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表題作カッコウの夢(下)

名塚省吾・大学生
瀬野ゆうじ・名塚のセフレ

その他の収録作品

  • bonus track(描き下ろし)

あらすじ

「一生このままの身体でも愛してくれるのか」
名塚は、瀬野の身体に入った白島に4年越しの恋心を告白。
身体を丹念に愛撫して事に及ぼうとするが「魂を愛してほしい」と拒まれる。
困惑する名塚だが、傍に居続けることで思いを深め、「たとえ一生元に戻らなくても愛する」と再度告げる。
ついに結ばれた2人が互いの身体に溺れ合う中、白島の「身体」が目覚めたと連絡が入り…!?
白島と瀬野の入れ替わりはどうなる?
そして、名塚の決断は――?
描き下ろし後日談大ボリューム32P収録!

作品情報

作品名
カッコウの夢(下)
著者
ためこう 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
シリーズ
カッコウの夢
発売日
ISBN
9784396784300
3.9

(248)

(121)

萌々

(52)

(36)

中立

(13)

趣味じゃない

(26)

レビュー数
33
得点
934
評価数
248
平均
3.9 / 5
神率
48.8%

レビュー投稿数33

面白かった!

1巻と2巻 まとめての感想です。

これ面白かったです。

攻めの名塚は親友・白島に4年間片思い中。しかし完璧すぎる白島を穢せないからと瀬野というセフレを作り、そこで欲望を発散させている。
ある日、白島と瀬野が事故に会い、目覚めた瀬野は自分が白島だ,事故で人格が入れ替わったと主張。当然、名塚は信じなかったけれど白島と名塚にとって思い出の本の一節を諳んじたことによりようやく信じる気になって…

めっちゃネタバレ含めた感想になりますのでご注意を。









結局、瀬野はアカデミー賞も真っ青の名演技をしていた訳で。それがわかって一巻を読み返すと本当に入れ替わっていると思って読んでた時に感じた違和感みたいなものも解消します。
「お前以外はみんな遊びだ どうでもいい オレはずっと白鳥の事…!!」と名塚が迫った時の拒絶の仕方や、名塚が白島だと思い込んでて抱こうとした時の「こんなはずじゃ…こんな事になるなら最初から‥」という拒絶の仕方。白島が拒絶してるにしてもちょっと変だなと思ったので。
あれはどうやっても取り繕えなかった瀬野の痛みだったんだなと。

一巻で瀬野と名塚で名塚の実家に行くところが一番重要なキーポイントだと思うんです。あのお話が無ければ評価はぐわっと下がったと思う。
あそこは白島のキャラを演じていたというよりも本当の瀬野の性格が出てるシーンだと思う。だから名塚がこう言うのです。「白島って冷静だと思ってたのに意外と熱いし、割と利己的なんだな」と。「嫌いか?」と聞いた瀬野に対して「いや好きだ」という返事は、白島ではなく自分の事を好きだと言ってくれたようで瀬野は嬉しかったのでしょう。ライトに照らされた瀬野の顔が赤く見えたのは気のせいなんかじゃない。

そして名塚は自分が養子で、血が繋がってないのに大事にしてくれる家族に対して引け目を感じているということを打ち明けます。「カッコウの托卵」を例えに出しながら。
誰にも打ち明ける事ができずにいた秘密と悩みを二人で共有した事も重要ですが、(名塚は白島相手に明かしたつもりでいますが)何よりもその後の「名塚の強引なところ 家族とそっくりじゃん。」という帰省中ずっと一緒にいて家族とのやり取りを見てくれていたうえでの彼の言葉に心底救われたんだと思う。
後半、真実を知った時に、あの時に自分を救ってくれたのは本当は白島ではなく瀬野本人だった事に気付いた名塚。あれがあったからこそ名塚の気持ちが白島ではなく瀬野本人へ移っていくところに納得できました。

そして名塚が片思いし続けている親友の白島。ずっと品行方正なキャラで「綺麗すぎて触れられない」とまで思っていた彼は、実は兄の許嫁のことが死ぬほど好きで、自分なんか死んだって構わないから他の男にやりたくないとまで思い詰めるような歪んだ激情を秘めていた。ここも良かったです。親友としてずっと側で見つめていたはずなのに名塚が知らなかった白島の中身。結局人間の中身なんて見えている、知っていると思っているものが全てじゃないなと思わせてくれる存在として白島がいい感じでした。

