国一番の騎士×恵まれない第七王子の、溺愛シンデレラストーリー!

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表題作溺愛騎士と無垢な愛妻

ジークヴァルト,国の英雄と誉れ高い騎士
イクセル,18歳,出自で冷遇される第七王子・神官見習い

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

出自ゆえに冷遇され、神官見習いとなった第7王子・イクセルは突然、王命により英雄の花嫁として呼び戻される。義姉弟から分不相応と嘲笑され、飛び出した先でイクセルは黒髪の騎士と出会い、優しく涙を拭われ交流を重ねるように。そして披露宴当日となり、ついに英雄と対面するが、そこには別れを告げたはずの騎士が花婿として現れ!? イクセルだから花嫁に望んだと愛を囁くジークヴァルドに最初は戸惑うが、包み込むようなジークヴァルドの愛に、止まっていた心が揺れ動き…!

作品情報

作品名
溺愛騎士と無垢な愛妻
著者
貫井ひつじ 
イラスト
明神翼 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041072394
3.9

(46)

(18)

萌々

(13)

(10)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
176
評価数
46
平均
3.9 / 5
神率
39.1%

レビュー投稿数11

腑に落ちない

神官見習いで第七王子でもあるイクセルが国の英雄となった騎士のジークの元に嫁ぐところから始まります。

ジークがどうしてイクセルを溺愛しているのか最後まで腑に落ちないままでした。
イクセルがジークの友人を看取り形見を渡す時にしか関わりがなく、ジークがイクセルに助けられたというほどイクセルが特別なことをしたとは思えません。
それに、イクセルにとってはトラウマになっている出来事なので、二人の間で話し合って欲しかったなと思います。

イクセルの気持ちが追いつくまでジークがイクセルを抱かなかったところには好感が持てました。

悪いことをした人たちがしっかりと処罰を受けていて良かったです。

0

貫井先生の溺愛ものにハズレなし!

貫井ひつじ先生の「狼殿下」シリーズの大ファンです。

今回読んでみたこちら、なんと先生のデビュー作とのこと。

単純な溺愛攻め×不憫受け様のストーリーではなく、そこに攻めの親友などのストーリーが加わり、いくつもの層が重なった、深く心に沁み入るお話でした。

受けのイクセルも、不憫ではあるけれど立ち向かおうとする一本の芯のようなものがあり、弱々しいだけじゃないのが良い!

ジークとイクセルとの最初の出会いは決して喜ばしいものではなく、イクセルにとってはある種トラウマであり「笑えない」ことの直接的な原因ともなるものだったけれど。

ジークの妻となった今は、きっと少しずつ少しずつ、笑みを取り戻していっているのだろうな、と思える素敵なラストでした✨

そして何よりも驚いたのが、イクセルの家庭教師・シーデーンがまさかの…!!
もう、貫井先生の仕掛けられた伏線の素晴らしさに、思わず「おお…!」と声をあげてしまいましたよ。。そこが繋がるとは…感動的だわ。。

貫井先生の溺愛ものにハズレなし。
そんなことを確信した、こちらの一作でした。

0

くっ可愛ですね。

そういえば神官ものって意外と多いですね。神に身を捧げ清廉潔白で慎ましく、確かに健気受けの要素がもりもりです。

王の第7王子のイクセルが不憫で。
母の身分によって妃や義姉義兄から振るわれる悪意や悪行の数々。こっちこそ何をしたっていうの?ですよね。

後宮で散々酷い目に合わされ、なんとか抜け出し神官として神殿で暮らして。そんなイクセルの元に突然王からの呼び出しがあり…。
英雄が王の子を娶りたいと言うから、お前頼むぞと。

もう途中まではイクセルが可哀想で。
そして名も知らぬスキンシップ過多な騎士さまと出会ってからは幸せな予感が。
結婚相手の国一番の英雄はやはりあの人で!

なぜだか英雄はイクセルを大好きなようで溺愛されて大事に大事にしてくれ。

しかしそんな甘くて平和な日々も突然急変し…。

とにかく王室でのイクセルの扱いの酷さ。
義姉義兄の下衆さ。かきまわしてきます。

そして英雄ことジークがなぜここまでしてイクセルを娶ったか。愛してるか。

いきさつはまあわかるけど、それでここまで愛せるのかな?5年前に少し言葉を交わしただけなのに。
でもイクセルを自由にしてくれて、色んな感情を持てて良かったですが。

最後の数ページが駆け足で。先生ともそんな繋がりが!?
ジークとイクセルももうちょっと当時の話をしようよ。
急にイクセルが閨のお誘い?

