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表題作インサイドフルブルーム

三浦景吾
大学生,オープンにしているゲイ
斎藤果也
大学生,ゲイであることを隠している

その他の収録作品

  • spring has sprung(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

過去のトラウマから、
自分がマイノリティだということを隠して生きてきたカナ。
誰にも打ち明けず、ひとり抱え込んでいたが、
友人に連れられ参加した大学の合コンで
女の子サイドに混ざってやってきたのは、
自身がゲイだと平然と打ち明けるケーゴ。

印象は最悪、相容れないふたり。
出会い、交わり、対峙してはじめて気づく感情。
不器用で臆病なふたりの、止まっていた時が動き始める。

もどかしくて切ない、
傷を抱えた恋人未満な男子たちの等身大の恋物語。

心と身体が交わり、孤独を解く――
扇情的な言葉で紡ぐ、
久喜わかめデビューコミックス


「でも、隣にいてくれるんでしょ?」

どうしようもない自分を過去に隠して、逃げて、諦めた。
そう簡単には、変われない――。

作品情報

作品名
インサイドフルブルーム
著者
久喜わかめ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
シリーズ
インサイドフルブルーム
発売日
電子発売日
ISBN
9784801964105
3.6

(123)

(40)

萌々

(28)

(31)

中立

(16)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
17
得点
421
評価数
123
平均
3.6 / 5
神率
32.5%

レビュー投稿数17

蕾の中で朽ちるよりも

トラウマがあり必死の思いでマイノリティを隠しているカナの前に現れた、ゲイをオープンにしているケーゴ。
ケーゴはすぐにカナを同類と見破って何かとちょっかいかけてくるが、カナは嫌でたまらない。
食ってかかるカナと、のらりくらりとからかうケーゴ。
しかし、実はケーゴにもトラウマがあって。

…という設定はまあよくあるのでわかるんだけど。
はじめ、カナがケーゴに煽られてカッカする描写が続く。が、ふと気づくと急にケーゴの方がカナを遠ざけようと怒り出す場面が始まってて、あれれ?
冒頭のアナタは嫌がるカナにもっと絡んでましたよね…
って感じでケーゴに同調/共感できないなぁ。
展開があまりスムーズじゃない。
ただ、トラウマに苦しんでいた2人がお互いの存在で救われていく、自分が強くなっていく、という救済系物語自体は良かったねと思います。「萌」で。

0

わかめ先生の絵好きです!!

好きだった同級生にゲイだということをバラされ気持ちを踏みにじられたカナは、大学では自分のマイノリティを隠して生活していた。
そんなときに、友だちと参加した合コンで自分はゲイだと明かすケーゴと出合い、カナの性癖を見破られる。
その帰りに何故かケーゴとHをしてしまい。。。

ノリが良いケーゴだが、何かを隠してそうな雰囲気。ズカズカくるケーゴを避けたいカナも過去を思い出して沈みがち。
絵柄は可愛らしい爽やかな感じですが、2人の根本にある重苦しい感じが作品のイメージを少し変えている。私は嫌ではなく、クセになりました。
互いに似た2人なので、認め合うまでかかりますが、惹かれ合うと素直になれず、反発し合いながらもデレっているのがたまりません!

0

傷のなめ合い

読み返し。

過去のトラウマから、 自分がゲイだと言うことを隠して生きているカナ。
合コンで女の子サイドに混ざってやってきたケーゴは
自分はゲイだと平然とカミングアウトします。
そして、誰もいないところで「ゲイだよね?」とカナに聞くケーゴですがー…。

カナのトラウマはすごく辛いものがあって
だからこそ自分を隠して生きてるカナに
幸せになってほしいなぁと思ってたのですが、
ケーゴが最初何を考えてるのかわからなくて
大丈夫なのか!?と思ってしまいました。

読みすすめるとそれぞれに傷があって
これは恋と言えるのか?と思いましたが、
きっと恋はもうすぐそこにあるなぁと
最後まで読むと、そう思わせてくれました(*´ω`*)

『ノーダウトライラック』という作品に
この本編の二人のその後が描かれているので、
この作品が好きな方はそちらも読むことをおすすめします(*´ω`*)

