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結婚するかもしれない男

kekkonsurukamoshirenai otoko

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表題作結婚するかもしれない男

刈谷俊、マイペースで寡黙な家電工場勤務(28)
荻津涼介、ゲイ婚活する公務員(29)

同時収録作品結婚するかもしれない男

嶽下マサキ(医者・キリトの夫)
嶽下キリト(カフェ「MAKIRI」マスター)

その他の収録作品

  • 番外編
  • あとがき
  • プロフィールシート(カバー下)
  • イラスト1P

あらすじ

「…こいつが 一生一緒に生きるかもしれない男――」 もうすぐ30歳になる荻津涼介は、ある日、友人のキリトが企画したゲイ婚活パーティーに参加することに。 ちゃんとゲイで、一生連れ添える相手を望んでいる涼介がそこで出会ったのは、長い前髪の間から覗く綺麗な目で、まっすぐ自分を見つめてくる男・刈谷俊だった…。 ぎこちなく、ゆっくりとした速度だけれど、段々距離を縮めていく二人。 こんな風に2人で生きていくんだろうか、そう思い始めた涼介だったが、俊には秘密があって――!? どこかに寂しさを抱えた男達が、お互いに『かけがえのない人』になっていくまでを描く、センシティブラブストーリー。

作品情報

作品名
結婚するかもしれない男
著者
藤谷陽子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
日本文芸社
レーベル
KAREN COMICS
発売日
ISBN
9784537137804
4

(112)

(42)

萌々

(41)

(25)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
15
得点
451
評価数
112
平均
4 / 5
神率
37.5%

レビュー投稿数15

ゆっくりじっくり育てる恋

晩婚化が進んだり、結婚をしないという選択をするひとも増えているというニュースを目にすることが増えてきた昨今ですが、「生涯を共にするパートナー」が欲しいと願うひとも変わらずいるわけで。
かく言うわたしも若い頃は「結婚しない」なんて公言していましたが、何だかんだと夫がくれる安心感をありがたく思っている次第です。

そんなわけで、テーマはゲイの婚活です。
バーで出会って、声をかけて、その気になったらホテルへ行って、という一夜限りの相手ではなく、籍を入れて、2人で未来を作っていく相手を見つけようとなると、「フィーリングが合えば」とか「勢いで」というわけには行きませんね。

結婚式を挙げて籍も入れた友人主催の婚活で、俊とカップルになった涼介。
カップルになったからと言って、即入籍というわけには行かなくて…。

出会って、デートをして、手を繋ぐのにも時間がかかって、下の名前で呼ぶのに照れる。
そんな初々しい流れをBLで読める貴重な作品です。

相手を知っていく過程の中で、ひとつひとつ「一緒にやっていけるか」という基準と照らし合わせていかなければいけないというのは、案外面倒なことですね。
付き合うのは「好きかも」くらいの気持ちでできるかもしれないけれど、それだけでは生活はしていけない。
だからこそ慎重になるし、涼介にはつらい過去もあるから余計に臆病にもなります。

一方の俊も悲しい過去があって、だからこそ「家族」を欲しがっているのですが、寡黙すぎて…。視線の優しさで涼介を好ましく思っているのは伝わってくるのです。
それを感じていたからこその、後半で明かされる事実が結構な爆弾と言うか。
涼介の過去を知ったときに打ち明けてほしかったよ…。
あのタイミングはずるいよ…。
しかも「そういう形もあるんだ」というくらいの気持ちで、別にゲイと自覚したわけでもないんだもんな…。
後半に来て、「本当に大丈夫なの、この子!?うちの涼介をしあわせにできるの!?」なんて具合に、俊の評価がだだ下がってしまいました。

初読のときはえらく感動した覚えがあるのに、読み直したらちょっと俊の印象が変わってしまいました。
良い印象のままでいたい方は、読み直さない方が吉かもしれません。

1

リアリティに胸キュン

この作品は、リアルさに溢れている中でもキュンキュンする、そんなストーリーでした!

あらすじにもある通り、婚活から物語は始まっていくのですが、結婚までのリアルな面がひとつひとつ丁寧に描かれており、結婚ってこういうことかと、将来を真面目に考えさせられるような物語でした。
しかし、ただ現実的なだけでは終わらないのがこの作品!
読み終えると、「恋って本当に素敵だな」と思えて、ほっこりした気持ちになれました。
キュンキュンする要素も盛り込まれているので、ただ厳しい現実なだけでは終わらない所が、この作品の魅力だなぁと感じました。

あと、最後に。
セリフが長すぎたりしないので、1コマ1コマわかりやすく、個人的にとても読みやすかったです。

是非みなさんも読んでみてください!

3

一緒に暮らすこと。

何度読み返したかわかりません。
誰かと生きていくことを選んで、実際にそうなるためにはどうすれば良いんだろう?

