イラスト入り
こちら、眷愛隷属のシリーズ三作目になります。
シリーズものではありますが、主役がチェンジしているため、今作だけでも読めると思います。
シリーズ未読の方もぜひぜひ。
ところで私は、実は受け大好き人間です。
私の世界では受けが中心になるため、攻め→→→→受けと言う図で無くてはいけません。
とにかく攻めが受けを溺愛していたり、異常に執着してると言う設定が大好き。
で、受けは攻めを嫌悪感丸出しで毛嫌いしてたりすると更に萌えまくる。我ながら歪んでると思いますが。
ところが、今作ではその真逆なんですよね。
受けが攻めを信奉していて、攻め→←←←←←受け状態。
おまけに前作のカップルが好きすぎて、どうせなら慶次カップルの方が読みたかったと言う気持ちもあるため、それほど萌えないかもと思っていたのです。
が、めちゃくちゃ萌えました。
このパターンでこれほど萌えるのって初めてなのですが、とにかく受けのキャラクターが魅力的過ぎるんですよー!!
いやもう、どハマリしちゃって、彼の一挙手一投足を舐めるように読んでしまいました。
くっ・・・!! 可愛いよ! 受けが死ぬほど可愛いよ・・・!!
あと、ストーリーも完璧だよ!!!
内容ですが、魔を祓う討魔師を主役とした、オカルトアクションコメディと言った所です。
今作から、主役はお兄ちゃんである耀司カップルにチェンジしますが、有生&慶次カップルもかなり活躍しています。
で、相手役となるのは討魔師の一族である柚。眷属は神の使い白鹿です。
終始、柚の視点で進み、幼い頃に虐待から救ってくれた本家の次期当主・耀司を彼は崇拝していてと言った所。
で、そんな中、耀司の役に立ちたいと焦った柚が暴走し、ある「大切なもの」を奪われてしまいー・・・とストーリーは進みます。
まずこちら、しつこいですが、とにかく受けのキャラクターが魅力的。
耀司を信奉しており、世界の中心は彼です。
大人しやかで、耀司に構われればはにかんだ初々しい笑顔。
清楚系美人と言った感じでしょうか。
が、これは耀司に対してだけ。
彼の世界では、耀司とその他(と、一部の例外)しか存在してないと申しましょうか・・・。
で、その他に対しては超乱暴者。
態度も言葉遣いもガラッと代わり、「ご苦労様です。お疲れですよね。」と(耀司に甘く)言ったその口で、「耀司様を批判するとは何事だ! この屑野郎!!」と、その他に怒鳴りつける。
粒餡の饅頭を出されれば「耀司様はこしあん派だ! 覚えておけ!!」と怒りだし、ホテルの部屋が手違いからダブルしか無ければ「耀司様に窮屈な思いをさせるつもりか!!」とまたまたキレる。
この変わり身が面白くてですね、彼が何か言い出すたびに噴き出してしまう。
やたら偉そうなのに、言ってる内容が可愛いんですよ。どんだけ耀司が好きなんだと。
また、彼は猫を被ってるんじゃ無い所がミソ。
耀司とその他への態度の違いですが、柚にとっては自然で当たり前なんですよね。きっと。
だから耀司の前だろうと、彼への態度が(柚基準で)悪い相手には噛みつく。
これ、影でやってたら、ただ単に性格が悪い受けで絶対ここまでハマらなかった。
で、その耀司ですが、当然柚のこの状態に気付いています。
彼はとても分別のある大人のため、柚自身の為に、自分を特別扱いするのを止めさせようとする・・・。
が、そんな耀司の苦言も「耀司様はなんてお優しい」とあさっての方向に受け止めて感激する柚。二人の噛み合わない会話も楽しくて仕方ないんですね~。
と、前半はコメディ要素が強くて、ゲラゲラ笑わせてくれるのです。
が、これだけで終わらないのが夜光先生。
実は耀司と柚の出逢いですが、かなり特殊な状況です。
柚は虐待児で、死んで腐った母親にしがみついていた所を、耀司達に保護されたと言う経緯だったりします。
そう、実は柚の盲信的な信頼ですが、恋愛と言うより、初めて手を差し伸べてくれた耀司に対する「依存」と言った印象なのです。
当然、聡い耀司はその事に気が付いている・・・。
先に、攻め→←←←←←受けと書きましたが、これはかなり表層的な部分です。
実のところ、耀司も結構な割合で柚に対する愛着みたいのを感じさせるんですよね。
柚の状態が良くないとは分かりつつ、自分だけに懐く彼が可愛くて、ついついこの状態を看過して来た・・・。
いや~、俄然面白くなって来ましたよ!!
