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表題作堕ちゆく者の記録

アパレルメーカー社長 石田敬一(K)
アパレルメーカーデザイナー 阿東英司(A)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

9月1日、俺は目覚めると、檻の中に囚われていた──』ある日突然、勤務先の青年社長・石田(いしだ)に監禁されてしまった、デザイナーの英司(えいじ)。「今日から君をAと呼ぶ。これは三十日間の実験なんだ」石田は1冊のノートと鉛筆を渡し、日記を書けと命じてきた!!名前と自由を剥奪され、身体も精神も支配される──官能と狂気に晒されて、人はどこまで理性を保てるのか、衝撃の問題作!!
出版社より

作品情報

作品名
堕ちゆく者の記録
著者
秀香穂里 
イラスト
高階佑 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199005091
2.9

(41)

(6)

萌々

(6)

(13)

中立

(11)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
22
得点
104
評価数
41
平均
2.9 / 5
神率
14.6%

レビュー投稿数22

うーん

何とも評価のしづらい作品でした。
深すぎて、ちょろっとBL楽しもう!って感じで手に取ると失敗します。
木原音瀬さん的(一緒にするのもどうか、ですけど大きな枠組みとしては同じ匂いがします)な、少々難しい物語になってます。

攻めの歪んだ、というには長い生い立ちと経験、立場。
何の罪もなく翻弄される受け。

監禁されますが、受けの葛藤があまりに特殊で、負けず嫌い?プライド?からくる前向きさが邪魔して攻めの思惑通りに進んでしまうのがどうにも共感できず。
攻めも、これまた何でそうなったのか、箱(コインロッカー)と檻がどう作用するのか私の軽い頭ではイメージ出来ず。
攻め受け双方がどう言ったところからそいう感情に嵌まり込んでいったのかが分からず。愛情がまったくもって読み取れなかったんですよね。情、という意味ではあった気もしますが、彼らの中に芽生えた愛はわからなかった。


人間としての尊厳や憧憬、嫉妬、なんかの感情が入り乱れた発路がこの監禁に繋がったのかな。お話としては面白かったんですが、BL的には一般受けしないだろうなぁ。

0

面白くて一気に読み耽りました。

「黒い愛情」をきっかけに読むようになった作家様ですが、やはりこの方の人の精神に切り込んでいくお話はグイグイと引き込まれる魅力があります。

本作は、正しい世界に住む人間を変えてやりたいという妄念に取り憑かれている人間(石田)が己の理想のような「正しい人間」の主人公(英司)に出逢い、監禁して調教しようと画策するお話なのですが、読み進めると徐々に分かってくるのは、石田が心の奥深くに抱えている正しさへの強い憧憬と、それを持っている英司へのある種の信仰心のような畏敬の念。
なのにそれを壊したいと強く望む石田のこのちぐはぐな行動の意味は何なのだろうと頭を捻り、あぁこいつは絶対的なものが絶対的であることを証明するために自分にとっての偶像を破壊しようとしているのか、という読解に辿り着けた時、何かストンと腹落ちするものがありました。
壊れてほしくない自分の理想を全力で壊しにかかる石田はサイコパスだなぁとは思うけれど、自分の手なんかでじゃ到底壊すことなんて出来ないと証明できた時に救いに繋がるというのは解らないでもない気がします。
そのうえ英司は石田の想像を更に遥かに超えていたのですから。
9/23のKの日記に出てくる「きみは私の正気」という言葉が読み解く道しるべになったかなと思います。

それはそれとして。
英司の方を理解するのが私には難しいなぁ。
ただ、ストックホルム症候群ではないだろうなぁ。だってそれだと「壊れている」じゃない。
英司は英司で何かから解き放たれてちゃんと自分の意志で戻ったんだ、と読んでいいお話だと思います。
なんとなくだけど、デザイナーという英司の職業を考えると、アーティストとかクリエイターには時には必要な「狂気」を手に入れたんじゃないかな。
昔の正気100%の英司では生み出せなかったものが、石田の狂気に触発されて生み出せるようになった。
つまり石田の逆で、英司にとっての石田は「きみは私の狂気」というところじゃないかな。
そんなふうに読み終えていますが、、、でも私は凡人だから、なんだか命を削りそうな生き方だなぁ、ちゃんと2人で長生きしてよー!なんて願わずにはいられません。

「黒い愛情」同様にこちらも評価がかなりバラけていますが、恋愛を越えたような関係性がお好きな方は面白く読めるんじゃないかなと思います!

