沙野風結子さんのレビュー一覧

リバーシブルスカイ 小説

沙野風結子  和鐵屋匠 

山岳テイスト満載のエロ表現が素晴らしいです

BL小説界のK2でしたね。登頂するまでに時間がかかってしまいましたが(積んでたので…)、登頂して見上げる空の蒼さに自分が融けてしまいそうだ…くらいの気持ちになる山岳BLでした。すごかったな!!

主人公は天才アルピニストを弟に持つの蒼一。高校のときに弟(昇)の親友となる陸のクライミングを目の当たりにして以来、自身のクライマーへの夢を彼に託し(ひっそりと)医者の道に進むのですが、有名なアルピニス…

2

天使の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

久しぶりにガッツリ引き込まれました

前作は未読です。
それでも違和感なく読めました。ちらっと出てくるスタントマンのお話のようですが、無理なくスッと理解できましたし。なんなら興味が湧いてそっちも読もうかなという罠にハマります(笑)

で、ストーリーが練られていて、まぁ攻めは最初の出会いから受け君に惹かれてしまっていたということなので、そう考えれば攻めの葛藤も理解。
それより受けが攻めだったという背景が恐ろしく興味をそそる…そし…

3

アカサギ 詐欺師と甘い鉄枷 小説

沙野風結子  小山田あみ 

詐欺師とは言うけれど

男性を手玉に取る結婚?詐欺師。その被害者から依頼を受けた弁護士。しかもヤメ検。どちらも過去に色々あって出会います。

アカサギのマキちゃんは男をメロメロにして時計を貢がせる。コレが実は、、、と言うのがマキちゃんを単なる犯罪者にしてないところ。被害者が子供を捨てた父親ってとこがミソですね。弁護士である恩田もバツイチで息子を手放した父親だった。
恩田の場合はどう愛情を注いだら良いかわからなくなっ…

1

夢を生む男 小説

沙野風結子  北沢きょう 

「夢生み」と「調律師」

SF要素入りのBL
「夢で願う事を現実化する」夢生み
夢生みが視る夢を支配する「調律師」
・・夢を見させて、夢生み者を支配する九条家の調律師。

冒頭から、暁が何かから逃げ続けている、転居するためにバイトを辞める。
バイクに乗り外出したところ、黒猫をよけて事故に遭い、目覚めると実家に戻っていた。
三人兄弟の夢生み。 
兄の朔は、夢を見たまま目を醒まさない。
次男が家に戻る様に夢生…

1

月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

リメイク

カバーイラスト&タイトルが素敵です。

近親ものでこんなにモラル面を横目に意識させながら萌えに繋げるのって、もはや今どきのBLじゃ珍しいし、主人公の恵多がラブむきだしなのも作者様の作風にしては新鮮。

冒頭から片思いのキュンキュンが止まらないなんて、近年の作者様の作品にしては怪しい…と訝しみながら読み進めていったんですけど、ふと既視感を覚えてリメイク作品だったと知り妙に納得しました、、

2

籠蝶は花を恋う 小説

沙野風結子  佐々木久美子 

私のBLの原点

8年ほど前、初めて購入したBL小説で、いまだに何度も読み返す大好きな作品です。
沙野先生の作品の中でも1番好きです。

落ち着いて切ない雰囲気だけど、どこか淫らな雰囲気が何度読み返しても最高です。

純粋無垢な主人公が、ひたすら健気に愛し、愛されています。

中でもいたしている時に中津さんが口を押さえるシーンは淫靡すぎるし、我慢をしながら、惨めな思いをしながらも懸命に自分の務めを果た…

1

疵物の戀 小説

沙野風結子  みずかねりょう 

お父さん何て(オイシイ)ことを…

「きずもののこい」と読みます(読めずコピペして検索してた人)

二人の気持ちは“この人只一人だけ”という純愛ですが、そこに混じる淫靡さや屈折したエロスが堪らなかったです。

尊敬している剣道の玖島先輩が、借金のカタに奴隷として真智の家に来る。父が脱げと言えば全裸になる先輩…
自分は奴隷なんて望んでいない、父の罪を償うように、真智は玖島の部屋で全裸になる。

科学者とSPという立場にな…

3

神の飼育―真白き神の恋― 小説

沙野風結子  座裏屋蘭丸 

まるでけだものだ

銀の長髪受け、恋愛より大義の攻め(@あとがき)、触手、座裏屋先生の挿絵と好きな要素目白押しだったはずが、合わさると思わぬ弊害が。

表紙と「飼育」というタイトルからおどろおどろしい雰囲気の触手かと思っていましたが、桐羽も敷島も基本は初心なかわいこちゃんでした。初心というか硬派な敷島が触手をけしかけるなんて下卑た真似をしているのがどうもしっくりこず。高潔な人物好きの自分には2人とも徹底されている…

0

なれの果ての、その先に 小説

沙野風結子  小山田あみ 

どはまりしました

これぞ沙野さん!

『エロチャレンジャー大王』復活でございますね。
受け様ではなく攻め様がオナクラデリバリーのキャストであることとか、クライマックスで登場する『双頭のあれ』とか、読者を「エロの部分で楽しませたい」と考えられているだろうことがはっきりと見えるので嬉しいです。
こんな感じの『スペクタルエロ』を読むと、私、なんか元気になるんですよね。

あと、今作を読んで、私が沙野さんのお話…

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なれの果ての、その先に 小説

沙野風結子  小山田あみ 

絶望から生まれ変わる2人の話

おのれのアイデンテティが揺らぐなか
グローバル化の世界で日本をどう舵取りするのか迷う官僚の重厚な世界なのにあくまでBLでしかも観重すぎず一気に読める上手さ
流石ですとしか言いようがない

1人は生まれた時から
もう1人は後天的に
自分を見失い虚無の淵に佇んでいた男2人が出会い
そこから初めはゆっくりとやがて激しくなる化学変化
足掻くようにもがく様に互いの魂を掻き抱き互いの手を握り立…

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