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不器用な奴らに捧げるブルース。
自分の気持ちさえも手探りで、それでもブレないものもあるような。
富蔵の少しズレた感覚と驚くほどの潔さがとてもバンドマンらしくて好きでした。
自分のことがわかっていないから八千代に懐いていたのではなく
揺るぎないものを感じていたから八千代が良かったんだな、と。
富蔵自身がそれに気付くまでは少し時間がかかるのだけど
それでも答えに辿り着いたら迷わずに真っ直ぐぶつかっていける強さがあって。
向き合うことから逃げていた八千代を捕まえるには十分なほど大きな愛があったなと思いました。
初めて読んだときはちょっとピンとこなかった作品でしたが
何年かぶりに読み返し、とても素敵な作品だったと気付けて良かったです。
構えなくても読んでいるだけで登場人物の気持ちが分かるので雰囲気があって難解なのかと思いきやすんなり読める
宇井がシイナと最初に組んだ頃、かなりシイナに寄せていたのが面白く、色んなことがあって今のあの感じなのねと、そらツナギも着ないよなと納得
病院の直前の場面はおっかなかったけれど
あんだけなことが起きればもうしらばっくれるのも難しいからね
腹の決まった八千代を真ん中に据えたら富蔵はバイトもできるしパフォーマンスも良くなって、運命の人ってすでに会ってたならやっぱインチキ占いだけど、その人じゃなきゃダメって人のこと運命って思うのは素敵かも
バンドのメンバーも友達じゃないとか言ってたけど、互いに惚れてるとこがあるから友達なんて呼び方じゃおさまんないってのが本当なんじゃないって思った
いや、もう何というかすごい、の一言しか出てこない。。(語彙力)
バンドのメンバーたち。メインは、ボーカルの富蔵と、ギターの八千代。
恋愛物語だけど、それを超えた人間ドラマになっていて、読み終わった後脱力するぐらい、テンション高く読みました。
ゴミ箱で何も持たず倒れていた富蔵が、ただ口ずさんでいた鼻歌に惚れて、八千代は彼をバンドに誘う。
歌しかない富蔵。でも、次第に面倒を見てくれなくなった八千代の代わりを探し始める。ただ、愛されたい、そんな富蔵の言葉が切ないです。
色々な人との関係を通して、自分を見つめて行く富蔵。
八千代は。。
ストーリーに読み応えがあり、絵もすごくカッコいい。こんな作品にはそうそう出会えない気がする。
ライブシーンは少ないけれど、スネアの音もベースが刻むリズムも、唸るようなギターの響きも、そして、艶っぽい歌も聴こえてくる。
最初はどこへ行くのだろうと思いながら、中盤以降は、もうグイグイと引き込まれました。姿がいちいちカッコよくて。言葉に心揺さぶられて。
バンドが好きだから。
ホントに濃いバンドのお話だから、レビューが伸びないのかな。
ギターとヴォーカルは、こうであってほしいし、(恋じゃなくとも)運命の人なんだよと思いながら、感涙しました。
じゃのめさん大好きなので
ふわふら〜っとした富蔵くんにもすぐにはまれました、可愛い。
運命の人のくだりなんか、一応彼なりに本気なのだけど笑えてしまう。
運命の人が運命の人じゃなかったことに
一応落ち込んでる風だけど、読者は「本当は自分の気持ちに気付いてるんでしょ?」
と言いたくなる。
だって回想の八千代と富蔵を見てると富蔵が八千代を好きにならないはずがないんだもん。
あんな風に「お前の話して?」なんて孤独で寂しい男が毎度言われて色々面倒も見てもらったらコロッですよ。
ただ、実際恋心に気付くのはもう少し先の話で簡単にはいきません。
八千代の自分の話はしない理由とか、富蔵の才能への嫉妬と憧れ、など男同士ならではの葛藤の部分やバンド活動も本格的に描かれていて読み応えあります。
雨の中の2人のシーンは思いがけずめっちゃハラハラしました…でも良かったね。
*個人的に気になった、楽しかったところ
時代が「今」じゃなかった…カセットとかブラウン管のテレビ!
バンドにはその音楽性に関係なくモッズ風の人いるあるある!
見目の良い男「時計じかけのオレンジ」コスしがちあるある!(白いつなぎにファールカップ、下まつげはじゃのめさんが描くと暴力的なまでにお洒落だった)
ボーナストラックの八千代がしっかりと「受け」の表情になっている…色っぽい!