4

意味が深めの監禁ネタ


常軌を逸した執着や独占欲からくる監禁ネタではなく、スタートは攻めの意図あっての実験のようなもの。
だからはじめにチラつく愛や恋要素はなく、淫乱にしたいわけじゃないという攻めのおかげで、性的な行為があっても即堕ち完堕ち状態はなくじわじわと楽しめました。

日記を通して双方の心の内も分かるので、話に入り込みやすかったです。


この生活を強制されたA(受け)にとってはたまったものではないですが、それを行うKにとってもAを通して命をかけているようなゾクゾク感があり、檻の中にいる者と外の者…立場の優位は違うはずなのに、終盤は共倒れギリギリのような危うさを感じ新鮮でした。
Aもよく抵抗して頑張っていたと思いますしラストに辿り着く流れも強引ではなかったと思います。

ただメリバになるのでしょうか。
Kがこんな監禁をしたことによりAが変えられたという事実は間違いなく、これがなければ理想的な上司と優秀な部下の関係のまま、何事もなかっただろうなと思うと心が震えます。

ようはKによってAは確かに変えられた、Kの行動によってAの恋愛感情に似ているかもしれない何かが生み出されてしまった、という人工的な感情、落ち着いた関係に恐ろしくもありつつなんとなく惹かれます。

二人ともハンサムすぎて目の保養でした。

2

弱っている時に読んではダメです!

「いつかは読まねばならぬな」と思いつつなかなか手が出せなかった本作。
やっぱりハードだ。
重い……
そもそも「これ、恋の話じゃないでしょう」と言いたいのですよ。

凌辱監禁ものではあるのですけれども。
ただ「好きで好きで、でも自分の思い通りにならないから監禁しちゃえっ!」っていうのとは違うんですよ。
KがAを監禁する理由は強いて言えば『自分の運命に対する復讐』。
もうひとつは『真っすぐなAの素質への信頼(適切なの言葉かと言えばちょっと違う気もしますが)』。
前者が勝てばAは壊れ、後者が勝てばAは『化ける』。

この物語のラストは『愛が生まれた』というよりは『典型的なストックホルム症候群』だと思いました。
ただ、唯一の命綱である監禁者に強い愛情を抱かざるを得ないがため起きてしまうのがストックホルム症候群だとすれば、その心のあり様は『虐待する親を慕う子ども』と重なる様な気がします。
そういう意味では「石田の『復讐』は成功したのかもしれないな」と考えたり。
読み終えて、強く心に残ったのは『Kの自己愛』。
互いにあげたり、もらったりする愛情を感じることが出来ず、阿東は最後まで『被害者』としてしか見られませんでした。
ただ、こういう形でしか自己愛を保てなかった石田の心の中を考えると、とてもうすら寒くて、哀れとしか言いようがないのです。

胸糞悪い話ではありませんでしたけれど(ごめん、あくまでも個人的感想です)人の心の動きというものの不思議さ、もうちょっと言ってしまえば『気持ち悪さ』を強く感じまして、そういう意味では『面白い』本でしたよ。萌えなかったけど。
心が弱っている時には読んではいけない本だと思います。

2

理解不能な狂気

先日初めて監禁モノを読んで、すっかりそのシチュエーションにハマってしまいまして。
監禁といえばピリピリと緊迫した空間、謎、何者かの強い執着が見どころ。

ある日目覚めると突然、デザイナーとして勤務する会社の社長・石田によって檻の中に監禁されていた英司。
身体の自由を奪われ、食事や睡眠、排泄までも管理され、恥辱を与えられる日々が始まります。
何故石田が?仕事はうまくいっていたし、関係だって良好だったはずなのに?
何もわからない中、必死にプライドを守り抵抗する英司でしたが、石田の魔の手は英司の性的な部分にまで伸びてきて…。

執拗な愛撫で絶頂寸前まで追い込んでから「性欲」or「食欲」の選択を迫ったりと、英司を追い詰めていく石田と、与えられる屈辱と性的快感に抗いつつ、自分が変えられてしまう予感に葛藤する英司。

石田は、強引に、でも緻密にじっくりと、精神的・肉体的支配をしようとしてきます。
英司は娯楽ひとつない檻の中、気が狂う一歩手前で死ぬか生きるかの戦いを強いられる。
そしてとうとう高められた欲望を解き放つときがきて…。

もう、ただひたすらにえげつなく、エロい!
でも石田は、英司が快感に喘ぐことは喜ぶのに、英司が快楽に堕ちた淫乱になることは許さない、厳しい支配者なのです。
そこに愛はあるのか?あるのは狂気だけなのか?
あー、わからない。
常人には全く理解できないよ。
繰り広げられる陵辱については「K(石田)の日記」を通じてwhy?の説明はされているにもかかわらず、その理屈は理解出来ないのです。

1ヶ月間と決められて始まったこの監禁生活。
その約束は守られるのか?
解放後2人の関係はどうなるのか?
展開や結末がまったく想像出来ないため、最後までハラハラ。
ラストはやはりそうなるのか…と。
狂気が身を結んだというべきか。
Kの勝利のようでいて、A(英司)が女王的ポジションに君臨したようにも見えて、なかなかに面白いラストだったと思います。