1

攻めが若干病んでて鬱

2人ともゲイで、1人は嫌な意味で勘のいいマイペースで、もう1人は素直な真面目。圧倒的に釣り合わない2人が半ば攻めに絆されるみたいに落とされてく話。最初こそ読んでて攻めの執着さに怖いとこあるけど、こういう攻めは大体病み抱えててひたすらに話が重い。
でもこの2人なりにそれを一緒に死ぬまで抱えて、多分このふたりは一緒に死んでいくんだって未来が容易に想像できて、なんていえばいいかわかんないけどとりあえず重い。愛が重い。

0

辛口のためご注意ください

ごめんなさい、正直面倒くさかったです。
どちらかがこじらせてるのではなく、受け攻め両者共となると、正直勘弁しろとなってしまいました。
物語を読み込んでも、やはりマイノリティだしナイーブな問題だから仕方ない部分はあるけど、それにしても攻撃的だし挑発して傷ついて傷つけていく流れに途中からストレスを感じました。
嫌な相手なら関わらないけど、そうしないし、お互い拗らせてるくせに理解者を手放せなくて、気持ちの追いつかない行為を重ねる。結局は似た者同士の話しだと思ってます。
救済もすっきり救済してる感じでもなく、同じ目線の二人ならではだなと。
最終的には二人そばにいそうですが、危うくてあまり気持ちよく読み切ることができませんでした。
幸せな物語が好きなためこのレビューになりました。

3

諦めた、諦めきれなかった

ゲイの大学生、二人の話

自分がマイノリティである、という悩み。好きな人に受け入れてもらえなかった、辛さ。周囲に蔑まれる、恐怖。同じものを抱えながら、違う方法で“諦めた”二人が出逢う

お互いに嫌悪し、でも、お互いに知りたいと思う。誰にもわかってもらえない、誰とも共有できないくるしさから、逃れたいと思う。誰かと共有して、ラクになりたい。叶うのなら、愛されて、幸せになりたい

傷ついた経験から、同族嫌悪し、同類他者に対して攻撃的になっていた二人が、お互いに、お互いの柔らかい部分を晒して、わかりあっていく話です。イジメのシーンもあり、切な痛い

他者と本心を通わせることに慣れていない二人の、大学生らしからぬピュアさが良いです。はじまりは無理矢理だったけど、だんだんと、心地よさを感じていく様が、ちょっとズルくもあって、リアリティを感じました

3

もっと早く知りたかった!

読み終わって上手く感想が出てこなくて何度も読み返しました。

白いチューリップから始まる物語で、他の方も言っているように詩的な表現のため好き嫌い別れると思います。私は好きです!
オープンゲイであるケーゴとは対称的にゲイであることを隠しているカナ。
全くタイプの違う2人ですか、過去に恋をして傷ついたという点では同じだなって思いました。

途中でカナからケーゴに会いに行くシーンがあるんですが、自分から歩み寄ろうとしてすごいな〜って、ほんとカナくん人として好きだなって思いました。ケーゴも中学生男子みたいでかわいい。(褒めてます)
過去に囚われた2人がぶつかり合い過去を溶かしていく、そんな表現に感動しました。
拒んでるけど拒みきれないカナとかまちょなケーゴってすごく相性いいですよね。

読み終わったあとに気になって題名の意味を調べたらすごくこの作品に合っていて、よく考えられているなと思いました!
出会えて良かったです!

5

大事なやわらかい部分

ケーゴもカナも過去につらい経験をしていて、違う種類の殻に閉じ籠っている。それ故にぶつかり合ってしまうふたり…。
ふたりとも人当たりが良いようでどこか一線を引いているようにみえます。
つらい過去の始まりにあるのが誰かに対する恋心だから深く関わらないようにしているのか。
自身がマイノリティであることをマイナスに捉えていることがそうさせるのか。
単純に言い表されていないぶん読み手側が考えるところも多く、奥の深さを感じました。
ただ、そういうのが苦手な人にとってはちょっと難しく感じてしまうかも。

複雑な心境や表に出せない葛藤が白色のチューリップに例えられていたり、あえて難解な方向に彼らの気持ちを表現している部分など
言葉選びが特徴的だなという印象。
噛み砕いて読む漫画、すごく好きです。