ゲイ婚活のお話です。

幸せに、自分を理解してくれて、相手を理解して一緒に生きる。なかなか難しい。
恋愛ありきじゃなくて、まずは条件確認なんですよね。そこから、選択したり、妥協したりしてパートナーになっていく。

バイの元カレと別れてから、とにかく幸せにパートナーと暮らしたい涼介。
家族が欲しくて、婚活を続ける俊。

初めから、ふっと惹かれ合う2人なんですが。俊自体は、ゲイじゃなかったんですよね。
だけど、涼介と過ごして互いに居心地良くなっていく関係が出来ていく。
2人が、互いを理解していくエピソードが自然です。ゲイカップルのキリト達と一緒に行った温泉、3回目のデートの海辺。
何も失いたくない涼介。何も持っていなくて
これから涼介と手に入れたい俊。
俊の率直な気持ちが、涼介を動かしてくれました。

初めてのセックスも、自然でとても良いんです。パートナーとして、同棲し始めてからのお話も良い。

俊の風邪ひきエピソード。看病してもらって、夜中にふと目覚めると涼介が側に居てホッと安心して甘えるって感じです。俊の過去を知ると納得しますし、互いにパートナーと暮らすって意味を実感していく良いエピソードです!

じっくり読んでいただきたいお話です。私は、何度か読み返してしまいました。

5

うーーーん複雑!!

最近、一層ヘテロからCPになるBL漫画と相性が悪くなってきてしまいました。前提で苦手なら評価下げるしレビューするのも失礼かと思っていたところにこの作品です。
刈谷(表紙左)の秘密に、涼介(受け カムアウト済公務員)と共に衝撃を受け、騙された!って気持ちになってしまいました。セクシャリティってそうそう変えられないと思うんだよなぁ。むしろ最初のエッチでたたないぐらいの方が、いや、それだと多幸感のあるエンディングにはならないのだけれど。
表紙がとても好きです。

第3話早々の涼介のモノローグ「年収300万以上」にゾワっとする。28,9の男性が同世代の男性と付き合うとしてこの額か…BL商業誌業界の感覚なのか、世間全般の不景気なのか。少々悲しくなる。

1

BLはファンタジーであって欲しい

私、BLには萌えやドラマ性や何か非現実的なモノを求めているんだなとこの本を読んでハッキリと自覚しました。
同性という壁があってもそれでも好きだ!!とか、受け、攻めどちらかが強烈に相手に執着するとか、始めに誰かの「好き」があって、それをどうにも抑えられなくなってしまう感じ。そういうのを多分BLに求めてしまっている。
まず恋愛があって「男性同士の結婚」というゴールに向かうなら素敵だなって思うんです。
でも、これからの生活の安定や老後のためにお見合いや婚活をする男性2人ってあまりにも現実的過ぎて萌えるに萌えられない…。
「子供はどうする?」とか真顔で話したり、なんかこう、プロフィール見て、値踏みというと言い方悪いんですが「あー、これ、婚活してる女性とダブって見えるわー」的感覚が強すぎて奇妙な気分になってしまったんですよ。
現実は本当にこんな感じなのかもしれない。でもこの2人、1話から3話までほとんど表情が変わらないし、淡々としている。2ともそういう性格なのかもしれないけど、2人でいることがあまり楽しそうに見えない…。
ゲイ婚活を主催したカフェのマスターカプのほうがすっごく魅力的なんですよ。
どちらかと言うと、あの2人のお話が読みたいです。

最終話ではそれぞれの過去が明らかになり、体を重ねることが出来たシーンは感動して泣きました。
番外編も大好きです。ようやく素を出して信頼しあって、甘えられる関係になった2人を見て、とても幸せな気分になりました。

でも、個人的に「好きになろうと努力する」恋愛ってどうしてもあまり萌えなくて、いやいや、恋はするもんじゃなくて落ちるもんだろ!!…と。

BLでは「結婚なんて世間体気にすんな!!俺が一生側にいてお前のこと幸せにしてやる」ぐらいクサい台詞言って欲しいタイプなので、今回は私の本の選択ミスです。ごめんなさい。

ゲイ婚活、面白そうだと思ったんだけどなぁ…。

後半の2人のあまあまな感じはすごく良かったので、今回は中立寄りの萌評価とさせて頂きます。高評価の中すみません…。

脇カプのマスターのスピンオフ、本当に読んでみたかった…。(←しつこい)

多少盛ってもいい。BLには夢を見させて欲しい。
現実に添ったものじゃなくてフィクションが見たい。
もっと早くくっついて、2人のあまあまを満喫したかった。
でもそうするとこの本の趣旨変わっちゃいますもんね。

自分がBLに対してどういうものを求めてるのかを新たに知ることが出来たという点ではすごく勉強になりました。
BLはやはり、ある程度ファンタジーであって欲しいです。

5

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