もしこれが対女性の監禁物ならば、力の差による支配が大きすぎて、あまりに悲痛で多分読めないと思います。
男性の、同性に対する“何をされても屈したくない”というプライド、マウントを取られまいとするマインド。
このへんの関係性が、男同士特有のものに感じられて、ものすごく興味深く読むことが出来ました。
萌えはないけど、この手のテイストの小説には無理にそのへんは求めません。下手するとバランス崩れるので。
評価は萌〜萌2の間です。

フィクションでしかあり得ない、あってはならないシチュエーションを読む。
そんなことが、私の中では小説を読む楽しみの一つとなっています。

2

緻密に計算されたKの〇〇劇

2009年刊。
電子書籍にて購入したのだが、挿絵が付いていないのが寂しかった…

この小説を知ったきっかけは他レビュアーさんの『弟の番人』のレビューを読んだのがきっかけだった。
秀さんといえばどこか仄暗いとかドロドロした作風のものが得意そうな印象だが、これは完璧にノーチェックだった!!
二作品とも全く違う内容の独立した物語だけど、もし両方に興味を持ったならば先にこちらから読むのを薦めたい。
そうしないと、この話の持ち味であるKのサイコ味が薄れてしまう心配があるからだ。

さて、この話は拉致監禁もの故に万人には気軽に薦め辛いものがある。
恐らく『拉致監禁ものっていうと、アレが入ってそうだから…』って苦手要素に引っ掛かるものが多分あるだろう。
しかしその点については、作者はかなり注意を払って、読者が抱くであろう嫌悪感を抑えて書かれている気がする。
かなり構想が練られて、精度が高く仕上がっていると思う。

一部に痛い描写もあるが、この話の怖さは何よりもマインドコントロール描写がじわっと来る事だ。
Kが飴と鞭の要領で、Aに少し気を緩める機会と心理的ショックを与えて突き落とすといった中で、次第にAを取り込んでいく有り様が伝わる。

話の結末については七割がた読み進めた時点でうっすらと結末が予想できたかな。
Aの選択は、まさにKの計算通りに進んでいったのだろうなと感じてしまう。

しかし、Kに巣喰っている感情の正体については的確に言い表し辛いものだな。
恐らくは作中に答えは出ているだろうに、それを指摘できない。
ちなみに、レビュータイトルに付けた"〇〇劇"ってのはネタばれ伏せを意図したものではない。
自分では上手い一言を当てはめられなくて困ってしまった末だったりする…

KがAに求めているものは恋人でもスレイブでもないのだろう。
極限状態の果てにAの秘めていた才能が目覚めた訳だが、それがKの喜びになるか癒しになるかも分からない。
この二人の関係って何と言えばいいのか閃いたら、一気にすっきりするのにな…

…と感じる辺り、確かに恋愛要素はない、狂愛とも断言し難い話なのだが、不思議とBLとして?綺麗に着地した終わりかたになっているとは思う。

1

渋茶

ふばばさん、コメントありがとうございます。
…そうですよね。
作中ではKの管理下から切れない縁が出来てしまったのは確かだから、何年か経過した後もつかず離れずの関係は有るのでしょうね。
そういえばレビュー上では先に『堕ちゆく者の記録』から読むのを薦めたけれど、そうすると後の『弟の番人』で登場する謎のメンズブランドについての神秘性が減ってしまうって難点もありますね。
どちらも持ち味の違う話でそれぞれに面白い所はあるけれど、読む順番については悩ましいわ…

ふばば

こんにちは。
「弟の番人」を読んだ後、今でもKとAは一緒に住んでるのか⁈とか考えてしまいました……

ホラー小説か、ミステリー小説のような作品

会社の尊敬していた社長に、突然に拉致、監禁、調教されるというお話しです。

あらすじからはblにはありがちな展開かなと思いましたが、こちらのお話しは甘い展開や萌えられる要素がないです。

身体の調教も少しありますが、どちらかというと食事を抜いたり、お風呂に入れない、排泄を我慢させる、放置するなど、生命の危機を感じさせて、精神的に受けを追い込んでいくのが、主体のお話しなので、攻めが受けに愛情の気持ちがあるのかわからないです。

追い込む攻めが冷静で受けのことを、実験動物のように観察している節があります。

あげくに他の男に襲わせようとしたり。
そうはならなかったけど、攻めが嫉妬とかで止めたのではなくて、受けが追い詰められて壊れたから、相手の男がその気をなくしたという愛のない痛い展開です。