5

次作に期待するけど…

「ノーダウトライラック」を購入(未読)しました。そこにケーゴとカナの話があると知ったので、こちらも購入しました。

感想としては残念ながら買わなきゃ良かったと思いました。絶賛されてる方はごめんなさい。

まず詩的な表現が合いませんでした。詩的で素敵な作品は世の中に沢山ありますが、作者様には力不足の印象しかありません。
間延びしていて雰囲気重視の自己満足にしか思えませんでした。

カナとケーゴが過去の出来事に傷付いて、どうして今のような生き方をしているかが共感し辛かったです。もったい付けた割に大した事無いのに、あれだけ大袈裟なんだという感じです。

もっと描き切って欲しかったですね。デビュー作らしいのと、次作をこれから読むので萌にしておきました。
気持ち的には中立寄りのしゅみじゃないです。

5

読むたびに好きになる

大学の授業中に←pixivでたまたま試し読みして即惚れ。帰り道に購入しました。

2人の大学生の話、お互い過去にトラウマを持っている、そんなありきたりではあるけど、とても優しい話だと思うのです。

高校時代に好きだった人に裏切られてゲイバレし、以来大学ではゲイであることをひた隠しにして恋にどこか諦めているカナ。一方、ゲイがバレて居場所がなくなったとき、味方でいてくれた人に振り向いて貰えなかった心の傷、憎むことでしか乗り換えられなかった自分に苦しみながら、まわりにはヘラヘラとしてオープンゲイでいるケーゴ。

互いの態度、スタンスが気に食わなくて、ケーゴをあからさまに嫌うカナとちょっかいをかけるケーゴですが、カナのいつメンのオノの言葉によってカナはケーゴに歩み寄ります。

自分の中で抑えていた、見ないようにしていた部分に触れられる、拒絶・恐怖、いろいろあったと思うけど、互いにゲイで過去に自分も傷ついたことがあるからこそ本当に触れ合えたのではないかと思います。
恋してるわけじゃない。でも、2人で慰め合って自分と向き合っていけるなら…そうして身体を繋げながら心の距離が近づいていくのがありありと感じられました。

お互い、誰かを好きになりたい。恋したい。でも怖い。逃げよう。そんなところから、2人で一緒だからこそ、お互い恋していけるんじゃないか。クライマックスの笑顔のケーゴの一言は本当に心にくるものがあります。
本編あとのお話も注目ドコロ。カナがかわいい。本当にかわいい。

ゆっくり2人のペースで恋していくんだな、これからも彼らを見続けたい。そんなお話です。
カナのいつメンのオノとおシブの話が最近完結したそうなので、ケゴカナにもまた近いうちに会えるのかな?と楽しみにしつつ。
他の多くの作品とは違って、これから恋していく2人の話ですが、とても寄り添いたくなる2人なので、ぜひ二度三度と読んでみてほしい一作です。

10

今後に期待です

思っていた話と違ったけど、それなりによかったです。
あらすじを読むと、マイノリティを隠してきたカナと、ゲイである事を隠さないケーゴの対照的な2人の話なのかな?と思いました。
訳ありゲイ×前向きゲイのCPだと思いきや、むしろケーゴの方が後ろ向きでした。

カナは、学生時代に好きだった人に裏切られ、ゲイばれしてしまった過去をもっています。
ケーゴは、好きな人が男もいける人だったのに、自分は振り向いてもらえずその人たちの不幸を願っていました。
そんな2人が傷を舐め合って、次第に惹かれていく物語です。
ただ、最後キチンと好きを伝えておらず、好きなんだろうなーという感じで終わってしまったので、少し物足りなく感じました。

物語になぞらえて出てくる白いチューリップの花言葉は、「失われた愛」。
そしてもう1つ、「新しい愛」。
失われたからこそ、新しい愛が生まれる。
まさに、インサイドフルブルーム。
2人の心が、新しい愛で満開になるところがもっと見たかったです。

5

攻めが自称サバサバ女みたいだった。

辛口ですのでご容赦ください。

オープンリーゲイの攻めと、クローゼットの受け。

コンパでゲイを公言してる攻めに、受けもゲイであることを見抜かれてしまい……ってやつなんだけど、必死で隠している受けを見て「なにをそんなに怖がってるんだか」「ああいう無駄なあがきするやつ嫌いだ」などと馬鹿にした様子を見せたところで躓きそうになった……。

