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表題作恋の二人連れ

間宮照市,29歳,大阪に避難中の人気小説家
扇屋梓,22歳,間宮の小説に憧れる編集者

その他の収録作品

  • 恋の初風
  • あとがき

あらすじ

憧れの小説家・間宮が大阪滞在中と知り、執筆依頼に訪れた梓。
だが間宮は聞きしに勝る偏屈者で、梓に無理難題を言い出し!?
大正浪漫恋草子。

作品情報

作品名
恋の二人連れ
著者
久我有加 
イラスト
伊東七つ生 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
疾風に恋をする
発売日
ISBN
9784403524479
4

(29)

(10)

萌々

(11)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
114
評価数
29
平均
4 / 5
神率
34.5%

レビュー投稿数10

男女の絡みに読めてしまって……

受けのキャラが健気で可愛くて天然ぎみで、初めのうちはかわいいなぁと思って読んでましたが、途中から男なのか女なのか読んでてわからなくなってしまいました……。

というのも濡れ場が結構多いんですね。

しかも一方的に攻めから責められて「いや、いやや……せんせの、コンジョワル」「いけまへん、離しとくなはれ」「も、堪忍、堪忍して……!」「あかん、せんせ、あきまへん、あぁ」とひたすら喘ぐ系。

言葉遣いが妙にはんなりしているせいか、BLというよりも男女の絡みに読めてしまって辛かったです。

同じ世界線の「疾風に恋をする」は攻めが古い大阪言葉でめちゃくちゃ色気あって、古い大阪言葉最高!!となったのですが、この受けの大阪言葉はどうもはまりませんでした……。
というか、これ京都弁じゃないの??みたいに思ってしまって。
この本の前に、「疾風に恋をする」の男臭い古い大阪弁を話す攻めにどっぷり浸かってたせいか、同じ時代、同じ男なのにどうしてこうも言葉が違うのか?そりゃ受けは高級料亭の息子で、母親が女将で、芸妓さんに囲まれて育ったのでその影響を強く受けてるんだろうなぁと解釈しようとしましたが、おぼこい女の子が喋って喘いでる錯覚が終始つきまといました。
西の言葉ぜーんぶひっくるめて「関西弁」と言ってしまうような関東人の乱暴な感想なので大変申し訳ないです……。

攻めは、いかにもBL界の小説家さま!って感じの無愛想偏屈男で、大変申し訳ないのですが少々イラっとしました。
言葉足りないし、不機嫌さを隠そうともしない姿といい、自分の機嫌は自分で取れ!と思ってしまいました……。
偏屈な人間、あんまり好きではないからかもしれません。

1

小説家×編集

伊東七つ生さんの表紙ってとても目を惹くものが多い印象…顔の良さかなぁ?配色?構図?兎にも角にも表紙に惹かれて即購入した覚えがある!タイトルも素敵だし、作家攻めのお話が好きだからってのも手に取った理由のひとつ✨
受けの編集者、梓くんがかわいいの、関西の言葉がすごーくトキメク✨本人ののんびりしている性格のせいか強くない関西弁が耳触りのいい言葉選びになってる気がして心地よい。花街の生まれってのもあるのかな。
喘ぎの「せんせの、コンジョワル…!」「堪忍して!」「出しとくれやす…」は攻めの間宮先生じゃなくてもグッとくるものがある///
間宮先生は最初こそ端的でぶっきらぼうな物言いなのに梓くんと接していくうちにちゃんと自分の気持ちを伝えてくれる所がとても好きだし、情事の後に甲斐甲斐しく梓くんの世話を焼いてくれる、それが気に入っている先生にさらに惚れてしまう…!一人称が「僕」なのも個人的にツボ!
健気な梓くんが懸命に慕ってくれてたらそりゃ無碍に出来ないよね〜
先生がどんどん心を開いてくれて2人の距離が縮まるのが本当に読んでいて梓くんと一緒に一喜一憂した。
本作は小説家×編集者の2人がくっつくまでとくっついてからが書かれていて物凄く美味しい!

梓くんの短髪で撫でたくなる様な、実際その描写も結構ある丸い頭と可愛くて素直なところが体現されてるビジュアル!間宮先生の、偏屈と言われているのが癖の強い髪で表しているかのようなイメージまんまの気難しい作家先生のビジュアル!彫り深いお顔が素敵で伊東七つ生さんの絵が物語の彩りを添えていて本当に大好きなお話になった!梓くんが畳に押し倒されている絵と最後の対面座位の絵は眼福過ぎて必見です✨

2

なんで大阪で受けが京言葉喋っとんの?

