中原一也さんのレビュー一覧

悪役王子とお抱えの針子 小説

中原一也  石田惠美 

アリアドネの糸を手繰って

決してあの姿を見られてはいけないよ。だなんて、まるで御伽話のようでわくわくしてしまいますね。
地獄から戻った王子と呼ばれ人々から畏怖されている王子と、国内で忌み嫌われる蜘蛛の怪物・アラクネルと人間の間に生まれた針子の青年という組み合わせ。
織物といえば糸、糸といえば蜘蛛だと連想して今作を書かれたとのことですが、そこからこんなに魅力的なお話になるのかと驚き。
静かにそっと歩み寄るような心の動き…

5

悪役王子とお抱えの針子 小説

中原一也  石田惠美 

刺繍のようにひと針ひと針紡ぐ恋♡

作者買い

疎まれて育った王子と人間と蜘蛛の怪物との間に生まれた半分蜘蛛の男の子のお話です。

かつてこんなに蜘蛛が可愛く思ったことはないかもしれません。
もちろん虫シリーズも既読ですがここまで可愛い蜘蛛じゃなかったように思います。
表現がすごく繊細な作品でした。

最初のキスシーンも非常に斬新なキスの始まりで色んな意味で驚かされたし、心に残ると思います。

これはどうやってエ…

3

悪役王子とお抱えの針子 小説

中原一也  石田惠美 

スパイダーファンタジー

人外もので蜘蛛モチーフは初めてです。
蜘蛛かぁ……ビジュアル的にどうなんだろうと興味津々でしたが、挿し絵に蜘蛛は描かれていなかったのでちょっと残念。頭の中で色々と想像しながら楽しみました〜


というわけで。
蜘蛛と人間のハーフの青年・フィンが、王子・グレンの専属のお針子に採用されることから物語が始まっていきます。

人間の父と刺繍の名手と名高い蜘蛛怪物(アラクネル)の一族である母と…

4

悪役王子とお抱えの針子 小説

中原一也  石田惠美 

斬新な設定。

作家買い。
中原さんの新刊はファンタジーもの。あらすじを拝見して、ちょびっと買うのをためらいました。すみません。

ワタクシ、蜘蛛がとっても苦手なのです…。

まあ買いましたけどね。
そして、とっても面白かったです。





主人公はフィン。
彼の住まうセルセンフォートは養蚕業が盛んで、ほかの国では真似できない技術の織物によって豊かな財源を誇る国だ。かつて蜘蛛の怪物・ア…

3

つごもりの夜にもういちど 小説

中原一也  小椋ムク 

泣いた。泣き疲れた。

泣いた。泣き過ぎて。目の周りが痒いわ。

攻・向葵
受・吉乃

あらすじ割愛。

読んでいて、多分こういうことよね?という予想はつく。つくのだが!
じゃあ、この2人が幸せになるにはどうしたら良いのだろうか、と読みながら悩む。。

わからないんです。出会うはずのなかった2人、
恋に落ちるべきではなかった2人…

と、思うのだけれど。
出会って、恋に落ちたからこその痛みであ…

1

COMI COMI OF THE YEAR 2022 フェア小冊子 文庫・ノベルズ編 特典

番外編好きには嬉しい

COMI COMI OF THE YEAR のフェアで作成された小冊子。
墨と雪の番外編あると知り、ゲットしました。
以下9編で、1,3,4が好きで5が超好きだったので萌2にしました。

1.泣けない竜
超王道だけど好き。猫耳が大好きなんです。黒猫のコスプレ衣装を
ルードヴィヒに着させてしまい、あまりの可愛さに、衣装チェンジすると言い出すお話。
楽しい。

2.この手(左)

0

負け犬の領分 小説

中原一也  新藤まゆり 

豚まみれが猫まみれに

ちょうどいい感じに気が抜けた気怠さのある色気というのですかね。飄々としていて、大人の余裕がある雄の香りが強めの中年男性が登場するお話が読みたい時は中原先生!と思っています。
今作の苫澤もとても素敵なアダルト攻め。エロおやじ度はやや控えめです。
お仕事描写あり、癒しあり、猫あり、テンポ良しな1冊でした。
作中に登場する猫たちにとっても癒されますよ。

豚泥棒容疑をかけられる受けが登場するの…

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僕たちは昨日まで死んでいた 小説

中原一也  笠井あゆみ 

死を匂わせていますが、怖くないです。

死の匂いを嗅ぎ分ける能力のある月島と、彼の飲食店の改装工事に来た佐埜のお話。月島は佐埜の事が気になるけど、死の匂いがずっと佐埜から出ている事でなかなか心を通わせる事に躊躇しています。死の匂いを嗅ぎ分けられるきっかけとなった兄の死と、その後の家族の状態などもあって、人との関わりを深くは持とうとしなかった月島と、やはり、事情があって、人と関わらないようにしていた佐埜。
お互いに身内の死の影を漂わせて…

1

つごもりの夜にもういちど 小説

中原一也  小椋ムク 

幻想的なお祭りシーンからの官能表現が素晴らしい

このお話は、ネタバレ無しで読んで欲しいです。以下重要なネタバレは、書いていません。
攻めと受けのどちらかの時間速度が違っているのかな?向葵が病気なのか、吉乃が病気なのか?最初から不思議な感覚を感じながら、そこには一体どんなカラクリがあったのか?!謎解きしながら読み進める手が止まりません。

ただ、そんな中で、一瞬ですれ違ってしまうような時間の中を、向葵と、吉乃の2人が過ごす時間がとてもキラキ…

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僕たちは昨日まで死んでいた 小説

中原一也  笠井あゆみ 

ツラさと感動とで、目に涙が溜まる

中原一也先生の作品は複数、拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

個人的、各項目5段階で
シリアス 3
救済 3
不憫 3
涙 2
エロ 1
な感じだと思います。

死の匂いを漂わせた職人×死の匂いが嗅ぎ取れる料理人のカプです。受けの月島りくさんは、いつからか、人の「死の匂い」を嗅ぎ取れるようになってしまった。それは微かな甘い匂い。死の匂いを漂わせる人が命を絶ったり…

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