ふばばさんのレビュー一覧

獅子戸さんのモフな秘密 小説

鳩村衣杏  水名瀬雅良 

二人だけの秘密

いわゆる「誠覧社シリーズ」の1編。
主人公は、誠覧社が業界初で出店した、自社本のみを扱い全社員が交代で書店員を務める「誠覧堂書店」の書店部員・向後一音(こうごかずね)。
ある日、書店を訪れたお客さんで笑顔が魅力的な男性に猫が何匹も付いて歩くのを目撃し……。
それから何度か書店に来てくれるその男性・獅子戸は近くのバーのバーテンダー。少しづつ親しくなる獅子戸と一音ですが、獅子戸と猫の関係が気にな…

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官能小説家のオモチャ コミック

宇田マキ 

Mゴコロ、開花。

3作品収録です。

「官能小説家のオモチャ」
偏屈で俺様な官能小説家・村木の担当になった新人編集者の那岐。
村木の顔も知らずに屋敷までやってきた那岐に当然不機嫌の村木。ヤル気なくしたと怒ってる。
泣きの那岐にコーヒー淹れろ洗濯掃除しろと命令、挙句にズラリと並んだコスプレ服を着ろ、と。
雄ッパイ丸出しのメイドコス、コルセット+Tバックバニーコスをさせていじりまくる……
イヤイヤする割に…

1

青色蜘蛛 小説

吉田珠姫  金ひかる 

尻嬲り

「眼帯キャラ」の紹介という事でトピで教えていただいた作品です。
内容は3部構成。

「青色蜘蛛」blue spider
昭和初期、モダニズム系雑誌の「新青年」ぽい世界観。江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作などの雰囲気!そして1作目の「青色蜘蛛」のテーマは「衛生博覧会」です。
…と言われてもわからない人の方が多いと思うな。私でさえ伝聞でしか知りませんが、人体の模型、内臓、病変の患部というマジメ…

2

妖しの剣 小説

剛しいら  槇えびし 

「紅」誕生譚

「古都の紅」の、血を好む妖刀「紅(くれない)」の誕生の物語。
あの呪われた刀がどうやって創り出されたのか、大変美しく凄惨な表紙に惹かれます。
ですが、内容は想像以上に硬質で、エロでもグロでもなく、数奇な運命を持って生まれた一人の美少年の一生の話となっています。
時は戦国時代の始まりの頃。
領主八薙(はちなぎ)に次男が誕生したが、名付けに呼ばれた陰陽博士に『色難と殺の気…魔に魅入られる』、親…

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古都の紫陽花 小説

剛しいら  石原理 

守り刀に興味がわきました

「古都の紅」の続編。
続編のこちらは、前作の耽美性は薄れ、より現実の人間の狂気が起こす犯罪、という色合いが濃いように思えます。
そしてそこに幽霊が見える京介の特殊能力が加わって、という感じです。
また、京介と博雪の関係もますます深まっています。エロシーンはしっとりと、信頼は深く、冗談を言って笑い合うような明るさも。
ただ、今回の連続殺人事件の真相、動機などは幽霊と絡めすぎて?ちょっと整合性…

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古都の紅 小説

剛しいら  石原理 

刀剣奇譚

夏の終わりにはやっぱりオカルト!と手に取りました。
テーマは「血を吸う妖刀」!
主人公は身長187センチで剣道は全国レベルの、男から見たいい男、鎌倉南署の刑事・大門京介。
彼は霊感があり、人には見えないモノが視えたりする。
ある日、ヤクザの組長が斬り殺され、二振りで一組の日本刀のうち一振りが盗まれるという事件が起きます。
捜査の過程で刀工の当麻博雪という男に出会い、刀達の因縁の世界に巻き…

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苦いのテーマ コミック

阿部あかね 

歪んでも破れても

阿部あかねさんの作品て、「浮気」が結構出てきますよね。
女性にふらついてオッパイに負けたり、浮気じゃなくても過去はヤり放題ビッチ設定だったり。
で、本作はガッツリ安定のゲイCPに忍び込むガチな♂x♂浮気のおはなし。
これは罪が深いよ…と読み始める。
帯に『幸せ。だけど、ホントは飢えてる』。
なら、夏樹と新の間は一見ラブラブだけどなんとなく不満、不安定さがあるのかな、と思いながら読むんだけ…

6

千の花 コミック

依田沙江美 

勇気x昇シリーズ その2

3冊ものの2巻目。

この一冊はも〜う濃い!
6つの短編が連なっていて、それらを読むと日比谷勇気と土谷昇それぞれの心象風景やら、積み上げてきたキャリアやら、倦怠期と思いきやの嫉妬祭りやら、そんなものが波のように寄せては返すのですね。
無垢めいたやりとりでセクハラをかわす昇。
隣人に修復を頼まれた絵にまつわって、1人の女性の心の中を覗き込むような感傷。
隠れて見合いした勇気、実家のネコが…

0

指先の恋 コミック

直野儚羅 

掘り出し物でした

粗筋で面白そうと購入しました。2001年の作品です。
「特殊能力」ものです。
主人公は、極度の「接触恐怖症」で「対人恐怖症」の探偵さん・舞鶴元彌(32)。
その実態は、人に触れるだけで相手の思考が読める「リーディング能力者」。その上人間だけでなく、物に残された思念や情報も読めるサイコメトラーでもあります。
舞鶴の能力は一応秘密。しかし中学からの友達で刑事の山下は、「仕事」と称して能力を使っ…

2

夏の子供 小説

榎田尤利  茶屋町勝呂 

この本に出会えた幸運

「夏の塩」に続き一気に読みました。
この「夏の子供」には8の話が収められています。
「夏の塩」同様、いやより多く周囲の人たちの姿が描かれる。
マリとあの女装少年・馨のエピソード、マリの過去、響子のエピソード、魚住が祖父母にきちんと愛されている事、魚住に恋する男と久留米とるみ子とバーのバーテンとの不思議な縁、魚住を犯した男…
そんな色とりどりの物語たちと並行して、または溶け込んで、久留米と魚…

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