関東大震災後の混乱を避ける為に大阪に避難してきた人気小説家・間宮と、自身が勤める出版社に是非執筆願いたいと彼の元に熱心に通う編集者・梓の恋物語。
レトロな趣が漂う大正ロマンに愛情駄々洩れな甘々カップル、濡れ場もガッツリ入っているとなれば十分満足できるはずだったのになぁ。
この話の最大の注目ポイントは、大阪が舞台って事で関西弁の台詞に力が入っている所なんだろうが…

確かに関西弁で合っている、の…?
あの、これって、京都弁じゃないでしょうか(´・ω・)?

読んでいて、どうも梓の話し方が妙にはんなりしているなぁと感じた途端に、全部京都弁に脳内変換されてしまって駄目だった。
間宮と情を交わす官能的な場面でも、あかん、コンジョワルって間宮を煽る言葉も、私にとっては梓がやけに幼く感じる原因になってしまって、ああこれが他萌自萎なのかと実感するばかりだった。
梓の実家が当時『お茶屋』と呼ばれる高級料亭の息子だから、女将(母親)に上品な言葉使いを躾けられたって設定ならば大いに有り、なのだろうか?
言葉使いを抜きにしても、梓が間宮に夢中に過ぎて編集者としての客観性よりも、熱心な一ファンとして傾倒している印象を感じてしまったのがどうも残念だった。

関西弁には一応耳馴染みがあるつもりだったんだけどなぁ…
すっかり固定観念に嵌ってしまって客観的な判断が出来ず、話云々よりも戸惑いが強く残ってしまった。

3

大正時代の大阪


前作「疾風に恋をする」で主役二人が演じた映画の原作者のお話。
前作とほぼ同時期の話ですが、前作の主役たちは名前すら登場しませんので、今作だけでも十分楽しめます。でも、前作もとてもよかったのでまだの方はお勧めです。

表題作+「恋の初風」 どちらも受け視点

関東大震災直後の大阪。
人気通俗作家の間宮照市(攻め)が、混乱している東京から避難してきていると知った編集者の梓(受け)は自社の雑誌に話を書いてもらうため、間宮が逗留しているお茶屋へ通います。が、間宮は噂通り偏屈な男で全く話を書いてもらえそうにありません。それでも、間宮の小説の大ファンの梓はぜひ小説を書いてほしくて日参するのです。

梓は新参の出版社の新米編集者ですが、出自は老舗お茶屋の次男坊で厳しくもとても愛されて育ったボンボンなので、とても素直で健気で天然で可愛らしいです。踊れと言われたら真面目に日本舞踊を踊ったり、抱かせろと言われたら震えながら受けようとしたり。その真意は震災で気落ちしているだろう間宮の気持ちが少しでも晴れたらいいと思ってというのですから、偏屈な間宮も心を開こうというものです。こういうのを「人たらし」というんじゃないかと思います。
プロ意識が高く、たとえ親兄弟であっても情に訴えたりすることなく正攻法で突き進んでいく姿は好感がもてます。

そんな梓を見ていて、初めは顔も見ようとしなかった間宮も少しづつ心を開くようになります。藝妓さんと話しているところを見たとたん機嫌が悪くなったり、結構あからさまに梓のことを気に入っているのがわかります。
相変わらず口は悪いし横暴な感じですが、梓はその内面をちゃんと見ていて、実は優しい人だと気付き、時々見せる笑顔に魅せられるのです。

姉とも慕っている藝妓さんとの仲を間宮に誤解され、せっかく進展した仲も元の木阿弥どころかマイナスになってしまい、かなりはらはらします。周りにいる大人(間宮の友人であり義弟でもある豊浦や梓の上司)が間宮の心情を正確に察知しサポートしてくれないと絶対にうまくいかなかったでしょう。

間宮のほうが7歳も年上ですが、かなり子供っぽいと思われ精神的には梓のほうがずっと大人なんじゃないかと思いました。
個人的には包容力のある攻めが好みなのですが、梓のような天然さんには間宮のような男がお似合いなんでしょうね。



「恋の初風」
表題作から一年近くたち、避難してきた作家が続々東京へ帰る中、大阪にとどまり小説を書いている間宮に文芸を書いてみないかと東京の大手出版社の編集・暮林がやってきます。いつものようにけんもほろろに追い返すのですが、暮林は暖簾に腕押しで全く堪えず日参してき、間宮に気に入られている梓にも接触してくるのです。
梓ははじめは掴みどころのない暮林を苦手に思うのですが、さりげなく強引な暮林に流され、また優秀であろう大手出版社の編集の技を学ぶためもあり、しぶしぶ付き合います。

