渋茶さんのレビュー一覧

偽りの騎士と美貌の伯爵 小説

池戸裕子  史堂櫂 

身分差のこだわり

2017年刊。
中世の価値観を土台にした物語。
貴族と商人といった身分違いの隔たりはあるものの、主従ものとは違う。
堅苦しさはなく全体的にあっさり目だが、身分差のしがらみ故に自分の思い通りにできないもどかしさ、相手を引き立てたいって情熱は伝わる。

貴族のクロードと商人のレオンは互いの相手に対する恋愛感情を抑えて、唯一無二の存在として認め合っている間柄だ。
伯爵家とはいえ私利私欲に走っ…

0

執着チョコレート 小説

葵居ゆゆ  カワイチハル 

攻め中心に巡って行き過ぎ

2015年刊。
高校生の頃の事故で一部の記憶を失っているショコラティエ・啓杜(けいと)が、その鍵を握るであろう人気作家・高宮と偶然に再会する。
優しい雰囲気なのにどこか強引で押しが強い高宮。
彼に対する記憶の無い啓杜から見ると引っ掛かる点はあるし、どこかしら警戒するであろう部分も分かる。
それなのに、心のどこかで高宮を受け入れたいという意識を持っていた敬杜は、彼に関する事を思い出したくなっ…

1

堕ちゆく者の記録 小説

秀香穂里  高階佑 

緻密に計算されたKの〇〇劇

2009年刊。
電子書籍にて購入したのだが、挿絵が付いていないのが寂しかった…

この小説を知ったきっかけは他レビュアーさんの『弟の番人』のレビューを読んだのがきっかけだった。
秀さんといえばどこか仄暗いとかドロドロした作風のものが得意そうな印象だが、これは完璧にノーチェックだった!!
二作品とも全く違う内容の独立した物語だけど、もし両方に興味を持ったならば先にこちらから読むのを薦めたい…

1

放課後は獣の時間 小説

真宮藍璃  すがはら竜 

獣人社会の特権階級も煩わしいものなのね

2017年刊。
獣人社会の世界観内に学園もの+身分差もの+獣モフも盛り込まれている。
作中では貴族社会に加え、純血獣人の家系が一番権力を握っており、代ごとに人間の血筋が入っている獣人混血の血筋ほど見下される対象となっている。

混血人種は通常より人から獣(獣騎士)に覚醒するのに時間がかかるらしいが、体内に純血人種の精を取り込む事で覚醒を促す方法もあるらしい。
家督を継いだばかりの混血獣人…

2

恋のプールが満ちるとき 小説

名倉和希  街子マドカ 

アノ告白が際立っています(笑)

2016年刊。
真夏に読むのにうってつけかと思い、電子書籍にて購入。
水泳選手日本代表×彼に憧れていた普通の選手という事で、スポーツ物ならではの泳ぐ事の爽快感とかの描写を期待していたが、二人がプール内で泳ぐシーンはほんの僅かだ。
スイミングスクール内が舞台で、指導している子供達の実力を伸ばしたいと思う情熱がメインとなっている。

濱崎に抱いていた憧れを恋心と自覚した優希だが、彼が同じスイ…

0

眠れない捜査官が愛を知るまで 小説

遊佐なずな   みずかねりょう 

発想は斬新なのだけど…

2019年刊。
特殊能力を発揮する刑事もの?らしいあらすじに惹かれて購入。
しかし実際に読んでみるとこの話、刑事もの、バディものと言うには相当異色だ。

大好物な設定なのにいまいちピンとこなかったのは、何といっても『凶悪な残留思念が”ファクター”として人に憑依する事によって、残忍な殺人犯が産み出される原因となる』設定にある。
この発想は斬新で目を惹くが、どうしても悪霊憑きのイメージを混合…

3

禁断症状 小説

紗名マリエ  梨とりこ 

大将ってば!!いい線行っていたのに!!

2009年刊。
触手ものもイケるクチなので(笑)何冊か買い溜めてあったうちの一冊。
淫夢と従兄弟に片想いしている現実がどう結びつくかってのが楽しみであったが…

触手メインの長編として、一冊通して獲物(受け)を辱める場面ってのをじっくり読めた。
その一方で、従兄弟同士のカップルの絡みもしっかりと書かれている。
聖也に隠してた夢の内容がばれるものの、逆に密かに片想いしていた彼に初めて抱い…

1

七月七日 小説

愁堂れな  高星麻子 

月日に流されるままに

2012年刊。
一部は2003年頃に作者の個人サイトに掲載されていたらしいが、肝心の二人の転機となる部分が大幅に加筆されている事で、ようやく一本の話として完成された形になっている。

世捨て人のような攻め・流田と、流されるままに他の女性と結婚した受け・佐久間。
二人は大学受験の試験日当日に互いに惹かれて以来、身体の関係まで発展したものの、恋人同士とは言い難く腐れ縁のような関係が続いている。…

2

うちの嫁がすごい~だって竜神~ 小説

淡路水  駒城ミチヲ 

人懐っこい竜神さま

2016年刊。
脩平の実家がある島では50年に一度、海渡家の血を引く者を竜神の元に生け贄に出す因習が残っている。
久々に帰省した際に一歳の赤ん坊を出すというのを知って反発した脩平は、自ら生け贄の役目を買って出た。
そうして離れ小島の祠内で生け贄として待っていた修平の前に現れたのは、ヒト形サイズよりも小さな可愛いらしい竜だった。

竜神攻めは多数あれど、竜神受けってのはこの話で初めてお目に…

1

旦那様の通い婚 小説

可南さらさ  高星麻子 

受けの成長物語として読めるのが何よりの支え

2016年刊。
年の差新婚カップルのすれ違いとはいえ、受けの健気さに救われる部分と、攻めの胸糞悪さに腹が立つ部分との振れ幅の大きさに驚いた。

鈴音は祖父が亡くなった直後に一月ほど寝込んでしまい、それを機に東悟が豹変したのを悟ってしまう。
次第に奥様とは名ばかりで全然役に立たないと打ちのめされていき、家の中で孤立しているのを感じた鈴音は遂に飛び出してしまうが、いざという時に彼を見守る的人物…

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