こんな二人の複雑な関係を軸にして、因縁の相手・井伊家が絡んで来て・・・とストーリーは進みます。
こちら、このオカルトアクションの部分も大変面白いです。
ハラハラドキドキと手に汗握らせてくれる上に、井伊との直接対決では耀司や有生が格好良すぎて。痛快です!
で、この事件により、結構追い詰められる事となる柚。
ちょいしんみりモードになった所で、またまたニヤリとさせてくれるんですね~。
状況を逆手に取り、耀司に夜這いをかける柚と。
彼は強いかと思うと弱い。弱いかと思うと意外に逞しい!!
柚が耀司を抱こうと考えていたのにも、大変ニヤニヤさせてもらいました。
こちらは主人公の成長も見所であり、ラストではジーンとさせられます。柚だけでは無く、耀司の変化も書かれている所が巧みだなぁ。
人の為ではなく、自分の人生を生きなきゃね!
続編がありそうな終わり方ですが、決着はついてるので、ジリジリはしなくてよさそうです。
他、有生と慶次の短編も入ってます。
こちらは完全な痴話喧嘩。からの甘々エッチ。大活躍の子狸も可愛い過ぎます。ほのぼのと読めました。
とりあえず、シリーズ未読の方にもぜひぜひおすすめ!!
また、前二作を読むと、世界観に深みが増すと思うので、気に入ったならそちらも読んでみて下さい。
作家買い。
『眷愛隷属 -白狐と狢-』→『きつねに嫁入り -眷愛隷属-』に続くシリーズ三作目です。前2作は超一流の討魔師の有生×半人前の討魔師・慶次のお話だったのに対し、今作は有生のお兄ちゃんの耀司のお話。
スピンオフものなので前作未読でも理解できないことはないと思いますが、それでもやっぱり読まれてからのほうが楽しめると思います。
母子家庭で育ち、その母親から虐待を受けていた柚。
そんな環境から柚を救い出してくれたのは、弐式家の時期当主の耀司。以来、柚は十年にわたって耀司を崇拝し続けている。
耀司のためだけに、柚の毎日は過ぎていく。
そんなある日、柚に耀司とともに仕事をする機会が訪れる。耀司のために良かれと思って柚が起こした行動が大騒動を引き起こし…。
タイトル。
そして表紙。
そんなところからも読み取れますが、今作品は受ちゃんの愛情がめっちゃ強いです。夜光作品はどちらかというと攻めの執着心が強すぎる、といった関係が多い気がするので、新鮮な気持ちで読み始めました。
でも、執着しているのは柚だけに非ず。
耀司の、柚への愛情も満ちあふれている。
柚のことを大切に、そして愛しすぎたがゆえに、柚の耀司への想いも若干歪んでしまった。
もう、こういうCP、めっちゃツボなんですyo…。
この人じゃなきゃダメなんだ、っていう。
良い。すごく良い。
柚は自分自身の失態のために大切なものを失ってしまいますが、これから頑張って、彼自身の力で取り戻してほしいな。耀司のためではなく、自分自身のために。
ま、耀司さんの事ですから、影からサポートするのでしょう。
前作から耀司さんのスパダリ感はにじみ出ていましたが、彼はまさにザ・スパダリさんです。めっちゃカッコいいです。
終盤には有生×慶次のお話も。
相変わらずな二人に思わず爆笑。
この子たちはなぜ、自分の事には疎いんでしょうね。でも、少しずつ気持ちが近づいていっているので、彼らが自分の想いに気づいた時の反応がめちゃ楽しみです。
それと特筆すべきは笠井さんのイラスト。
笠井さんは肌色率の高い表紙を描かれることも多いですが、『眷愛隷属』シリーズの表紙はすんごく可愛い。
今作も、耀司さんの服が少しはだけちゃってはいますが、柚の一途さがにじみ出てて可愛いのなんのって。耀司さんの男の色香に中てられ、柚の可愛さにKOされ。何という神イラストか。
中の挿絵ももちろん素晴らしい。
次巻はまた有生×慶次メインのお話かな。
今から楽しみで仕方ないです。