最後、せっかく逃げだせた受けが攻めの檻に戻っていくのが、よくわからなかったです。
攻めの気持ちに絆されたというより、精神的な暴力に人格変えられてしまった感じ。

もう少し攻めが受けに人間的な愛情をみせれば、結末をハッピーエンドに感じたと思いますが、そういった甘い萌えがなく、実験じみてます。

サイコな攻めが受けを実験的に洗脳したような印象に思えてしまいました。

お話しはありきたりなblとは違い、展開が読めなくて一気に読んでしまいました。
bl小説というより、ホラー小説か、ミステリー小説を読んだ印象です。
あと、イラストが繊細で綺麗です。

1

確かに実験作です

非常に恐ろしい物語です。
凝った構成やみなぎる緊張感、息を詰めて読む感覚、呆然とするような終結…
この読み応えは神級ですが、BLの萌えは?と言われたら、いわゆる「萌え」は無い、のです。
美しい社長はサイコで、1人の社員を全く前触れなく拉致し、監禁し、人格を奪ってゆく。
確かに肉体的なレイプ、陵辱はあるけれど、終盤まで被害者は狂った社長を憎み、どうにかして正気を保ち、逃げ出してやる、と考え続ける。
社長は彼を「A」と呼び日記を書くように命令します。
この日記が、「A」となった英司の心境の移り変わりを読者に表すような構成。同時に社長の石井も自らを「K」と称して、何故こんな事をするのか、何故英司なのか、何を求めているのかを書き綴っているのです。
これらが石井が英司に行う非情な行為、また脈略なく示す優しさの描写の合間に交互に入ってくるのですが、これらは正直なところテンポ良くという訳ではないので、元々甘さ皆無のこの恐怖物語の納得できる説明にはなっていないように感じました。
まず石井の心が歪んだ訳がわからない。助かった事がそんなにイヤだったの?生きたくて叫んでいたんじゃなかったの?
また、最後に英司が何故自分から抱かれたのかも唐突に感じてしまいました。
…という私にとっての不明点はありつつも、監禁中に石井のための服飾デザインが頭に溢れ出してくる様子などが非常に印象的。
ラスト、舞い戻ってきた英司を迎える石井がそのデザインを実現した服を着ているのを見るその瞬間が目に見えるよう。
狂気じみた監禁の被害者と加害者が、切り札と騎士になるその瞬間。
どこか不気味で恐ろしい、でもやめられない。そんな作品でした。

7

ゆーちん24

ふばば様
こんにちは。コメント欄にて失礼いたします。
以前お勧めしていただいた小説を、少しずつではありますが読み進めております。
サスペンスの中でもこういったジャンルは一般小説では読むことがなかったため、とても新鮮に感じております。よい出会いとなりました。本当にありがとうございました。
監禁中のデザインの描写は、固定された舞台の中、鮮烈な印象を与えてくれましたね!

愛の芽生える要素はある、のか?

秀香穂里さまの本が読みたくて、購入。
監禁ものばっちこーい!でしたが、しょっぱなからっすか。いきなりっすか。好き過ぎ⇒誰にも渡したくない⇒監禁、じゃないんすかー。
現実味(トイレの回数少な過ぎじゃね?どうやって、部屋改造すれば誰にも知られずに監禁部屋なんて作れるねん?とか)は薄いので、読んでいて「??」って感じでしたが、そこは秀香穂里さま。読ませてくれます。
あんな目にあわされたのに、英司が戻ってきちゃうのは動機として弱い感じはしますが、ラブラブハピエンなんでいいです。
あと、挿絵が素敵だと思います。

2

どの評価も押しにくい

ちるちるさんの評価って、☆によってポイントが変わるわけですが、
それで言うなら、☆4を付けたいくらい私にとっては面白いストーリーでした。
だけど、☆4って萌×2じゃないですかー……
面白くはあっても、萌えは無かった……

しょっぱなから2日半ほど一杯のスープで過ごして、
中頃には一日二回の食事、最後のほうに三日の断食って、Aはガリガリになったんじゃ?
一日二回の食事なのに一日一回の排泄って無理があるんじゃ?
そもそも二人に愛はあるのか?

とか、考え出すときりが無いので、とりあえず萌を押しておきます。
狂ボタンがあればポイントは関係なく間違いなく押してたw

ただし、内容はとても面白かったです。
最後、Kが勝敗を綴った日記がありましたが、私はどちらかというとKの勝ち、
もしくは両者納得ずくの段階で両方勝ちだと思うんですよねぇ。

とにかくAはKによって堕とされてしまった。
実際にこういう事が出来るもんなのか分かりませんが、恐ろしいお話です。

1

暗すぎる、でも惹かれる

この作品はかなり好き嫌いが分かれるお話ですね。         
拉致に監禁、凌辱、そしてさらに精神的に極限まで
追いつめていく物語はかなり痛いです。               
私は甘ちゃんなのでこのような狂気だけが刺さるような
作品はかなり苦手な部類ですが、時間や日にちを
刻々追っていきながらの受け様の変わって行く様子は
興味深いと思いながら読みました。
攻め様の生い立ちゆえの歪んだ愛を認める事が出来るか?
かなり難しい作品だと思いましたね。
それでも、なんといっても二人の相性が良い。
割れ鍋に綴じ蓋はこの怪奇な二人にこそ相応しいかも。

