木原音瀬さんのレビュー一覧

WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

終わりから見捨てられた人々

電子新装版を読んだのですがページが見つからなかったのでこちらに失礼します。

木原先生の作品はいくつか拝読しているのですが、今まででいちばん疲れました。
とにかく疲れました。

世界の終わりから見捨てられて、本能の赴くままに生きることを強いられた人間達の行き着く先。

このお話は世界が急に砂になるというファンタジーチックな始まり方ですが、そのあとの諸々は実際に起き得るんですよね。

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嫌な奴(文庫版) 小説

木原音瀬 

愛なんていらない執着があればいい

木原音瀬先生の作品は設定や展開がすごく好みのものばかりなのですが毎回オチだけ受け入れられない!ってことが多く今回もびくびくしながら読みました。
結果、この作品は最後まで好きでした!
途中なんでやねん!ってところもありましたが、私も木原節に慣れてきたのか今回はこれか〜って感じで割と流せました笑。

とにかくこの二人の関係が大好きすぎたのでもう細かいことはいいです!愛し合ってない、信頼関係が築…

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吸血鬼と愉快な仲間たち 4 小説

木原音瀬  下村富美 

もう目が離せない

シリーズ4冊目。
なんと振り幅の大きい1冊なんでしょう。
もうタイトルの「愉快な」がまったく似つかわしくない、急転直下のシリアス展開。
特に最後の方なんて、いつもの木原先生キター!(古い)によりスパイス効き過ぎてひりつきが治まりません。
甘くやさしく残酷な嘘。
キエフは一番割に合わない役目を引き受けたんですね。
続きが非常に待ち遠しいです。続き出てくれて良かったです。
(情報ではあと…

2

黄色いダイアモンド 小説

木原音瀬  鳩屋タマ 

あまりにもリアル

萌えたか萌えないかで言うと分からない。
好きか嫌いかで言うと間違いなく好きな1冊。
そんなことを思った作品でした。

木原先生作品の中ではかなりマイルドな読み心地かなとは思いますが、どの登場人物も本当に実在していそうなくらい解像度が高いというか、生活や言動のすべてがリアルすぎて時々苦しくなります。
痛くはない。でも苦しい。
飾らない言葉で真っ直ぐにザクザク刺してきます。
眠る前に少し…

3

吸血鬼と愉快な仲間たち 3 小説

木原音瀬 

本物吸血鬼と中途半端吸血鬼

シリーズ3冊目。例のドラマの続編撮影のためにアルがアメリカに帰国(っていうか密入国)することになるお話。
3巻のポイントは、アルの帰国に伴って暁も休暇取得で渡米すること、そのため暁の過去が少し判明すること、それから本物吸血鬼のキエフの登場でした。
キエフ。本物吸血鬼。何百年も生きている先輩なのです。
そうか、これがそうなのか! と目を瞠る思いでした。
アルは昼間コウモリ、夜は人間という時間…

1

吸血鬼と愉快な仲間たち 2 小説

木原音瀬 

暁のモテは罪深い

2巻は暁の魅力が炸裂した巻でした。
それどころか、とにかく総モテです。本人はそんな事態を1ミリも望んでいない。だからなのか余計にモテ期でした。
分かる。暁がモテるの分かる。荒くれてるけど実は優しいし、美クールだけど熱いし真面目だし。
(やむにやまれず)コウモリ飼ってるし、美的センスも必要とされる技術職。自分のこと語らないからミステリアス。
そりゃモテますわ。
2巻では、困っている人をほっ…

1

灰の月 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

タイトルの考察

読後じわじわ効ますねー。
読んでる時の脊髄反射の感情と、読み終わって振り返ってみると違う景色が見えてきたり。
ちょっと置いてまた再読したいです。

タイトル「灰の月」
個人の勝手な考察なんですが
燃え尽きた紙の月(ペーパームーン)
→燃え尽きた紙(灰)の月なのかなと。

ペーパームーンは張りぼての月が由来で、まやかしや偽物という意味がある反面、紛い物でも信じ続ければ本物になる。と…

3

吸血鬼と愉快な仲間たち 小説

木原音瀬  下村富美 

妙に軽いあらすじや帯に引かずに読んでほしい

おもしろかったです。
木原先生の作品を白と黒に分けるなら、完全白い作品。少なくとも1巻は。
不幸にも中途半端な吸血鬼になってしまったアメリカ人のアルが、コウモリの姿のときに冷凍牛肉にまざって日本に出荷されるという不幸な事態に見舞われ、解凍されて色々あって日本で生活するようになる1作目。
日没とともに人間になり、日の出とともにコウモリになる、自分でのコントロール不可、と言う難儀な体質が気の毒だ…

2

期限切れの初恋(BBN) 小説

木原音瀬  糸井のぞ 

BLとしては・・・

木原先生は8作品目。

読み終わって「これはBLなのか?」と思いました。
確かにBLではあるんですが、個人的にはどっちつかずな印象を受けました。
大半がとことん現実を突き詰めた内容に占められていたので、最後の展開に少し違和感を覚えました。
あくまでも個人的な感覚ですが、ほとんどBLとは関係ないストーリーだったところで、最後によくわからないまま宇野と村上がヨリを戻して終わりというのが...…

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美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

「美しい」「愛しい」「愛する」とは何か

やっと読みました...
木原音瀬先生の作品はこれで7作品目。
こちらのホリーノベルス版だけでなく、Ripika Novel版もお迎えし「愛すること」も拝読。
今まで読んだ中では最も穏やかな読後感でした。


読み終わって、「美しい」って何なんだろう、と考えました。
女装していた松岡の見た目?
松岡という人間の内面?
何だろうなぁ...と。

同じように、考える。
「愛しい」…

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