自分はオープンにしてるけど、そう出来ない人もいるよね、わかる……というスタンスになれないんだろ?と。
人は人、自分は自分でいいと思うの。

で、ゲイを公言して自由を気取ってる攻めだけど、自称サバサバ女みたいで隠れた拗らせ方が凄かった。

家族バレして居場所がなかった自分を唯一受け入れてくれた年上の友人(ゲイ)に恋をしていたけれど、彼は自分を選んでくれなかった……という腹いせを持て余し、そいつらの不幸を一生願うような自分が嫌いで、いつまでたっても赦せない自分が嫌いでやめたいのにやめられない→だからそんなどうしようもない自分なら何もかもまとめて諦めてしまえばいいんだ→諦めれば何も考えなくていいから……
という論理なんだけど、何度も読んでも私には理解できなかった……。

選んでくれなかった……シュン…(涙)となるなら分かるんだけど、腹が立つとか、憎くなって恨むとか、赦せない(許せないではなく、赦せないという漢字を使われていたので更に怖かった)という自分本意な攻撃性が何なんだろうというか、夜中に神社で五寸釘とか打ってそうな執念深さを感じました。

私から見れば、ゲイばれして家庭に居場所がなくなった彼の唯一の居場所が好きな人だったという点は同情するけど、好きな相手が自分を選んでくれないなんてこと、いくらでもあるよ……と声を大にして言いたい。
いろんな背景はあるかもしれないけど、あなたのそれは「普通の失恋」ですよと。同性愛も異性愛も関係ないように思いました。

攻めがただただ幼稚としか思えなくて、どうにも攻めに感情移入できなかったのと、モノローグ多めでそのモノローグが頭でっかちぎみで好みではなかったため、評価低めですみません……。

9

歯並び悪そう萌?

不器用な二人の恋のお話。
ゲイであることにトラウマのある大学生の男の子が二人。
自分を隠して生きていくことに必死になっている果也。
ゲイであることは公表しているが、何かをあきらめて生きている景吾。
そんな二人が出会って、酔った弾みでセックスをして、そして、それから、、、。

お互いに、お互いの中に、自分で自分を見つめたくない自分自身の「何か」を感じて、反発しあいながらも、惹かれ合うのを止められなくて葛藤するお話。
何度もセックスしながらグルグルして、簡単にラブラブになっちゃったりしないところがいい。
主人公たちのお顔もかわいくなければ、体だって貧相なところがいい。
こういうグダグダした話に、この絵の雰囲気はよく似合ってていい。

4

ツンツンな2人の赤面に萌える

久喜わかめ先生 初のコミックスです。
ゲイであることを公表しているケーゴ × ゲイであることを隠しているカナ のお話です。

2人のことを"白いチューリップ"に例えた詩的モノローグが要所要所にあり、これがとても胸に響きましたしお話に深みが出てすごく良かったです!
正反対ではありますが、どこか自分を見ていると感じるのか互いに相手のことを気にかけてしまって、なんだかんだで少しずつ距離を縮めていきます。


決して重いお話ではなく、脇キャラにもふふっと笑わせられたり、ケーゴやカナがとにかく萌えさせてくれます。

ケーゴは一見クールといいますか落ち着いている印象を受けますが、嬉しい!とは口にはしないもののカナの隣にいることを許されて静かに赤面していたり...
カナもケーゴと同じくクールで落ち着いていますが、ケーゴの言葉で顔を真っ赤にして動揺したり...
このギャップにすごく萌えましたし可愛いカプだなあとニヤけること間違いなしの可愛さでした(^^)


これから恋を始めていく2人、というところでお話は結末を迎えます。
付き合ってイチャイチャしての結末でないと!という方には向かないかもしれませんが、可愛い2人のこれからを沢山妄想させてくれる終わり方で私的にはとても良かったです。

詩的モノローグで始まり、これで終わるので苦手かもと思われる方は試し読みなどで冒頭だけでもちらっと覗いてみることをおすすめします。

7

詩的で美しい作品。

「白いチューリップ」を元にした言葉の選び方が、とても詩的で、寂しく、美しく……震えてしまうほどでした。
「本当に、デビューコミックスなの……」という、言葉の表現力が大変素晴らしかったです。