0

ただの監禁陵辱物じゃない

今まで読んだ秀香穂里さん作品の中では今作が一番傑作だと思います。

あらすじだけ言ってしまえば拉致監禁陵辱物なんですがこの作品はそれを越えてもっと深く、人の心理の奥深くまでえぐりとる様に描かれてます。
最初はAこと阿東英司[受]の日記から始まります、日付は9月1日。
この日からデザイナー英司は社長である石田[攻]によって彼の自宅の一室に特別に誂えた大きな檻へと閉じこめられ、名前も奪われただ「A」とのみ呼ばれ監禁される事となるのです。
石田は心理的にも身体的にもありとあらゆる手段をもって英司を追いつめていきます。
そして日記を書けと鉛筆とノートを彼に渡し、その日記が巻頭の文章に繋がるのですな。
Aの日記と平行して、自らをKと称する石田の日記も書かれておりその日記が後になればなる程大きな意味を持ってくる描写は見事。
彼らの会話に加え、彼らの日記が作中で交互に登場し、英司の強靱な精神力が少しずつ歪んで行く様子と、石田が何を求め考えて彼を追いつめていくのかの謎が深まって行き次第にこの作品の凄みに引き込まれて行く思いで読みすすめました。
監禁されている時間がたてばたつ程に己の精神がおかしくなっていき、そしてそんな自分を自覚している英司。
生後一ヶ月半で捨てられていたと語る石田。
読んでいる途中でふと石田はコインロッカーに捨てられたのではないか?と気付きました。
最近ではあまり聞きませんが、70年代にコインロッカーの中に赤ん坊を捨てるという事件が多発して、当時社会問題にもなったこの事件はショッキング性もあってその事件を元にしたマンガや小説が結構あり、そういう意味ではこの作品もその内の一つに加えていいんじゃないでしょうか。
コインロッカーに捨てられた赤ん坊を描いた代表的な作品として初期の村上龍さん作品に「コインロッカー・ベイビーズ」(←BLじゃないですがこれもっそい傑作です)があるのですが、石田もそのコインロッカーベイビーの一人だったのだな、と思いました。
英司を閉じこめていた大きな檻はコインロッカーの象徴であり、まともな感情を持たない石田にとって幸せな家庭で平凡に育った英司はプロトタイプ的存在。

一度は石田の元から脱出した英司は、再度その檻へと足を運びます。
そこにあったのは監禁中に自分が書き続けた日記とデザインのノート数冊と、もう1冊石田の書いた日記が。
英司をAと呼んだ意味、自らをKと称した石田その意味も最後で分かります。
入り交じる感情描写は読みごたえ充分。
ピアッシング等の痛いシーンもありますがエロ陵辱を越えた互いの魂の結びつきが描かれてます。
あとがきでこの構成は実験的で賭けの様とありますが、見事に成功していて、ずっしりと読みごたえのある話を読みたい方にお勧めです。

ホントはタイトルを「BL版コインロッカーベイビー」にしたかったんですがそれだとネタバレになっちゃうので断念しましたー。

9

恋愛はどこいった?

ワクワク、ドキドキする展開はなく、読んでて盛り上がりに欠ける。
監禁ものだけど、ハラハラもなかったな。
読み進めていっても話に変化がないから飽きてくる。
正直つまらんかった・・

2

ラブがない

いやはや、何と言っていいんでしょうか。言葉もないと申しましょうか。あとがきではないけれど、かなり疲れたのはたしかです。正直、グッタリしています、精神的に。
秀さんは作家買いする方だし、高階さんのイラストもあって、勢い込んで買っちゃったけど、これは読み手を選ぶなぁ~と言うのが正直な気持ちですね。甘さはありません!

良くも悪くも、秀さんのお話だなぁ~と言う気がします。いろいろと濃い!
拉致に監禁に合意なくやっちゃう……と、BLではお馴染み(になっちゃぁいかんだろ)の設定ですが、檻やお道具まで出てくるし、果てにはピアッシング(痛い~~~!)。

たしかに、お話としては面白く読ませてもらったけど、気持ち悪さは絶対に残ってるし。
いっそのこと、英司が壊れちゃって、それを石田が面倒見ていって、正気に戻って愛し合うようになっちゃうとか。
人間って、あんなに頑張れるものなの? 私は無理そうだ。絶対に降参してます。
それに、石田の過去が、英司に対してやっちゃったことの免罪符になるとは、絶対に思えない。
英司のデザイナーとしての才能や、人間的な良さとかに心惹かれ惚れちゃったんなら、玉砕覚悟で告白するのが、人間としてあるべき姿なのではないでしょうか。

