綺麗だって 好きだって 言ってくれてありがとう

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表題作lie cry like

谷健太郎・十和田の専属ヘアメイクに
十和田のぞみ・美しい男ランキング1位の人気俳優

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

あらすじ

専属ヘアメイク×孤高の人気俳優

十和田(とわだ)のぞみは、美しい男ランキング1位の人気俳優。
外見には似つかない傍若無人な振る舞いで、まわりの人間を寄せつけなかった。
ある日、十和田のひと言から強引に専属ヘアメイクにされてしまった谷(たに)は、
彼の身の回りの世話もすることになる。
気付けば、十和田の一挙一動に目が離せなくなっていて――。

作品情報

作品名
lie cry like
作画
yoshi 
原作
阿賀直己 
媒体
漫画(コミック)
出版社
三交社
レーベル
Charles Comics
発売日
ISBN
9784815500238
3.7

(112)

(37)

萌々

(34)

(28)

中立

(6)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
15
得点
411
評価数
112
平均
3.7 / 5
神率
33%

レビュー投稿数15

絵はとても魅力的ですが

原作ありの作品とのことですが、良くも悪くも雰囲気漫画的に終始していたのかなと感じました。とても絵は素敵ですが、受けも攻めも感情の揺れ動きが目に見えては薄く感じてしまったので、実際は色々と思う所があるのだろうなというのは勿論感じたのですが、そこに説得力を持たせる厚みが足りなかったのかな、と思います。

ラストもあ、そういうことなのかな? と思いはするもののふんわりとした感じなので、好きな人は好きだけど好みが分かれる描かれ方なのではないかなと思いました。そういう描き方が情緒的なのはわかるのですが、個人的にはもっとはっきりわかりやすく描いて貰った方が良かったかも。と、モヤモヤ感が残る読後感でした。

私同様、想像にお任せする系のエンドが苦手な人は楽しめないかもしれません。

1

なんで今まで読まなかったのか。

気になりつつ、何故か今まで読まなかったyoshi先生のこちら。阿賀直己先生のコミカライズなんですね。

コミカライズって、どこか会話が説明的になるような印象があったのです。
でも、yoshi先生の他作品の読んでから、「あれ?これyoshi先生だよ!」と、気がつきました。(遅すぎますが…)

読んで思ったのは、コミカライズだけど作画の行間がちゃんと有るんだなぁと言うこと。
穿った見方してましたから、反省しましたね…

とにかく、先に述べたように絵に行間が有る。
谷も十和田も、会話がぽんぽんと弾むタイプじゃないのですが、表情とか動作で魅せるんですね~
じっとストーリーにはまることが出来ました。
作画がきれいで、丁寧に描かれていてとても良かった。

十和田は、美しい自分をもて余し、綺麗と言う言葉から逃げてきたひと。
谷は、綺麗なものが好きで、それを型にはめた見方で受け入れてくれない周囲から逃げてきたひと。

本当の自分は、誰かに愛されたり、価値を見いだしてもらうことで自分自身も赦されるのかな。ちゃんと、自分が自分として生きていて良いと認識するのは、何と言うか嬉しい。
他のひとも愛したくなるんだよね~!

おずおずと、互いを確認しながら近づくの、たまりませんでした。

十和田が、谷にいものスープをねだったり。
シャンプーしてってねだったり。
谷は、そんな十和田を受け入れて甘やかすんです。

この2人がちゃんと恋人になった場面、かなりぐっときました。

はあ。読んで本当に良かったです。


1

え?オチは??

ほんまこれ、最後の4ページまではすごく素敵で、感動しながら読ませてもらいました。

家族や友人に対してゲイであることを隠し、普通であることに拘ってきた青春時代を送った谷くんと、複雑な家庭事情から美しいことはいけないことだと思い込まされてきた十和田くん。
そんな二人が少しずつ思いを重ねていって、そこから通じ合うものがあって、身も心も結ばれて…からの、病院。

いや、あの確かにね、十和田くんの出演映画が死ネタものだったり、伏線はあったと思うんだけどね。いや、でも、そっからどうなるのよ。

読後にこう想像の余地というか妄想を楽しむ手法なのかもしれないけれど、ハッキリ言わずにどうも「不治の病にかかってるらしい。そして余命わずからしい」と匂わせて、二人が泣きながら抱き合うところで話が終わってるので、申し訳ないけども消化不良というか、で、オチは??としか思えなかった。