良いお話なのですが、なんかこう少しずつ惜しい(何様?ですが)ような気がします。

ジークが何も知らない真っ白なイクセルに、こめかみを押さえて、くっ!可愛いなお前!ってのが良いですね。

0

受けがちょっと弱っちい

新刊の「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」がとても良かったので、こちらも読んでみましたが「狼殿下〜」と同じ系統だなと。

ただし「狼殿下〜」の受けと同じく庇護欲をそそられる受けではあるんだけど、ぶっちゃけ「ちょい弱っちいな」と思ってしまったんですよね。
性格もそうなんだけど、人酔いしちゃったりピンチで気を失ったりするので……。
もちろん不遇な境遇ゆえだというのは重々理解してるんだけど、もうちょい気概が欲しいというか。
その一方で、攻めから「好きなように過ごせ」「何がしたいか」と聞かれても、自分の希望を抱くことすらなく生きてきた受けには答えることができないんですね。
その不憫さには、胸がキューっとさせられました。

攻めが、何故そんなに受けを所望するようになったのか、はっきり書かれていないところが不満でした。
というのも、あの過去がきっかけなのはわかるけど、受けにとっては笑顔が消える原因となったトラウマでしかないんですよね。
受けの心には傷が残った一方で、かたや攻めの心にはラブが生じたとするには、ちょっと理解しがたいというか……。
おまけに、あの時の攻めは、親友の死で半ば錯乱状態だったとはいえ、全く罪のない受けの頬を引っぱたく姿に、えぇ?マジで?!何この男?!と思っただけに……。
せめて胸ぐらを掴む程度にしておいて欲しかった。

攻めが何故自分を娶ったのかを理解できない受けが、戸惑うところもなんだか可哀想でした。
そりゃ当然ですよね。
だって、ほぼ知らない相手から「結婚したい」「好き好き」言われても、すぐに信じられる人っていないもの。
だから、攻めには受けに惚れた理由をとっとと教えて欲しかったのだけど、「お前が笑えるようになったら教えてやる」と言う攻め。
受けが笑えなくなったのは、あの日のあんたの言動が一因なのに(罵られた&頬をぶたれたのは表面的な問題にすぎないのだけど)あんたがそれ言うの?と。
だから「笑えなくなった」設定はいらなかった気がします。

そして攻めは、使用人や家臣たちの前でもおおっぴらにキスしたりするんですね。
神官見習いの超〜無垢な受けは、その都度真っ赤になって顔もあげられないんですよ。
普通ならそこも萌えなはずなのに、この受けに限っては、なんか可哀想……公開処刑みたい……と思ってしまいました。
「もう!やめてください」とか言えるキャラだったら可哀想とは思わなかったけど、そんなこと言えるキャラではない&死ぬほど恥ずかしがるのを十分承知のうえで、あえてやってくる攻めが単に悪趣味としか思えなくて……。

これがデビュー作だったんですね。
「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」と同じ溺愛×不憫健気受け プラス花嫁要素という事で、なるほど!と思わせるものがありました。
ツッコミどころが幾つかある当作品に比べて「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」が文句なしの神作品だったので、作家さんとしてすごく成長されたんだなぁ
と感心させられました。上から目線でごめんなさい。

2

貫井先生の魅力溢れるデビュー作

「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」を読んだあとで、貫井ひつじ先生の過去作を調べた時に、こちらの作品が一番評価が高かったので読んでみました。

デビュー作で優秀賞と読者賞をW受賞した作品だそうですが、なるほどと思いました。
勢いがあるし、キャラは魅力的だし、ストーリー展開も凄く面白かったんです。

不憫受けのイクセルは健気だったし、ちょっと不遜なジークヴァルトがイクセルを溺愛する様子にとても萌えました。

ただ、もっとジークヴァルトがイクセルを選んだ理由を書いて欲しかったのと、あの意地悪で自分勝手な義姉の王女が建前上は急な病で亡くなったとありましたが、本当は何故亡くなったのかが知りたかったです。

彼女の母親の側妃や義兄が後宮を出たのは、国王からの処罰では無いのが不思議でした。その辺がモヤっとしたので萌2です。

このモヤモヤが無いスカッとした作品が「狼殿下と身代わりの黒猫恋妻」なのですが、こちらのデビュー作もその片鱗を示してように思います。

1

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