だから、ラストもびっくりですよ。石田を愛しちゃったからこそのラストなんでしょうけど、英司が読んだ、Kの日記の意味はわからなかった……。
かなり歪んではいたけれど、これも全部石田の愛の形なのかなぁ? 愛するがゆえに閉じこめて、英司を試すようなことをして?
で、その結果どうしたかったんだろう。あのまんま1ヶ月が過ぎて、英司を解放したら、石田はどうなっちゃったんだろう。

実験的なお話という点では、成功してる気はします。疲れはするものの、さすが秀さんだなぁ~と読ませてもらったし。たまにはこんなお話があってもいいかと、思えるものでしたから。
でも、ラブラブな甘いお話が好みだわ~という方には、絶対に無理です。ラブなんか、一欠片も存在しませんから。

2

理解したくない。認めたくない。大嫌いっ。

監禁陵辱モノ。
ある日、突然、自分の会社の社長に拉致監禁され
名前さえも剥奪され、自分のことをAと呼ばされ
社長のことはKと呼ばされ、監禁生活日記を書かされる。

拉致監禁されたAは、自分の命をKに預ける形になる。
Kの自分勝手な価値観に無理矢理につきあわされつづけ
Kが創りあげた監禁という世界において
Kが、すべてを握る神になってしまうわけですよ。
Kが絶対神のような状況にAを堕とす。
最後はAが勝ったというくだりになってますが
もうAは・・・
Kによって何か大事な自我を崩壊されたと思いました。
これは愛ではなくて【暴力】です。

秀さんの筆力は素晴らしく。
とても嫌なお話ですが最後まで一気に読めました。
お話としてのおもしろさは兼ね備えていて
それだけでいえば「神」評価です。
描きたかった人生において【監禁】という意味も
私なりに理解したつもりです。
でも、私はKを哀れだとは思うけど愛しいとは微塵も思わなかったし
大嫌いですっ。
萌えは一切ありませんでしたし、本当に趣味じゃないとしか・・・

もともと恋人同士、親友同士の設定であったり
監禁されるAに落ち度でもあれば、まだ理解できたかも。
高階祐さんの美麗イラストのKにだまされちゃダメですよ?
Kという人物は【犯罪者】というほか何者でもない。
実際に同じような考えの人間が、同じような犯罪を
現実の世界であなたの身近で行われていたら
あなたは許せますか?

架空の物語というくくりだとわかっていても
ノリきれなかったです。

すいません。すいません。

1

萌えそうで萌えない。なぜ?

痛いのは苦手だけど、拉致監禁というのには甘い何かを感じる・・・という私が、この本を手に取るのは至極当然だったのです・・・
いきなり檻に入れられ、調教されていくお話なんてv

しかし。
”嫌よ嫌よも好きのうち”という都合のいい読者(私)の希望どおり、嫌がっていた受君が身体から徐々に攻を受け入れて行き、その先の甘いHは予定調和(萌)・・・とか思っていたら、ちょっと趣が違うのがこちらの作品でした。

アパレルデザインメーカーの若社長石田に、突然拉致監禁されたのは、その会社の社員であるデザイナーの阿東英司でした。何故自分がこんな目にあうのか訳が分からないまま、檻の中で1ヶ月実験的に生活するのだと石田に言い渡される英司。彼の必至な問いもまるで無視の石田に、英司は激しく憎悪を燃やします。
食事や風呂、排泄を支配し、時には身体までも弄ぶ石田が、何を英司に求めているのか、物語が進むにつれ、徐々に読者には分かってきます。最後まで反抗する英司と石田の間に、なにがしかの交流が見え始めたと思ったところで、(残りページの少なさに、あとは大団円かな?と思いきや)石田の隙をついて逃げようとする英司!そして、結末は意外な方向へ・・・いや、意外ではないのか、な?

設定的には萌えネタ満載だったのですが、どうしても私が乗りきれなかった原因として、甘さが足りないというのがあるんじゃないかと思います。
まず、石田側の愛が見えにくい!!ここまで思い切ったことしたなら、監禁中はもっと英司と触れ合うべきではないでしょうかね、BLとしては!で、そうしているウチに、受への歪んだ愛がエロを通して読者に伝わるというね、そういうのを求めてました、私は。
しかし実際読んでいると、この攻は、受よりトラウマの方が大きすぎて自分の世界で完結しているような、そんなナルシスチックな人としか感じられないのです。
調教も中途半端だよぅ!
受君は、頑張ってたけど、最後が・・・。あ、結局そうなるの?みたいな。

あとは、冒頭意味ありげだった諸々が、あんまり効果を発揮していなかったのが惜しかったです。
例えば、日記をイニシャルで書かせることとか、檻の中に持ち込めるものとか音楽とか。物語性で攻めるならソコが、BL的な萌えを攻めるには官能部分が不完全燃焼だなーという印象を受けました。