時間があるとすぐにエッチに雪崩れ込むというラブラブな二人ですが、間宮が情けない部分を梓に見せたくなくて見栄を張ったせいで、「信用されていない」「身体だけなのか」と梓が不安になるのです。
そんなところに暮林がやってきたので、余計に不安がつのります。
計算かどうかはわかりませんが、暮林の間男的な発言により、お互いが本音を言うことができたし、暮林はあんなに拒絶されていたのに間宮と約束ができるなんて、有能だけど凄く得体の知れない人だと思いました、


間宮は生い立ちのせいで子供のころ傷ついた心が癒されないまま大人になったので、素直になれない偏屈な人物になったようです。梓に一途に想われて、心の傷も癒されていっているところなのでしょう。
素直じゃない男なので、言動の端々から間宮の心情を想像するしかないのですが、できれば間宮がどんなふうに梓を見ていたのかを出会ったところから読んでみたかったです。
特に、梓の日本舞踊を踊るシーンは絶対面白いと思うのですが。

他の方も書かれていますが、自分にとってはなじみのある言葉なので(使わない言葉遣いがたくさんありますが)違和感なく読みましたが、今作は大正末期の大阪が舞台で、登場人物がほとんど大阪弁(それもけっこう濃い)を話すので、慣れていない人にとっては読むのがしんどいと感じるかもしれません。関西以外の人がどう感じるかはわかりませんが、吉〇新喜劇とか見慣れているなら大丈夫かも。

全体的に、後半は特にエロくて甘々な楽しい話だったと思います。

これから起こる戦争の事もあり、生きにくい世の中になるでしょうが、この二人がその中でも寄り添って生きていける未来があることを願います。

1

間宮視点でも読みたかった好きな作品。

またまた久我さんワールドにハマった今作。
大正ロマン×関西弁を久我有加先生が書かれて面白くないわけもなく。
すっかり本の中の雰囲気に浸っていました。

受けさんの梓。
この人にやられない読者が居るなら出会ってみたいものです笑。
なんです、この可愛さは。
今作には芸妓さんも出てきますが、その子よりも人気の出る芸妓さんにもなれそうな
1度ハマったら抜け出せない質の悪い(褒め言葉)最強天然くん。
健気だけどもウジウジさもないなんて、好きな受け設定としてピッタリでした。
それに素直さと関西弁で煽られまくりの攻めさん、よく最後まで耐えましたね!!
攻めさんの間宮は、梓とは違った真っ直ぐな人で。
勘違いされやすい性格をしていますが、根は優しくて誠実なんですよね。
それを一発で見抜いた梓が本当に凄いだけで…笑。
同時収録作品含め、最後まで梓視点のみのお話になるので、
間宮がいつどこでどんな風に感じていたのかが分からなかったのが残念です。

2人の言葉の掛け合い、大正ロマン独特の世界観
最後まで楽しんで気持ちよく読める時代モノなので、
明るい内容の健気受けを欲した時などの
ビタミン摂取としてオススメです(。・ω・。)

世界観がリンクしてる『疾風に恋をする』がまた読みたくなっちゃいました…笑

5

見守りたいふたり

久我有加さんは安定したほっこりを提供してくれる作家さんというイメージです。時代物は特定の作家さんしか読まないので比較できるほどではないのですが、久我さんの時代モノは初心者にも読みやすいと思います。

このお話の受けさんは天然を超えたド天然という感じで、共感とか応援とかそういう感じではなく、なんだか小動物を見守っているような不思議な気持ちにさせられながら読みました。

攻めは最初はともかく受けの前では常識人で、梓には間宮がついててあげなきゃ、と世話を焼きたくなってしまいました。でも危なっかしいかと思いきやしっかりした一面も持っている受けさんで、ビシっと発言するシーンは好感度爆上がり。ギャップが大きすぎて。
受けの口グセ「すんまへん」の応酬も楽しかったです。字面だけ見たらモブキャラの唯一のセリフとかそんな感じなのに。まさか「すんまへん」に萌える日がこようとは…。
攻めのヤキモチは読者には分かりやすすぎるので、中に入っていって「早く素直になれよ」とか言ってしまいたくなりました。全然常識人じゃなかったけれど、脇キャラに内面をネタバラシされてしまった後の行動なので微笑ましい。
わりと序盤から受けはえっちなことに積極的でまた心配になってしまいましたが、ちゃんと気持ちが通じ合ってからの初めてでよかったです。最中は受けの義務のようにやだやだしてくれて可愛かった。

読後はなぜか安心感でいっぱいで、終始キャラの誰でもなく完全に第三者目線で見守ってしまいました。挿絵もお話の雰囲気に合ってて好き。
すごく綺麗にぴったり嵌まるふたりだと思います。

個人的にもっと欲しい!と思ったのは、受けが日本舞踊を踊るシーン。
わくわくしていたところですっと場面転換してしまい、すごく残念でした。踊りを表現する文章を読んでみたかった…。

2

素直って実は最強!

