結論に至る2人。とても不思議で切なくて、時を超えて結ばれる2人の想いが最高に素晴らしい。言えなかった最後の言葉。今度こそずっと一緒にいられるね。胸に残る転生BLの名作!
何度も読み返しているくらい早寝電灯先生の作品の中でも好きなお話。
前世と現世が繋がっていく過程や八尋と吉武の気持ちにグイグイ引っ張られて、毎回読み終わると鳥肌が立ってしまいます。
現世のふたりが同時に前世にあったことを思い出したり、同僚としてまた出会ったという謎めいた縁だったり。
たくさんのエピソードがあるわけですが、その中に埋もれず、派手さはないふたりの恋がしっかりと輝いているところが本当に好きです。
洋介と三雲が八尋たちに思いを託すことになった明確な理由は記されていないし、彼らの人生の最後もわからないままだけど。
あえてすべてを明かさないところにも早寝先生の作品らしさがあるのではないかなと感じています。
久しぶりに読み返しましたが、何度読んでも色褪せない感動を今回ももらえました。
早寝先生ならではの儚い空気感と切なさを感じさせるこちらの作品。前世が絡む、ファンタジー要素のあるお話です。
早寝電灯先生の作品、全部読んでいて大好きなものが多いんですが、こちらの作品は何度か再読してもなかなか今までしっくり来なくて…残念に思っていました;
それでちょっと時間のある今、読み返してみたら……
いやこれ、めちゃめちゃ深い…!!そして切なさに胸が締め付けられました。
とてもサラッとは読めず、前のページに戻ったり、1ページを時間をかけてじっくり読んだりしながら読了しました。
同じ学校で働く二人の教師である攻め受け。それぞれ前世の学生時代の記憶を抱えていることが徐々に判明するのですがー
というお話。
「今」を生きる自分たちが”前世”を思い出しているのか。それとも、
「前世」の自分たちが生まれ変わり、”今”を生きようとしているのか。
このへんが多分、以前読んだ時にきちんと理解できなかったところなのかな。
現世の自分たちと、前世の自分たち。
作中で起こる「記憶の反転」が物語の大きな軸となります。
前世で残した未練に別れを告げ、現世の自分たちに戻ってから抱き合う二人の描写が、本当に最高だった…!
そして「今無理しなくても時間はある」と、受けを休ませようとする攻めを伊織(受)が「頭が痛くて …さっきから触ってもらうと すごく楽になるんですけど」と誘うシーンが美しくて最高に好き。
前世が絡み、少し複雑なお話ではあるんですが、読後じわじわと感動とか切なさとか、胸に押し寄せるものがある作品でした。
読み返して本当に良かった…!
先生の単行本2作目だと思うのですが、1作目より線が繊細で絵がきれいになってますね。
転生BL…と帯にあるのでどんなもんかいな(異世界ファンタジーぽいの?)…と思いましたが、ミステリー文学とでもいうのか、物語としてすばらしかったです。
冒頭は日常が普通に描かれ、話に入っていったところで、違和感なく、前世の記憶が蘇るお話になっていく。
吉武視点で前世の記憶が少しずつわかってくるのに並行して、八尋への気持ち、関係性がじわじわ変わっていくのがいい。
吉武が、八尋は実はとっくに前世の記憶があったんだと気づくところも上手いなと。
ここ、ニュアンスを伝えるのが難しそうで、下手したら説明過度になりそうなところを、そうではなく、自然に説明最小限に気づかせてくれる。
八尋の記憶が春沖に反転してしまった後、前世と現世の2人がオーバーラップする場面がまたすばらしい。
自然に、かつドラマチックに前世の2人が本懐を遂げることができて。
難しい場面なのに、違和感どころか、とても上手い表現だなと痺れました。
その後は、現世の2人のお話になって。
吉武が八尋の手で頬を撫でてもらって「楽になる」と気持ち良さそうな顔をするのが、萌えどストライクです。
その後の流れも全部いい。
めっちゃBL。こういう場面が見たいのです。ありがたや〜。
転生の大筋のお話の脇の、小説、ピアノ、炭鉱、学ぶこと、季節…などの使い方もめちゃくちゃお上手だなと思いました。
展開がきれい。
ラスト見開きページも。
極上の映画や小説を味わったような感覚もします。
「転じて恋と生き その後」
はもう、ありがとうございます!!ですよ。
この2人のこんな後日談、日常が見たい!というものを見せて下さって。
読み応え抜群、大満足です。
早寝電灯先生の作品は即物的萌えや、華やかさはあまりないのですが、二度三度と読み返すうちにじわじわと心が揺らいでくる感覚のある作風が持ち味だと思います。
私の読解力のせいなのか、一度では理解しきれないという事もあるのですが…。
本作もそんな作品でした。
出会うべくして出会った2人の転生ものというドラマチックな設定ですが、燃え上がるような感情ではなくて懐かしさやふわりとした安心感から段々と恋愛になっていくというお話です。
前世の2人の関係性も良くて、お互いにずっと一緒に居たいと思いが通じ合っているのに叶わなかったというのが切ないです。
思いを遂げたかった2人の強い気持ちが、現在の2人に伝わってこうなったのかな。
八尋と吉武には今度こそずっと一緒であって欲しいと願わずにはいられません。