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表題作あおに鳴く・続

嘉山 司朗
祖父を亡くした天涯孤独の高校生
菊/与田 鴻
戦時中からタイムスリップしてきた男

あらすじ

記憶を失いながらも新しい生活に馴染んできた菊と仮の保護者の司朗は穏やかな日々を過ごしていたが…徐々にそれらは失われていく。手探りで過去に触れ、自分達が何者なのかを知った菊と司朗の運命は…? 寡黙な男子高校生と記憶喪失の青年の時を繋ぐ連鎖の物語、完結。

作品情報

作品名
あおに鳴く・続
著者
 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
シリーズ
あおに鳴く
発売日
ISBN
9784758078801
4

(228)

(116)

萌々

(50)

(22)

中立

(28)

趣味じゃない

(12)

レビュー数
34
得点
874
評価数
228
平均
4 / 5
神率
50.9%

レビュー投稿数34

名前も知らない誰かを知り、その名を呼ぶまでの円環の物語

物語の最後、見事に冒頭へと繋がった、そこに嘆息してしまいました。

一巻の頭で、司朗くんが飛ばした飛行機は水面へと落ち、それと共に知らない男が現れ空を見上げて佇んでいます。
司朗くんがかける言葉は「どちらさま?」です。お互いがお互いを知らないだけでなく、鴻さん自身もまだおのれのことを知らない。

二巻のラストシーン、司朗くんは今まさに飛行機を飛ばした瞬間です。司朗くんはその飛行機を追って空を見上げています。
司朗くんが呟くのは「鴻さん」です。二人、お互いがお互いを知った一年は、鴻さんが自分自身へと立ち返り自分を知り過去を知り、それに落とし前をつけるに至るまでの一年でもありました。

作中で、司朗くんが呼び、鴻さんは呼ばれたのかもしれない、と二人は話していました。
お互いがお互いのことを知らなかった冒頭では、司朗くんは一人になってしまったその寂しさゆえに、そして鴻さんは今際の際の道連れを探したいがゆえに、お互いを呼び合ってしまったのかもしれません。
その御し難い孤独に耐え切れず、名前も知らない誰かを求めて。

お互いがお互いのことをよく知り合い、お互いにお互いが必要だということをよくわかっている二巻の最後では、彼らはそれぞれ相手にとってもはや名前も知らない誰かではありません。
自分にとってかけがえのない、世界にたった一人のその人。
その名前を互いに呼び合っているのでしょう。

行きて帰りし物語。
最高の作品に出会うことができました。

0

爽やかな重たさ

読後しばらく放心しました。
シリアスな雰囲気を挟みつつ、穏やかな日常がベースでキャラの掛け合いもテンポよく爽やかな雰囲気だと思います。ですがラストにかけてズシッと...。
キャラも魅力的で、丁寧な描写に惹き込まれます。
解釈分かれると思いますが、私は幸せな後日談を想像してます。
ストーリーもさることながら、絵が美麗ですね!実は表紙に惹かれて購入したのですが、中身もずっと綺麗なイラストで、見開きページの部分などとても綺麗でした。
あおに鳴くを読んで、灼先生の作品を何作か買いましたが、美麗なイラストとあたたかい作風がとても気に入りました!
何日か引きずりたくなる作品でした。出会えて良かったと思います。

1

ラストの解釈について

ま、ファンタジーですもんね。
前作のレビューにラストがどうなるか不安だと書いたのですが。
タイムスリップしてきた人がそのまま現在で生き続けるのは物語としてあまり考えにくい。
やっぱり一度過去へのケジメが必要となるのはわかる。
が、タイムスリップしてきた時と同じシチュエーションにしたからって、都合良く鴻が消えるのはあまりにファンタジーだなと。
そして、過去が変わって司朗は家族に愛されて育ちましたとさ…はご都合主義ではないですかね〜と思ってしまいました。
そう言っちゃうと最初のタイムスリップからご都合ファンタジーだから、おかしくないシステムなのかもしれませんが。