しかもこれ、原作がアンソロジーの短編小説で、ほぼほぼ内容も変わらずなので、原作を読んで補完できるわけでもない。そして、どっかで続いてるわけでもない。

こちとら無粋で下世話な凡夫でございますので、こう言う話なら息も絶え絶えになった相手の手を握って、残される方が名前を呼びながら泣き叫ぶところまでやってもらわなきゃカタルシスがないのですよ。そんでもって「その後…」とかで墓参りとか思い出の場所とかで泣き笑いで前を向くとこまでやってくださいよ。

yoshiさんの絵がすごく綺麗で十和田がぶっ倒れる所まではホント引き込まれて読んでただけに、終わり方の尻切れトンボ感がすごかった…

0

普通であれと、普通じゃないとの呪い

とても絵が美しいです!十和田は美人さんですね。

でも美しすぎる故に苦労や妬みやストーカーやら悪意にさらされて。

十和田と谷の触れ合いと、どんどん距離感が縮まってあの十和田が甘えたり?頼ったりして。
最初は十和田の美しさに惹かれたけれど、素の十和田も受け入れて包容力半端ない谷。

二人とも悲しい子供時代、思春期、家族関係ですね。読んでいても辛いです。
とにかく普通であれとの親の呪いから解放された谷は、ただ同性と綺麗なものが好きなだけなのに。

十和田も複雑な生い立ちの上に美貌すぎて、継母からみっともないなど心無い呪いの言葉を浴びせられ、いつまでもがんじからめで。

そんな二人が一緒に過ごし同じ部屋に暮らし穏やかに生活できて良かったです。
自分を好きになられたら困ると考えていた十和田が谷の好意は受け入れ、セックスも谷としてみたいと。

ちなみに時間時間と出てきますがもしかして十和田は…?何かと体調悪くて寝なくて少食なのも?不安が残りますが、まるごとの自分を好きになってくれてありがとうって言えて良かったね、幸せで良かった!

これは手放さない一冊になりました。

1

原作ありのコミック

絵がすごく綺麗で、原作はあると言ってもコミックにするのはまた大変だろうなあと思います。
でも背景の書き込みとかあまりなくてのっぺりしている印象で、線やバランスが流麗なだけに、自分の好みにははまらないのが残念。

まるで子どもな俳優、十和田と、実力はあるメーキャップアーティスト、谷。
十和田が余りに美しく、惹かれる谷。何かと世話を焼く谷に、次第に心を開く十和田。

谷が好感と共感を持てるいいキャラなんですが、十和田の方が余りにただの子供で、魅力を感じられなかった。そこがちょっと残念。

0

美しい男

yoshiさんの美麗な絵によって十和田が"美しい男"である説得力が強い作品になっています。女性的でもなく、あくまでも男の体型も含めていいですね。全編通して絵がとても綺麗です。

問題のラストシーン。たしかにモノローグだけ見ると…ってところもあるのですが曖昧すぎてちょっと判断しかねます。ハッピーエンド好きとしてはそうではない解釈をしたい。どうやらその後のストーリーが同人誌で出ているんですね。レビューを見るとやはり"そうでない解釈"もできる感じなのかなぁと思う。そう思いたい。

0

胸が苦しい

ふたりが心を通わせる描写に無理がなく
少しずつ、穏やかに、大きな事件があるわけではないけれど
相手に惹かれ、相手にとっても自分が少し特別な存在なのだと自覚していく様が すごくリアルだと思いました。

こういった終わり方は全く予想していなかったので読み終わってしばらく呆然としてしまいました。

「自分が美しくなくても好きになったか」という十和田の質問に、しばらく経ってから谷が出した答え。
こんなに素敵な答えはないのに……そのときの二人の気持ちを思うと涙が止まりませんでした。
最後までこの恐ろしい予感が気のせいであってほしいと思いながら読みましたが「時間が窓の外から忍び寄る」というモノローグで
あぁ、やっぱりそういうことか、と苦しくなりました。

2

孤高で美しい野生動物が心開いて、傷口をさらけ出す…

小説ありきのコミカライズではなく、小説家・阿賀直己先生の原作を、yoshi先生がマンガにしました。
”綺麗なもの”、”美しいこと” をネガティブなものだと思いこまされていた男達のお話。