そして白島は兄嫁が好きという事実を知って「オレの受け皿なんて元々なかったんだ!!」とショックを受けた後、「オレたち親友だろ?」と自分の気持ちを殺して微笑む名塚がいい奴だと思いました。ここでちょっとクズキャラを返上した気がする。完全に自分本意な訳でもないんだなと。死ぬほど他の女が好きで思い詰めているような彼に告白しても余計に混乱をさせるだけだから、もうこれ以上白島に苦しみを与えたくないと。

で、私はこれを読んで人間って多かれ少なかれ擬態をして生きてるよなぁって思ったんです。彼の好みにあわせて普段履かないスカートをデートの時だけは履いちゃう、メイクも気合い入れちゃう!っていう可愛らしいものから、瀬野のような人格そのものを相手の好みにするという極端なものまで(そこが読み手によっては空恐ろしくて、人を選ぶかもしれない)、何かしら大なり小なり擬態をしていると思うんです。ありのままの自分を愛して欲しいというのも本当だけどでも「ありのまま」だけではなかなか難しい。

瀬野は事故をチャンスとして最大限使った。そしてこの上ないほど擬態した。そもそも当初のウリ専ビッチキャラすらも擬態だったという訳で、瀬野は名塚に少しでも愛されるチャンスが欲しくて自分を偽ってでも名塚に近づきたかった。そこまでしても好きだったというところがこの作品最大の萌えポイントでした。いいねぇ、大好きよ、こういう極端なことをやってのけるキャラ。
そして、全てに気付いた名塚が「ありのまま」の瀬野を愛するようになったというところも激萌えしました。

難しい設定だと思うけど、細かい伏し線も綺麗に回収して収まるべきところに収まった作品だと思います。

32

フランク

わー、こんな長文レビューに目を通してくださりありがとうございます!
そしてコメントも嬉しかったです。
どうもありがとうございました♪

まつちゃ

なるほど!!イマイチ読み終わったとき理解できなかったことが、全部スッキリしました!!

彼らが出した答えは

『カッコウの夢』の下巻。
上巻は白鳥くんが、そして下巻では瀬野くんが表紙に描かれています。

重要な部分でのネタバレありです。ご注意を!
















上巻の終わりで、白鳥くんが目を覚ましたことで一気に怒涛の展開を見せ始めます。

瀬野くんの中身は、本当に白鳥くんなのか。
という所を軸に展開していきます。


瀬野くんが白鳥くんのふりをしていたこと。
「完璧くん」であるはずの、白鳥くんの哀しい恋の話。
そして、瀬野くんに去られた名塚くんが選んだ答えは―。


どうして瀬野くんが「入れ替わり」を偽装したのか。
そこに秘められた、彼の名塚くんへの恋心が切なく、思わず落涙した。

名塚くんと瀬野くんの恋のお話は前半半分くらいまでで完結。
後半は瀬野くんの「過去」の回想です。

家族との軋轢。
ピアスやタトゥーをたくさん入れていること。
閨事にたけた、遊び慣れた身体だったこと。
けれど、そこに隠されているのは、結局のところ名塚くんへの恋心なわけで。遊び人風に見えて、心の奥底に秘めている彼の切ない恋心に萌えが滾りました。

そして最後に描き下ろしが。
今までは名塚くんと瀬野くん、いずれかの視点で描かれていましたが、描き下ろしは白鳥くん視点。
名塚くんと瀬野くん、そして白鳥くん。
友達と、恋人。

この三人にはずっと仲良しでいてほしいな。

最後に、想いを通じ合った恋人たちの優しいセックスシーンでしめらています。
ためこうさんらしい、エロさと糖度のたっぷり詰まった濡れ場に、萌えました…。

哀しい恋をしてきた彼らに、これからずっと幸あることを願って。

14

ストーリーは神!キャラは普通!

