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10年前かなり後味の悪い修羅場に居合わせて会わなくなった2人が、再会してどのように拗れた距離を詰めていくのか、わくわくしながら読み進めました。結論から言うと、菅谷は当時三峰とどんなやりとりをしていたか、詳細までは思い出せないんですよね。一方にとっては鮮烈な思い出でも、相手にとってもまったく同じ温度で残るとは限らない。そういうところは非常に現実的だなぁと。でも、やっぱり何か心に引っかかるものはあって、再び共に過ごすうちに徐々に相手に侵食されていく。そういうじわじわと雨が土に浸み出していくような2人の関係性の変化が面白かったです。
草間先生の作品の初期から変わらぬミステリっぽさ。
この作品の何が好きって、結局菅谷は智のこと最後まで完全には思い出してないところなんです。菅谷にとって忘れていった隣人との邂逅…それが智には完全に呪いとなっているところがたまらない。大方のドラマチックな運命を演出した作品は双方が強い執着を持っているとか思い出すとかするものですが、この一定あるドライさが好きなんです。
社会人の菅谷と、大学生菅谷のギャップもいい。本当に本人か?とあとがきイラストを見て思う。
先生2冊目の単行本なんですね。
見れば見るほど絵がいい。線も構図も。どのコマを切り取っても一枚の絵やイラストとして成立する。
お話も繰り返し読むほど味わいが出ると思う。
1話と2話以降の時間の流れ、落差が意外で引き込まれる。
エロさ薄めかと思ったけどエロかった。
気持ちをセリフで言わずとも手にとるようにわかる描写がすごい。
最初はわかりにくかったけど前後を何度か行き来するときっとこういうことかな、くらいの理解だけど。
コマの流れ、アングルのつけ方とか絶妙に気持ちいい。
その流れがパタっと転換することも多いけど。それも味なのだなと。
仕事の描写が専門的でかっこいい。
背景や部屋の内装がとてもステキで好み。線もトーンも最高。
人物も見ているうちどんどんイケメンでかわゆく見えてくる。
手書き文字もすごいタイプで好き。
取引とは言え抵抗できない裕一がエロい。トモの触り方もエロい。
話の展開、タイトル回収が鮮やか!
かきおろしのおまけがいい(後日談いちゃいちゃ大好き)オチが効いている。
カバー下のあとがき、漫画も楽しい。
個人的な感想ですが草間さんのお話は全てを書いてくれないような、読み手に考えさせるような気がします。
こちらの作品を読んで思ったのは、淡々と話が進み二人が再会して、致してくっつく?
しかしそこには初恋の呪いの話が根底にあって、相手にかかるはずの呪いは本人を10年も縛り。
再会しても相手は全く覚えておらず、やっと思い出したのは攻めの母親と浮気したことくらいで。
攻めが飄々としてて、初恋に囚われてるのに相手にはきっかけも何もかも忘れられてて気の毒でした。
数日間相手を言いなりにして解放するときも、まだ呪いは穴2つ状態で。
受けも振り回されましたが、最後まで思い出さず残念でした。
受けも義理の母で好きだったんですね。あの時は義理の母の浮気現場に居合わせたのでしょうか?
因縁めいてますね。
胡散臭い祟りの元に、受けのせいで拗れてしまった攻めのトモと等閑な愛情しかもてなかった受けの裕一の話なので、なにかと結構ややこしいです。
まずは序盤で語られる初恋の祟りのルールをしっかり理解しておくことが大事でした 笑
フワーっと流し読みしていると、途中「ん?どんなだったけ?」と何度も戻ることに。
草間さんと言えばメガネ受け、そしてこの裕一のほだされっぷりが最高。
十年前も、十年後も自分の状況をきちんと理解しないままにイロイロやり、やられるのを受け入れちゃう。
トモの愛情拗れ具合もよいです。強気粘着なのにちょいちょい細かい優しさ潜ませるあたりもぐっときました。
復讐陵辱なのにリットル単位のローション用意とか、きっちり仕事したりとか…大好きじゃないのさ。
あと大人になったトモの住んでいる家がかなり良い味出してます。こういう場所良いなぁ。
2004年の作品ですが味わい深く、何度読み返しても楽しめます。