1

物語構成上の試みが生かし切れていない

監禁・陵辱系の物語はあまり好んで読まないのだが、物語の構成が面白いらしいとのことで今回この作家の本を初読みしてみた。

監禁する側「K」の思惑は決して理解しやすいものではないのだが、監禁される側「A」単独の視点ではなく「K」の視点からも物語が展開するため、残酷な内容の割には非常に読みやすい。
しかし、この「読みやすさ」「わかりやすさ」が裏付けるように、作者がこの作品で挑戦したという構成上の試みは、残念ながら私にはあまり成功しているとは思えなかった。

物語は「A」と「K」の視点で語られるほか、彼ら各々の書いた日記で構成されている。
この日記部分がミソのはずなのだが、それぞれ別の個人が書いているようには思えない、つまりすべて作者である秀氏の地の書体そのままにしか読めないのである。
句読点の入れ方、漢字と仮名のバランス、改行の仕方などで個人の癖を表現したり、地の文とはフォントを変えるなどの工夫の仕様があったのではないか。
また特に「K」の日記に顕著だが、本来は地の文で描かれるべき種明かし的な内容が時に含まれており、日記を盗み見ているという感覚が削がれるのが惜しい。

「わかりやすさ」が文学作品とエンタテインメント作品との違いなのかもしれないが、本作においてはもっともっと不親切な方が、物語の不気味さが際だったのではないかと思う。

1

設定だけじゃ萌えないの

とうとう読んでしまいました。
ここ一週間ほど、本屋で手にとっては戻し、取っては戻ししていたのですが、
思い切って買いました。

なぜそんなに迷っていたかと申しますと、
タイトルでもわかる通り、男を一人監禁し、陵辱して、M道に堕とす内容なんですね。
しかも毎日記録をつけることを強要するんです。

羊はM属性なんで喜んで読むのがホントなのかもしれないですが、
逆にバッチリ対象者だからこそ躊躇するんです(>_<)
だって読んだ内容が現実を遥かに上回る甘美さだったら、明日以降の社会生活にかなり支障をきたしますもの!

と、そのくらいの覚悟をもって読んだこの作品、

結論から申しますと、

萌えなかったの(ToT)
なんでだかわからないの(ToT)

ご主人さまがまるで台本があるかのように着々と痛めつけプランを実行するので、
冷めてしまったのか・・・・

時々ご主人さま視点が入るのが下僕トリップに歯止めをかけたのか・・・・


絶食、陵辱、ピアッシングなどなど色んな意味で尊厳を傷つけられるけれど、
それは全部被害者の立場でいればいいんだし、人間なら誰でも屈辱的で辛い行為なので、

個人の弱さや欠点やコンプレックスをぐりぐりえぐられる感じが薄いみたいで‥
(や、十分ヒドいんだけど)


激しい寸止め感!!
痛い設定なのに「ふ~ん」と読んでしまった。残念です。

1

愛の形はそれぞれなのです

いわゆる王道からは全くかけ離れた、どう転ぶかわからない展開のものだったので、「もうこんだけしか残りPないのにどう収めんの~~??」みたいな不安を抱えつつ、最後までハラハラドキドキで読みました。
私的NGワード、拉致、監禁、凌辱が入っていつつ、最後まで読めたのは、多分秀さんの異常性愛モノは大丈夫という信用があったせいでしょうね。
この方の書かれるちょっと変態入った世界は個人的には好みなのです。

あるアパレル会社でリーズナブルなラインのデザイナーとして活躍している栄司は、飲み会明けの朝に目を覚ますと、檻の中に閉じ込められています。
しかもその閉じ込めた相手は尊敬する会社の次期社長候補の石田。
どうして閉じ込められたのか、何が目的なのか全く分からない状況で、脅え苦しみながらも正気を保って檻を抜け出すことを諦めない英司とそれを凌辱し続ける石田のお話です。

やっぱり痛いですね、色々と。身体的に痛い事はそんなにないんですけどね。
理不尽な狂気の中にいても自己を保ち続け、生き抜くためにしなやかに変化し続ける英司がとにかくすごい。
個人的にこういう英司みたいに「普通の家庭で普通に愛され普通に過ごしてきた人」のものすごい強さみたいなのをよく知ってるので、余計に何だかリアルです。
一方石田の狂気にも何だか覚えがあるような気がする。
そういう闇を抱えていながら引きこもってしまうわけではなく逆に相手に牙を剥くほどの強さを持っているから今までやってこれたんでしょうね。

