デジタル版限定特典付き
厘てく先生、商業デビュー前から好きで、でも今までなかなか爆発的ヒット作はなく、才能はあるのに…!と何故か私が歯痒い思いをしていました。
今作を読んで身勝手にも思ったことは「やっと花開いた」に尽きます。
生意気な言い方をして申し訳ありませんが、本当にそれに尽きるのです。
冒頭から引き込まれる引き込まれる。
1話読んだだけで神評価待ったなしだと気持ちが昂る。
内容は他の方が触れられると思いますのでネタバレ無しで、とにかく厘てく先生待ってました!となりました。
もちろん今までの作品も好きです。
画力、ストーリー、どちらも巧みな作者様です。
それでも今作は圧倒されるほどに良作です。
少しでも購入を迷っている方は1話試し読みをしてみてください。絶対に読まなきゃとなります。
そして表紙に1とあるので、2巻があります。続きがある。まだまだこの作品を読ませていただける。
次巻はきっと発売日、日付が変わった直後に購入して読むのだと思います。
単行本化を楽しみにしていた作品だったので購入前から自分の中でもハードル上がり気味だったのですが、その期待をぶち抜いていくぐらい最高に良かったです…!
ふたりの間には言葉の壁がいつもあるのだけど、
ケイトの真っ直ぐな眼差しとすべてをありのまま受け入れる藤永のまっさらな心が合わさることで
読み手にその隔たりを感じさせない展開になっていたのがすごいなと思いました。
言葉も声も文字も音も、当たり前には存在しないのだということに改めて気付かされ、
それと同時に自分の気持ちを伝える手段は様々で、そこに垣根なんて無いんだなと感じました。
偶然に出会ったケイトと藤永が友達の距離を超えて、お互いを大切に想うようになるまで。
一緒に居て楽しいことばかりではなかったふたりですが、逃げずに向き合う様子に心が洗われるようでした。
ふたりのこれからが楽しみすぎる…!
次巻で出るまでに読み返し、またたくさん素敵なところを見つけたいなと思います。
カメレオンって俳優だからかな?と思っていたら、それ以上!!
伝えたいって全身で表して、何でも表現しようとする、自分が伝えるだけでなく、相手のことも理解しようとする藤永がとっても素敵でした!!
伝わるまで諦めない、理解するまで諦めない大切なことだなぁとじんわり。
手話で視覚的な部分だけでなく、目で伝えあってる、だからこっちを見てくれないと伝えられない、伝わらないというところもグっときました。
それをセリフだけでなく絵で魅せてくる!!
きちんと向き合って対話する姿が印象的でした。
ろう者と聴者の恋愛のお話。
設定から少し重めのお話になるのかな…?
と思ったのですが、全然違いました。
耳が不自由でも性格が明るい性格のケイトと、
“表現する”ことが上手な夢を追いかける藤永。
スクリーン俳優を夢見る藤永ですが、夢見る先では藤永の表現は伝わらず……
でも、聴こえないケイトの世界では藤永の表現は伝わっているというエモ設定が凄く心に刺さりました。
ドラマ等では、ろう者と聴者だとどうしても理解し合えない、伝わらない部分が出てきてしまうことがありガチ設定ですが、
この作品ではお互いが理解し合いたいという気持ちがあって徐々に恋愛に発展していく…というお話でした。
まだ1巻で完全に恋人になったワケでは無い…?
ため、続きでは2人に困難が待ち受けているかも知れないですが、早く続きが読みたくて仕方ありません……!
繊細すぎず、だけど丁寧に描かれている素敵な作品だなぁ…と思いました!
これはドラマ化しそうな予感……
表紙の吸引力すごくないですか!?(´⊙ω⊙`)
体温や呼吸が伝わってくるようで目を惹きます。
(さすが厘てくさんや…!)
『伝えたい』感情が心を熱くさせてくれて、
『諦めない』感情がグッと胸を鷲掴みする。
丁寧で繊細な話運びの中に感情の力強い熱量を感じる…!
そしてそして。
個人的に"ハートフル"って言葉は警戒しちゃうんですが
(BLどこ行った…?って陥りがちな罠の言葉だよね…)
シッカリとBLで胸キュンさせてくれるからめっっっっっっちゃ良いッッッ!!!
近すぎる距離感とか、
心臓がドキドキする音とか、
恋の始まりを感じる瞬間とか、
キュンキュンニヤニヤしちゃうんですよーーー!!!
(好き!!!)
ちなみに攻め受け表記はあるけど1巻は触れる程度のキスのみでした。
さてさて。
攻め:ケイト
ものすごく光属性。陽の者。
ケイトの笑顔はキラキラしててキュンときます…!
明るくて人懐っこくて表情が豊かな大型ワンコ系。
聞こえなくても伝えることを諦めたくないからと、
コミュニケーション力の高さを感じさせます。
受け:藤永
名字っぽいけどファーストネーム。
(ケイトが藤永のフルネームを知った反応に親近感w)
(私も「あれ?アオイ=フジナガ???」ってなった)
売れない俳優なんですが実は才能の塊。
表現力が強すぎて他の役者が霞んじゃうから敬遠される。
けれど藤永本人はその事実に気付いておらず、
自分の演技に自信が持てずにいて不安を抱えていました。
目に見えないモノさえ表現で見える世界に変える藤永。
音がない世界で言葉を伝えることを諦めないケイト。
藤永は夢を見失いつつある中でケイトと出会い、
表現力の素晴らしさを初めて称えられて、
手話と出会って表現の世界が更に広がってーーーーー。
グッとくる部分はやはり丁寧な対話ですね。
健聴者はニュアンスで会話することもザラで、
言葉にない部分も空気を読んで補完するのが日常です。
けれどケイトと藤永は全てを言葉にする。伝える。
目と目を合わせて伝わりきらない部分を補完する。
正確に気持ちを言葉にしようとするもどかしさや熱量がグッときます。
作中で藤永の表情が読み取れないまま会話が進み、
ケイトが誤解して少し齟齬が生じる場面がありました。
ケイトは「読み取り間違えた?」と確認するけれど、
藤永は訂正出来ないまま「間違えてないよ」と答える。
最終的に間違えてなかったとしても
個人的にはこれにはすごく切なさを感じてしまって。
些細な齟齬も不安に繋がってしまう怖さがあります。
ニュアンスでなんとなく過ごしてることに慣れている自分に気付きました。
ケイト側から見た聞こえない世界の表現では
唇の動きで読み取りきれないリアルさも刺さりました。
(この辺りは漫画ならではの技法が光ってますね…!)
(手話の奥深さも物語の中で自然に出てきて勉強になる)
BL部分ではやっぱり距離の近さに萌える…!!!
表情と口元をみるためなんですが、
ケイトは顔をのぞき込むようにグイッと距離を詰める。
その瞬間の藤永の反応が可愛くてニヤニヤしちゃいます。
あとケイトがデッカいワンコ攻めにしか見えず、
藤永と一緒にいるときは見えない尻尾が見える不思議w
全身キラキラピカピカ嬉しそうな姿が可愛い~~!!!
あとはやっぱり心臓の音ですねぇ…。
言葉じゃなくてもダイレクトに気持ちが伝わって、
読んでる私にまでドキドキが伝染してドキドキしました。
世界が広がる出会いの尊さがジンワリと伝わる作品です。
めっちゃ良かった。2巻がとても待ち遠しい…!!!