樋口美沙緒さんのレビュー一覧

パブリックスクール-ロンドンの蜜月- 小説

樋口美沙緒  yoco 

お互いの矛盾に寄り添って心を紡いでいく

礼とエドの遠距離恋愛が終わり、いよいよ始まったイギリスでの同棲生活。

タイトルにある蜜月というワードから甘々なエピソードを予想していたのですが、今作はイギリスで働き始める礼の、新しい世界に対する戸惑いや自分にとってのアートとは何なのか、なるべく自分の力で努力しエドと対等でありたいと思う、そんな様々な心の葛藤にいろんな感情が揺さぶられました。

前作で登場したデミアンが礼にすっかり心を開い…

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パブリックスクール-八年後の王と小鳥- 小説

樋口美沙緒  yoco 

王のはかり知れない深い想いに心打たれました

エドワードの抱えてきた重責、孤独、深い愛情が今作でやっと本当の意味で理解できた気がします。

愛する人を守るためにその気持ちを隠しながら必死に努力し絶大な力を得ても、そんな自分の隣にいてもらうためには必ず痛みは伴い苦しい思いをさせてしまう。

そのことを怯えながらも正直に礼に伝えそれでもなお、その覚悟をもった上でそばにいて欲しいとすがるように願うエドの告白にとても心を揺さぶられました。

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キャラ文庫アンソロジーIII 瑠璃 [パブリックスクール]番外編「画廊オーナーの気がかりな案件」 小説

樋口美沙緒  yoco 

オーナーの嫉妬ににまにま( ̄▽ ̄)

キャラ文庫アンソロジー『瑠璃』の一編。
『瑠璃』は、未読のお話の方が多くて購入を見合わせていたのですけど。
電子だと分冊で入手できるんですねぇ。
なので読みたいものだけ購入させて頂きました。

「パブリックスクール」より『画廊オーナーの気がかりな案件』

攻め様であるエドワード視点で進むお話。
めっちゃ好き"(ノ*>∀<)ノ

礼の為に設けたギャラリー「パ…

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恋する食卓 五月 いちご惑情 小説

樋口美沙緒  末広マチ 

片想いの味 甘酸っぱい苺ジャム

ユキの「思い出にしておきたい」という呟きを聞いてから、
相愛だったのかと内心喜ぶ隼。

でも独りよがりの隼は不器用で、ユキに本音を言えないまま、
会話の切っ掛けを作れず聞けない。

そんな状況の中で、ユキは隼に何も相談せず、
俳優の鏑木修司が経営する店で、
雇われ店長を引き受け、隼の家を出ていくことに決めていた。

或る日「ここに居れない」と、ユキから突然告げられて
隼は衝撃…

3

王を統べる運命の子 4 小説

樋口美沙緒  麻々原絵里依 

とても面白いシリーズだった

とても良かった。
最終巻。忘れられた神エラドの真相が悲しかった。やはり人間は欲深くて愚か…神の力なんて身に余るよ…と思ってしまう。

そして受けの余命を攻めがどう乗り越えるのかというお話。苦しみ呻きながら涙する攻めの姿が切ない。なにをどうしたって、大切な人との死別が楽になることなんてないというセリフが印象的でした。ただ幸せに生き切ることが相手を慰めるものになるとうい考え方も好き。

全体…

3

パブリックスクール-檻の中の王- 小説

樋口美沙緒  yoco 

素晴らしい愛と成長の物語

こちら大好きなシリーズです。再読したのでレビューします。ネタバレは少なめです。

受けの礼は12歳で唯一の家族である母を亡くし天涯孤独となりますが、母親譲りの愛情深い人です。
攻めのエドは、地位も能力も美貌も何もかもを持っている貴族ですが、家族の愛情だけは得られません。
そんな孤独な2人の愛を、十数年に渡って描くシリーズです。(4巻、6巻は別の主人公。)

1巻は主人公たちの子ども時代…

1

王を統べる運命の子 4 小説

樋口美沙緒  麻々原絵里依 

嬉しい誤算の続きに

前巻で完結するもんだと思ってたから、続きが早く読みたくて仕方なかった!!
自分の死を受け入れてほしいリオと、何としてでも生かせたいルストのすれ違いが苦しくて苦しくて切なかった。そのすれ違いこそが、お互いへの行き過ぎた愛っていう何とももどかしいし、読者が焦らされてる感じがすごく良かった。
物語に頻繁に出てくる言葉、『生きることに意味なんてないけれど、この世界には生きる価値がある。』このリオへ向け…

2

王を統べる運命の子 4 小説

樋口美沙緒  麻々原絵里依 

大満足です

3巻がまさかの終わり方だったので、あれからのハピエンが全然想像できませんでしたが、流石の樋口美沙緒先生ですね。すごく綺麗に着地したし、「王を統べる運命の子」というタイトルにも納得のいく内容でした。

最後まで読んで何でここまでねじれてしまったのを考えてみると、やはり立つ位置によって見えるものが違い、思い描く理想が変わるということでしょうか。ラダエ三姉妹によって守られ、振り回され、牛耳られていた…

6

恋する食卓 三月・蕗のとう慕情 小説

樋口美沙緒 

四月は菜の花

白泉社花丸文庫の2023/4月発刊の電子版を購入。

三月の蕗の薹の次、四月は菜の花。

土の香りがする季節の食材を素朴な調理で提供するユキ
悪意ないユキはとても魅力的で、罪作り。

隼の失恋で負った古傷がまたうずきだす。
鈍いユキは気づかない。

ユキへのお土産は、マカロン

料理上手のユキが隼に作ったのは、
味噌汁
さやえんどうの細切りの胡麻和え 味付けは塩
田舎…

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王を統べる運命の子 4 小説

樋口美沙緒  麻々原絵里依 

苦しい旅を乗り越えた先に待っていた尊い結末

これまでは生まれてきた理不尽な運命に嘆き苦しんできたリオが、セスやユリヤとの別れを通して、生きる意味や価値にとらわれず今をどう生きるか、自分の心のままに生きようと新たな決意をもって前向きに進もうとする姿に、リオの心の成長を感じました。

今巻はリオ以上にルストの心のほうが見ていて辛くなりました。

ルストは王の身を捨てリオに真名を与えてしまった過去があるし、何度だってリオを蘇生させる可能性…

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