二人の監禁生活は悲惨だったり穏やかだったり、何だか毎回「ここ」に留まることがありません。それは石田が故意にやっていることなんですが、気づかない英司もそのうちにその小さい変化に何とか順応してしたたかにやっていきます。
そうした英司の変化は石田にとっては予想以上の事だったようです。
その変化はいいことなのか悪いことなのか・・・というそういう物差しでは測りきれなくて、だけど最終的にお互いはお互いを必要として収まります。
その結末もやはり見る人によって「良かった」と「とんでもない!」に分かれるんじゃないかな?という感じでしたね。

何というか非常に最後までドキドキして読めたんですけど、理解できたかどうかは微妙…。
表題通りに、そうなった二人の記録を読ませてもらったという感覚でしょうか?
だからか、感情移入してこっちまでキュンとくるようなお話ではないです。
そういうわけで、お話としては面白かったんですけど中立って事で。
そうそう、最後まで石田がゲイなのかどうかについてが分からなかったのが微妙にモヤっとした感じでしたね。
性別とかを越えてただ英司を選んだ…って事なんでしょうかね?

0

きれいすぎるので減点1

痛くはないけど、じわじわ怖い監禁物。
一気にサクッと読めちゃって、結末もこれしかないだろうって納得は出来る。
納得は出来るけど、好悪は別問題なわけで
私的には、身体的より精神的ダメージの方がダメっぽい
この表紙と、この内容、
とっても合っている、
美くしすぎる所が特に
きれいなままに監禁って、普通にいたぶったり、スカトロったりするよりよっぽど怖いよ。

2

ラストまで一気に読んでしまった。

拉致、監禁、陵辱、調教…
とても正気の沙汰とは思えない単語ばかりが並ぶ話なのですが、読み始めたら止まらなくて一気に読みきってしまいました。

私は普段新しい本を手にすると、まず挿絵を確かめて、ストーリーを飛ばし読みして、作者様のあとがきを読んで、と行きつ戻りつしながら読み進めるのですが、この話だけはよけいな先入観を与えずに読みたかったので飛ばし読みをせずに読み進めました。

檻の中に閉じ込められて、自由を奪われただけでなく、生も死も一人の男の手に握られて、あらゆる屈辱を与えられた人間がどうなるのか…。
色々な想像が頭をよぎるけれど、どれも嵌っているようで嵌っていない。

普通の人間ならば1週間も過ぎたところでかなり精神的な崩壊が起きてきそうだが、英司はなかなか石田に屈しない。しかし、それでも、物語が進むに連れて、壊れていないようでいて、確実にゆっくりと壊されていくさまを目の当たりにするになる。

ラストに近づくに連れて英司が何を選ぶのかうすうすわかってくるのだけれど、それでも気を抜く事は出来なかった。

なんだろうこの興奮、この高揚感。変えられてしまったのはもしかすると読み手自身なのかもしれませんね。

3

こころの闇と向き合う

拉致監禁陵辱ものです。

アパレルメーカーのデザイナー阿東英司(A)はある日突然社長の石田敬一(K)に拉致され、頑丈な檻の中に監禁されます。
1ヶ月限定と言われるものの、全く原因もわからずに戸惑う英司。
何不自由なく育ち外見も申し分なく、社長業もパワフルにこなしている石田は、出生に秘密がありそのトラウマを抱え心に深い穴を持っていて、自己肯定感の確立のため「成人男子を拘束して、思うまま再教育を施したい」と思います。
そして、ごく普通の家庭で育ち、仕事に夢を抱き勤勉に働いてきて、才能の限界を感じたときは諦めて現状で頑張ることもできるし、社長の期待も大きいデザイナーだったし、性格も決して悪くない英司に白羽の矢を立て、衣食住のみならず排泄・セックスに至るまで支配され、生活全てを石田無しでは生きていけない状態に少しずつ追い込んでいきます。

それでも英司は気丈に正気を保ち折あらば脱走・復讐する為に、石田の傍若無人なやり方に反発してみたり従ってみたり、あれこれと計算していくことを覚えます。
しかし何日も経つうちに、石田を憎む心を持ちつつも、彼の持つ深い穴に惹かれていき、狂気に堕ちそうになる自分を保つ為に、毎日書くことを義務付けられている日記帳にデザイン画を描くようになります・・・・・

最終日に近いある日、偶然が重なり英司は脱走するのですが・・・
ここまでは英司が気丈に正気を保ち続けていたように思えますが、十月一日のKの日記が全てを物語っています。それまで狂人としか思えなかった石田が人間に近づき、全うな人間だと思っていた英司が少しだけ壊れることにより、支えあう二人の関係が出来上がったのです。

状況としては狂っているとしか言えないお話ですが、先日読んだ同人誌「狂人推奨」に比べれば、余程愛のあるお話だったかなと思います。読後感は悪くありませんでした。
カバーの石田の睥睨しながらも闇を宿す表情と、英司の挑むような目線がストーリーを訴えています。高階氏のイラストも秀逸です。

4

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