ヘアメイクアーティストの谷は、男が人形や花を好きなことも ”ヘン” だと否定して、普通でいなきゃってプレッシャーが息苦しかった。
ゲイでも、男が綺麗なものを好きでも ”ヘン” ではないと、上京してやっと呪縛から解放された。

十和田は、空間が歪んで見えるほど美しい人気俳優。
でも綺麗と言われることが嫌いで、普段は無表情で他人とは慣れ合わないし、演技に情熱を持っているようにも見えない。


ある時、十和田は迫ってきたヘアメイクが嫌で、そのアシスタントだった谷を指名する。
谷のセンスを気に入った十和田はそれから何度も指名して、ついにはドライバーを兼ねた専属ヘアメイクに抜擢する。

谷は遠慮が無い野生動物のような十和田の世話に手を焼いていた。
でも、人気俳優の十和田がファンやマスコミに付きまとわれていることを知ると、同情の気持ちが沸いて…

十和田も、谷の気づかいが伝わってくると、少しずつ心を開いてくる。
谷は早い段階からゲイだとカミングアウトしていたけれど、十和田は打ち解けてから「男が好きなんだって気付いた時こわかった?」と聞いてきた。
仕事にも、自分の美しさにも、もしかしたら生きていることにも、何の興味が無さそうだった十和田が、谷自身に興味を持って質問してくる。
これってすごい変化だと思うんですよ!

そして十和田は愛人だった母に「でてきたらあかん子」と言われ、美しさで問題が起こるたびに「恥ずかしい」と嘆かれたことを谷に打ち明ける。

傷を癒す第一歩は、まず傷を認めること、それから吐き出すこと。
十和田は谷に出会って、はじめて自分をさらけ出すことができた。
孤高で美しい野生動物のような十和田にとって、傷口を見せるのは、谷を最大限に信頼しているって証し。

好きになっても無駄、惹かれちゃいけないとわかっていても、谷は十和田に惹かれずにはいられない。
そんな谷に十和田は心を許し近寄ってくる。

無表情だった十和田に表情がうまれてくる、照れた顔、恥ずかしそうな顔、その方がずっと綺麗に見えます!
そして秘密を打ち明けて、はじめて人と触れ合う十和田が本当に綺麗です。

傷を抱えていた二人が、出会って傷を癒して、信頼を築きあげていく。
それを淡々と描いた静かなお話です。
でも美貌設定を納得させるyoshi先生の素晴らしき画力と、男達の傷を浮き彫りにする阿賀直己先生の深い言葉は、静かな世界に引き込む力があります!

私は絵を見るのが好きで、素晴らしいシーンに出会うと絵で見せてくださいと悶えてしまうので、普段、BL小説はほぼ読まないのですが、言葉で魅せるテクニックを感じました。
さらに、その美しさを絵で表現してくださったyoshi先生の画力にも改めて魅せられました。
言葉と絵の素晴らしきコラボ作品です!

3

切ない、儚い、美しい

自らが"綺麗"であることを拒絶する絶世の美人十和田(受け)と、十和田のおそらく唯一の理解者となる谷(攻め、こちらも作画が大変イケメンなため眼福、拝みたくなるような2人)

心の動きが繊細に描かれております。
展開、設定も凝っており伏線も回収されますので読み応えがあります。

2人の関係性や十和田のギャップに萌え、そんな中で2人を構築するものが似ていることに気付かされ支え合う……
最後の展開は特に注目して読んでみてください。

原作があるそうで、必ず読もうと思います。

4

美しいけど…

やはりyoshiさんのお描きになる絵柄は非常に綺麗なので
美しい男ランキング1位の俳優というのは説得力があります!
内面に問題があるというのもわかりますが
なんだかブレてないかなぁ…と引っかかってしまいました。

第3話で「十和田は笑わない、だけど怒りもしない。
感情が揺れるということがほとんどない」という
谷のモノローグがありますが
次のページでは「拒絶の時は別だ」で十和田が激怒シーンなので
いや、ちょっとそれってただの嫌なヤツじゃないの…??
「それを受ける側が勝手に“十和田のぞみはいつも機嫌が悪い”とか
“上から目線でものを言う”というふうに捉えているだけだ」と言われても
そういう印象になってしまう振る舞いじゃないんでしょうか、実際。
冒頭から態度悪かったですよね、
谷自身も二年前の初対面の時思ったじゃないの…。

貧血で倒れても仕事に行こうとするプロ意識があるなら
現場とかでも我儘なふるまいはそもそもしないような…。

いくらツラい過去があって
「町を出る為だったらどんな仕事でもやる」とは言え
綺麗だと言われることが一番嫌なのに
業界には入らないのではないかな??