時代物の小説を久しぶりに読んで、いいなぁと思いました。
挿絵の雰囲気が物語とよく合っていて、適所に挿絵が出てくるので気持ちも盛り上がりました。
梓の話し言葉だけでなく、地の文の梓の心情が関西弁なのもいいです。

原稿の依頼に来た編集者の扇谷梓を、作家の間宮照市は不愛想に突っぱねるけど梓にはあまり効いていなくて、
ちぐはぐなやりとりになっているのが面白いです。
障子をそーっと細く開けてこっそり見てみたいです。
梓は元々間宮の作品の愛読者で、一所懸命なあまり間宮に気に入られているのにも気づかない天然ぶり(笑)。
もちろん、そういうところが良いところなんです。
間宮のやきもち爆発がわかりにくくて、もう好きになっている梓が拒絶されてしまうのが可哀想でした。
間宮は大人げないですね。梓の前では、ひとりの男なのでしょうけれど。
心が通じた後の梓の素直さは大胆な方向にいってました。間宮は煽られっぱなしです。
間宮の愛撫は丁寧で熱心なので梓への愛情が感じられました。
好きな人と相性がいいって素晴らしいなと思いました。
「恋の初風」で出張ってくる、東京の出版社の編集者・暮林の飄々とした感じが面白かったです。
暮林もまた原稿の依頼を間宮に断られ、編集者同士で話をしたいと梓に近づいてきます。
後に意外な展開が待っていましたが、暮林が二人の心のすれ違いを修復するので私は渋々許します。
この場面の挿絵がとても素敵で一番好きです。
間宮の生い立ちは随分と複雑でしたが、梓といるこれからはきっと楽しいと思います。
やきもち焼きな作家と素直で純粋な編集者の、面白くて甘々な話でした。
私も間宮先生のご本が読んでみたくなりました。

3

その「あかん」はあかんやろ

「疾風に恋をする」に続く、大正末の大阪を舞台にした作品。
今作は、カバーイラストも、大正モダン風のタイトルロゴや、友禅風に意匠化された鳥や花に囲まれた和装とスリーピースの洋装姿の主役二人、手には帽子っていうところも時代背景をよく表していて好印象。
中身の方は、この!この!! おっとりとした古めかしい関西弁が、もう、最の、高!!で、んまに萌転がるねん。
主人公の梓くん、天然系健気受けちゃんではあるのですが、後ろ向きにいじいじジメジメりせず、ちゃんと「してほしい」って主張したりして、ある意味実に男前。
エチシーンの「あかん」も「いやや」も、感じすぎちゃってどうにかなりそうな「あかん」で、そんな自分の姿に引かれて嫌われちゃったら「いやや」なんて、かわいすぎるでしょ。
登場キャラがみんな、根が善で前向きで、そこが久我作品らしくてよかったです。

4

桃色のささやき「コンジョワル」

関西を離れている関西人必読の書と申し上げたいぐらい、関西弁に癒されるお話。久我先生の関西弁話、久しぶりに読ませていただきましたが、朝から和みまくり。ほんま、よろしおすなあ です。関西弁萌、ひねくれさんや天然・純粋ちゃんが好きな方におすすめです。関西弁が盛大にでてきて、「これ、関西圏以外の人、ちゃんと読めるんやろか」と不安に思ったので、関西弁あんまり読んだことない方は事前に他作をちら読みするなどして確認いただいた方がよいかもしれません。表題作 150P弱+その続き100P弱+先生のあとがき です。(先生のブログに番外編載せていただけるとのことでした)関西弁部分は萌2かなと思ったのですが、ええ子な受けさんに今一つ自分の盛り上がりが欠けたかなと思うので萌にしました。

関東大震災直後の大阪のお茶屋さんと出版社が舞台です。昔から大ファンやった先生が大阪に避難してきてはる、しかも実家であるお茶屋に滞在してると聞いた梓。二週間ほど追っかけまわし、念願かなってようやく面会。「何でもする」と言ったら、いきなり「踊れ」と言われ、梓が踊ったのは幼いころから仕込まれた日本舞踊で・・・ とお話は始まります。