カナもケーゴも、過去の恋愛で負った心の傷。
それは他者から見れば「なんてことはない」ことなのかもしれない。
けれど、当人たちは辛くて苦しくて……
2人の気持ちは等身大で感情移入し易く、読者の心の中にすとんと落ちてくる感じがします。

しかし、コマとコマの間の感覚と言いますか……ストーリーの滑らかさ(?)が足りないような気もします。
本当に綺麗な作品ですので、勿体無いなぁ……と思ってしまいました。

6

もう少しっ!!!!!!!!

【マイノリティ】
自分自身今年一番よく耳にしたWordの一つかもしれない。

この作品はソレを《白いチューリップ》に例えて
進行して行く。

作者(久喜わかめ)さんにとっては初コミックス。

導入部分で一旦躓く方が多いかもしれない。
正直自分もその一人だった。
しかし初コミックスなのだから…と、頑張ってw
読み進めた。

同族嫌悪がテーマ?のように感じたのは、過去のトラウマからゲイである事をひた隠しにしてきたカナと、それとは真逆な(ように装っていた)公言しているケーゴ。
一見 まるで真逆な立ち位置で生きてきたかの様な二人だが
読み進めるうちにケーゴの過去やそれに付随していた感情が
顕になる……しかし、
自分にはまるきり同じ(同族)にしか映らなかった。
何故なら多方のゲイ(同性愛者)がそうであるように
要は(隠す)か (隠さない)かの違いのみ!
確かにケーゴの拗らせ方は少し異常にも映る。
それ程 彼にとってはトラウマが大きかったのだろう。しかしソレを言うならカナだって思春期ど真ん中でクラス中にゲイだと知れ渡るなど…考えただけでも下手すりゃ自殺!?位の衝撃だった筈。
カナはソレを『マイノリティだ』と一人抱え込んで生きてきた。ある意味とても潔い。
反して公言して生きてきたケーゴは少なくとも彼を取り巻く環境内では『マイノリティ』を感じず自由に生きてきた筈…なのに、カナの『マイノリティ』を嘲るように暴き半ば弄んでいた感が拭えないケーゴの心を開く役目を果たすのがカナだという…
この設定だけ見れば(ほう…中々なストーリーじゃないか)と思うのだが、如何せんその肝心要のケーゴのパンドラの箱の中身が解りづらく 薄かった気がする。
もう少しダークさが欲しかった。

絵柄も構図もしっかりとしていて好感の持てる作品。
ただ(絵に語らせる作品)が好きなので 文字を追っても分かりにくい描写が多かったのと、仕草等がいちいち少女漫画っぽいのが気になって仕方がないのはとても残念だ。

両想いになってからの尻切れトンボ感が拭えないラストも残念!


5

詩的な読後感

読んでびっくり、花に例えられた詩のようなモノローグが多かったです。これは好き嫌いが分かれる部類なのでは...と思います。

似ていないようで似ている2人が、嫌い合ってぶつかってお互いを求めていくようになる物語です。

ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー

オープンゲイなケーゴとゲイを隠しているカナ。合コンで出会った2人は酔った勢いでヤッてしまいます。
その後、カナはケーゴのことをつきはなしたいようですが、彼はカナの冷たい態度をモノともせずに関わりを持とうとしていきます。

お互いに嫌いだと思っているのに、なにかと気にして関わろうとしているのは相手に自分を見ているからなのでしょうか。
2人とも過去の自分の経験から、相手に対して思うことがあるようです。
ここが結構切なかったです。一度辛い思いをしてしまうと、カナが臆病になるのもわかるし、ケーゴが諦めてしまうのも理解できます。

心に傷を負った青年たちが、傷を舐めあうような関係からお互いを求めるようになるまでの過程が描かれています。
自分が思うものを知っていてくれる理解してくれる相手ができるだけでこれから先がこんなにも明るくなるんだな~と、2人が出会えて良かったと思えるお話でした。

これから2人は新しく恋していくんだなと思える結末です。

最後の最後まで詩的モノローグはあるので、こういうの苦手な方は注意が必要だと思います。

7

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