柚と耀司の出会いのシーンは強烈でした。母親の遺体を抱きしめてる子どもってゾクっと来ます。
救い出された柚が耀司中心になるのも分かるような気がします。
有生が柚をタスマニアデビルに例えるので、気になって調べてしまいました。笑笑
耀司に言われた事を捻じ曲げて受け取ってしまい、井伊の本拠地にまんまと乗り込んだ挙句に白鹿を奪われてしまいます。
そして自分の間違いにようやく気がつく訳です。
白鹿を奪い返しに行く耀司の力が圧倒的でした。また有生の底意地の悪さも最高でした。
柚は討魔師の資格を剥奪されてしまうわけですが、離れる前に耀司に夜這いをかけるのが柚らしいです。耀司も腹をくくって2人は結ばれる訳ですが、初めてなのに感じる柚に対しての耀司のセリフも爆笑です。
この2人がどうなるか?柚は討魔師に戻れるのかもぜひ読みたいと思いました。
この巻は、コメディでは無かった。
耀司のキャラ設定に沿って、有生が登場する場面以外はシリアス調。
柚子が、眷属から三行半を突き付けらるまでの物語の巻。
萌える文章表現が上手なので、読みながらナルホドと小さな感動。
例えば、柚が1週間ぶりに帰宅した耀司を出迎えた時の内言
「自分が花だったら枯れていた」って、なくてはならない存在の耀司切れした自分を、水を切らした植物に譬えてます。状態が分かりやすくていいです。それくらい耀司に深く依存をしている柚。
自死した母の腐乱死体に縋り付いて離れなかった柚。虐待を母から受けて居た柚は、共依存症。
しかも、憑いた悪霊に乗っ取られていた柚。柚を正気に戻して救ったのは、耀司だった。
柚にとって耀司は、恩人であり、憧れの人であり、最愛の人。
耀司に片思いする乙女な柚だけど、綺麗顔の柚は、耀司が居ない所ではまるで悪魔。
有生は「タスマニアデビル」と柚を呼ぶ。柚の裏の顔はとてもコワイ子。
耀司に褒められたくて柚が起した事件が切っ掛けで、柚は眷属の白鹿から契約破棄され、討魔師の資格を失う。本家から去る引っ越し作業最中も、柚の頭の中は耀司で一杯。
柚の有生への餞別は、慶次曰く「悪の呪具」だった・・爆笑。
有生も、耀司も、弐式家の嫁は子を生んだ後すぐに死んでしまうので、女性を配偶者に選ばない。
息を引き取るまでずっと傍に居てもらえる伴侶は、同性を選ぶしかない呪いを持っている家に生まれたから、仕方無いのか・・と、4巻の粗筋に行きつく理由が分かりました。
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タスマニアデビル:
オーストラリア南部タスマニア(Tasmania)州に生息する肉食性有袋類。哺乳綱フクロネコ目フクロネコ科タスマニアデビル属に分類される。現生で世界最大の肉食有袋類。別名、フクログマ。絶滅危惧種。
イギリス人入植者が、暗闇で聞くタスマニアデビルの鳴き声が悪魔のようだったり、暗闇で目や耳が赤く光って見えたことから悪魔に取りつかれているのではないかと考えられた
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夜光花先生では珍しい、攻め→←←←←受けの作品でした。
また、こちらは「眷愛隷属」のスピンオフです。
後半に収録されている主要カプの話が全体の2割ほどあるので、私は本編を読んでからの方がオススメです。
とにかく受けが攻め大好き、崇拝!という感じ受け。
執着攻めが大好きな私は逆でも楽しめたなぁ~というのが正直な感想です。
紆余曲折ありどうにか両想いになりましたが、最後は好きだけど離ればなれになって終わり…。
え!?再会は!?
ラブラブシーンは!?
攻めが実は受けのことめちゃくちゃ好き!みたいな展開は…!?
と、続きがとても気になります…。
本編の方でチラチラ出てくるのだろうか…。