谷は、自分には素を見せてくれる十和田が
愛おしくてたまらなくなったんでしょうけど
大変申し訳ないことに私はそう思えなくてすみません;;
私が捻くれているんだと思います…。

でも、十和田が谷と出逢えて
これからは二人で幸せを感じられる未来があるのは良かったですし、
ちゃんと母の愛情が名前にあらわれていてホッと出来ました。

1

雰囲気が素敵です

yoshi先生で初読みでした。
他の作品を読んでなかったので、今回の美麗で繊細な作品の後で、表紙カバー裏やあとがきを読んで、意外と楽しい先生なんだなって思いました。蕎麦に恋する谷…(笑)

読むのは漫画より小説の方が多いからか、原作小説を読んでいないままでは奥の深い所を見逃しているかも、という風に思った作品でした。あちこちにヒントが散りばめられている、そんな丁寧な作りの作品でした。本当にどのページも綺麗です。

演じる役以外では感情が希薄なうえ体調管理もいまひとつな十和田を、谷がなにくれとなく世話をして心を通わせていく過程が素敵でした。ただ、私は、十和田がビシッと演じている場面と、谷に甘えている場面の落差がもっとあったらなお楽しかったなと思いました。主役二人だけの場面が多いので、落ち着いている分、地味な印象も受けました。

1

綺麗で、儚くて、切ない

まず最初に、絵がとっても綺麗で十和田の美しさがもう…最高。
作中では過去の描写と現在の描写がイマイチ分かりづらくて混乱しましたが、絵の綺麗さと登場人物の感情表現の上手さが抜群なのであまり気になりませんでした。

とにかくyoshi先生、感情の揺れというか、そういう細かい描写がとても上手い!!ページ数が多いわけではないのに、谷と十和田が共に時を過ごすにつれ少しずつお互いに惹かれていくのがとっても伝わってきました。


そして最後がやはりyoshi先生の力量の見せ所だったのでは?
なんだかんだでやっとハッピーエンドに向かえるかもしれないと思った矢先に、まさかの展開。

最後の病院での場面は本当に苦しかったです。医者が十和田に話した事とか、「致命的な病気なんだ」という具体的な言葉は使わずに、ただただ二人の表情と行動から、十和田にはもう時間がない、という事実がひしひしと伝わってきて。

必死に平常心を取り繕おうと冗談を言ったり退院後の話を振ったりする谷と、初めて涙を見せる十和田が辛いです。
やっと二人の気持ちが完璧に通い合ったのに、残り少ない時間がそれまで積み上げてきたもの全てを奪って行く感じが悲しくて。

本当の自分をさらけ出せる相手を見つけ、小さな幸せを見つけられたと思ったらその先の幸せを掴めずに亡くなってしまうのだと知ってしまった十和田の涙に泣けました。

作品通してどこか切なく儚い空気が漂っていたのですが、最後の最後で ああ、これは十和田と過ごした時を振り返る谷の心境だったんだな、と思いました。

というポエミーなことを書き殴ってしまうくらい、登場人物の感情や心境の描写が上手いのです!!