鴻「心中してくれるなら 俺と生きてくれ‼︎」
司郎が鴻に抱きつき、鴻は消える。

鴻は司朗の今と未来と過去に対してできることをしたい。
今の自分と司朗を心中させて。
結果、司朗の過去を変え、今と未来を変えることになる。
「俺と生きてくれ」は今の自分の気持ちと共にあってほしいという意味かなと。
そりゃこれだけのことをやられたら司朗は鴻のこたを一生忘れないでしょうね。

ラストの「次は俺の番だろ」「鴻さん」
このセリフがいろんな解釈ができるので、それを読者に委ねたんですよね。
だからモヤったりハピエンだと想像したり、いろんな感想が出るのが当然で。
そういう結末にしたんですよね。

てことは、読者それぞれが思う好きな解釈をして楽しめばいい。てことですよね。
そういう作品なんだと。

ラストはこういう意味ですよ!とわかりやすく提示されるのが当たり前ではない。
そう言われている気がします。

私は「次は俺の番だろ」と言うからには、何らかの方法で司朗と鴻が再会するのだろうと感じました。
家族写真が変わったのだから、過去が変わって司朗の人生、記憶も変わっていると想像できる。
なので司朗の頭の中で「次は俺の番」が見えたのではないかと。
例えば、過去が変わった(新しい)人生の中の知り合いに鴻のそっくりさんがいて、鴻の生まれ変わりか子孫だと確信したとか。
あるいはその人が目の前に立っているとか。

BL的にもストーリー的にもよかったので尚のこと、この終わり方に賛否が出るのはわかります。

萌えポイントたくさんありましたが、特に好きだったのは
初めてキスした後のやりとり。
司郎の剣の構えに「男前…‼︎」とうずくまっちゃう鴻←だから前巻の菊の構えのコマより、司郎の試合中の構えのコマの方が大きかったのね…と納得しました。どっちもかっこいいけどコマの大きさの違いは何?と思ったので

あと、叔父は菊次郎が好きだったんですね。

0

これだから恋は難しい…

前作から読みました。前作より2人の仲の良さが増していてほのぼのする場面や菊さんの可愛い顔にキュンとする場面が多かったです。
後半になるにつれ怪しい雲行きになりページを恐る恐るめくってました。読んだ人には分かると思いますが最後まで過去と現在『どちらを守るか』分かりませんでした。読み終わった今もどの選択がベストなのか分かりません。
一つ一つのコマに重要な部分が書かれていて1周では分からない場面がたくさんあります!
是非皆さんも読んでみてください

2

私の解釈とその後のハッピーエンドきいて下さい!

今更なんですが2巻分読ませていただきました。
確かに!モヤモヤ、よく分からない結末。

だからこそこの後読んで頂きたい。

鴻さんが消えた後、写真は司朗と両親が笑っているものに変わっています。
そこで司朗の過去から現在が変わっているのです。

鴻が遺骨を残した状態で戦死したのでしょう。
菊次郎はやがて鴻を諦めます。
妻子を愛し孫を愛し亡くなるのです。
司朗は穏やかな青春を過ごしています。
父母も健在です。

一瞬で未来が変わりました。
司朗が
次は俺の番だろ、って呟いているうちに。

鴻さん、最後のページの言葉です。
そこには描かれてはいないけど鴻がずぶ濡れで立っていたのです。
彼を見つけた言葉が
鴻さん、なのです。

見つけられた彼はたぶん、生まれ変わり。
司朗を見て妙に懐かしく愛おしく、やはりほとんど覚えてはいないのだけれども当然のように2人は特別な友達になります。

司朗も自分がなぜ初対面のずぶ濡れ男に鴻さんと声掛けたのか分からなくなっています。
でも、絶対に放さない、離れない。
彼らの青春はこれから始まるのです。

灼先生、ガトーコミックスさん
こんな感じで!
30ページ程で良いのでなんとか宜しくお願い致します!

4

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