登場人物は、出版社の上司、先輩、実家お茶屋の家族一同、馴染みの使用人、幼馴染の芸妓さん、攻めさんの親友等です。みなさん善人コース。

「するっと読めるかな」とふと不安に思った関西弁を少しだけ。「せやかて、間宮先生もまさか、ほんまもんの日本舞踊を見せられるとは思てはらへんかったやろ」「こないなとこへ来るてどないしたんでっか」等。平仮名続くと???となる方もいるかも と思った次第です。これぐらいの関西弁やったら全国区やで!と思ってもらえたらええんですが。

挿絵情報:カラー口絵1+モノクロ8+中表紙2♡.カラー口絵は浴衣姿で縁側で膝枕する二人の図で、伊東先生の絵の雰囲気が大正時代という設定によく合ってるなあと思いました。

***以下はより内容に触れる個人的感想

受けさんが、めちゃ天然、純粋、ここまでは納得なのですが、積極的というか一途まっしぐらというところが、あら予想外。「抱いとくなはれ」て、そんなん言われたら、もうあかんやん・・・・とこっちが照れ照れ。で攻めさんは育ちの関係でちょっとひねくれもん、愛情に飢えた大きな子供という印象で、割と最初の方から「墜ちてんで」とバレバレでした(笑)そうですね、童貞ちゃんやのに、さっくり「抱いとくなはれ」て言うところが引っかかったかもです。葛藤って無いん?と思ってしまって。

とにもかくにも、その私のひっかかりをしっかり吹き飛ばす圧倒的関西弁シャワー。堪能できました・・。

1

やっぱり久我先生の時代ものは最高・・・!!。゚(゚´ω`゚)゚。

こちら、大正時代を舞台としておりまして、前作の「疾風に恋をする」とも少しだけリンクした作品になります。
とは言え、完全に独立した作品ですので、こちらだけでも問題無く読めます。
そしてですね、前作もとっても甘かったのですが、今作では主役2人の性格上、更に糖度が高めになっております!!
いやもう、やっぱり久我先生の時代ものは最高!!と大変楽しく読ませていただきました。


内容です。
新米編集者・梓は、震災後の東京から大阪に避難中の人気小説家・間宮が憧れの存在。彼に自社で、何とか作品を執筆してもらえるよう、何度も通い詰めて真摯に頼みますがー・・・。

まずこちら、偏屈な小説家・間宮と、健気でやや天然気味な新米編集者・梓と言うカップリングです。
作品自体は2章に分かれておりまして、前半が小説家と編集者として出会った二人が、執筆依頼という梓の仕事を通して心を通わせ結ばれるまで。
後半が、付き合い始めた二人がやたらイチャついている激甘な日々を経て、ちょっとした誤解ですれ違いなんかも経験し、更に互いに惚れ直して超激甘になると言った所になります。

なんでしょうね・・・。ストーリーとしては失礼ながらありがちな展開なのですが、舞台設定だったり魅力的なキャラクターで肉付けする事で、とても吸引力のある作品に仕上がってると思うのですよ。
作品の全体を通して流れる雰囲気が、大正浪漫と言った感じで華やかな印象を受けるんですね。
また、偏屈ながら、一度懐に入れた相手に対しては驚く程甘い間宮に、健気で小動物のような可愛さを持つ梓。
ひたすら健気に間宮を想い続ける梓にキュンキュンさせられるなら、最初の無愛想ぶりはどこへやら、独占欲を剥き出しにして梓を溺愛する間宮にニヤニヤさせられる・・・。
何と言っても後半の二人のイチャつきぶりがですね、甘いもの好きな私にとっては、もうツボを直撃でして!!
くっつくまでのちょっぴり切ない部分を読み進めたからこそ、より甘く感じられると申しましょうか・・・。なんにせよ、甘々な恋人同士は最高!!と、むせび泣きつつ読ませていただきました。

あと、エロ多めです。
梓がやや天然と言う事で、エッチの時にやたら間宮を煽る台詞を言っちゃうんですね~。いや本人からしたら、自分の素直な気持ちを言ってるだけなんですけど。この一連の、間宮が理性を働かせて加減しようとする→無邪気な台詞で間宮を煽る梓→理性を飛ばして襲いかかる間宮、と言った流れが個人的に萌えまくりました。バカップル、最高・・・!!


と、個人的に大変好みの作品で楽しく読めました。
あと、作品にぴったりあったイラストも雰囲気があってとても素敵でした。

3

この作品が収納されている本棚

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