続きである下巻もレビューさせて頂きます。
こちらは瀬野が表紙ですが、上巻と変わって名塚は今度、瀬野と恋愛します。
こう書くと名塚の一途さが失われてしまいそうなんですが…他に言葉が見つかりません。
上巻で、もしかしたら…という不安があったのですが、まさかのその通り。
私は白島が好きだったので、ちょっとがっかりしました。
全体的な話の流れは好きなのですが、白島の恋愛が嫌だった。あの女も嫌な感じだった…。
そこで一気に白島推しが収束してしまいそこだけが唯一残念だった点です。
瀬野の感情描写にもう少しページを割けたら変わってたのかなぁ…。

大まかな物語のストーリーは好きでした。なので間違いなく神評価です。
ただ本当にどのキャラクターも好きではなかったです。

12

ネタバレあり  名塚がどちらを選ぶのか?

1巻の終わりで意識不明だった白島が目覚めます。
一気に謎が解けて物語が展開します。
前巻で身体と中身が入れ替わってても白島を愛せると言った名塚。
それからは今までのうっぷんを晴らすかのようにずっとH。
その時白島のお母さんから白島が目覚めたとメールが来て病院に駆けつけます。
そして目覚めた白島にお前瀬野なのか?と問いかけて・・・

1話目でネタバレ













白島のもとに行った名塚は帰ってきて瀬野の身体の白島に白島が目覚めたけど、入れ替わって等いないと聞かされたものの信じられず。確認するとずっと自分が騙されていたことがわかります。

そもそも事故で身体と中身など入れ替わってなどいなかったのです。
2巻を読むまで名塚同様騙されていたのですが、どうして瀬野が白島と入れ替わった演技をしていたのか?

瀬野は実は名塚、白島、と同じ学校で、名塚のクラスメートだったのですが、名塚は全く覚えておらず。
瀬野はたまたま自分の席を女子に取られて座った空いてる席が名塚の席で、そこで白島の手帳を見つけて名塚の秘密に気づいてからずっと目で追うようになっていくうちに好きになっていて。

名塚に振り向いてほしい一心で卒業後も上京して名塚に会うけど、名塚は瀬野のことを全く覚えていなくて。別人になろうと見た目も変えて名塚に声をかけてセフレに。

とにかく名塚に構われたくて、事故の後白島になりきったのです。
白島になりきっていれば名塚から愛されるし構ってもらえる。

本当は瀬野は瀬野として愛されたかったのがやっと最後かなって良かったです。
名塚は白島に告白もせず振られた感じになってしまってから、瀬野の存在の大きさに気づいて探し出すと押し入れで衰弱していて入院そして目覚めた瀬野はやっと自分の名前を名塚に呼んでもらえたのです。

名塚の瀬野に対する態度は酷かったけど失ってから瀬野の存在の大切さに気付けて良かったです。
描き下ろしの両想いになってからのHはセフレの時とも白島に成りすましている時とも違って、瀬野くんの反応が初々しくて甘々でした。

入れ替わり自体なかったけれど、身体と魂どちらを愛するのかとても考えさせられたお話でした。

9

まさか!な展開がまっている下巻でございます。

入れ替わってしまったセフレと片想いの人。
すべてを受け入れて恋人になった二人の甘い絡みから
始まる本作。
エロいはエロいんですが
何よりも、受の幸せそうにとろけた顔がたまらなく可愛くて
たまらなく愛おしいのです。
心も体も結ばれて。

そう想いった矢先。
実はまさかの展開が待ってるのです。

実はもっとずっと前に出会っていたこと。
改めて出会ったのは偶然ではなかったこと。
そして今回の入れ替わりのこと。
どうとらえるかは読み手次第かなとおもうのですが
私個人としては、とてもいじらしく、かわいく愛おしく見えてしまった。
男と寝ること。
寝始めたきっかけはともかく
好きな相手を~なためにと思うとちょっとキュンとする。

恋人どうしになってあのとろけそうな顔をしていたのが
本心だとすれば、
この子はもう。ね!!

大団円のラストにも思わずちょっと泣けた。
触れられないほど崇高していた相手が意外とwな事実もまた
良い演出だったかなと思います。
少々ダーク目なお話しではありますが、面白かったです。

7

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