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父親が亡くなり一人になってしまった静一。
母の死後、離れて暮らしていた弟の亮介。
冒頭から、全体の展開の予感がする。
番がいない青い小鳥が卵を産んだ。「孵ら ない 卵 を 抱くセキセインコ」。
・・番の片割れを求める独りぼっちのお話。
挿絵が物語にピッタリなので、展開の盛り上がりと深みを添えてます。
二人は、似ていない兄弟。
冒頭は、喘息の為、祖母に預けたと書いている。
でもそれだけが理由じゃないと、徐々にわかってくる。
恋愛の対象にするには、お互い抵抗があった。
エロス度低。揺れる心理を楽しむ作品。悩みどころ、二人の「こだわり」について描写が上手い。
弟の亮介は、兄の清一が大好き。優しい兄が居たから、
「お前が死ねばよかった」と言われても、「愛人の子」と言われても、耐えて生きていけた。
亮介が兄を呼ぶとき、幼少時は清ちゃん、再会してからは、あんた、
大好きな清一を兄さんと呼べない訳は、恋慕の対象として見ていたからだった。
さりげない所に、著者の思い入れがあって、面白かった。
弟がもらわれっ子で、まったく血の繋がりのない兄弟もの。弟が攻め。
私が兄弟ものを読む時に重要視している、兄貴、兄さん呼びは一度もなし。弟が6歳の時から別々に暮らしているため、家族としての禁忌感は薄い(受けはとても気にしていたけど)。普通の年下攻めものと、あまり変わらない感じでさらっと読めてしまう。
インコの無精卵を、叶わない不毛な恋心に喩えているところなどはぐっときた。それだけに、他人を利用してまで弟を遠ざけようとする理由にいまひとつ共感できず、そこからの展開に乗り切れなかったのが残念。
当て馬の男も弟の彼女も、受けにとって都合良すぎな気がしたし、受けが兄弟ってことにこだわってモダモダしてたせいで第三者が傷つくのは、あまり気分のいいものではない。弟の方はたいして気にしてない雰囲気だったのに。倫理観の強い受けだったけど、自分とは感覚が合わなかった。
予想外の展開とかそういうのはないのだけど、とにかく二人の心の軌跡といったものをじっくり読ませてくれます。
血の繋がりがない兄弟がくっついた→途中で兄(受け)が別れを突きつけた→すったもんだの末、無事元サヤに収まるというお話を筆力のある作家さんが描くと、これだけ読ませるものになるんだなぁと思いました。
愛を自ら手放してしまった兄が、自分をひとりきりで卵を産みづけているセキセイインコになぞらえ、弟への愛を孵らない卵だと思い込み一度は温めることを放棄してしまったけれど、それは間違っていたと気づく箇所が本当〜に痺れました。
こんな表現は読んだことない。
ただただ凄いなと思いました。
お話そのものは萌萌くらいなんだけど、この表現が自分にとっては神だ!!と思ったので、神にします。
今年から本格的に小説読み始めて、英田サキさんといったら「DEADLOCK」だなと思ってとりあえず買っているのだけど、どうもFBIとか裏社会とかヤクザものとか刑事ものって組織とか関係性を覚えるのがめんどい……と思ってしまう性でして積み本中……。
それら有名シリーズものはとりあえず積んでおいて、普通の設定のお話を色々読んでみようかなと思いました。
英田先生ですがヤクザも警察も出てきません。
普通の人(血の繋がりが無い兄弟)のお話です。
当初、弟の亮介が兄の清一を力づくで犯しそう…と思って読んでたんですが、そんなゲス男じゃありませんでした。
むしろ優しい良い男です。
2人とも好きあってるのに、清一がぐ〜るぐる悩んじゃって、まさに兄弟BLあるあるでした。
当て馬の武井さん…借りは返して貰えないままですよね…(笑)
お母さんが亡くなった事故の原因が、そこに繋がってたとは!と予想外でした。
幼い頃の亮介を思うと胸が痛い…(´;ω;`)
切なくもありましたが、優しいお話でした。
血の繋がりはない兄と弟の切ないお話でした。
ただ、主人公(兄)の会社のこととか、親友のこととか、弟の元カノのこととか、当て馬さんと弟が元々知人なこととか…色々な要素が出てきたのなら、もう少し膨らませていたらよかったのに…と思わないでもない部分もありました。
良かったのはインコのエピソード。冒頭に出てきて、中盤でももう一度折りかさねるように語られました。あれにこのストーリーの切なさが写し取られていると思うので、後半にもう一度くらい絡んでも良かったかな? 預かったインコ、後半、兄がストーカー化するあたりから存在感がうすーくなったような。
一つ一つのエピソードの描写は美しく、ウザさやおかしな行動も切なさとして読ませる文章ですので、切な系BLらしい雰囲気に浸りたい時には良い一冊だと思います。