原作の小説 (アンソロジー涙BL) も読んでみたのですが、やはり阿賀直己先生の文章もすごく美しかったです。(そして本当に十和田が死んでしまうということが信じられなかった私は現実を突きつけられました)


とにかく、お二人の作品は最高でした!何度も読み返しています。

4

シリアス、でも可愛い。

面白かったです(*^^*)

十和田は最初キツイ性格だなーと思っていたのですが、谷と出会い、少しずつ十和田の本当の性格が見えてくるにつれて、意外とかわいいヤツなんじゃないかと思えてきました。そして読み進めていくうちに可愛いヤツだと確定。掃除機の音が嫌いとか可愛すぎる笑笑29年間童の貞なのは仰天でしたが「(セックス)するならお前がいい」って…。そんなん言われたら我慢できへんやん!ワクワク…と思っていたら谷はまさかの時間を気にするという笑笑さすがに笑いました。あと、十和田が過去の話をしている時に途中で腕に入れてって谷に近寄るの可愛すぎる!切ないと可愛いの大合唱でした。

谷は良い男ですね。ちょっと素っ気ない所もあるけど、一緒に居たら絶対好きになってしまう万人キラーだと思います。几帳面というか、お世話好きな所もイイ‼︎「お前可愛いね」には、萌えが満タンになりました♡

専属ヘアメイク×人気俳優という一般人には安易に想像し難い設定ではありましたが、楽しく読めました。普段、芸能人モノは避けてしまう程無関心なのですが、こちらの作品は絵がとても丁寧で綺麗ですし、ストーリーもすっきり纏まっていて不自然な所もなく非常に楽しめました。(原作は小説ですが)

最後はどういう意味でしょう?幸せになれたのかな??医者の先生が呼んだのがちょっと気になりましたが…深読みしすぎかな?続きがあったら絶対読むリストに強制追加です!二人とも幸せに暮らしていることを心の底から望みます(>_<)♡

2

雰囲気がいい

絵が綺麗。綺麗は正義だな。
美しい男が、本当に美しくて素晴らしい。

原作があるんですね。
だから、淡々と進むのかな。

「綺麗なことは恥ずかしい」
「綺麗なものが好きなのは恥ずかしい」
綺麗がお互いのトラウマ。

過去のトラウマはあるけど、なんというか、二人の世界で完結してる。
伏線?と思ってたのが伏線じゃなく、え、終わり?あれ?時間あるの?みたいな。二人が幸せだからいいんだけどね。

描き下ろしは、のぞみの焼きもちが可愛いくて、あーもう!可愛いなこのヤロー!

他の誰にも懐かない美しい猫が、自分にだけ懐く。
甲斐甲斐しく、お世話しちゃうよね(笑)

1

外見だけでなく 内面の美しさ

原作は小説で、そちらは未読です。
"美しさ"を拒絶する美形俳優の十和田のぞみ(受)と、彼のヘアメイク担当でゲイの谷健太郎(攻)のお話です(^^)

自分を認めてくれた十和田、"美しさ"に惑わされず真っ直ぐ目を向けてくれる谷、お互いが欲しかったものを満たしてくれる存在だと思いました。

ふつうって何だろうなぁ…考えさせられる内容でした。可愛いものを可愛いと言いたい。綺麗なものが好きだと言いたい。でも言えない。ヒーローとか男の子が好きなものを好きと言わなければいけない。それが谷の"ふつう"。私達が当たり前にしていること、思ったことを口にしているという"ふつう"と、谷の"ふつう"は違いますよね。うまく言えないんですが、谷にとって"ふつうではない"ことを、世の中に合わせるために"ふつう"として受け入れざるを得なかった…そんな気がしました。谷が、自身のこのズレやゲイを自覚するようになってから、少しは違和感が消えたのかなと思います。

綺麗なことは、恥ずかしいこと…かつて育ての親に言われた言葉に囚われている十和田。自身の"美"を完全に拒絶する理由は、これだと思います。綺麗であることを認められない自分も嫌いだろうし、綺麗であること自体も嫌だろうし、十和田の闇はなかなか深いです。他人からの過干渉や馴れ合いは嫌いだけど、谷には言いたいことが言えるようになります。それもう、好きやん笑!!でもなかなか素直にはならないんですよね。綺麗だと思う?綺麗だから好き?綺麗じゃなくなったら嫌い?ずっと誰かに聴きたくて、でも怖くて聞けなくて、"綺麗じゃなくても好き"って言って欲しくて…。綺麗とか綺麗じゃないとかじゃない、十和田が好き…真っ直ぐ自分に向けられた谷の言葉に十和田は泣きます。ありがとうって言って、泣きます。素直になれた十和田の涙、美しいなと思いました(^^)

描き下ろし、谷と十和田が互いを名前で呼びあってHしたり、十和田の名前"のぞみ"の意味を知ることができたり、萌えて温かくなるお話です!

5

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